聖霊女子短期大学紀要第48号(2020)
翻刻「琵琶秘曲泣幽霊」
-富山大学蔵本『臥遊奇談』より、ハーン「耳なし芳一」原話-
近 藤 清 兄
* 筆者(翻刻者、近藤)は最近ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が米国時代に収集したクレオー ルことわざ辞典の研究に携わり、その過程で小泉八雲の他の作品にも改めて関心を深めることに なった。ここに紹介するのは八雲の『怪談』で有名な「耳なし芳一」の原話の一つである、怪談本 『臥遊奇談』(1782)中の一話「琵琶秘曲泣幽霊」(びわのひきょくゆうれいをなかしむ)である。 底本としたのはハーンの旧蔵書コレクション「ヘルン文庫」(富山大学図書館)中のものである。 掲載許可を下さった同図書館には感謝を申し上げます。 同文庫は Web 上で閲覧可能で、URL は次の通り。・ヘルン文庫 - | 富山大学附属図書館中央図書館 University of Toyama Central Library http://www.lib.u-toyama.ac.jp/chuo/hearn/hearn_index.html ・臥遊奇談 https://toyama.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_ item_detail&item_id=7485&item_no=1&page_id=32&block_id=36 本稿は初めまったくの個人的趣味の範疇にあり、公刊する予定は特になかったのであるが、あき た文学資料館名誉館長・秋田県生涯学習センターシニアコーディネーターの北条常久先生(元本学 教授)が同センターにおいて 2019 年度「あきたスマートカレッジ」の一つとして講義された「小 泉八雲「怪談」と日本人」(8月 17 日(土))に関連して、本稿の原形となった翻刻メモを先生に お見せしたことから、本稿にもなにがしかの社会的意義がないこともなく思えたので、参考資料と して公刊をこころみることにした次第である。長谷川洋二(2014)の本の存在は北条先生の御教示 によって知った。この場を借りお礼を申し上げる。 実は、中田賢次(2000)によれば、この作品を含む「これらの原拠は、講談社学術文庫『怪談・奇談』 に、布村弘氏の翻刻により収められている」(p.617)ということなのであるが、これを求めて見る ことがそのときにできなかったこともあり、今回近藤が自身で翻刻を試みてみた次第である。 《凡例》 ・[文学(印)][小泉八雲(印)]原本に捺されている印鑑の字。 ・[p.1]第 1 ページ ・[1]…[9]第1〜9行 ・句点は原文になく、翻刻者が適宜付した。 ・ 変体仮名は原則として現行の仮名に改めているが、「ハ」「ミ」など、現行のカタカナにあるも * 本学講師
のは原文ママとした。 ・ふりがなは原文ママとしたが、変体仮名は上記の原則に従い現行の仮名に改めた。 ・()は原文中のルビ。 ・繰り返し記号は横書きの便宜上「\/」とした。 [p.1] [文学(印)]臥遊奇談(ぐハゆうきだん)巻(くハん)之二[小泉八雲(印)] 琵琶秘曲泣幽霊(びハのひきよくゆうれいをなかしむ) [1] 長州赤間関(ちやうしうあかまがぜき)ハ古源平戦争(いにしへげんへいせんさう)の地(ち) にて千載(せんざい)の遺恨(ゐこん)を [2] とゞむ。幽魂(ゆうこん)中(なか)\/消(せう)する事(こと)能(あた)ハず。月明(あ きら)かなれバ海面(かいめん)にあや [3] しき声(こゑ)をきく。雨(あめ)しきる夜(よ)ハ平砂(へいさ)に鬼火(きくハ)を飛(と ば)す。後世(こうせい)に [4] いたつて一宇(う)を建立(こんりう)し幽霊(ゆうれい)を慰(い)する。其名(な)を阿 弥陀寺(あみだじ) [5] と名(な)づく。