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買物効率と購買成果の関連について-これからの店舗施策の方向性を求めて-: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

買物効率と購買成果の関連について−これからの店舗施

策の方向性を求めて−

Author(s)

渡辺, 隆之

Citation

沖縄大学法経学部紀要 = Okinawa University JOURNAL

OF LAW & ECONOMICS(16): 43-67

Issue Date

2011-11-30

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/9608

(2)

沖縄大学法経学部紀要第16号 ∼ 【論文】

買 物 効 率 と 購 買 成 果 の 関 連 に つ い て

−これからの店舗施策の方向‘性を求めて−

ShoppingEfficientandEffectivenessinSupermarket 渡 辺 隆 之 * TakayukiWATANABE 専 門 分 野 : マ ー ケ テ ィ ン グ キ ー ワ ー ド : 消 費 者 行 動 、 店 舗 内 附 買 行 動 目次 研究の背景と意図 研 究 目 標 調 査 ・ 実 験 設 計 動線長と買物効率・購買成果 購買意欲の逓減と「助走期間」の概念とその存在 買物の「目的」の有無・大きさと買物効率・購買成果の関連性 事前及び店内でのメニュー形成と買物効率・購買成果の関連性 店 内 メ ニ ュ ー 決 定 場 所 別 の 買 物 効 率 ・ 購 買 成 果 と 決 定 前 後 の そ れ ら の 違 い の 有 無 入店時に、「消費の脈絡│を想起させる施策の有効性の確認 ま と め

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123456789加

1.研究の背景と意図 日本プロモーショナル・マーケティング協会より研究助成頂いた平成21年度の研究「恥買意欲 向上に関する諸仮説の検証と追究」において、当初予期していなかった下記のような事実を確認 した。 1)店内でメニューを決定した消費者のうち、入店後かなり早い段階(その人の買物動線長の入 店後15%未満)で決定した人は、動線長がかなり長く、立寄り回数も多いが買上回数は少な く、買上商品単価もかなり低く、購入金額も低い。商品単価の低い商品を探索的に購入して いる様子を伺うことが出来る(図表1)。 2 ) 図 表 1 に 示 さ れ た 入 店 後 の メ ニ ュ ー 決 定 の 段 階 に よ る 購 入 状 況 の 違 い を 図 示 す れ ば 、 図 表 2 の よ う に 示 す こ と が 出 来 よ う 。 こ の 図 に お い て 仮 説 と し て 導 入 す る こ と が 極 め て 好 都 合 な の

(3)

買 物 効 率 と 職 買 成 果 の 関 連 に つ い て − こ れ か ら の 店 舗 施 策 の 方 向 性 を 求 め て −

が、パコ・アンダーヒルの「移行ゾーン」である'・図のように、入店当初の情報処理意欲は

低く、徐々にそれが高まっていくことを想定すると図表1を図表2のように示すことが可能 となるのである。なお、「移行ゾーン」というと空間的な広がりをイメージしやすいので、む しろ「助走期間」と呼んだほうが良いであろう。 3)来店前に事前にメニューを決定していた消費者は、メニューを決定していない消費者より も、動線長が長く、立寄り、買上ともに多く、かつ、買物の効率ともいうべき、動線長あた りの立寄回数(立寄効率)と立寄りあたりの買上回数(買上効率)がともに高かった。これは 事前に消費の脈絡を想起していたために、l職買の脈絡に転換し易かったと解釈するのが自然 であろう。まさに「助走期間」を短くしたと考えられる(図表3)。 4)事前にメニューを決め、かつ同時に店内でもメニューを決めた場合はどうであろうか。買物 進行が4分の1を過ぎた段階以降(25%∼)で決定する人が多くなる。より後方で決定してい るのは、事前のメニューに関わる附入探索をそれまで行っているためであろう。しかし、購 入点数・金額とも早い段階で決定した人は多いのだが、25%∼で決定すると逆にそれら成果は 低い。動線長は短く立寄りも少なく、買い回りは積極的ではなくなっている。これを図示す れば、図表4のようになる。 5)以上の結果から、事前にメニューを決めて来てもらい、早い段階で追加的なメニューを決め ることが消費者にとっても効率的(立寄効率、買上効率)であり、かつ、店舗側にとってもよ り大きな附買成果を導き出せることが分かる。この調査では消費に関わる目標形成の有無を メニュー決定の有無のみで捕捉したが、何もメニューに限らずとも、事前の目標形成が「助 走期間」を短くし、より効率的な店舗内での買物を実現する前提となるのではないだろうか。 店舗側が為すべき施策の方向を示すものと言えよう。 6 ) 他 方 で 、 店 内 の み で メ ニ ュ ー を 決 定 し 、 買 物 が か な り 進 行 し て か ら そ れ を 決 め た 人 の 買 物 効 率も購買成果も高かったわけであるが(図表1)、これは、購買を続けるプロセスにおいて、 消費の脈絡を形成して行ったと考えられる。非計画的な買物習慣を持つ消費者が多ければ、 「じっくりと」買物をしていただくことが重要となる。5)の施策を講じたとしても、こうし 令 た1M#買を行う人が必ず存在するであろうから、5)の施策の意味を否定するものではない。い ずれにしても、店内でメニューないし消費の脈絡を追加的に決めることが買物効率、購買成 果の両点から重要である(図表3)。 以上の事実は直接的な本来の研究意図(唯買意欲を向上させる施策の有効性の確認)とは異なっ ていたために収集可能となったサンプル数も極めて少なく、さらなる検証が必要である。また、 以上の他、過去の諸動線調査結果と同様に、動線長と購買成果の相関が明らかとなり、動線プロ セスにおける‘情報取得量の増加が非計画的な購買を促進していた。しかしながら、買物に関する 効率と動線長の相関はなく、店舗は単なる動線長延長とは異なる視点で、店舗施策を見直す必要 があるように思う。今回の研究の背景と意図はそこにある。 − 4 4 − ■ ■ Ⅱ

(4)

沖 縄 大 学 法 経 学 部 紀 要 第 1 6 号 図表1:購買意欲とメニュー決定(店内決定のみ) ’ 情報処理意欲 ヨ ロ

後期 決 定 者 初 期 決 定 者 中期決定者、、決定なし 0 1 5 2 5 % 買 物 達 成 ( 進 行 ) 度 図表2:店内でじっくり目標形成=購買意欲向上 図表3:事前に目標を明確化する意義 情報処理意欲

事前のメニュー決定は

「助走期間」を短くする

メ ニ ュ ー 事 前 決 定 あ り メ ニ ュ ー 決 定 な し 買 物 達 成 ( 進 行 ) 度 0 15 25% 第一メニュー 決定時の買物 進行度︵%︶ 0 ∼ 1 4 15∼24 25∼

サンプル数

9 9 8

購入個数

10.1 1 1 ワ ユ ユ . I 13.9

購入金額

1703.1 3186.1 3606.8

動線長

246.0 186.2 193.5

立寄回数

23.1 16.1 18.3

買上回数

7.7 8.0 10.0

立寄効率

9.4 8.7 9.4

買上効率

3.1 4.3 ハノ“ FヘU 食品購入点数 9.1 9.4 12.5 食品購入金額 1528.2 2536.6 3309.8 食品商品単価 171.6 282.4 230.2 店内メニュー

決定数

2.0 ︵uJ イーェ 1.5 一定 ﹁一 一一 メ決 決 定 な し 事 前 の み

動線長

〆 へ 、 1 − ノ 192 り 1 7 臼 エ I

滞在時間

へ 分 … 13 16 金額︵動︶ 2,249 2.753

立寄回数

13 16

買上回数

RJ 8

立寄効率

6.8 7.5

買上効率

2.7 3.8 サンプル数 12 46

購入点数

8.1 11.2

附入金額

1,945 2,588 サンプル数 26 72

(5)

買 物 効 率 と 購 買 成 果 の 関 連 に つ い て − こ れ か ら の 店 舗 施 策 の 方 向 性 を 求 め て − 図表4:購買意欲とメニュー決定(事前決定かつ店内決定)

