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順応的個体群管理の数理モデル (生物現象に対するモデリングの数理)

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Academic year: 2021

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順応的個体群管理の数理モデル

松田裕之

横浜国立大学環境情報研究院 HiroyukiMatsuda

Research InstituteofEnvironment

&

Information Sciences, Yokohama NationalUniversity,

79-7

Tokiwadai,

Hodogaya-ku, Yokohama, Kanagawa240-8501,Japan, [email protected]

Shea et al

(1998)の総説をもとに、順応的個体群管理の理論と応用について考察する。 希少種 保全、 野生動物管理、 漁業、 害虫防除、 外来種対策はすべて個体数管理という点で共通してい る。 しかし、 これらの分野の交流の重要性が認識されたのはごく最近のことであり、それぞれ 別の学科で研究されている。 それぞれ、絶滅リスクの最小化、 被害対策、 持続的利用、害虫大 発生回避、在来生態系保全を目的とし、 相互に部分的に応用可能なさまざまな概念と技法が研 究されてきた (Shea らを紹介した松田のサイト http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/1999/shea.htmlも参照)。 情報の不完全性、 環境変動や人間側の対策の不確実性により、最適化理論よりも順応的管理 が有効と考えられる。科学的実証方法についての統計学の論争にかかわらず、意思決定手法と してはベイズ法が有効であり、 その知恵も蓄積しつつある。 ただし、いわゆる生態系アプローチ http://www.cbd int/decisionlcopl?id$=7148$ において推奨 される順応的管理は、 ここでいう順応的個体群管理の枠を超えたものである。 本セッションでは、 これらの分野の数理生物学的共通点と具体的応用面でのさまざまな問題 について考察し、今後の理論的課題と発展の可能性を議論した。 順応的管理が不確実性や環境変動に対して頑健であることは、それらを考慮した個体群モデ ルによって支持される。 しかし、 順応的管理が生態系の複雑性に対して頑健でないことも、種 間相互作用を考慮した群集モデルから示唆される。 野外研究者や現場担当者に明確な個体群管理理念があるならば、それは数理モデルによって 表現できるはずである。数理モデルにより、 その理念を具体的に検討し、 管理に必要なモニタ リング事項などを定めることができる。ただし、モデルは現実に比べてはるかに単純である。 その抽象化が的確ならばモデル化は現実の管理に有効であり、定量的検討ができない場合でも、 定性的な吟味が可能である。 当日はその例としてヒグマ管理計画を紹介した。 ヒグマは個体数 と被害が必ずしも比例しない。 人慣れしたクマと人を避けるクマがいて、前者だけが問題とさ れている。 それならば、それぞれの個体数を考慮した数理モデルが必要になる。同時に、 両者 を区別した個体数の推定も必要になると私は哺乳類学者に提案した。実際にその推定を工夫す るようになり、 ヒグマ管理計画の準備が進んでいる。 数理モデルは、 現実に起きている問題を整理し、 管理に必要な情報が何かを明らかにする。 その考え方や数理的統計的技法は、 野生鳥獣管理、 漁業管理、 害虫防除、 外来種防除、絶滅危 惧種保全などに共通する。 課題論文

Shea

$K$

&

the

NCEAS

Working Group

on

PopulationManagement (1998) Management of

populations

in

conservation, harvesting and control. Trends

in

Ecology and Evolution (TREE)

13:371-375.

Matsuda H., Kaji, K., Uno, H., Hirakawa, H., Saitoh, T. (1999) A management policy for sikadeer based

on

sex-specific hunting. Researches

on

Population Ecology41:139-149.

数理解析研究所講究録

参照

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