一門の縉紳(しんじん)及び兵士多少(へいしたせう)の古墳(こふん)を 連(つら)ぬ。爰(こゝ)に [6] 阿弥陀寺(あみだじ)の近邊(きんへん)に瞽者(こしや)あり。芳一(はういち)といふ。 幼少(やうせう)より琵琶(びは) [7] に習熟(じゆじゆく)して長(ちやう)ずるに随(したが)ひ其妙(めう)を極(きハ)む。 三位伯雅(さんミはくが)の昔(むかし) [p2] [1] を悲(かな)しミ関(せき)の蝉丸(せミまる)の面影(おもかげ)をうつして明(あけ)て 弾(たん)じ暮(くれ)て [2]かきならす。其法世に称(しやう)じて芳一(ハういち)が平家(へいけ)をかたるや人 [3]をして感泣(かんきう)せしめ鬼神(きしん)を動(うご)かすとぞもてはやしける。又 [4] 阿弥陀寺の住職和尚(ぢうしよくおしやう)常(つね)に是を賞(しやう)じて彼(かれ)を 寺中(じちう)に [5] 滞留(たいりう)せしめ琵琶(びハ)を弾(たん)ぜしむる事連夜(れんや)。一日和尚(おしやう) 法務(ほうむ)に [6] よつて他(た)に出けるに當(あた)つて芳一(はういち)暑威(しよゐ)をさけんがため客 殿(きやくでん) [7] の縁上(ゑんしやう)に獨座(どくざ)し琵琶(びハ)を弾(たん)じけるに夜(よ)深更(し んかう)に及(およん)で門外(もんぐわい) [8] 人あり。内に入て縁下(ゑんか)に立(たち)芳一(はういち)\/と呼(よ)ぶ。すぐ撥(ば ち)をとゞめて [9] 誰(たれ)にてわたり候やと問(と)へば。くるしからず。近邊の者なるが。去(さ)る [p.3] [1] 縉紳(しんしん)の御方歌枕(うたまくら)に事寄(よせ)られ此壇(だん)の浦(うら)の 陣跡(ぢんせき)をさぐらせ
[2] られんが為此地に遊席(ゆうせき)申し宿(やど)を近邊(きんへん)に投(とう)ぜらる。 しかるに汝(なんぢ)が [3] 琵琶(びハ)端正(たんせい)を極(きハむ)るの旨(むね)風説(ふうぜつ)あれバこよひ の御つれ\゛/御旅館(りよくハん)に [4] 召(め)さしむ。我に随(したが)ひ来るべしと。芳一心に思ひけるは。かゝる高貴(かうき) の [5] 御方我を召出さるこそ道(ミち)の冥加(めうが)に叶(かな)ひたるといふべしと [6] 自(ミづか)ら悦びつゐに是人に随(したが)ひ出けり。やがて一つの門(もん)を過(すぎ) て [7] 殿中(でんちう)にいたり。芳一こそ召(めさ)れゝ。ひらけと云(いひ)入給へば官女(く ハんぢよ)と [8]おぼしく多(おゝ)く立出てをりて一間(ま)に入是高貴の御座(ござ) [9]所(どころ)とおぼしく左右(さゆう)相つゝしんで物云ものなし。しばらく [p.4] [1] ありて老女(らうちよ)の声(こゑ)にて平家を語(かた)り琵琶(びハ)を弾(たん)ずべ [2]しとの命(めい)あるにぞいづれの巻(まき)をか語(かた)り申すべしと伺(うかゞ)ふに [3]所がら檀(だん)の浦合戦の篇(へん)こそあはれも深(ふか)からめとある [4] より已(すで)に曲(きよく)を奏(そう)すれバ初めのほどハ左右(さゆう)たゞ感賞(か んしやう)し [5] 給ふ声(こゑ)のひそ\/と聞(きこ)へぬるが。一門入水(じゆすい)の篇(へん)にいた りて [6] 男女感泣(かんきう)して其声(こゑ)しばしハやまざりけり。已(すで)にして曲(きよく) 終(おは)れバ [7] 又老女(らうぢよ)芳一にむかひ汝が妙手(めうしゆ)太(はなはだ)感(かん)じおぼし召。 追(おつ)て賜(たま) [8] 物も有べき間(あいだ)。是より又六夜御旅館(りよくハん)にいたるべし。世間(せけん) を [9]はゞかり給ふ御身なれバかたく他(た)にもらし申べかすと御暇(いとま)を [p.5] [1]給ハり以前(いぜん)の武士に案進(あんない)をされて寺内へぞかへりける [2]翌晩(よくばん)も召されて夜に成て出れバ寺中是をあやしミ和尚(おしやう) [3]にかくと告(つぐ)るにぞ。