あと、

情報処理意欲 C 中期決定者 初期決定者 事前のみ なし 後期決定者 決定 0 1 5 2 5 % 買 物 達 成 ( 進 行 ) 度 図表5:事前十早期の目標明確化=購買意欲向上 2.研究目標 スーパーマーケットが消費者に対して行うべき施策の在り方として、図表6のような仮説を 持っている。これまでスーパーマーケットは動線長を延長し(延長するためのレイアウト施策、 高頻度購入アイテムや特売企画の分散配置による買い回り促進)、消費者への情報負荷量を増加す ることによる非計画脳買の促進を主たる施策としてきた。ところが、売場面積の増大に見合った 動線長の増加および客単価増は実現せず、スーパーマーケットは新たな施策を試行錯誤している。 情報を与えるのではなく、消費者自らが積極的に情報探索するような買物が実現できれば、結果 として買物効率も高くなるであろう。図表6は入店時における購買意思を大きくし、購買意欲を 向上出来れば、助走期間を短くし、動線長さえも短くするような効率的な買物が実現することを 意味している。 仮説として示したような理想的な購買プロセス(高い11f買意欲を持って短い動線で買物を効率 的に行うプロセス)を示す購買者と従来型の脳買プロセス(長い動線長を経て買物を行うプロセ ス)を示す購買者を様々な視点から比較することにより、そのプロセスを形成した背景や要因を抽 出し、仮説の有効性を検討してみる。 − 4 6 − 第一メニュー 決定時の買物 進行度︵%︶ 0 ∼ 1 4 15∼24 25∼ 事 前 の み 決 定

サンプル数

Q Lノ 仰0 18 46

購入個数

14.1 14.5 10.7 11.4

購入金額

2652 2945 2()98 2755

動線長

267.1 305.3 191.9 216.6

立寄回数

28.8 24.3 18.8 16.2

買上回数

10.7 11.5 8.2 8.1

立寄効率

10.8 8.0 9.8 庁 F イ.、

買上効率

4.0 3.8 4.3 3.8 食品購入点数 1 q ’ 八 J ロ ユ 14.0 q R L ノ ロ [ ノ 9.3 食品雌入金額 2510 2824 1903 2119 食品商品単価 186 1q7 一 し リ 198 243 事前メニュー

決定数

1.9 1.2 1.4 店内メニュー

決定数

1.3 1.8 1.2

合計決定

メニュー数

q ワ L J ■ 旦 3.0 2.6

(6)

沖 縄 大 学 法 経 学 部 紀 要 第 1 6 号

qこれからの店舗施策(仮説)

購買意思と購買意欲向上による情報探索

これまでの店舗施策

動線長延長による情報負荷 情報処理意欲 情報処理意欲 従来の購買プロセス 買 物 達 成 ( 進 行 ) 度 0 買 物 達 成 ( 進 行 ) 度 図表6;これからのスーパーマーケットの店舗施策 ロ そのため、下記のようなサブ研究目標を設定した。これらのIll頁次の検証結果を踏まえて、これ からのスーパーマーケットの施策見直しのための示唆を抽出する。 1)まず、これまで動線長の延長を施策の中心としてきたことのレビューを行う。 2)次に、購買意欲の逓減と「助走期間」の概念を明らかにし、その存在の検証を行う。 3)買物の「目的」(事前の計画)の有無、大きさと買物効率、購買成果の関連性を明らかにする。 4)事前にメニューを決定した消費者、店内でメニューを決定した消費者、事前十店内両方でメ ニュー決定した消費者、メニュー決定のない消費者、それぞれの買物効率と購買成果の違い を明らかにする。 5)店内でメニュー決定した消費者の決定場所(買物進行度)と買物効率・購買成果の比較。並び に、決定前後の買物内容・買物効率・購買成果の違いの有無。 6)入店時に(買物開始時点において)買物の目的を想起させる諸施策を立案し、その有効性を確 認する。 3.調査・実験設計 今 回 は 上 記 の よ う な 研 究 目 標 の も と で 、 前 回 の 調 査 ・ 実 験 を 行 っ た 小 売 チ ェ ー ン に 対 し 同 様 の 依頼を行った。前回の店舗は、約2000㎡であったが、今回の研究意図からすれば、より売場面積 の広い店舗での調査が望まれた。すなわち、購買に関する情報処理意欲が逓減するとすれば、動 線長がより長くなるであろう(という意図で店舗設計されている)店舗のほうが逓減状態がより明 示的に把握されうるであろうからである。小売チェーンの協力を得て約3000niの店舗での調査・ 実験が可能となった。 動線調査を行い、その対象者にレジ精算後にアンケート調査を行う前回の方法と同様の方法を 採用した。また、調査期間中に売場実験を合わせて行う、コンパクトな設計とした。 調査上のユニークな点として、今回は、動線調査時に、立寄り、買上に要した時間をストップ ウ ォ ッ チ に よ っ て 計 測 す る こ と を 試 み た 。 効 率 的 な 買 物 は 、 よ り 短 い 動 線 で 、 よ り 短 い 移 動 時 間

(7)

買 物 効 率 と 蛎 買 成 果 の 関 連 に つ い て − こ れ か ら の 店 制 i 施 策 の 方 向 性 を 求 め て − で 、 か つ 、 よ り 短 い 意 思 決 定 時 間 で な さ れ る と 考 え る と 、 動 線 と 同 時 に 時 間 と い う 効 率 尺 度 を 持 ち た か っ た た め で あ る 。 1 ) 調 査 実 験 店 舗 : 関 東 近 郊 の ス ー パ ー マ ー ケ ッ ト K 店 2)調査実験期間:2010年7月31日(土)∼8月2日(月) 3)動線調査サンプル数:375 4 動 線 長 と 買 物 効 率 ・ 購 買 成 果 4−1:動線調査の概要 まず、動線調査の結果報告を見てみよう。K店において取得したサンプルの買上金額、動線長、 滞在時間、立寄回数、買上回数の平均値、中央値、最頻値は図表7のとおりである。平均値で買 上金額は2706(円)、動線長は290.7(m)、滞在時間は16.0(分)、立寄回数は18.8(回)、買上回数

は79(回)であった。購買行動の効率の一指標である、立寄率は7.1(回/100m)、買上率は47(%

であった。 また、調査した項目の相関係数は図表8のとおりである。買上金額は買上回数と相関があり、 動線長は滞在時間、立寄回数と相関がある。滞在時間は立寄回数と相関があり、動線長よりも立

寄回数との相関が強い。2009年に行った前回調査2でも、動線長と立寄回数の相関係数は0.64、滞

在時間と立寄回数では0.76となり、こちらも滞在時間の方が立寄回数との相関が高かった。 効率に関する相関は、全体として、相関関係は低い。相関係数が高いものをまとめると、滞在 時間と100mあたり滞在時間では0.71,10分あたり動線長では−0.60であった。どちらも、滞在時 間を指標に含む効率であるので、当然であろう。 図表7:動線調査サンプルの各種平均値、中央値、最頻値 項 目 平 均 値 中央値 最 頻 値 買 上 金 額 2,680 2,251 2,544 動 線 長 ( m ) 293.3 276.2 189.4 滞在時間(分) 16.5 145 13.0 立 寄 回 数 ( 回 ) 18.8 17.0 11.0 買上回数(回) 7.9 7.0 6.0

立寄率(回/100m)

7.1 5.8 6.3

買上率(買上位寄)

47% 44% 50% − 4 8 −

(8)

沖 細 大 学 法 経 学 部 紀 要 第 1 6 号 図表8:取得データと各種の相関(N=375) 4−2:動線長・滞在時間と購買成果・購買行動の効率 次に、動線長・滞在時間と、購買成果、眺買行動の関係性をみていく。ここでは、動線長と滞 在時間の長短という2つの巾Illで、買物客を4つのグループに分類する。その4つのグループで、 1職買行動、購買成果、購買効率を比較し、動線長と滞在時間のどちらが眺買成果に影響を与えて いるのかを分析していく。 サンプルを買物客の動線長、滞在時間ごとに中央値で2分した。その結果は、以下の図表9の 通りである。均等にサンプルが分散された為、分析に堪えられる4分類となった。 図表9:動線長・滞在時間の4分類とサンプル数 次に、このサンプルごとに、購買行動、脳買成果、購買行動の効率に関する指標を算出した。 その結果が図表10である。 1.購買成果は滞在時間と関係していることが分かる。グループ1,2とグループ3,4を比較 すると、後者の方が購買成果の平均値がおよそ1000∼1500円程度高い。買上単価も各グループの 平均よりも高い。更に、グループlと2,グループ3と4を比較すると、買上金額の差は先程のグ 購買行動 購買成果 購買行動の効率 旨 上 金 額 ( 円 ) 動 線 長(m) 滞 在 時 間 ( 分 ) 立 寄 回 数 ( 回 ) 買 上 回 数 ( 回 )

