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ライフサポート Vol.32 No.4, 2020
巻頭言
今,そして明日を想う
東京電機大学理工学部理工学科電子工学系
本間章彦
私ごとですが,今年に入り,父と義理の母を亡くしました.父は何年にも渡り長い闘病生活を送ってい
ました.何度も,危ない時期がありましたが,その度,医療技術により救われました.リハビリにより,
生活に改善も見られました.しかしながら 42/ の低下は避けられず,それに伴い,介護に関する問題も発
生しました.介護は,それを受ける側だけではなく,介護する方にも大きな問題であることを,身をもっ
て体験しました.現在の医療技術には素晴らしいものがありますが,複数のイベントが発生すると,また
相反するようなイベントが発生した場合には,限界があります.現在の最先端の医療技術でも最終的に
は父の命を救うことはできませんでした.
義母は認知症を抱えていました.症状の進行とともに,本人からはどのようにこの世界が見えていたの
か,本人にとってどのような状態が幸せであったのか,今となっては知る術がありません.家族にとって
できることはいったい何だったんだろうと時々思い返します.
実母は幸いにもまだ健在ですが,現在,眼内レンズや,人工骨頭などの人工臓器の恩恵を受けていま
す.ほぼ,普通の生活を送れておりますが,正座などはできず,椅子の生活となり,日常の生活には若干
の制限があります.しかしながら,昔だったらもっと制限を受けた生活になっていたことと思います.
現在,新型コロナウイルス感染症のため,私たちの生活は大きな影響を受けています.今まで普通にで
きていたことができなくなり,新しい生活様式が求められるようになりました.テレワークやオンライ
ン講義など,遠隔技術によりこれらの問題に対処しようとする動きや取り組みも始まりました.新しい
生活様式に向けた新しい技術の開発も始まり,今,私たちの生活は大きく変わろうとしています.一方
で,私たちは新型コロナウイルス感染症だけではなく,地球温暖化などの環境問題や,これから想定され
ている大災害,高齢社会への対応など,実に多くの問題に直面しています.これらの問題の影響を確実に
受ける私たちは,それらに対する早急な対策と解決が求められています.問題解決のためには,医療技術
やライフサポート技術にも大きな変革が求められています.
現在,医療技術の進歩により平均寿命も伸び,国内では 歳以上の高齢者は 万人を超えています.
しかしながら,平均寿命が伸びても,健康寿命が短くては意味がありません.健康かつ高い 42/ を保ちな
がら長寿を全うできる社会が求められています.ライフサポート技術は,様々な問題を解決するために,
ますます重要な役割を担うことになると思われます.
父や母の姿は,確実に自分の将来の姿です.生活様式が,大きく変化しようとしている今,ライフサポ
ートに携わるものとして,私たちに何ができるのか,何を目指していくのかを考えていく必要があると
思います.