頓(やが)て芳一を呼(よび)出し毎夜いずくへ [4]行しやと尋(たづね)らるれどもたゞ所用(しよよう)あつて他出(たしゆつ)致候とて申さ [5] ざりけれバ今夜も又如此(かくのことく)出去(いでさ)らバ其跡(あと)を追尋(とめたづ ぬ)べしと [6]衆僧芳一が出去(いでさ)るを待(まつ)。案(あん)のことく其夜に至(いた)つて芳一が [7] 見へざれバ衆僧(しゆそう)下尸(しもべ)にいたるまで村落(そんらく)境内(けいだい) 捜索(そうさく)するに [8]今夜はこと更なりて例(れい)の鬼火(きくハ)四方に飛(とび)さりいとゞ淋し [9]き夜のみちなど近邊にあらんやとミな\/精(せい)もつきぬる [p.6][p.7]図版
[p.8] [1]比(こち)はるかに琵琶(びハ)の声(こゑ)の聞へけれバこれをしたひて一所(しよ)に [2] いたるに安徳帝(あんとくてい)御陵(ミさゞき)の御前(まへ)に芳一琵琶(びハ)を弾(た ん)じて座(ざ)す。扨 [3] こそと大勢よりかゝり汝決(けつ)して狐狸(こり)の為(ため)に化(ばか)されし物成べ し [4]と詈(のゝし)れバ芳一声をひそめ御前なるぞみだりに来り給ふべ [5]からずと制(せい)す。衆僧(しゆそう)大に笑ひて理不盡(りふじん)に芳一をとらへ寺に [6] 帰つて和尚に偈(ゑつ)し件(くだん)の趣(おもむき)を申せバ和尚芳一に向(むか)ひい かゞして [7]かやうの所にはいたりけるぞと尋(たづね)らるれどもたゞ首(かうべ)をたれて [8]有無(うむ)のこたへなし。和尚色(いろ)を変じて盤詰(ぎんミ)すれバやむ事を弁 [9] ず。扨よりの次第を語(かた)る。和尚大に驚(おどろ)き是必定(ひつぢやう)幽魂(ゆう こん)汝が [p.9] [1] 名曲(めいきよく)を賞(しやう)じむとて弾(ひか)せしむる成べし汝(なんぢ)連夜(れ んや)彼地(かのち)に [2] 至(いた)らば恐(おそ)らくハ陽気(やうき)陰気(ゐんき)に壓(おさ)れて命(めい) を害(がい)するに及(およぶ)べし。 [3] 芳一これを聞て色青(いろあを)ざめ後悔(こうくハい)す。和尚差(やゝ)久(ひさ)しく 計較(けいかう)して [4] うれふることなかれ。これをまぬかる一計(けい)あり。汝宜(よろしく)く我云(わがこと ば)を用(もち)ふ [5] べし。背(そむ)かバ命(めい)を落すならんと芳一を裸體(まるはだか)にして和尚自(ミ づから)筆(ふで)を [6] とり又衆僧(しゆそう)にも命(めい)じ芳一が身に明所(あきしよ)なく般若心経(はんに やしんぎやう)を寫せ [7] しむ。写(うつ)し畢(おはつ)て汝今夜例(れい)の如に琵琶(びハ)を弾(たん)ずべし。 いかなる [8] 怪事(くハいじ)ありとも言葉(ことば)を發(はつ)する事なかれ。と得(とく)と云含(ふ く)め其儘(まゝ) [9] 客殿(きやくでん)の縁上(ゑんしやう)に座(ざ)さしめ和尚をはじめ衆僧はみなおのれ \/ [p.10] [1]龍響(りうけう)屋へ引けり。尚(なを)やうすをぞ待(まち)居ける。芳一ハ命にしたがひ [2] ひたすらおしかへし曲(きよく)を奏(そう)しけるに。深更(しんけう)に至(いた)つて 例のごとく [3]芳一\/と呼ぶ。こゝぞと直(すぐ)に琵琶をさし置(おき)。黙然(もくねん)としてひそ [4] ミ居けるに是人縁下(ゑんか)に至り。あやしむべし声(こゑ)なしと直(ぢき)に殿(でん) に [5]のぼりいつもの所に座(ざ)しぬるに。今夜(こんや)いかなれバ其人なし。
