Title
カンシヤシンクイハマキ無受精卵の産下率と夏の温度に
ついて
Author(s)
金城, 政勝
Citation
沖縄農業, 8(2): 30-38
Issue Date
1969-12
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/1098
Rights
沖縄農業研究会
カンシヤシンクイハマキ無受精卵の産下率と
夏の温度について
金城政勝
(琉球大学農学部昆虫学教室)2.温度と卵のふ化率との関係に関する
研究
(1)この研究はまず台湾において飯島(1940~41)に より始められ,次のように報告している. 1)おすの発育期における高温のSterilizingeffect は卵期,幼虫期,蟠期の順に顕著となり,この影響を産 下された卵の健全卵率で計算すると,そのinterlityは 卵期処理31.4%,幼虫期処理92.23%,蝿期処理100%で 蜥期において高温に処理されたおすは完全にSterility であった. 2)蝿において高温の影響を被りやすいeffective periodはわずか5日であった.したがっておすのgerm cellは温度に対していちじるしく鋭敏であることがわか った. 3)めすの発育における高温の影響ははなはだ軽微な もので,ただ蝿期を高温処理されたものについて,多少 Sterilizingeffectが認められたに過ぎなかった. 4)Sterilityになったおすの中には老齢に至って生 殖詣力を恢復するものがあるが,その恢復に要する日数 は最長17日,最短7日,平均10.8日であった.しかし, そのようなおすの生殖能力のI恢復は幼虫期を高温処理し たものに見出され,蛎期を処理したものの中には全く認 められなかった.これは幼虫期よりも蝋期における germcellが高温に影響されやすい状態にあることを示 している. 5)おすのgermcellはその発生過程においてより 比較的長期にわたって高温処理された場合には多少の適 応生を生ずるものであることが認められた. 6)この高温は目下のところでは31~32°Cの付近に あると想像される. 7)そのようなSterilizingeffectは台湾南部の圃場 においても豪ろことが認められた. (2)沖縄においては東・大城(1969)は次のように報 告している. 1.はじめに カンシヤシンクイハマキT/Cγα籾0eγαSc"is/aceα"zZ Snellenは沖縄においてサトウキビの重要害虫の一つで あり,その防除に苦心しているものである.東・大城(1969)は「沖縄産さとうきび害虫に関する研究第5
報」の中で本虫の発生消長について,年2回大きな発生 の山があり,1回目は5~6月に,2回目は9~10月 で,特に前者の高いことを報告している.そして5~6月に年間で最高の発生をしながら,7~8月は個体数が
急速に減少するのは夏季の高温鐵の影響によるものだとし ている.すなわち,カンシヤシンクイハマキを20~25° C,28~29°Cにおいて飼育し,28~29°Cで飼育したも のはふ化しない卵の率が極めて高くなり,その温度は沖 縄の半旬別の平均気温をみた場合に実際にあることを示 し,幼虫が6月に,成虫が6月下旬から7月中旬にかけ て年間の最大ピークを作るにもかかわらず,7へ8月に かけての幼虫個体数の減少,8月から10月上旬にかけて 成虫の発生ピークが比較的に低くなるのはそれによるも のだろうとしている.しかし,沖縄のサトウキビ畑にお いて,そのような温度が果してあるかどうかについては 触れていない. 筆者は1969年の7月から,それについて若干調査し, 気象庁の資料も得ることができたので,これらをまとめ て報告したい 本文に先立ち,本報をまとめるにあたって種々御教示 下さった琉球大学の高良鉄夫博士に対し,深甚なる謝意 を表する.また文献の調査,圃場における調査方法,気 象台における調査について指導して下さった琉球農業試 験場の東清二氏に対して厚くお礼申しあげる. なお気象台における調査では便宜を計って下さった宮 良孫好氏を始め,産業気象課の各職員および調査を手伝 って下さった琉球大学農学科の山内政栄君に対しても感 謝申しあげる.金城:カンシヤシンクイハマキ無受精卵の産下率と夏の温度 31 飯島の報告したことは沖縄にもみられた.すなわち, 30°Cで飼育した33個体のうち23個体が全部無精卵を産 み、残りの10個体が産下した卵の約半数も無精卵であっ た.卵数にして全体の76.8%が無精卵である. 次に20~25°Cと28へ29°Cを組み合せて本虫を飼育し その成虫が産下した卵は97%前後のふ化率で,また28へ 29°Cで全期間飼育したものの成虫から得た卵の全部
