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二並行マッチング再構成の安定マッチング到達不能状況の検証: 沖縄地域学リポジトリ

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(1)

Title

二並行マッチング再構成の安定マッチング到達不能状況

の検証

Author(s)

金城, 秀樹; 名嘉村, 盛和; 翁長, 健治

Citation

沖縄大学マルチメディア教育研究センター紀要 = The

Bulletin of Multimedia Education and Research Center,

University of Okinawa(3): 35-44

Issue Date

2003-03-31

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/6371

(2)

二並行マ ッチ ング再構成の安定 マ ッチング到達不能状況の検証

金城秀樹 I

,名嘉村盛和 I

I

,翁長健治 I

I

I

I沖縄大学マルチメデ ィア教育研究センタT

I

I琉球大学工学部情報工学科

I

I

Iデ ィジタル社会総合研究所

私達の生活する社会は、様々な構成要素が 自律的に判断 を行い振舞 う 「自律分散 システム」 として機能 している。 この ことか ら、自律分散 システムへ適用 した分散安定マ ッチ ング問題 は、実社会 における様 々な組合せ事象 に適 用可能 な組合せ作成手法である。 分散安定マ ッチ ング間琴 における私達の研究は、安定結婚問題の自律分散環境への適用 に始 ま り、参加 メンバー の自律的な判断 により、現在の安定マ ッチ ングか ら異 なる安定マ ッチ ングへ組合せの構成 を変化することが可能 であるマ ッチ ング再構成 と呼ばれる安定マ ッチ ングの遷移手法の提案 を行 った。 しか しなが ら、提案 されたマ ッ チ ング再構成は、一度 に実行 されるのは唯一人の メンバーによるマ ッチ ング再構成である との仮定 を設けていた ことか ら、複数のメンバーが並行的 にマ ッチ ング再構成 を実行する複数マ ッチ ング再構成の提案 を行 ったが、実 行可能 なアルゴリズムの提案 には至 っていないかった。 本論文では、複数マ ッチ ング再構成の実行が可能 なアルゴリズムを提案す るにあた り、先 に提案 した単一マ ッチ ング再構成アルゴリズムを用いて、複数マ ッチ ング再構成の基礎 となる二並行マ ッチ ング再構成 を実行 した場合 に、安定マ ッチ ングへ導 くことがで きないケースの検証 を行 い、二並行マ ッチ ング再構成 を実現するための課題 を提示す る。

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y

Societyinwhichwearelivingcanbecalledanautonomousdistributedsystem becauseofsocialsystem is workingbyautonomousbehaviorofitselements.Thatmeansdistributedstablematchingproblem callbe appliedtosocialsystems.

Ⅰnourpreviousworks

,

ithasbeenproposedthatstablemana●geproblem wasappliedtoautonomousdis -tributedenvironment

,

andintroducedautonomousmechanism forexchangl●ngPartners

,

Calledmatchingre -construction.However

,

wewillbeconcernedinourstudywithquestionofhow twoormorememberscan initiatematchingreconstructionprocessesatsameperiods.

ThepurposeofthispaperistoverifyofthesituationinwhichtwoconcurrentmatchingreconstructiollCannot leadtoanotherstablematchingandshowtheproblemswhichshouldbesolvedf♭rexecutionortwoconcurrent matchingreconstruction.

(3)

5-1まえがき

安定結婚問題は、、GaleとLShapleyによる、“CollegeAdmissionsandtheStabilityofMarriage[1],,の

中で発表きれた組合せ問題である。得られるマッチングの安定性や分散環境におけるノードの組み合わせに適し ていることから、安定結婚問題は実社会の広い範囲に適用可能であり、また、数学的な興味もあることから、多

くの研究者に高い関心を持たれている[2]・本論文では、以後一般的な意味を持たせるため、安定結婚問題を安

定マッチング問題と呼ぶ。

本研究では、注目を集めている研究分野の1つである、複数の自律移動ロボットによる協調作業[3,4,5]では、

自律分散システムを構成する自律移動ロボット等のノード同士の組み合わせが必要となることから、自律分散環 境におけるマッチングゲームを考え、安定マッチング問題における参加メンバーを分散システムにおける構成要