[6] 只(たゞ)両耳(りやうし)のミおとしけるぞ。知覚かたく候。耳(ミヽ)を証見(しやうこ) に上へ訴(うつた) [7]へ申べし。と両の耳朶(ミヽたぶ)に諸手(もろて)をかけ何気なく引ちぎり殿(てん) [8]を下つてかゑりぬ。芳一は耳郭(しくハく)を割落(そぎおと)されいたみにたへ [9]ずといへども惟忍(しの)びてゐけるに夜も更ぬる比かひ和尚衆僧 [p.11] [1]を召具し客殿に出て芳一ハいかがしけるぞと縁上(ゑんしやう)をミれバ [2]血流れて板(いた)を染(そ)む。憐(あはれ)むべし命(めい)を引レけるやと此所に出れ [3] ば芳一両耳(ミヽ)をかゝへ忍(しの)び泣(なき)に哭(こく)しける。和尚の来(きたり) 給ふを聞(きゝ) [4]てあと叫(さけ)びけるを和尚我(われ)なるぞ氣(き)をたしかに持(もつ)べしとあ [5] れば初(はじめ)て人心付。此時和尚次第(しだい)を尋(たづね)らるゝに耳(ミヽ)を取 ら [6]れし始末(しまつ)とかたりけれバ和尚大きにあきれ。我誤(あやま)つて耳(ミヽ)を [7] 落(おと)して経文(きやうもん)を書(しよ)せず。汝にかゝる難(なん)をかけたり。し かれど之より [8]後(のち)来るまじけれバ命(めい)恙(つゝが)なかるべし。と示(しめ)して尚芳一に養 [9] 生(やうじやう)を加(くハ)へられけるに其後(そのゝち)寺中(ぢちう)夜更(よふけ) て芳一を呼(よ)ぶ者(もの)なし。 [p.12] [1]あやふき命(めい)を拾(ひろ)ひける。琵琶(びハ)ハ尚\/妙(めう)をきハめて世に [2]耳(ミヽ)きれ芳一が琵琶と称(せう)じけるとぞ。 注 [p.1] [題]泣幽霊「泣」一「幽霊」二、と返り点が打ってあり、「泣」を「なかしむ」と使役に読ませている。 [5]古墳 左側に「つか」の注を加える。 [6]瞽者 左側に「めしゐ」の注を加える。 琵琶 この語のルビは一貫して「びハ」なのであるが、この箇所だけ「ハ」に見えない。不鮮 明でよくわからない。仮に「は」としておくが、「わ(王)」かもしれない。 [p.3] [3]端正 左側に「たくみ」(?)の注を加える。(濁点のある「だ」に見えるが、誤刻だろうか) [7] ひらけと云 八雲は妻セツに「強味」のある言葉を探すよう所望し、セツから「開門 !」と いう漢語の工夫を引き出した。Kwaidan の英文でも Kaimon! はそのまま使われているが (”Kaimon!” the samurai called,? and there was a sound of unbarring; and the twain passed
on.)[そしてその原注[4]に "A respectful term, signifying the opening of a gate. It was used by samurai when calling to the guards on duty at a lord’s gate for admission." とする]、 ごらんのように「琵琶秘曲泣幽霊」の原文にはなかった表現である。八雲の妻セツの「思ひ出 の記」によれば、「「門を開け」と武士が呼ぶところでも「門を開け」では強味がないと云ふので、 色々考へて「開門」と致しました。」(長谷川洋二(2014)に全文が収録されている。この箇所
はその p.328)セツはここで「門を」開けと言っているが、説明のためことばを加えたもので、「琵 琶秘曲泣幽霊」の原文では単に「ひらけ」である。版本は連綿の具合で「ら」の字が読み取り にくかった。 [p.5] [1] 給ハり 原文では同一の真名は一貫して同一の字体で書かれている。「給」の字も他の箇所で はすべてそうなのであるが(p.3[7]、p.4[5]、同[9]、p.8[4]、p.11[3])、ここだけ字体を 違えている。他の箇所はすべて尊敬の補助動詞で、ここだけ本動詞用法だからであろうと思う。 この p.5[1]だけ崩しが浅く、行書に近い。他は大きく崩した草書体である。 案進「あんない」(案内)とルビ。世話字。 [5]追尋「とめたづ」(ぬ)とルビ。「もとめたづぬ」の「も」が欠拓 ? [7]捜索 左側に「さがしもとむ」の注を加える。 [p.8] [8] 盤詰「①問い詰める。詰問。…②関所や渡し場の役人が通行人を調べること。…」(『大漢語林』 大修館書店)。「ぎんミ」(吟味)とふりがなしている。世話字。和尚は「それならば(拷問し てでも)きつく糾明するまで」と言った、のであろう。 [p.9] [1]計較 左側に「しあん」(思案)の注を加える。 [5]裸體「まるはだか」とルビ。世話字。 [p.10] [1] 龍響 原文ふりがなは「りうけう」としているが、「りゆうきやう」が正しい。「龍響」のここ での意味がわからないが、大音声のことだとすれば、ここは「どやどやと(足音を響かせて) めいめい部屋に引き上げて」ぐらいの意なのであろうか。 [6]証見「しやうこ」(証拠)とルビ。世話字。 [8]耳郭 左側に「ミヽのぐるり」と注。 [p.11] [6]始末 左側に「はしめおはり」(始め[と]終わり)[つまり一部始終]の注を加える。 [p.12] [2] 耳きれ芳一 ここでも「耳切れ」と呼ばれている。類話は色々あるが、いずれも「耳切れ○○」 と言っており、ハーンの作品以外に「耳なし」と呼ぶものを翻刻者はまだ見ていない。『曾呂 利物語』(1663)「耳切れうん市が事」では「耳切れうん市」(高田衛編・校注(1989b))、『宿 直草』(1677)「小宰相の局、ゆうれいの事」では「耳きれ団都(だんいち)」とする(高田衛編・ 校注(1989a)-高田編・校注本では「耳切れ」と漢字だが、富山大学蔵本の原文では「耳きれ」 -)。 参考文献 高田衛編・校注(1989a):『江戸怪談集(上)』、岩波書店。 高田衛編・校注(1989b):『江戸怪談集(中)』、岩波書店。 中田賢次(2000):「「耳なし芳一のはなし」」の項 , 平川[監修](2000),pp.616-617. 長谷川洋二(2014):『八雲の妻 小泉セツの生涯』、今井書店、松江市。 平川祐弘[監修](2000):『小泉八雲事典』, 恒文社 .
SUMMARY
Lafcadio Hearn's Kwaidan(1904), including the famous Story of Mimi-Nashi-Hoichi(Hoichi the Earless), has of course quite a few original sources from Yedo period woodcut print books, one of which is Gayu Kidan[臥遊奇談](1782).
"Biwa-no Hikyoku Yurei-wo Nakashimu"[琵琶秘曲泣幽霊](A Secret Epic Moves the Dead)is one of such sources of "The Story of Mimi-Nashi-Hoichi".
The present author here tries to make a transcription of the original text of "Biwa-no Hikyoku Yurei-wo Nakashimu" according to a copy, which used to be part of the collection of Hearn himself, now held by the University of Toyama Central Library.
The transcriptor here is deeply grateful to the University of Toyama Central Library for giving him their ready consent and permission.