立 寄 率 ( 回 / 1 0 0 m )

買 上 率 ( % ) 買 上 単 価 ( 円 )

100mあたり買上回数(回/100m)

100mあたり滞在時間(秒/100m) 10分あたり立寄り回数(回/10分)

10分あたり買上回数(回/io分)

10分あたり動線長(m/10分)

1 買 上 あ た り 動 線 長 ( m / 回 )

1買上あたり滞在時間(分/回)

1立寄あたり動線長(m/回)

1立寄あたり滞在時間(分/回) 買 上 金 額 (円) 1.00 一 一 一 一 -0.11 0.08 ().46 -0.()5 0.34 -0.25 -0.21 -0.30 0.03 0.17 0.10 0.18 動 線 長 m 0.32 1.00 一 一 一 -0.10 0.01 0.07 -0.39 0.01 -0.37 -0.36 -0.07 0.25 024 0.26 0.18 滞 在 時 間 (分) 0.46 0.68 1.00 一 一 -0.21 -0.02 0.15 -0.23 0.71 -0.48 -0.49 0.60 0.10 0.40 0.15 0.33 立 寄 回 数 (回) 0.44 0,61 0.75 1.00 一 -0.19 -0.04 0.15 -0.21 0.43 -0.36 -0.37 -0.41 0.09 0.31 0.12 0.25 買 上 回 数 (回) 0.67 0.45 0.51 0.67 1.00 -0.17 0.13 0.30 -0.07 0.30 -0.29 -0.21 -0.31 0.04 0.20 0.16 0.25 滞在時間(分) 短 長 動 線 長 ( m ) 短 148 (グループ1) 39. (グループ3) 長 39 (グループ2) 149 (グループ4)

(9)

買物効率と購買成果の関連について−これからの店舗施策の方向性を求めて− ループ比較と比べて限定的である。このことから、,買物客の購買成果を高める為には、動線長よ りも滞在時間が有効な施策であろうと考えられる。つまり、動線長は短くてもよいが、立寄.検 討に多くの時間を費やしてもらうことが重要だということを意味している。 2.グループ3の買物客は、購買成果もさることながら、買物の効率が特に高い。立寄率、買 上率とも高く、また立寄・買上を短い動線長で行っている。動線をいかに効率的に利用するかが、 購買成果を高めるうえで重要になってくると考えられる。 3.グループ1,2は、時間あたりの立寄回数・買上回数が多い。また、単位時間あたりの動線 長からも、買物の進行が速いと考えられる。急ぎの買い物や目的買いの買い物を行っている人た ちではないかと考えられる。決して購買成果が高いわけではないが、こういった急ぎの買い物は 全体の約半数であることからも、この人たちの需要に応えることも重要であろう。 図表10:動線長・滞在時間と各種指標 4−3:買物客の立寄時間と移動時間に関する分析 今回の調査で取得した移動時間とゴンドラへの立寄時間は図表11に示された通りである。122 サンプルの平均総滞在時間は13.4分であった。これは、今回の調査の総平均である165分より少 −5()− 動 線 長 ( m ) 滞 在 時 間 ( 分 ) 立 寄 回 数 ( 回 ) 買 上 回 数 ( 回 ) −1− −1上

寄 率 ( 回 / 1 0 0 m )

買 上 率 ( % ) 買 上 金 額 ( 円 )

立 寄 率 ( 回 / 1 0 0 m )

買 上 率 ( % ) 買 上 単 価 ( 円 )

100mあたり買上回数(回/100m)

100mあたり滞在時間(秒/100m)

10分あたり立寄回数(回/IO分)

10分あたり買上回数(回no分)

10分あたり動線長(m/10分)

l買上あたり動線長(m/回)

l買上あたり滞在時間(分/回)

l立寄あたり動線長(m/回)

l立寄あたり滞在時間(分/回) サ ン ブ ル 数 グループ1 滞在時間:短 動 線 長 : 短 204.5 9.5 11.7 庁11 F﹃﹄ 8.7 47.2 1,861.0 5.7 47.2 348.0 28 282.3 12.4 6.2 236.5 51.0 Qu o凸 22.6 0.95 148 グループ2 滞在時間:短 動 線 長 : 長 325.1 11.8 16.3 6.8 6.1 44.4 2,215.1 5.1 44.4 328.7 2.1 91qlg 4 q ノ ロ ェ 14.2 6.1 288.4 565 2.0 22.3 0.80 qQ LJLノ グループ3 滞在時間:長 動 線 長 : 短 234.6 18.5 19.9 89 7.6 47.4 3,292.9 8.6 47.4 406.0 3.8 480.8 10.9 4.9 129.8 33.4 2 6 12.8 1.00 39 グ ル ー プ 4 滞在時間:長 動 線 長 : 長 3821 22.9 26.3 10.0 一RU RJ 46.7 3,521.4 7.0 46.7 0 J66.6 2.7 367.8 11.6 4.6 175.9 47.5 2.8 17.3 1.00 149 総 計 293.3 16.5 18.8 7.9 7.1 46.6 2,680 6.5 46.6 QJ 59.4 2.8 330.3 12.1 5.4 206.7 484 ワ 貝 白 . U 19.4 0.96 Q ワ 反 J j J

(10)

沖 細 大 学 法 経 学 部 紀 要 第 1 6 号 なくなっている。これは、時間を取得できたサンプルが、滞在時間、立寄回数の少ないものに偏っ ているからだと考えられる。 この122サンプルの平均の合計移動時間は7.8分であり、平均の合計立寄時間は56分であった。 移動におよそ6割の時間を費やしていることが分かる。 次に、移動時間とゴンドラへの立寄時間に関して、各指標との相関関係をみていく。 移動時間と立寄回数の相関係数は0.52、一方、合計立寄時間と立寄回数の相関係数は0.7とな り、立寄時間の方がより相関が高い。総滞在時間のおよそ6割を移動の時間に費やしているにも 関わらず、4割しかない立寄時間の方が立寄回数をよく説明していることが分かる。 一方、移動時間と立寄時間自体の関係をみていくと、この2つの相関係数は0.53と弱い相関し なく、移動時間の長さを動線の長さと置き換えて捉えられるだろうが、動線長は立寄時間をあま り説明してはいないと考えられる。また、2地点間の平均移動時間、一回あたりの立寄時間の相 関係数に至っては、0.31とほとんど相関が無かった。 2地点間の平均移動時間と立寄回数の相関係数は−045と弱い負の相関関係にあった。平均移 動時間が短い人は、立寄回数が多くなることと若干の関係がみられる。これは、立寄回数の多い 人は、買い回りによって情報を収集し蓄積することの結果、立寄が増えるわけではない。なお、 一回あたりの立寄時間と立寄回数は-0.24とほとんど相関はなく、立寄一回あたりに費やす時間 は、一か所あたりで長く立寄ることと立寄回数に関係は無いと考えられる。 これらのことをまとめると、総立寄時間の多い人は立寄回数も多い。また従来のように、移動 (動線長)の長さと立寄回数の多さは弱い相関関係であった。動線長を基準に説明するより-も、総 立寄時間を基準とした方がより購買行動を説明できる。 また、移動の時間に一人あたりおよそ6割も費やしているにも関わらず、立寄回数と若干の相 関しかない。このことからも、より長く歩いてもらう施策を見直す必要がある事を示しており、 それ以上に立寄時間を増やす施策が必要であると考えられる。 図表11:移動時間とゴンドラ立寄時間の平均 サンプル数 総 滞 在 時 間 (分) 合計移動時間 (分) 合 計 立 寄 時 間 (分) 平均移動'1寺間 (分) 平 均 立 寄 時 間 (分) 122 13.4 7.8 5.6 0.6 0.4 一 一 58.0% 42.0% 一 一 次に、立寄の時間や移動の時間、またそれを合算した総滞在時間の長さが立寄回数に与える影 響をみていく。また、一回に費やしている立寄時間に関しても関係をみていく。 ところで、このデータであるが、一人あたりの買上回数に関しては、1秒で購買を決定してい る場合や、2分以上同じゴンドラに立ち止まっている場合があった。また、一人ひとり立寄り回 数が違う。この制約の中で、傾向性を調べる必要があるので、標準偏差をとって立寄の時間の散 らばり具合を調べることにする。 図表13は、総立寄時間、総移動時間、滞在時間に関して、昇順に四分したグループの各指標を まとめたものである。これを見ると、総立寄時間が長くなると、平均の立寄時間は長くなる傾向 にある。また、購買成果も高い。同時に、滞在時間の長い人は、立寄回数も多い。また、滞在時