素と捉え、分散環境に適用した分散安定マッチング問題を定義した[6,7]・

分散安定マッチング問題においては、Gale-Shapley基本アルゴリズム{1]を基にした分散Gale-Shapleyアルゴ

リズム[7]により、安定マッチングを得ることが可能であることを示したが、提案アルゴリズムては、Gale-Shapley

基本アルゴリズム同様、複数存在する安定マッチングの中で特定のマッチングしか得ることができない。この問

題を解決する為、本研究ではマッチング再構成[7]を提案したが、任意のメンバーによりマッチング再構成が実行

された場合、そのマッチング再構成が終了する迄、他のメンバーはマッチング再構成を実行することができない という、同時には単一のメンバーのみがマッチング再構成を実行できるという条件を設けていた。この条件のも とでは、マッチングゲームへの参加メンバーが増え、それに伴いマッチング再構成の希望者が増加すると、マッ チング再構成を希望しても、実際に再構成を行える迄の待ち時間が長くなるという問題が存在する。 本研究では、マッチング再構成をより柔軟に実行できる環境として、任意のメンバーによってマッチング再構 成が実行され、そのマッチング再構成の終了を待たずに、他のメンバーによりマッチング再構成を実行できる、

つまり、複数のメンバーによる並行的なマッチング再構成の提案を行った[8]・複数のメンバーによって同時に行

われるマッチング再構成においては、各々の起動者によって起動されたマッチング再構成が互いに影響しあうこ とから、そのパートナー交換は単一起動者によるマッチング再構成に比べ複雑である。複数マッチング再構成が

成功する必要十分条件の証明を行うには、先に提案した分散Gale-Shapleyアルゴリズムによって並行的にマッ

チング再構成を実行した場合の問題点を検証することが必要となる。 本論文では、2節で本研究の基礎となる安定マッチング問題を紹介し、3節では、我々のこれまでの研究で行っ た、安定マッチング問題を分散環境へ適用した分散安定マッチング問題の定義及び分散安定マッチング問題を解 くアルゴリズムを示す。また、単一メンバーによる安定マッチングの再構成手法について述べる。4節では、複 数安定マッチング再構成の定義およびその検証に利用するメッセージの流れを定義したパートナー交換フローの 定義を示す。本論文において中心となる5節では、複数の再構成プロセスによる並行的なマッチング再構成が、 どのような場合に安定マッチングへ導くことができない力、の検証を行う。最後に、6節で本論文のまとめを行う。

2安定マッチング問題

本節では、以下の議論に必要な分散安定マッチング問題の基礎となっている安定マッチング問題について説明 を行う。 安定マッチング問題では、要素数、の2つの集合、男'性グループ、、女性グループwが与えられる。 {mnm2,…川冗}, O {'U,,uノ2,…川、} mw このとき、男性グループに属するメンバーを男`性メンバーと呼び、女性グループに属するメンバーを女性メン

バーと呼ぶ。また、任意のグループに属するメンバーpを考えるとき、pと同じグループに属するメンバーをp

の同性メンバー、異なるグループに属するメンバーをpの異性メンバーと呼ぶ。 -36-

(4)

男'性グループ及び女性グループに属する各メンバーは、異性のグループに含まれる全てのメンバーを厳密に順

位付けしたリスト(PreferenceList:以後PL)を持っている。このとき、任意のメンバーpと、pの異性メンバー

である9,7について、PのPLにおいて9がγより上位にランクされるとき、Pはγより9を好むと言い、次

のように表現する。

PLp(9)<PLp(γ)