がふ化しなかったこと,および6齢から成虫までの期間
を28~29°Cで飼育したものにふ化しない卵が相当数あ
ったことなどから,28~29°C付近の高温もある程度
Sterilizingeffectとして作用するものと考えられる.また1齢から羽化まで20~25°Cで飼育し,羽化から産卵ま
での期間を28~29°Cに処理した個体もふ化卵数の低い
ことから成虫の時代でも高温は幾分sterilizingeffect として作用するものと考えられろ. そのことは発生消長に大きく影響しているものと思われろ.すなわち幼虫の発生量が急に減少することは
sterility現象によるものと考えられろ.沖縄の夏季に
おける旬別の気温をみると28°C以上が確かにある.
4.調査結果
(1)夏季の旬別平均気温 1967年から1969年までの3か年間における首里琉球農 業試験場の観測結果から旬別気温を求めると第1表の通 りである. 第1表夏季の旬別平均気温(首里) 月句別 1967年 1968年 1969年 6月上旬 中旬 下旬 25.0°C 25.5 28.3 23.0°C 25.5 27.0 23.3.C 24.6 25.6 7月上旬 中旬 下旬 28.8 28.2 29.4 28.3 28.7 28.7 28.7 28.7 28.43.調査方法
(1)夏季の旬別平均気温 (2)圃場(裸地)における9時の温度 (3)旬別の日変化気温 (4)圃場(裸地)温度の日変化以上の資料は琉球農業試験場や琉球気象〒で観測した
ものを筆者が使用しやすいようにまとめた. (5)サトウキビ畑地の日変化1969年8月7日,24日の2日間,首里琉球農業試験
場の夏植サトウキビ畑地に自記温度計を設置して,記録
した. (6)夏季におけるサトウキビ葉鞘内側温度 1969年7月8日と8月15日の2日間,別々の方法で (5)と同じく,首里琉球農業試験場のサトウキビ畑地にお いて調査した. 7月8日は夏植えサトウキビの鞘頭部第1展開葉の葉 鞘内側と基部の枯れ初めた葉鞘内側に温度計を5分間さ し込み,20基について測定した8月15日は春(植え,株 出し,夏植えサトウキビ畑地において,各20基づっ第3 展開葉D葉鞘内側に前者同様に5分間温度計をさし込み 測定し,また各圃場内の温度も測定した. 8月上旬 中旬 下旬 28.2 28.3 28.6 29.5 27.8 28.1 28.5 28.0 27.9 9月上旬 中旬 下旬 28.6 26.6 25.3 28.1 28.4 27.4 28.1 28.6 27.9 気温は7月上旬からすでに28°C前後を上下するよう になり,それが9月上旬頃まで続き,9月下旬は年によ り1へ3度低下することもあるが,それは台風または 低気圧の影響によるもので9月中旬でも28°Cの年があ る. (2)圃場(裸地)における9時の温度 気象台の自記湿度計の記録より1969年6,7,8,9 月の各旬別の9時の圃場(裸地)温度を地表高別にばっ すいしたところ次のようになった.沖縄農業第8巻第2号(1969) 32 第2表圃場(裸地)における9時の温度(1969年) 6月中の圃場温度は割合高<なく,30°Cをこすのは 少ないようである.しかし,7月にもなると30°C前後 またはそれをオーバーし,それが9月まで続く,そして 地表からの高さが低いほど,温度が高く,地表0.2籾と, 1.5”の高さにおける温度差は1.6°Cもある. 地表 青向 月 旬
JliiillWiil