(11)

買物効率と購買成果の関連について一これからの店舗施策の方向性を求めて− 間が長い人は、一回の立寄時間のばらつきも大きくなっている。これは、立寄にかける時間は立 寄個所によってバラつきがあり、立寄の短い時と長い時がある。これは、「商品を手にとってすぐ に買っていく」「いくつかの商品を比較検討して買っていく」タイプの2パターンがあり、それに準 ずるものだろう3. 移 動 時 間 と 立 寄 回 数 立 寄 時 間 と 立 寄 回 数 移 動 時 間 と 立 寄 時 間

0 5 0 0 1 0 0 0 1 5 0 0 n s o n 1 0 0 0 1 5 0 0 0 5 0 0 1 0 0 0 1 5 0 0

J

移動時間(秒) 立寄時間(秒) 移動時間(秒) 平均移動時間と立寄回数

蝋:

平均立寄時間と立寄回数 60 50−−F−. r=-0.24 4 0 ◆ ◆ n ハ * ◆ $ 平均移動時間と平均立寄時間 r=.0.31立

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蕊 瀞 :

立寄回数︵回︶ 3() 20 10 0 0 . 0 1 0 0 . 0 2 0 0 , 0 平均移動時間(秒) 0 . 0 5 0 . 0 1 0 0 . 0 1 5 0 . 0 0 . 0 5 0 . 0 1 0 0 . 0 平 均 移 動 時 間 ( 秒 ) 平 均 立 寄 時 間 ( 秒 ) 図表12:移動時間、立寄時間、立寄回数の相関関係 これらのことから、総立寄時間の増加は、平均の立寄時間を増加させていることが分かるが、 一方で、購買者の立寄時間は一定ではなく、立寄時間が長いほど、ばらつきは広がる。これは、 〈 個々人の買物計画や、商品特性によって様々な買い方を行っていること、店舗知識の有無による 脳 買 に か か る 時 間 の 違 い が あ る こ と 、 フ ロ ア の レ イ ア ウ ト に よ る 影 響 が あ る こ と と い っ た 理 由 が 考えられる。立寄に2つのパターンが生じる原因の追及が必要だろう。 ただし、今回の調査の課題として、サンプル数の少なさが挙げられる。動線調査で取得したサ ンプル数のうち、およそ3分の1しか時間が取得できなかった。これは、動線調査員が買物客の 動線と立寄時間・移動時間の両方を観測するという調査手法の難しさにあった。立寄の時間、購 買成果を関連させたデータを大量に取得し、より精度の高い調査につなげることは今後の課題と する。 − 5 2 −

(12)

沖 縄 大 学 法 経 学 部 紀 要 第 1 6 号 図表13:立寄時間、移動時間、滞在時間と立寄に関する指標の関係

間合畑油“四M

諦割㈱23454

立の 立寄時間の 標 準 偏 差 (秒) 12.8 18.7 27.3 34.8 24.1

立 寄 回 数 買 上 率 買 上 金 額 ( 回 ) ( % ) ( 円 ) 第 1 四 分 位 第 2 四 分 位 第 3 四 分 位 第 4 四 分 位 総 計 ・ 平 均

別別帥別一唖

岬迦郡亦一一錘 17.6 20.1 28.2 29.8 24.2 帥皿唾岬一一岬 45.4 487 45.4 52.1 47.9 1,328 1,752 2,155 3,293 2,138 立寄時間 の 割 合 (%) 42.3 39.7 10.0 39.1 40.4 立寄時間の 標準偏差 (秒) 17.9 24.8 22.2 28.7 24.1 平 均 移 動 時 間 27.8 32.7 31.6 40.6 332 平 均 立寄時間 立 寄 回 数 買 上 率 買 上 金 額 ( 回 ) ( % ) ( 円 ) 総 移 動 時 間 サ ン プ ル 数

位位位位均

分分分分平

四四四四.

1234計

第第第第総

帥別別瓢一一唖

郷蝿距郷一坪

“唖蝿郷一岬

“蝿池騨一蝿

1,343 1,951 1,775 3,448 2,138

間合伽幽咽“M

諦割㈱33444

−型の 立寄時間の 標 準 偏 差 (秒) 16.0 23.3 20.0 34.3 24.1

立 寄 回 数 買 上 率 買 上 金 額 ( 回 ) ( % ) ( 円 )

位位位位均

分分分分平

四四四四・

1234計

第第第第総

帥別訓訓一唖

那岬池郷一趣

加細班郷一狸

師皿岬郷一一岬 蜘蝿郷祁一一蝿 1,460 1,430 2,347 3,302 2,138 5.購買意欲の逓減と「助走期間」の概念とその存在 一回の買物における効率のレベルは一定ではなく、買物の進行度によって変化するという仮説 を立証するためには、買物の進行に沿った買物効率の把握が必要となる。今回、動線を50mごと の 区 間 に 区 切 っ て 、 そ の 区 間 ご と の 立 寄 回 数 、 買 上 回 数 を 調 べ 、 動 線 区 間 と 購 買 行 動 の 関 係 を み ていく。 その際、まずは買物客の購買行動の推移を全サンプルで把握する。買物に関する意欲は売場へ の立寄り意欲として把握することが可能だろう。仮説に従えば、動線長が長くなるほど立寄回数 は低下していくものと考えている。 さらに、買物客がどの動線区間で最も購買行動を行っているのかを把握する。その際、サンプ ル間での比較が行えるように買物全体のプロセスに対して、情報取得と情報統合をどの程度完了 しているのかを各動線区間で指標を出し、その割合と購買成果との関係についてみていくことと する。

(13)

買 物 効 率 と 購 買 成 果 の 関 連 に つ い て − こ れ か ら の 店 舗 施 策 の 方 向 性 を 求 め て − まず、動線区間におけるサンプル数は図表14のとおりで ある。100mまでの動線区間では、有効サンプル全てが存在 しているが、その後の区間から、徐々にサンプル数が減少し ている。特に、450m以降のサンプルは26サンプル以下となっ て お り 、 か な り 少 な い 。 動 線 区 間 の 後 半 部 分 で は 、 分 析 に 堪 えるサンプルがない為、今後の課題としたい。 図表15は、動線区間ごとの立寄・検討・買上・買上率の 推移を表したものである。この図から、動線区間ごとの傾向 をみていくと、最初の区間である0-50mの動線において、買 物客の購買行動は最大となり(立寄回数の平均値:4.0回、 検討回数の平均値:2.8回、買上回数の平均値:2.0回)、最 大値や最小値にはばらつきはあるものの、その後は徐々に減 少していくことが分かる。また、1職買意思決定の効率である 買上率に関しても、0-50mの区間で平均値が49,8%となり、 その後徐々に減少している。 図表14:動線区間ごとのサンプル数 1職買に関する情報処理意欲を立寄・検討・買上という購買行動で代替すれば、その内容に背反 するものではないと考えられるだろう。ただし、これは動線区間ごとのデータの分布を表したも のである為、買物客ごとの購買行動の変化を必ずしも正しく反映しているものではないことを念 の為に述べておく。 │、1.0 M、0 皿、8612 検討回数︵回︶ り一ハU86’4ワー0 11 立寄回数︵回︶

0.0

‘鶴繁紳灘、*灘、寮

動線区間(m)

、戦鎌競録蕃、競鎌.

