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「第31回 ドローンの研究・技術開発の最新動向」

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(1)© 2021. RSSJ. 「第 31 回. Journal of The Remote Sensing Society of Japan. Vol. 41. No. 1 (2021) pp. 39-42. ドローンの研究・技術開発の最新動向」 伊東明彦 (一社)日本ドローンコンソーシアム. Q.. 各種ロボットの連続稼働時間の向上等に資する高効率. ドローンの研究・技術開発の最新動向について教. エネルギーシステム技術開発を実施します。. えてください。. 【2】無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の 開発. A.. ドローンの研究・技術開発については,第 30 回で紹介. (1)無人航空機の運航管理システムの開発. し た 図 -2「空 の 産 業 革 命 に 向 け た ロ ー ド マ ッ プ(以 下. 当該本プロジェクトにおける運航管理システムは,運. 「ロードマップ」という。) 」で計画されており,それぞれの. 航管理統合機能,運航管理機能,情報提供機能から構. 技術開発に対して予算化されている。ロードマップの初版. 成されるものとし,無人航空機の安全な運航をサポー トする各種機能・システムを開発します。. は,2016 年 4 月 28 日に作成されており,毎年改定され, 図-1 に示す 2020 年版が最新版となっている。その間,技. (2)無人航空機の衝突回避技術の開発. 術開発に係る項目は,修正・追加されてきている。図-1 の. 無人航空機が地上及び空中の物件等を検知し,即時に. 青色で表記されている「運航管理システム」, 「衝突回避等. 当該物件等との衝突を回避し飛行するための技術を開 発します。. 技術」, 「機体性能評価」, 「国際標準(ISO 等)化」は,初版 のロードマップにも表記されており,2019 年までに開発を. 【3】ロボット・ドローンに関する国際標準化の推進. 終える計画で進められている。その後,レベル 4 の実現は,. (1)デジュール・スタンダード. 2022 年を目指すことが示され,第 30 回で説明した 4 つの. 標準化を推進する国際機関や諸外国の団体等の動向を. WG(① 機体の安全性・信頼性の認証,② 操縦者や運航管. 把握し,国際的に連携しながら検討と開発を進め,本. 理者の技能・資格制度,③ 運航ルール,④ 所有者情報等の. 当該プロジェクトの成果を国際標準化に繋げるための 活動を実施します。. 把握の仕組み)と「ステアリング・コミッティ」の検討を 進める過程で「リモート ID」のような新たな技術開発の必. (2)デファクト・スタンダード. 要性が定義されてきている。ロードマップで表記されてい. 技術開発スピードが速く,デファクトが鍵を握るロ. る技術開発項目の多くは,NEDO の「ロボット・ドローン. ボットについては,世界の最新技術動向を日本に集. が活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」で公募. め,日本発のルールで開発競争が加速する手法を推進. され,開発されている。. します。 以下にそれぞれの研究開発の状況について,解説する。. 【NEDO ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会. 1)ロボット・ドローン機体の性能評価基準等の開発. の実現プロジェクト】. ①. NEDO のロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社. 性能評価基準等の研究開発. 会の実現プロジェクト(以降,当該プロジェクトという). 「性能評価基準等の研究開発」は,2016 年度,2017 年度. は,2017 年度∼2021 年度の 5 年間で実施予定であり,2017. に「無人航空機・陸上ロボット・水中ロボットの性能評. 年度の策定当時,下記のとおり,構成・内容が示された。. 価手法の研究開発」というタイトルで,各種ロボット. また,それぞれの研究開発のスケジュールを図-2 に整理す. (無人航空機,陸上ロボット,水中ロボット)の性能評価 基準を,分野(物流・インフラ点検・災害調査)及びロ. る。. ボット毎に策定している。また,2018 年度,2019 年度に. 【1】ロボット・ドローン機体の性能評価基準等の開発. 「目視外及び第三者上空での飛行に向けた無人航空機の. (1)性能評価基準等の研究開発. 性能評価基準」というタイトルで,目視外および第三者. 物流,インフラ点検及び災害対応分野等での活用が期. 上空での飛行に向け,社会受容性が得られる無人航空機. 待される各種ロボット(無人航空機,陸上ロボット,. に必要な性能要求を明らかにし,その性能評価手法を研. 水中ロボット等)の性能評価基準を,分野及びロボッ. 究開発している。具体的には,住宅地での昼間飛行を想. ト毎に策定します。. 定し,55 デシベル以下等の音響制限がある飛行地域の特. (2)省エネルギー性能等向上のための研究開発. 性を考慮した音響性能評価や,物流用の無人航空機の衝. ─ 39 ─.

(2) ● リモートセンシング質問箱 ●. 図-1 「空の産業革命に向けたロードマップ 2020」. 図-2. 研究・技術開発のスケジュール ─ 40 ─.