何. 上中下 6月 (3)旬別曰変化気温 1969年の6,7,8,9月の日変化気温で下記の表と 図を作製するにあたり,気象台の原簿から筆者が使用し やすいように引用整理した. 上中下 31.7 33.0 32.5 30.4 31.6 31.4 29.8 30.7 30.7 7 第3表は6,7,8,9月の旬別気温の日変化を示し たものであり,第1図はそれを図示したものであるが, 6月中の温度の変動は割合ゆるやかである.しかし, 7,8月の温度は日中は7時頃から急速に上昇し,12~ 13時にもっとも高く,その後ややえんまんに降下し,明 け方の5~6時に1日の最低となる.しかして,7~8 月は最低でも26°C以下になることはほとんどなく28°C 以上の温度は1日の半分以上を示している. 上中下 32.3 33.2 32.7 30.0 30.7 31.0 29.7 30.0 30.9 8 上中下 31.7 32.1 31.7 30.6 30.8 30.5 30.1 30.4 29.7 第1図旬別日変化気温(1969年) ↑温度''第咽旬別日変化気温(Ⅲ年)>,、~.
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28 7月」葛(1) 8月-k句 9月上旬 9月下旬 27 26 25 6月下旬 24 6月中旬 23 6月上旬 22 4681012141618202224→時間金城:カンシヤシンクイハマキ無受精卵の産下率と夏の温度 33 第3表旬別日変化気温(1969年) -11
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上旬|中旬|下 c ◎●ん〒。』.〃〒qJ向くUnベリ●ん守nuJ△月〒nu)、〃▲{nJ440440440j40。こ ●●●●●●●●●●●●●●●●● 、〃」、〃」、〃」、〃△n〃』n/』n〃」ハク△向くU、『U440.〃〒A△0440。〃〒。〃〒●几T 、/』ハク』、〃△、〃』n/』、〃」、〃▲。△n〃」、〃△、ノー、〃』、〃」OL、〃△、〃△。▲ 23.7 23.7 23.6 23.6 23.5 23.7 23.9 24.3 24.9 25.1 25.4 1234567 567566839479777642752009 ●●●●●●●●。●●●●●●●●●●9●●●● 444444455666666666555554 222222222222222222222222 27.3 27.2 27.1 27.0 27.0 27.0 27.2 27.9 28.7 29.2 29.5 29.9 30.1 30.1 29.9 26.9 26.6 26.6 26.4 26.4 26.3 26.9 23.2 29.5 29.7 30.5 30.8 31.0 30.9 30.6 30.7 30.2 29.6 22090957714867 ●●●●●●●●.●●●●●■ 77767678900000 22222222233333 27.3 27.1 26.7 26.5 26.5 26.6 26.7 28.1 29.0 29.9 30.0 30.7 31.0 31.0 30.7 30.5 30.0 29.3 26.8 26.5 16.4 26.4 26.3 26.3 26.8 28.1 28.6 28.8 29.3 29.7 26.6 26.6 26.4 26.3 26.2 26.2 26.5 27.6 28.3 26.8 26.8 26.6 26.5 26.3 26.3 26.6 28.0 27.5 27.3 27.0 27.0 26.8 26.6 26.4 26.2 26.1 25.9 25.7 25.7 27.1 26.8 27.3 89加Ⅱ但旧艸旧伯Ⅳ旧旧知別皿四別 28.0 28.8 29 28.3 28.7 29.3 29.5 29.2 29.4 29.6 30.0 29.6 25.8 29.6 30.0 30.2 30.0 25.8 29.8 29.9 30.2 30.5 30 25.7 29.9 29.8 30.2 30.5 30 25.9 30.8 29.9 30.0 30 30.6 30.0 25.4 29.8 30 29.7 29.7 29.5 30.2 29.7 25.0 29.3 29.7 29.5 29.2 29 29.8 29 23.8 24.7 28.6 29.4 28.9 28.5 28.6 30.1 28.6 23.3 24.5 28.4 28.8 28.8 28.7 28.4 27.8 28.1 27.7 28.02821275