動線区間(m) l()().()% 9().()%

皇灘

率5〔).0% 一一テ雪雲訓1 14.0 ︵U︿UハUO ワ︼0H︸ハ⑪ 11 買上回数

二⋮

‘1().()% 3().0% 2().0% 1().0% 0.0% へ % …

↓ I

へ 回 一 4.0

2.0 白 白 0.0

ふき簿、●きき鶴職、、識

ざ瀦簿戦蕊錯、癖審溌§患,

動線区間(m) 動線区間(m) 図表15:動線区間ごとの購買行動・買上率の推移 − 5 4 − 動 線 区 間 ( m ) 0-50 50-100 100-150 150-200 200-250 250-300 300-350 350-400 400-450 450-500 500-550 550-6()0 600-650 サンプル数(人) Q ワ R U l U 目J ワー QJ 373 361 300 221 151 96 F d l O O 26 15 8 QJ

I

(14)

沖 縄 大 学 法 経 学 部 紀 要 第 1 6 号 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0

割合

I

F訓刃

IIl一一﹄ 、 同 、 、 、、亀 図表16:動線区間と購買プロセスの最大値の割合 図表16は、買物客の購買行動の最大値がどの区間になるかを示している。立寄・検討・買上と もに0-50mで最大値を獲る割人が最も多く、次の50-100mでは、大きく減っている。その後も逓 減を続け、200m以後は最大値をとる人の割合が10%程度となっている。意欲的に購買行動を行う のは、最初の50mである人が大半であろうと考えられる。従って、「助走期間」を明らかにするため には、この附買の前半での買物客の1職買行動をより淵II分化して詳しく調べる必要がある。 また、買上率の最大値をとる人の割合に関しては、どの区間においてもそれほど差はなく一定 の水準で推移している。ただし、唯買行動のピークは買物の前半(特に最初の50mまで)であり、 その後は最大値よりも下回ると考えると、購買の意思決定に対する情報取得量は減少していると 考えるのが妥当だろう。 次に、購買行動の効率に関して、サンプル間での比較を行っていく。先程の図表14で、動線後 半のサンプル数が少なかった為、動線区間ごとの比較は分析に堪えない。その為、今回は代替指 標として、従来の方法を用いて比較を行っていく。

① 動 線 区 間 立 寄 率 = 立 寄 回 数 / サ ン プ ル ご と の 動 線 区 間 数

② 買 上 率 = 買 上 回 数 / 立 寄 回 数

③区間ごとの買上比率=区間ごとの買上回数/サンプルの買上回数

③ に 関 し て は 、 各 サ ン プ ル の 買 物 の 進 行 度 を 計 る 指 標 と し て 用 い る 。 人 に よ っ て 購 買 量 は 異 な っ ている為、今回はその人の買上回数との商を求めて、区間ごとの比較を行えるようにする。 まず、図表17は来店から50mまでの動線区間と、その次の100mまでの動線区間での買上比率 を表したグラフである。最初の50mで約4割(タテ軸)の人が済ませるべき買物の40%(ヨコ軸) を終えていることが分かる。次の区間では、済ませるべき買物の50%(ヨコ軸)を終えた人が6割 匡.立寄(%) ー検討(%) 匡.買上(%) 匡.買上率(%) −立寄(人) −検討(人) −買上(人) −買上率(人) 40.3% 48.3% 49.3% 2 15 1 1 1 1 5 0 272% 309粕 29.9% 26.4% 102 116 11ク 99 26β% 268% ]% ] % 0 0 qG 08 16‘1% 17,7% 1qq既 26.6% 58 64 72 96 133% 13.0% 1“% 24.7% 40 ︽uU nf︼ 40 74 n 句 1 e f 葛J-l1Q 20 22 30 寺11 F坑哩 0% ] % rⅡF■ 二04 ,1a 4.6% 5.3% 8.6% 238% 7 8 13 36 0.0ロロ 1.0% 4 23 % │ % 0 I 0.0% 3.8% 2UYf 1 0.0% 0.0% 2 う上 6 % 0.0% 6.7% 13.3% 13.3% 0 2 2 O‘0% 0.0% 0.01 0.0% 1 1 . 【 9 1 1 0 1 0 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0 0 1 0 0 、 0−50 50−100 10缶150 150-200 2“-250 25缶300 300-350 35酢400 400-450 450-500 50断550 55び6帥 60〔脂650 、 .、

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(15)

買 物 効 率 と 唯 買 成 果 の 関 連 に つ い て − こ れ か ら の 店 舗 施 策 の 方 向 性 を 求 め て − (タテ軸)になっている。大半の人は、最初の100mで、買上比率は半数を上っていることが分か る。100mまでで済ませるべき買物の大半を終えている為、その後も買物を続けるのであれば、そ の後の買い回りは効率を伴わない可能性があると推測できる。 最初の50mでの買物進行度 100mまでの買物進行度 0︵UO︵UO︹UO︵U︵U︵U q︾︵ご﹃/一b一つ4.︽ゴ21 サンプルの割合︵%︶ ︹UnU︵UハU︵U︵U︹U︹UハU︿U 9︻ご﹃ノ6F.4.﹃。︹型1 サンプルの割合︵%︶

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買物進行度(%)

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買物進行度(%) 図表17:最初の100mまでの買物(買上)の進行度 さ ら に 、 こ の 買 い 回 り に 関 し て 、 あ る 地 点 ま で の 立 寄 回 数 を 購 買 プ ロ セ ス 全 体 の 立 寄 回 数 で 割ったものを立寄比率として求めた。図表18は100mまでの立寄比率の高低と、サンプルごとの 購買行動、購買成果の平均値をまとめたものである。 買上金額は立寄比率が20-40%の人が最も高く、立寄比率が高くなるに従って低くなっていく。 動線長や淵;在時間も当然ながら短くなっている。一般的に買物に目的があるとされているが、 100m程の買い回りで目的を達成する為に必要な情報取得をほぼ終えているとすれば、その後の'情 報取得はそれほど行わずに、清算に向かうと考えるのが妥当だろう。 ただし、100mまでの立寄比率が0-20%のサンプルの買上金額は21-40%の人と比べても低く(1% 水準で有意)、動線長が長くなっている。なぜこのように情報取得が少ないかは今回の調査では分 か ら な か っ た が 、 立 寄 比 率 が 買 物 の 前 半 で か な り 低 い 買 物 客 は 、 長 い 距 離 を 歩 き な が ら も 、 そ の 距離に見合った購買成果に繋がらないことが分かった。効率という視点で見れば、こういった買 物客は買物プロセス全体を通じて効率が悪いと考えてよいだろう。「助走期間」の長い、こういった 滑走路に乗り切れていない買物客は立寄比率の低い買物客と考えられそうだ。 図表18:100mまでの立寄比率と各種指標 100mまで

の立寄比率サンル数買綜額

立 寄 回 数 (回) 買 上 率 滞 在 時 間 ( % ) ( 分 ) 買 上 回 数 (回) 動 線 長 (m) 0-20 21-40 41-60 61-80 81-100

7︲8299

23351

11

2,312 3,216 2,56() 2,316 1,795 ︿ⅢU︵xUFhUnU﹃lL 、乙nクム局ノー皿刈孟ハuJ n乙︵リムイーュ14 ワーハリ︺局ノI戸、︶.川牡 EuハⅢU︵uJ、﹃U“川祉

9488434445

屍jlg4強nベU戸h︺14 、ペUQJワムワム−4 ”ノー︲川弐戸09ムー〃玉 nコQUnベリn”ム戸h︶ 局jj︵uJり白ワム04 18.2 19.7 14.4 12.5 8.3 − 5 6 −

I

一画エ

(16)

沖 縄 大 学 法 経 学 部 紀 要 第 1 6 号 次 に 、 ① と ② の 指 標 を 用 い て 買 物 客 を 比 較 す る 。 こ の 2 つ の 指 標 で 中 央 値 を と り 、 4 分 類 し た 結果が図表19の通りである。 まず、グループ1とグループ4を比較すると、その差は歴然である。買上金額は3000円ほど差 がある。立寄回数、買上回数もグループ4の方が多い(全て1%水準で有意)。また、興味深いこ とに滞在時間はグループ4の方が長いが(5%水準)、動線長は有意な差がない。効率に関しては、 当然のことながら、いずれの指標も1%水準で有意であり、グループ4の方が効率は良い。ただ し、10分あたり動線長はグループ4の方が短く、100mあたり滞在時間も同様にして長い。顧客の買 物の密度は濃いのに対して、移動速度が遅いことは興味深い。 次に、グループ2と3であるが、買上金額はグループ3の方が高い。また、立寄回数もさるこ とながら、買上回数も高い。‘高い買上率だけでは、購買成果に結びつかないと考えられるだろう。 これは、過去の諸研究の報告と│司様である。1立寄りあたりの動線長、滞在時間はグループ3の 方が短く、l買上あたりの滞在時間はグループ2の方が短いが(いずれも1%水準で有意)、l立 寄あたりの動線長は有意な差はない。これは予測の範囲であるが、買上に対してかける時間が短 い人は、目的買いの人や急ぎの買い物の人が多く、そのため購買成果が低いのかもしれない。移 動のスピードはグループ2が4分類の中で最も高いことからも、その可能性はあるだろう。