(3) 日本リモートセンシング学会誌. 突回避性能を,自動車の対人衝突回避性能と同等レベル. Vol. 41. No. 1 (2021). ・運航管理統合機能の機能拡張に関する研究開発. にする基準及び性能評価手法の開発等を実施している。. 「運航管理統合機能への飛行計画,動態情報の簡易登. さらに,2020 年度からは「無人航空機に求められる安. 録機能の開発」, 「サーバ障害発生時の対応に関する開. 全基準策定のための研究開発」というタイトルで,目視. 発」 ,「運航管理統合機能の処理分散技術の開発」, 「全. 外及び第三者上空等での飛行に向け,リスクレベルに応. 国の地図情報,気象情報の活用技術の開発」の項目で. じた無人航空機の安全基準に策定に必要となる,性能や. 進められている。. 安全性の性能評価等を研究開発する計画となっている。 ②. (運航管理機能). 省エネルギー性能等向上のための研究開発. ・単独長距離を実現する運航管理機能の開発(離島対応). 「省エネルギー性能等向上のための研究開発」は,2019. 小型無人航空機に小型化・低消費電力化適用の衝突. 年度で研究を終えており,2 時間以上の連続航行を行う. 回避システム及び準天頂衛星システムを搭載し,対有. ための無人航空機に搭載できる燃料電池が開発されてい. 人航空機と相対速度 200 km/h において衝突回避可能. る。. か飛行試験により実証する。また,離島対応運航管理. ③. 装置の製作及び接続性を検証する実証試験を実施する. 無人航空機のエネルギーマネジメントに関する研究. 内容である。. 開発 2020 年度からは, 「【1】ロボット・ドローン機体の性能. (情報提供機能) ・空の道を組み込んだ統合型情報提供機能の実用化. 評価基準等の開発」に, 「無人航空機のエネルギーマネジ メントに関する研究開発」という項目が加わり,飛行の. 運航管理システムに必要となる地図情報の仕様設計. 長時間化のためのバッテリーの性能向上も含め,安全で. / 運用手法の確立,無人航空機専用ルート「スカイネッ. 長時間の飛行を可能とするエネルギーマネジメント等の. トワーク」の仕様設計 / 運用手法の確立を行う内容で ある。. 周辺システムの研究を開発する項目が加わっている。こ. ・地域特性を考慮したドローン気象情報提供機能に関す. の研究開発項目は,ロードマップの初版では記載されて. る研究開発. おらず,検討を進める中で新たに加えられた研究開発項. 2017∼2019 年度に研究開発した「ドローン向け気. 目である。. 象情報提供機能」の成果を改良・拡張し,山間地や海. 2)無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開. (離島)など気象特性が異なる地域での予測精度と実. 発 ①. 用性を検証する内容である。. 無人航空機の運航管理システムの開発 ②. 「無人航空機の運航管理システムの開発」は,2017 年度. 無人航空機の衝突回避技術の開発 無人航空機の衝突回避技術の開発は, 「非協調式 SAA」. から,運航管理統合機能,運航管理機能,情報提供機能, 全体設計に関する 4 つの項目で進められてきており,. と「協調式 SAA」に分けられる。SAA は,Sense-And-. 2019 年度で終えている。これまで進められてきた研究. Avoid の略であり,探知・回避を示し,衝突対象との連携. 内容の項目を以下に整理する。. の有無に応じて,研究開発の項目が設定されている。「非 協調式 SAA」では,電波センサ・光波センサを統合した. (運航管理統合機能,運航管理機能). 衝突回避システムが開発されている。また,「協調式. ・安心・安全で効率的な物流等のサービスを実現する運 航管理システムの研究開発. SAA」では,ドローンに準天頂衛星対応高精度測位受信. ・警備業務に対応した運航管理機能の研究開発. 機を搭載し,飛行時の測位精度の検証を行うと共に,機. ・ロボットテストフィールド連携による研究開発と評価. 体間通信によりお互いの位置情報を把握するための飛行. ・複数無線通信網を利用した多用途運航管理機能の開発. 実証を実施している。. ・衛星通信を利用するドローンの運航管理システムの開 発. 2020 年度からは,2019 年度までの研究成果をもとに, 「非協調式 SAA」として,衝突回避システムの小型化・低. (運航管理機能). 消費電力化, 「協調式 SAA」では,準天頂衛星システムに. ・準天頂衛星システムを利用した無人航空機の自律的ダ. 対応した受信機,アンテナの小型化・低消費電力化の研. イナミック・リルーティング技術の開発. 究開発が行われている。. (情報提供機能) 上記で詳述したように,ドローンの研究・技術開発は,. ・ドローン向け気象情報提供機能の研究開発. 2022 年のレベル 4 の実現に向けて,2021 年度までに多く. ・無人航空機の安全航行のための空間情報基盤の開発. の研究開発が終了し,2022 年からの実装に反映される見込. (全体設計). みである。上記に説明した研究開発以外においても,国土. ・運航管理システムの全体設計に関する研究開発 また,新たに 2020 年度から,以下の研究項目で新たな テーマが設定され,進められている。 (運航管理統合機能,運航管理機能). 交通省における物流に係る実証研究,5G 等の新たな技術 要素の組み込み,農林水産省におけるスマート農業の実 証・高度化に係る研究開発など,多省庁に跨って研究開発. ─ 41 ─.

(4) ● リモートセンシング質問箱 ●. が進められている。一方,ドローンに係る研究開発には,. め,実装に必要な環境整備,技術開発を行うべきと考える。. リモートセンシングに係る研究・開発要素の比重が低く,. ドローンの普及が,リモートセンシングの発展・普及に寄. 各利用省庁に委ねられている傾向にある。今こそ,衛星リ. 与することを願う。. モートセンシングで蓄積された研究成果をドローン分野で. 引用文献. 活用していくべきと考えている。. 1)小型無人機に関する関係府省庁連絡会議:https : //www.. ドローン産業は,2022 年のレベル 4 の実現に向けて,あ. kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/index.html. らゆる制度改正・技術開発が短期間で進められており,衛 星リモートセンシング分野から見ると非常に参考になる。. 2)ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実. 衛星リモートセンシングにおいても,今後の利用用途を定. ─ 42 ─. 現プロジェクト:https : //nedo-dress.jp/about.

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