マッチングMとは、男女のペア(rMj),mEnM)ewの集合

M={(m,U)lmEm,LuEw},|M|=、

で、各メンバーはM中にたかだか1回しか出現しない。このとき、安定マッチングを次の様に定義する。

定義1[11マッチングMに含まれる2つのペア(mMUd),(mj,tUj)において

nziは10.よりuノノを好む、且つ

LUjはmjよりmjを好む

が成立するとき、これらは不安定なペアという。マッチングM内の、任意の2つのペアが不安定でないとき、 「Mは安定なマッチングである」という。□ 安定マッチング問題において、与えられた問題例(男性グループ、女性グループ及びそれぞれに属するメンバー

のPL)には少なくとも一つの安定マッチングが存在する[2]。一般に、与えられた問題例には複数の安定マッチン

グが存在し、最も多い場合、その問題例における集合の要素数の指数オーダー存在することが知られている[2]。

、GaleとLShapleyの提案したGale-Shapley基本アルゴリズム[1]によって、与えられた問題例における安

定マッチングを求めることが可能である。

3分散安定マッチング問題

本節では、安定マッチング問題を分散システムへ適用した分散安定マッチング問題について述べる。

3.1分散Gale-Shapleyアルゴリズム

安定結婚問題を分散システムへ適用する前に、本論文で想定する分散システムを次の様に定義する。 1.任意の分散要素間で相互に通信できる非同期システムとする。 2.分散要素内の全ての命令は有限時間内で終了するものとする。 3.通信遅延は有限である。

安定マッチング問題における各メンバーを、上記のような分散システムにおける分散要素(ノード)と捉える

ことにより、分散システムへ安定マッチング問題を適用する。

本論文で定義する分散安定マッチング問題とは、上記のような分散システムにおいて、有限回のメッセージ通

信と有限時間の計算で、次に示す初期状態から最終状態へ導くアルゴリズムを求める問題をいう。

[初期状態]各メンバーは男性グループと女性グループの2グループのいづれかに所属していて、他の全て

のメンバーの識別子(ID)と所属しているグループを知っている。また、各プロセスは、自己のPLのみ持っ ている。 -37-

(5)

[最終状態]各メンバーは、自分のパートナーを知っている。この時、分散システム全体として各メンバーの

組み合わせは安定なマッチングとなっている。

分散安定マッチング問題を解く分散アルゴリズムとして、Gale-Shapley基本アルゴリズムを基にした分散Gale-Shapleyアルゴリズムを提案した[7]・この分散アルゴリズムにおいては、メンバー間で次のメッセージの送受

信を行う。 Propose:送信者の受信者に対するパートナー要請を意味する。 Accept:送信者が受信者のパートナー要請を受諾したことを意味する。 Reject:送信者が受信者のパートナー要請を断わったことを意味する。 Proposed送信者がパートナー要請きれたことを受信者に対し伝える。