全体の傾向性として、グループ1,2とグループ3,4では、購買成果が高いのはグループ3,4

の方である。立寄の効率の高さが買上金額に影響を与えていると考えられる。ただし、グループ 3と4を比較すると、グループ4の方が買上金額は高い。立寄の効率だけでなく、買上の効率も 高める事が、重要だろうと考えられる。また、滞在時間、動線長はグループ3の方が長い。ただ 滞在時間や動線長が長いだけでは客単価の増大には結びついていないことがここからも読み取れる。 そして以上のことは、とりもなおさず、図表6で仮説として提示した理想的な店舗内聯買プロ セスを示唆していると言える。早い段階で購買意欲を持って買い回り、効率的な情報処理を実現 することが、購買者として求められると同時に、店舗にとっても高い購買成果を残してくれると 言えよう。 図表19:区間立寄率・買上率の4分類と各種指標 1 1土nU刈哉nU4弦ワjnU︿U−hUnUワー、000頁JOJn乙QU

プ配“叫皿44拠出L“皿3弧“a塑叩

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一商一尚、420331

プ皿応皿叫皿ワル酌“4”皿︹L“羽Ln叩 4︵UFO7138︹b6646582555 全 体 勤 線 区 間 立 寄 率 買 上 率 サ ン プ ル 数 買 上 金 細 動 線 長 ( 、 ) 滞 在 時 | 冊 ( 分 ) 立 寄 回 数 ( 回 ) 買 上 回 数 ( 回 ) 立 寄 率 ( 回 / 1 0 0 m ) 買 上 率 ( % ) 買 上 単 価 ( 円 ) 1 0 0 m あ た り 買 上 回 数 ( 回 / 1 0 0 m ) 1 0 0 m あ た り 滞 在 時 間 ( 秒 / 1 0 0 m ) 1 0 分 あ た り 立 寄 回 数 ( 回 7 1 0 分 ) 1 0 分 あ た り 買 上 回 数 ( 回 7 1 0 分 ) 1 0 分 あ た り 動 線 長 ( m / 1 0 分 ) 1 買 上 あ た り 動 線 長 ( m / 回 ) 1 買 上 あ た り 滞 在 時 間 ( 分 / 回 ) 1 立 寄 あ た り 動 線 長 ( m / 回 ) 1 立 寄 あ た り 滞 在 時 間 ( 分 / 回 ) 67八U89564毎831壬4︻14546 O06aZ6“卵2弛皿5帖蝿2皿叩

だ”明110332

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(17)

買 物 効 率 と 1 職 買 成 果 の 関 連 に つ い て − こ れ か ら の 店 舗 施 策 の 方 向 性 を 求 め て − 6.買物の「目的」の有無。大きさと買物効率・購買成果の関連性 高い購買意欲を持って買物をして頂くために最も重要なことは、買物目的をより大きく持って 頂くことであろうことは十分に想像できることである。ここでは買物の目的と買物効率、購買成 果 に 関 し て 調 べ て い く 。 アンケート調査で取得した158サンプルに対し、買物の目的に関する質問を行っている。その

内訳は図表2Oのようになる。食材を目当てに来店した人は全体の861%(136/158人)で、そのう

ち食事を意識している人は897%(122/136人)であった。大半の人が食事に関する問題解決を意識

して買物を行っていることがわかる。補う食卓数が1食の人は576%(91/122人)で、およそ6割 の人が特定の食卓に必要な食材を調達するために買物をしに来ているとわかる。 次 に 、 購 買 成 果 ・ 購 買 行 動 と の 関 係 を 見 て い き た い 。 こ の ま ま で は 分 析 が 行 え な い た め 、 何 ら かの基準を持って、買物客を比較する必要がある。ここでは、目的の大きさを基準に比較を行う ことにする。目的の大きさは、買物客が想定している「この買物で補う食卓数」と「食品以外の購 買目的」の合計を「目的の大きさ」とした。これによって、想定されている買物の目的から、買物 の計画を傍証的に求めようと考えている。そのため、他の目的のついで買いに買物しに来た人や、 その他の項目に関しては買物目的がないものとし、買物目的の大きさを0とした(図表21)。 図表20:買物目的の内訳(N=158) 図表21:買物目的の大きさの内訳(N=158) 図表22は、買物目的の大きさと!MII買成果の関係である。サンプルが少ないため、刈り込み平均 を用いて比較することとした。 この表から、目的の大きさが大きい人ほど、1購買個数が多くなっていることがわかる。また、 − 5 8 − 買 物 目 的 1食 2食 3食 4 食 以 上 目的買い 在 庫 の 補 充 つ い で デザート そ の 他 内 容 昼 食 の 材 料 、 本 日 の 夕 食 等 今 日 ・ 明 日 の 夕 食 等 本 日 の 夕 食 ・ 明 日 の 朝 食 ・ 夕 食 等 1 週 間 分 の 食 事 、 2 ∼ 3 日 分 の 食 事 等 パ ン 、 枝 豆 、 納 豆 等 お 弁 当 用 の 冷 凍 食 品 を セ ー ル で 買 い に 来 た 等 何 と な く 、 家 電 製 品 の 購 入 の つ い で に 等 団 子 を 買 い に 来 た 、 デ ザ ー ト の 買 物 等 お 客 様 が 来 る か ら 、 お 客 様 用 の 食 事 等 サ ン プ ル 数 91 12 5 14 8 14 9 Oム 16 買物目的の大きさ 0 1 2 3 4 内 容 つ い で 買 い 、 そ の 他 1 食 、 目 的 買 い 2 食 、 一 食 と デ ザ ー ト 等 3 食 、 2 食 と 目 的 買 い 等 4食以上 サ ン プ ル 数 1() 108 20 6 14

(18)

沖 縄 大 学 法 経 学 部 紀 要 第 1 6 号 購買金額も若干の上下はあるが、比較的多くなっている。目的4の人に関しては、目的3の人と 比較して購買個数、購買金額が低い。買物の内訳を見ていくと、合計の購買アイテム数に対して、 目的3の人は主にブランド計画・カテゴリー計画購買アイテム数が多いのに対して、目的4の人 は非計画購買アイテム数が多い。購買の計画度合いに違いがあると考えられる。また、商品単価 に関しても目的4は目的3より低いだけでなく、全体の平均商品単価から見てもかなり低いこと がわかる。非計画購買が多いことによって、単価の安い商品を多く購買していると考えられる。 次に、買物の目的と、動線調査から得られた、購買行動に関する関連を見ていく。 図表23-1の動線長と滞在時間に関して見ると、目的が大きい人は、動線長。滞在時間ともに 長くなっていることがわかる。特に、滞在時間は目的0の人と比較しておよそ10∼15分も長く なっている。また、図表16−2の立寄回数、買上回数を見ていくと、目的の大きい人は、立寄回 数が多くなっている。しかし買上回数はあまり増大していない。立寄りによる情報取得を多く行っ ているが、それが買い上げに結びついていないと考えられる。 また、目的3と4を比較すると、滞在時間、買上回数にはほとんど差がない。先の購買成果と の関係を考えると、目的4の人は長い動線長、長時間の滞在、そして多くの立寄といった情報取 得の多さに対して、必ずしも購買成果に結びついていないと考えられる。これは予測の範囲であ るが、目的4の人は特売の商品を探すことによって、多くの立寄を行い、結果的に滞在時間・動 線長が長くなっている。しかし、価格の安い商品を中心に購買しているため、結果的に商品単価 が低く、全体の購買金額につながっていないと考えられる。これは、Huiら(2008)の研究で予測

されていた、"PriceShopper"であろうと考えられる4.

