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忘れられない患者さまとの出会い

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Academic year: 2021

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忘れられない患者さまとの出会い

著者

阿部 なつみ

雑誌名

新潟県立看護短期大学紀要

10

ページ

59-59

発行年

2005-03

URL

http://hdl.handle.net/10631/537

(2)

59 卒業生・修了生からの寄稿文

忘れられない患者さまとの出会い

看護学科5期生 阿 部 なつみ

「どうして助産婦になりたいと思ったの?」と患者 さんから開かれたことがあります。それは私が看護学 科3年の4月、母性看護学実習を行っていたときでし た。先ほどの質問を投げかけた患者さんは、母性看護 学実習で受け持たせていただいた褥婦さんでした。 ある日、私が訪室すると、彼女は泣いており、どう したのかと尋ねると、あるスタッフに授乳の事で傷つ くことを言われた、と。「言葉って難しいね、患者さん に接するときはその人のことを考えて話をしたはうが いいよ」と彼女は私に言ってくれました。そしてコ ミュニケーションをとっていく間に、私が助産師を目 指しているという話したことを覚えていたようで冒頭 の質問を問いかけてきたようです。 私は、生命の誕生に立ち会える素晴らしい職業であ ること、望まない妊娠による人工妊娠中絶で尊い生命 を絶つという悲しい行為をなくす為に関われる職業で あると思ったこと、全ての女性の味方となり、支えと なりたいと思い助産婦を目指したことを彼女に話しな がら泣いてしまったことを覚えています。すると彼女 は「そういう、一番最初に助産婦になりたいと思った 自分の気持ちを忘れないで。いい助産婦さんになって ね」と言ってくれました。 その青葉は私にとって忘れられないものとなりまし た。1人の患者さんが学生である自分としっかり向き 合って話をしてくれたことをうれしく思いました。 スタッフに厳しいことを言われた彼女、産後はとく にホルモンの関係でブルーになりやすい時期。どんな に心細かったことでしょう。 助産師として、母親となる人のそばに寄り添い、見 守り、励まし、支えになりたい、力になりたい。そう 思いました。その気持ちを改めて思い出させてくれた 褥姉さんに今でも感謝していますし、彼女のことは一 生忘れないと思います。 看護学科を卒業し、その後専攻科助産学専攻へ進 学。現在は助産師として勤務し三年目となりました。 まだまだ日々勉強の毎日ですが、楽しいです。もちろ ん楽しいことばかりではないけれど、やりがいがあ り、充実した日々をすごしています。出産には一人一 人ドラマがあり、経過もそれぞれ違いますが、新しい 生命をこの世界に送り出すという一大イベントに立ち 会い、元気な産声を聞いたときは感動しますし、母児 ともに無事に出産を終えることができた安心感もあり ます。 これからも妊娠期から産褥期の周産期看護を行うう えで、母親となる人、また母親になった人の抱える不 安やストレスなどを理解し、母親がこどもを愛し、自 分に自信を持てるよう、思いやりを持った援助をして いきたいと思います。

参照

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