また、提案アルゴリズムにおいては、メッセージは次のコマンドにより送受信される。

Send(ハMes):メッセージMesをpへ送る。 Receive(p,Mes):pからのメッセージMesを受け取る。

図1に、分散Gale-Shapleyアルゴリズムを示す。

分散Gale-Shapleyアルゴリズムは、もととなるGale-Shapley基本アルゴリズムと同様の性質をもっている。

つまり、男性メンバーがProposeを行い、女`性メンバーがそれを受けるとき、得られる安定マッチングは、男性

優先安定マッチングとなる。

3.2マッチング再構成

分散Gale-Shapleyアルゴリズムで得られる安定マッチングは、男`性優先解もしくは女性優先解という、一方

のグループのメンバーにとって最良で、もう一方のグループのメンバーにとって最悪となる`性質をもっている。

その様な安定マッチングでは、パートナーに対し不満を持ち、より良いパートナーを望むメンバーが存在するこ

とが考えられる。本節では、安定マッチングから異なる安定マッチングヘ導くマッチングの再構成手法について

述べる。先ず、マッチング再構成の手法を定義する。

定義2任意の安定マッチングMにおいて、メンバーtuが、現在のパートナーに対しRejectメッセージを送

信し、各メンバーが分散Gale-Shapleyアルゴリズムに基づいた行動をとるとき、Mとは異なる安定マッチング

ヘ導かれる。この手法をマッチング再構成と呼ぶ。このときのパートナー交換の実行過程を再構成プロセスと呼

び、mrpXl/と表現する。また、COをmrpXlrの起動者という。□

メンバーu)が、安定マッチングMにおけるパートナーに対し自律的にRejectメッセージを送信したとき、再

構成プロセスが起動されたという。再構成プロセスによるパートナー交換の結果、起動者u)が新たなパートナー

を得た場合、起動前とは異なる安定マッチングへ導かれている。このとき再構成プロセスは成功したという。一

方、PLの最下位の異性メンバーからRejectメッセージを受信し、これ以上Proposeメッセージを送信する相

手がいないメンバーが現れた場合、起動者は新たなパートナーを得ることができず、この場合、起動前とは異な

る安定マッチングへ導けなかったことになり、再構成プロセスは失敗したという[7]。

定義3マッチング再構成において、「一つの再構成プロセスによるパートナー交換が実行中であれば、異なる再

構成プロセスを起動できない」と仮定するとき、このマッチング再構成を単一マッチング再構成と呼ぶ。

定理1[7]単一マッチング再構成は、起動者が最良のパートナー(起動者が男性であれば男性優先安定マッチン

グにおけるパートナー)以外に対し起動した場合、異なる安定マッチングへ導く。□

-38-

(6)

1 procedure l\IIan is

2 begin

3 loop

4 w:= the i-th member of PL; 5 Send(w, Propose);

6 Receive(w, Mes);

7 case Mes is

8 when Reject: i=i+1;

9 when Accept: break the loop; 10 end case;

11 end loop;

12 partner:= w;

13 end.

14

15 procedure WOMAN is'

16 begin 17

m:=

null; 18 loop 19 Receive(p, Mes); 20 case Mes is 21 when Propose: 22 if m := null then 23 m := p;

24 Send(every wonlan who participates,Proposed);

25 else if preferpto m then

26 Send(m, Reject); 27 m := p; 28 else 29 Send(p, Reject); 30 end if; 31 when Proposed:

32 if received Proposed from every woman then

33 Send(m, Accept); break the loop;

34 end if; 35 end case; 36 end loop; 37 partner:= m; 38 end. ~ 1: 7t~ Gale-Shapley 7 }v'::ll) :A'b,

-

(7)

39-4複数マッチング再構成とパートナー交換フロー

本節では、複数マッチング再構成と、マッチング再構成の過程を表現するパートナー交換フローについて述 べる。 4.1複数マッチング再構成

本研究では、論文“AutonomousMechanismfbrPartnerExchanginginDistributedStableMarriageProb-lem[71,,において、マッチング再構成は、「一つの再構成プロセスによるパートナー交換が実行中であれば、異

なる再構成プロセスを起動できない」ことを条件とする、単一マッチング再構成による安定マッチングの遷移が 成功するための必要十分条件について証明を行った。 しかしながら、一メンバーにより起動された再構成プロセス起動中は、他のメンバーは、マッチングの再構成 を希望しても待たなければならないという条件は、マッチングゲームに参加するメンバーが多い程、厳しい条件 となる。また、提案する自律分散安定マッチング手法を、社会システムへ適用することを検討した場合、上記条件 下でのマッチング再構成は収束する迄に非常に時間がかかり、利用できるシステムが限られることが予想できる。 本研究では、マッチング再構成における条件を緩和し、複数の再構成プロセスによるマッチング再構成を次ぎ

のように定義した[8]・

定義4-つのマッチング再構成プロセスによるパートナー交換実行中に、異なる再構成プロセスの起動を可能 とする、同時に複数の再構成が存在しうる再構成手法を「複数マッチング再構成」と呼ぶ。□ 複数マッチング再構成による、任意の安定マッチングから異なる安定マッチングヘ遷移するための必要十分条件 について証明を行うことを考えた場合、複数マッチング再構成では、単一マッチング再構成と異なり、各々の 再構成プロセスが互いに影響を与える。このことから、単一再構成の場合のように起動者に注目するだけではな く、他の再構成プロセスの影響を受け、マッチング再構成がどのような過程を辿り、どのような結果を導くのか を解析することは重要である。