図表22:買物目的の大きさと購買成果 ブランド計画 購買アイテム数 0.0 0.8 1.2 2.8 1.3 02) カテゴリー計画 順アイテム数 0.3 2.7 3.0 9.5 3.3 2.7 非計画購買 アイテム数 f-i.n 6.7 7.3 7.5 11.3 7.1 旨く料郊noイー4孟只︺Q︺房I

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0 1 0 1 1 0 8 2 2 0 3 6 4 1 4 総 計 ・ 平 均 1 5 8 商 品 単 価 150.1 211.6 192.0 221.9 179.9 202.0 料弧ハb訂1ワ得nUqU14 占mnbn乙qUイーRuqU J 1︲坐1−4n/臼剣14﹁lL 函貝 怖 肺Ⅱuハ

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頬鵬RUFOQJFOハUo凸 剣l坐n〃自、/“F恥U、ペUn″ム 脳 ※ 買 上 個 数 を 基 準 に 刈 り 込 み 平 均 ︹UO︹U︹U︹UO︹U0 5︹U芦.050に︾0 ﹃。勺。句染、典勺4幻且 回数︵回︶ 400.0 350.0 300.0 250.0 200.0 150.0 100.0 50.0 0.0 25.0 〆 滞在時間︵分︶

00O

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﹁●坐1111ご﹄

一 廷

動線長︵、︶ 一 一 一 一 一 三 一 一 一 一 0.0 0 1 2 3 4 目的の大きさ − 立 寄 回 数 ( 回 ) 一 買 上 回 数 ( 回 ) 0 1 2 3 目 的 の 大 き さ 一 動 線 長 4 − 滞 在 時 間 図表23−1:目的の大きさと動線長・滞在時間図表23−2:目的の大きさと立寄・買上回数 一 一

(19)

買 物 効 率 と 購 買 成 果 の 関 連 に つ い て − こ れ か ら の 店 舗 施 策 の 方 向 性 を 求 め て − 00000 98765 回数 八U︹UnU︵UnU︹Un︺nUnU FD・4句竺nU、。〆。4斗勺竺Ru 弓上イュ4土﹃土 回数︵回︶ / ア ー ン 一 立 寄 率 (回/100m) -10分あたり 寸寄同数 (回/10分) −10分あたり 買卜同数 (回/10分) "へ4,0 53.0 !︲一−1 − -100mあたり 買上回数 (回/100m) 一 000 210 0 1 2 3 4 目的の大きさ 0 1 2 3 4 目 的 の 大 き さ 図表23−3:目的の大きさと買い回りの効率図表23−4:目的の大きさと滞在時間の効率 次に、購買行動の効率に関して見ていく。図表23−3は100mあたりの立寄回数・買上回数を 示したものである。目的のある人は、目的のない人と比べて立寄率・100mあたりの買上回数が多 くなっている。また、目的が大きい人ほど、動線長あたりの立寄回数は多くなっていることが分 かる。買物の目的が大きい分、効率よく買い回ることで、少ない歩き回りで購買目的を達成しよ うとしていると考えられる。しかしながら100mあたりの買上回数はほとんど変化していなかった。 一方、図表23−4の10分あたりの立寄回数・買上回数に関しては、目的のある人は、目的のな い人と比べて10分あたりの立寄回数・買上回数が多くなっている。また、10分あたりの買上回数 に有意な差は見られない。 図表23−3と23−4では、同様にして、目的の有無と立寄の効率に関係が見られた。しかし、 目的の大小と効率に関しては、動線当たりの効率にのみ変化が見られた。 これらのことから、買物効率に関しては目的の有無によって購買行動の効率に差があることは 見受けられた。また、目的が大きくなると、動線あたりの立寄効率は高まるものの、買上効率に 影響を及ぼすかどうかは分からなかった。 7.事前及び店内でのメニュー形成と買物効率・購買成果の関連性 スーパーマーケットへの来店者の目的形成の多くがメニューに関するものであった。ここでは、 その決定(目的形成)が来店前か、来店後の店内で行われたのか、その違いによる買物効率、1職買 成果の違いを比較してみることにする。 事前にメニューを決定した消費者、店内でメニューを決定した消費者、事前十店内でメニュー を決定した消費者、メニューのない消費者、それぞれの購買成果、買物効率を明らかにする。前 回調査ではサンプル数の限界から、断定的な判断を行うことは困難であった。今回の調査では、 動線調査と買物後のアンケート調査を同時に実施出来たサンプル数を確保した。 図表24は4分類ごとの峨買成果、効率を平均で示したものである。買上金額は店内決定が3,275 円と最も高く、事前決定と店内決定はメニュー決定なしに比べて買上金が高い(5%水準)。動線 長は事前決定が最も短く、最も長くなる両方での決定と比較して5%水準で有意となる。買上回 数は両方での決定が最も多く、次いで店内決定が多い。これは、それぞれメニュー決定なしと比 較して5%水準で有意となった。 − 6 0 −

(20)

沖 縄 大 学 法 経 学 部 紀 要 第 1 6 号 図表24:メニュー決定場所と買物効率・購買成果 ハUnoFO44再InURUn乙POワ々nUnOq︺QJ局IqUQJ0J

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クノー、/1K/I、/″I、“ノー、/11、/11、ノfI、〃J1、/fl、ゴfI、/J1、〃J1、ノfl、〃J1、〃J1、 100mあたり買上回数は事前が最も多く、店内が最も少ない(5%水準)o事前決定と、メニュー 決定なしを比較すると、10分あたり立寄回数・買上回数は高く(5%水準)、10分あたり動線長は 長い(1%水準)。また、l買上あたり動線長・滞在時間は短く、l立寄りあたりの動線長・滞在 時間も短い(5%水準)。 購買成果は店内決定が最も高かったが、効率的に買物をしているのは事前にメニューを決定し てきた消費者であることが伺える。メニューを決定しない消費者よりもメニューがある消費者の 方がより売上に貢献することは歴然である。 この分析においても「事前」の目的形成が買物効率に寄与していることが明かであった。 8.店内メニュー決定場所別の買物効率・購買成果と決定前後のそれらの違いの有無 動線調査対象者に、買物後のアンケートを行い、店内でのメニュー決定が売場のどの場所で決 られたのかを聞くことによって、買物の前半、中盤、後半で決めたことの意味を分析した。 図表25は買物の前半、中盤及び後半、前半と中盤及び後半の両方の3分類の買上成果、購買効 率を示す。買上金額は前半と、中盤及び後半でメニューを決めた消費者が最も高くなったが、こ れはメニュー数との関係が影響している可能性が高い。買上率を見てみると、買物の前半で決め る消費者が最も低い(5%水準)。

(21)

買 物 効 率 と 購 買 成 果 の 関 連 に つ い て − こ れ か ら の 店 舗 施 策 の 方 向 性 を 求 め て − 図表25:買物進行状況とメニュー決定場所における買物効率・購買成果 11何乙117,イーno︲4QJ44nUnUワー只UQJ4牡︲4ワjQJ

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前盤でも中後盤でも 決 定 前 決 定 後 11 3878.64 46.74241.12 17.44 4.9114.09 3 . 1 8 6 . 7 3 1 1 . 8 8 6 . 0 1 0.50 457.04 7 . 5 3 2 . 7 8 354.80 14.05 5.88 190.76 35.01 2.03 17.72 1.06 分 類 (n数) 買 上 金 額 動 線 長 ( m ) 滞 在 時 間 ( 分 ) 立 寄 回 数 ( 回 ) 買 上 回 数 ( 回 ) 立 寄 率 ( 回 / 1 0 0 m ) 買 上 率 ( % ) 買 上 単 価 ( 円 ) 100mあたり買上回数(回/100m) 100mあたり滞在時間(秒/100m) 10分あたり立寄回数(回/IO分) 10分あたり買上回数(回/IO分) 10分あたり動線長(m/10分) l買上あたり動線長(m/回) 1買上あたり滞在時間(分/回) 1立寄あたり動線長(m/回) 1 立 寄 あ た り 滞 在 時 間 ( 分 / 回 ) − 6 2 −

(22)