1|;】
28.2 23.3 24.2 27.9 28.2 28.3 27.8 27.4 27.8 22.9 24.1 27.7 27.7 27.9 28.0 27.4 27.3 27.6 23.9 27.6 27.3 22.9 27.6 27.4 27.6 27.2 27.41238
123.8
---- 27.6 27 22.7 27.5 27.3 27.4 26.9 27 22.8 27.4 27.8 27.5 27.3 26.9 26.8 27.2沖 農 業 第8巻 第2号 34 縄 (1969)
nJjlDllIlmJlihlHli蕊lli
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一一一|蕊
一一 23 22.4 27.8 27.9 28.4 28.0 28.6 26.7 28.4 第2図圃場(裸地)温度の日変化(地表20“)の例 ↑擶喚 5 34 「一一■ 6 「ぬ~~■bmC■- 6 , 33 □■ □■ □■ 32 31/’---W
、 _--- ̄ 刀〃
、 β 、1 ● 30 // SL、h 蛾 WI WIY難
l、ミニ)
29 9月12日 10月3日 8月7日 8月24日 7月23日 7月10日 勺一一一一一る●‐ &----=ミミ三三
ミミーニニミ
28 ミミーーー、_ いげ 27 9月21円 26 魚 25 24● 23 -6月19日 -- 23→時Hli 22 1 3 5 7 11 13 15 17 19 21金城:カンシヤシンクイハマキ無受精卵の産下率と夏の温度 35 それからわかるように圃場における夜温は低いが,7 (5)サトウキビ畑地温度 ~9時にかけて大陽が昇りはじめると急速に温度が上昇 して11~15時には最高となり,一つの山を形成する.そ1969年8月7,24日の2日間,首里琉球農業試験場の の後,除々に降下し,5へ6時頃に最低となる.これか試験圃場において自記温度計で測定したところ第5表, らすると7~9月において圃場温度が28°C以上になる第3図次のとおりであった のは1日の内の16時間(鞘)以上に及ぶことがわかる. 第5表サトウキビ畑地温度の日変化の例
1盲目~澆割塒$
--------'----~ ̄8月7日1280.027.9
18月24日’27.1.Cl270
5791111314117192123278128」2863021304
26.8i27.0127.8129.0130.0
31.5180.730.128.628.031.11304129627011279
第3図サトウキビ畑地温度の日変化の例 2 3 ↑温度 31 30 29 8月7日 8月24日 28 27 13 13579111517192123→時間沖縄農業第8巻第2号(1969) 36 第5表(ロ)夏季におけるサトウキビ葉鞘内側 温度の例 これから見ると明け方は27~28°Cであるが夜明けと 共に急昇して,15時に最高の31°C前後に達し,これ から除々に降下して,23時頃は28°C前後を維持するよ うになる. 月日’8月15日
番号|春植え|株出え’
夏植え 123456789旧川烟旧川旧旧、旧旧加 34.0.C 34.2 23.6 34.2 33.9 33.9 34.0 33.7 33.2 34.0 33.9 33.7 33.9 33.6 33.8 34.6 34.5 34.9 35.0 34.7 31.5°C 31.5 31.8 31.2 328 33.2 33.2 33.3 33.2 33.0 32.8 33.4 33.3 34.5 34.5 34.8 34.8 33.5 34.0 34.0 33.0°C 33.0 33.8 32.5 31.5 31.3 32.0 32.0 31.5 31.0 31.01 31.3丁 31.1 31.2 31J8 31.3 31.2 31.0 31.8 31.8 (6)夏季おけるサトウキビ葉鞘内側温度 1969年7月8日,8月15日における首里琉球農業試験 場の圃場において調査したサトウキビ葉鞘内側温度は第 5表の(イ)および(ロ)のとおりである. 第5表(イ)夏植サトウキビ葉鞘内側温度の例、~月旦7月8日