4.2パートナー交換フロー

本節では、複数マッチング再構成による安定マッチングの遷移が成功するための必要十分条件を証明する際に 用いる手法として、再構成の過程を表現する、再構成プロセスによるパートナー交換の流れを示すパートナー交 換フローを提案する。

定義5安定マッチングMにおいて、任意のメンバーPCによって起動された再構成プロセスmrplWによって

パートナーが交換されていく系列を「パートナー交換フロー」または、「フロー」と呼び、次の様に表現する。

ノ(mrPRI)=PC図n匹P2国P3四P4凶…蝉Pm

(1)

パートナー交換フローにおいて、Pの添字は出現順番を表す。、が自然数であるときP2”は起動者PCの同性メ

ンバーであり、p2n+1は起動者の異性メンバーである。また、パートナー交換フローにおいてpj図ハ+1は、pi

がpi+,へRejectメッセージを送信しペアを解消したことを示し、pd四pd+1は、例+,が例からのPropose

メッセージを受理しペアが形成されたことを示す。□

単一マッチング再構成においては、フローの最後の要素仇が、ルーpoであれば、poによって起動された

再構成プロセスによる異なる安定マッチングへの遷移が成功したこととなり、逆に、仇≠poであれば、再構成

プロセスによる遷移は失敗したことになる。

パートナー交換フローは、ペアの解消・形成の系列を表現するものであり、Proposeメッセージを送信したが、

即Rejectメッセージを送り返されたものはペアの解消・形成が行われない為表現されない。 -40-

(8)

定義6再構成プロセスwplWのパートナー交換フローにおいて、要素p`からpjまでのフローを次のように

表現する。

ノ(mrplW,ハpj)=p`唖…凹pj

(2)

これを、mrpiWの部分フローと呼ぶ。□

5二並行マッチング再構成の失敗条件

単一マッチング再構成アルゴリズムにおいては、一つの再構成プロセスが実行中であるとき、その再構成プロ

セスが終了するまで、新たに再構成プロセスは起動しないと仮定していた[71。これにより、パートナー交換フ

ローは唯一つのみ存在した。しかし、この仮定は、自律分散システムにおいて、あるメンバーによって起動され た再構成プロセスが実行中であるという理由から、起動者以外のメンバーの行動を制約することとなり望ましく ない。本研究では、各メンバーが、他のメンバーによって起動された再構成プロセスの存在を意識することなく、 再構成プロセスを起動することを可能とするマッチング再構成法について考察する。本論文では、一つの再構成 プロセスの実行中に、新たに別の再構成プロセスを一つ起動すると仮定し、複数存在するメッセージの系列につ いて考察を行う。起動者が三人以上のケースに関しては後の研究に譲る。

安定マッチングMにおいて、任意のメンバーpoによって起動された再構成プロセスと、その実行中に、

90(≠po)がMにおけるパートナーに対しRejectメッセージを送信し新たに起動された再構成プロセスにより、 Mとは異なる安定マッチングへ導く再構成を「二並行マッチング再構成」または、単に「二並行再構成」と呼

ぶ。このとき、二並行再構成プロセスを2cmrpN99。と表現し、p0,90によって起動されたサブプロセスをそれ

ぞれ2cmrpR3、2cmrplMと表現する。すなわち、2cmrpiWq`】は、2c7mplWと2cmrplUの合成プロセスである。

このことから、二並行再構成におけるパートナー交換フローは、それぞれのサブプロセスにおけるパートナー 交換フローによって形成される。提案するマッチング再構成においては、各メンバーは受信したメッセージを一 つずつ読み込み、読み込んだメッセージに対する処理を終えてから、新たにメッセージを読み込む。よって、各 サブプロセスが終了すると仮定すると、二並行再構成によるパートナー交換の流れは、次の様に表現される。 γeJp7o