沖 縄 大 学 法 経 学 部 紀 要 第 1 6 号 なお、今回、単なる「メニューの決定」で集計するのではなく、「具体的にどのような調理方法に よるメニューを決定したのか」を調査している。図表27はその具体例である。調理レベルは1 が最も簡便な方法で、買ってそのまま食べるようなメニューであり、5に向かうほど複雑な調理 方法を意味する。全てのメニューで、5段階のどのレベルでの調理法を決めたのかが集計されて いる。 図表27:メニューとその調理レベル 図表28:店内メニュー決定の調理方法と購買成果の比較 カテゴリー 計 画 附 買 アイテム数 W 7 均 1. 2.13 3.28 4.22 1.71 3.00 .3.63 ブ ラ ン ド 計 画 購 買 アイテム数 平 均 0.53 1.14 1.02 1.21 5.00 1.04 非計画脳買 アイテム数

綱珊レべル│メニュー敷金繍平均'“平均イテム郷#砧

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l 3138.53 3223.60 3251.55 1950.79 1301.00 3118.63 14.87 14.58 16.40 11.79 8.00 15.46 11.60 12.14 13.49 10.57 8.00 12.77 270.56 265.56 24102 184.53 162.63 247.81 8.93 8.25 8.24 7.64 0.00 8.20

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難 易 度 焼 魚 ハ ン バ ー グ 冷 や 奴 冷 や し 中 華 鉄 火 井 かつ井 親 子 井 サ ラ ダ 肉野菜妙め 煮 物 (肉・魚) 煮物 (きんぴら) 焼 肉 1 惣 菜 惣菜 惣菜 惣 菜 惣 菜 惣菜 惣菜 惣菜、量り売り 惣 菜 菜 惣菜 惣菜 2 自分で焼く 冷 凍 ハ ン バ ー グ レトルト 豆 腐 、 薬 味 、 ポ ン酢など イ ン ス タ ン ト 袋 マグロ、ごはん 具材(レトルト)、 一 1 4 . ア ニレJ,すし 乾 燥 ( 海 藻 ) も どしサラダ 野菜パック 煮物用パック 煮物用パック 焼肉セット、焼く 3 付 け る な ど 加 工 して焼く ひ き 肉 十 ハ ン バーグの素 (ピータン豆腐な ど) 麺 、 具 材 惣菜のかつ、卵、 玉 ね ぎ 、 ご は ん 卵、鶏肉、ごは ん 野 菜 、 ド レ ッ シ ング 野 菜 を 切 っ て 調 理する 野 菜 カ ッ ト 、 煮 る 生 肉 を 買 っ て 焼 く 4 ひ き 肉 、 野 菜 、 パン粉、調味料、 卵 か つ を 自 分 で 場 》-ごラ V j Q ポ テ ト サ ラ ダ 、 温 野 菜 サ ラ ダ 、 春 雨 サ ラ ダ 素 材 を 準 備 す る 単純に煮る 肉 を 付 け 込 ん だ りする 5 煮 込 み や 自 家 製 ソ ー ス 自家製豆腐 自 家 製 ド レ ッ シ ン グ 、 タ ル タ ル ソ ー ス ∼時間煮込む

(23)

買 物効率 と購買成果 の関 連に つい て− これ から の店 舗施 策 の方向 性 を求め て − 集計された計172のメニューの多くがレベル3であづたため、当初の研究意図である想定され

た調理法と購買成果の関連を明示的に示すような結果は必ずしも得られていない5。ここでは、集

計された範囲での傾向を読み取るに留まるが、買上個数・買上金額は、3がもっとも多く、一食 に使う分をまとめ買いする可能性が高いと考えられる。アイテム数で見ても3がもっとも多い6. 1はお弁当、お惣菜等の中食に対して、3は料理する食材を買うため、アイテム数が多いと考え られる。 一方、4以上の人は、家庭在庫から不足している食材のみを購入する傾向があると考えられる。 惣菜(弁当、コロッケなど)を何個も買う可能性が大きいため、,の平均アイテム単価がもっとも 高い。調理レベルが高ければ高いほど、平均アイテム単価が少なくなる。調理レベルが高ければ 高いほど非計画アイテム数が少なくなる。調理レベルの高さは事前の計画性の高さと比例的関係 にあると想定され、より計画的な買物をする傾向となって現れるであろう。 簡略化したメニューを想定する人はこの逆で、非計画的な買物をする傾向となって現れる、と いうことも想定できよう。 9.入店時に、「消費の脈絡」を想起させる施策の有効性の確認 前回の調査では、入店時に来店者にチラシ、メニュー提案チラシを配布して、その後の購買行 動や購買成果を比較した。特定のメニュー提案よりも数多くの商品の特売情報のほうが効果的な 結果をもたらしていた。今回は同様の調査方法にて、来店者に生活場面を想起させる(消費の脈 絡を想起してもらう)買物メモ、および、本日の買物で購入すべき商品を想起させる(購買の脈絡 を想起してもらう)買物メモの効果を測定することにした。すなわち、それらのメモが購入意図を 大きくし、購買情報処理意欲を高めることが出来るかどうかを把握するためである。 前回調査のメニュー提案は、あくまで献立という生活の一場面のみの提案であり、また限定的 なメニュー提案であったことを踏まえ、食生活全般の消費の想起を目的とし、消費そのものを想 起してもらう趣旨、購入対象商品の脈絡形成をサポートする趣旨、2つの趣旨で配布物を検討し

た(図表29,30)7。

また、これらの他、前回調査同様獄誘蕊鳥離潔:謬説蕊議せんか?

に、当日のチラシも配布して効果を KLM店

比 較 す る こ と に し た 8 。 / - 冷 蔵 庫 の 中 で 、 ヘ 、 … … … … - −

なくなりそうなものはA

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、∼ 暑い毎日・・・ へ ,/冷たいビールに、 冷たい果物はいかがですか?

羅璽購零

図表29:生活場面を想起してもらう趣旨の買物メモ − 6 4 −

(24)

沖 縄 大 学 法 経 学 部 紀 要 第 1 6 号

本日はご来店頂き、誠にありがとうございます。含

?

KLM店 【惣菜】 ちょっとした一品が 揃っていますよ。 【菓子】 お子様が好きな お菓子は? 【鮮魚・精肉】 夏バテには やっぱりお肉1 旬の魚もぜひ。 【加工品】 家庭の常備品、 切れていませんか?

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卿 ピ ザ 【 冷 凍 食 品 】 曙 。 ム 『 ⑨ i j i l h r f h l

塁い亘は冷たいLの』L四L・』しや

【青果】 夏の水分補給は ぜひ、果物で1 夏野菜も常備して おきたいですね。 暑い夏は冷たい 飲み物ですよね。 宝 更 』

議議

"リラEロ

入 口 図表30:購入対象商品の脈絡形成をサポートする趣旨のメモ 図表31はこの調査結果を表している。店頭での配布物の購買成果は、当日チラシ、生活場面の 買物メモが高かった。当日チラシでは、立寄りや買上が多く積極的に購入探索していることが伺 えるが、生活場面の買物メモもこれに次いで高いことが分かる。特に、商品単価が最も高いこと に気付く。買物効率に関しても生活場面の買物メモは、当日のチラシに次ぐ。図表29のような極 めて単純な「提案」がチラシと同等ないしそれに次ぐ効果を示したことから、従来の特売情報提供 以外の情報提供の可能性を示l唆している。 購入開始時に長期記憶を活性化することは、職買行動に影響を与えると言えるだろう。また、 少なくとも、来店時に何らかの方法で情報提供を行うことは、その後の購買成果に影響を与える であろうことは今回の調査でも確認された。 図表31:入店時の配布物と買物効率・購買成果

… → … 繍 瀞 賞 榊 繍 総 繍 瀦 聯

生活場面の買物メモ 商品に関する買物メモ 当 日 チ ラ シ な し 兵﹄︵nUnベUワj j″式一尻U戸h︺イ︲4 0凸

6284

6666

45.6 41.9 51.5 47.6 379.3 3698 182.6 215.0 210.9 208.6 00RJO△00 ○ムワムQJ○凸 360.8 304.1 349.1 324.6 11.1 12.9 12.2 12.1

7215

4565

361.6 3458 * 公 引 一 小 口 同 I 3 7 5 6 . 4 4 7 . 3 355.7 2 . 8 3 3 0 . 3 1 2 . 1 5 . 5 2 0 6 . 7

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