---’ 1番号■葦位|鞘頭部基部
32.5°C 32.0 32.0 31.8 32.5 31.8 31.5 30.5 31.8 30.7 30.3 30.0 30.0 29.9 31.7 30.4 30.0 30.4 32.0 30.3 31.3°C 29.9 29.8 30.2 31.2 31.8 31.5 30.2 31.2 31.0 30.0 31.0 30.0 30.5 30.7 31.7 31.0 30.3 32.2 30.7 23456789旧Ⅱ烟旧艸旧旧汀旧旧知 平均33.7(33.5)33.2(30.2)'31.8(30.0) (注)1.13~17時の測定第3展開葉の葉鞘内側 2.平均欄の()は圃場温度,その日の最高 気温は31.0°C,最低気温は24.0°C 第5表の(イ)を見ろとサトウキビ鞘頭部の展開葉の葉鞘 内側の温度は31°C前後であり,基部(葉が枯れ初めて いる所)の温度は30°C前後である.基部の葉鞘内より 鞘頭部の葉鞘内の方がわずかに高いようである. また8月15日に春楠えで33.7°C,株出しで33.2°C,夏 植え33.7°Cと夏植よりは株出し,株出しよりは春植の 方が温度が高くなっている.これはサトウキビの成育度 が違うために直接光線のあたる部分と日陰になる部分の 割合の差ではないかと思われる.なお,その日の最高気 温は31.0°Cでありそれよりも春植えの場合は2.7°C,株出しが2.2°C,夏植が0.8°Cほど高めである,
平均31.0 30.8 (注)13~17時の測定で夏植サトウキビの鞘頭部は第 1展開葉の葉鞘内側,基部は葉鞘が枯れ初めだ ところの葉鞘内側を測定金城:カンシヤシンクイハマキ無受精卵の産下率と夏の温度 37 マキの飼育結果からsterilizingeffectは28~29°C付 近からあると報告しているが,それらの温度が沖縄の圃 場において実在するかどうかについて調査したので報告 した. (2)気温は7月上旬から28°C前後となり,それが9 月上旬頃までつづく.圃場(裸地)温度は6月まではほ とんど26°C以下であるが7月になると急速に上昇し, 30°C前後となり,34°Cにも達する.すなわち圃場温度 は気温よりも高いことがわかる. (3)旬別気温の日変化をみろと7~8月の気温では東 d大城(1969)が示した28°C以上の時間が1日の半分 以上あるのに比し,圃場温度は28°C以上が1日の内16 時間(3分の2)以上もある. (4)サトウキビ畑地における温度の日変化は裸地の日 変化とほぼ以ており,東・大城(1969)が推定した,カ ンシヤシンクイハマキの無受精卵が多くなる28°C以上 の温度が圃場において,沖縄の7~8月に存在すること がわかった. (5)圃場においては夏植えサトウキビ畑より株出し畑 が,株出し畑より春植え畑の温度が高く,夏植えサトウ キビ畑においては無受精卵の割合が少なくなり本虫の発 生が多くなることがうなずかれろ.沖縄県立糖業試験場 (1921~25),山崎(1937),東・大城(1969)は夏植 えサトウキビに被害の多いということを報告しており, その理由としてサトウキビ在圃期間の長短による昆虫生 態系の安定度に起因するものだろうとしているが,その 他に夏季の高温による無受精卵の割合の多少も影響して いるものと考えられる. (6)カンシヤシンクイハマキは展開葉のもっとも新鮮 な葉に産卵が多く,加害はその展開葉の節の部分に多い とされているが,この第1展開葉鞘内側の温度は枯葉の 節の部分よりも高いということから本虫の繁殖からすれ ばその産卵,加害場所は不利であるといえる.しかし, サトウキビ栽培上は有利であると考えられろ.