ノ(2cnDrplW9n)=po一pl→…→pxll90型91…→9y

=ノ(2cmrpi,)||ノ(2cmrplW)

このとき、X、Yは正の整数であり、||は左右のフローがコンカレントに実行されていることを表す記述子で

ある。 二並行再構成の成功とは、各々のサブプロセスが終了したときに、安定マッチングへ導かれていることである。 起動者が新たなパートナーを得ることによりサブプロセスが終了することから、二並行再構成が成功するのは、 パートナー交換フローにおいて、次のいずれかの式が成り立つ場合、かつそのときに限る。 PX=PC,9Y=90 (3) PX=90,9Y=po (4) 従って、二並行再構成が失敗するのは、次の場合である。

PX≠Pom≠PC(またはPX≠90,9Y≠90)(5)

上記は、サブプロセスが終了すると仮定して話を進めてきた。しかし、先に述べた単一再構成手法を二並行再 構成で用いると、各プロセスが互いに影響を与えることから、導いたマッチングが安定でない場合や、サブプロ セスがデッドロックや無限ループにより終了しない状況に陥ることが予想きれる。

本節では、単一再構成手法に基づく分散Gale-Shapleyアルゴリズムを用いた二並行マッチング再構成によっ

て、異なる安定マッチングに遷移できないケースについて検証を行う。 以下、各々について実際に起こり得るか、またどのような場合に起こるのかについて検証する。 -41-

(9)

5.1無限ループに陥る状況について

本節では、二並行再構成のサブプロセスが無限ループに陥るケースについて検討する。無限ループに陥った状

態では、任意のメンバーが同一メンバーからProposeメッセージとRejectメッセージを交互に受信することを

繰り返す。

先ず、ProposeメッセージとRejectメッセージを交互に受信するとは、Proposeを送信する役割とProposeを

受信する役割を交互に担う状態であることから、マッチング再構成の起動者は異なるグループに属していること となる。

次に、同一メンバーからProposeメッセージとRejectメッセージを交互に受信することを繰り返す状況を検

証する。

安定マッチングMにおいて、メンバーPCおよび9oがそれぞれ単一マッチング再構成を実行した場合のフロー

が次のようになると仮定する。

/(mrPlW)=PC型Pl轡…z2国Z型z3…y1匹y凶Z/2…→PX

P7o TeJpTo

/(↑WlW)=90→91→…Z/2図Z/四y3…z'四Z型z2…四9Y

このとき、

PL錘(zl)<PL沖2)<PL北3)|lPLg(Z/1)<PLg(y2)<PL,(y3)

が成り立つ。

上記のフローより、メンバーzおよびyは、それぞれの単一マッチング再構成においてパートナーの変更があ

るメンバーである。2c,WiW'90を実行した場合、zが町からのProposeメッセージを受信する前にz2からの

Rejectメッセージを受信していた場合、ZがRejectメッセージを送信する相手は、z2ではなくz3となる。z3

がzよりRejectメッセージを受信すると、ノ(mrplW,`M/)のProposeメッセージとRejectメッセージを入れ換

えて再構成が進行するが、Zノがり,よりRejectメッセージを受信することにより送信するProposeメッセージを

受理するのは、92ではなく、Z/3となる。これは、ZとZノを入れ換えても同様であり、結果、無限に繰り返すこと

となる。

5.2デッドロックに陥る状況について

本節では、二並行再構成のサブプロセスがデッドロックに陥るケースについて検討する。 先ず、単一マッチング再構成では起こり得ない下記の事象について検討する。 ・起動者が、Rejectメッセージを受信した場合 oProposeメッセージの送信者が、Acceptメッセージを受信する前にproposeメッセージを受信した場合 先ず、起動者がRejectメッセージを受信するケースについて検討する。二並行マッチング再構成では、起動者 は2メンバーおり、互いにRejectメッセージを送信することは起こりえる。単一再構成手法に基づいて再構成 を進行させると、マッチングが導かれたたとしてもそのマッチングは不安定となる。また、起動者が受けるメッ セージはProposeメッセージのみとし、Rejectメッセージを無視した場合、デッドロックに陥る。

次に、Proposeメッセージの送信者が、Acceptメッセージを受信する前にProposeメッセージを受信するケー

スについて検討する。受信したProposeメッセージを即座に受理することを認め、Proposeメッセージの送信を

止めた場合、そこで再構成プロセスが終了してしまい、起動者が新たなパートナーを得ることがなくなくことか

ら、再構成は失敗することになる。また、Acceptメッセージを受信する迄、Proposeメッセージの受理を保留さ

せると、互いにProposeメッセージを送信しあった場合、デッドロックに陥る。 -42-

(10)

5.3二並行マッチング再構成後のマッチングが不安定となる状況について

本節では、安定マッチングMにおいて二並行マッチング再構成2cmrplW90実行後のマッチングが不安定とな

る状況について検証を行う。但し、5.2節で述べたケースは除くものとする。

二並行マッチング再構成2cm,YpiWqo実行後のマッチングをM,とする。このとき、M,が不安定だと仮定する。

仮定より、マッチングM'は、不安定であることから、{(nM)`)(mj,IUj)}eM,において

PLm`(tUj)<PLm蝋(u)`)APL山,(mi)<PLu',(mj)

が成り立つ。このとき、

(mMud)俵MV(mj川j)仏〃

である。

(mMUi)Eハfと仮定すると、

とき、(m`川h)EMと仮定し、

ペア(川,ujj)は二並行再構成の実行過程において形成きれたペアとなる。この

以下のそれぞれのケースについて検討する。

LPLmj(lpj)<PLmガ(ujh)が成り立つ場合

uノノはMにおいてPLQu,(mh)<PL⑪,(m`)であるmhをパートナーとしており、ノ(2cmmlW'qo,川,mj)=

川型uノゴ…u)jjzRmjの過程においてtUj轡mdが含まれている筈であり、mjは、u),より下位のメン

バーをパートナーとしていることから、アルゴリズムに矛盾する。

2.PLm#(u)ん)<PLmルゴ)が成り立つ場合

八2cm”'’'9o,uM)`)=u'ん図、`…m@匹山の過程において、m`習皿ノゴが含まれている筈であり、uノゴ

は、Mにおいてmiより下位のメンバーをパートナーとしていることから、アルゴリズムに矛盾する。

aPLm纐(u)ん)=PLm山j)が成り立つ場合

、iまたはuノjのいずれかが、より上位のメンバーとのペア形成のためペアを解消した筈であり、お互いが

下位のメンバーとペアとなっていることから、アルゴリズムに矛盾する。 よって、二並行マッチング再構成後のマッチングが不安定になることは無いと考えられる。

6結び

本研究では、分散安定マッチング問題におけるマッチング再構成を、より社会システムへの適用に優れたマッ チング再構成手法として、一つの再構成プロセスの実行中に、任意の参加メンバーによって異なる再構成プロセ

スの起動を可能とする複数マッチング再構成を提案した[8]・本論文では、複数マッチング再構成手法を提案する

にあたり、単一マッチング再構成を行うアルゴリズムを二並行で行った場合に、安定マッチングへ遷移できない 場合について検討を行い、マッチング再構成プロセスを並行して実行するために解決しなければならない問題点 を示した。 今後の研究の課題として、提示した問題点の解決方法を考案し、検証を行った異なる安定マッチングへの遷移 ができない場合に対応可能な自律分散アルゴリズムを提案し、複数マッチング再構成によるマッチングの再構成 が成功する必要十分条件の証明を行う。更に、提案した分散安定マッチング問題の実システムへの適用を検討し ていく予定である。 -43-

(11)

参考文献

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[81金城秀樹,名嘉村盛和,翁長健治,“分散安定結婚問題における二並行マッチング再構成,,,電子情報通信学会

金城秀樹,名嘉村盛和,翁長健治,“分散安定結婚「

技術研究報告,VOL99,No.539,pp77-84,2000

-44-

参照

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