〈原著論文〉
がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護専門看護師の
がんゲノム医療に関する学習ニーズ
CANCER GENOMICS MEDICINE LEARNING NEEDS OF
CERTIFIED NURSE SPECIALISTS IN CANCER NURSING
WORKING IN DESIGNATED CANCER HOSPITALS
杉浦康代
1)青木美和
2)市原香織
2)荒尾晴惠
2) 要 旨 本研究は,がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護専門看護師(以下,がん看護CNS)のがん ゲノム医療に関する学習ニーズを明らかにし,学習支援に示唆を得ることを目的とした.がん診療 連携拠点病院で勤務するがん看護CNSのうち,日本看護協会HPに氏名・所属が掲載されていた 464名を対象として無記名自記式質問紙調査を実施し,記述統計,χ2検定およびFisherの正確確率 検定を実施した.対象者233名(有効回答率50.2%)の6割が全調査項目に学習ニーズを有してい たが,なかでも 「複雑で解決困難な看護問題への対応」 「意思決定支援」 は,8割の対象者が学習 ニーズを有していた.また,がんゲノム医療に関する施設要件別において,「多職種連携」と「が ん遺伝子パネル検査の結果を伝える際のアセスメント方法」の学習ニーズに有意差が認められた. 以上より,がん看護CNSががんゲノム医療の特殊性のなかで自身の役割を発揮するための学習 支援の必要性が示唆された.The aim of study was to identify the learning needs of certified nurse specialists (CNSs) in cancer nursing and to obtain data to inform their learning support in cancer genomics medi-cine.
We conducted an open-ended questionnaire survey of 464 CNSs in cancer nursing working in designated cancer hospitals. The survey items assessed subject background characteristics and learning needs for cancer genomics medicine. We used descriptive statistics and performed con-tent analysis using JMP14.0 software.
Of the 464 CNSs in cancer nursing surveyed, 233 returned valid responses (valid response rate: 50.2%). Of these, 60% of CNSs in cancer nursing demonstrated learning needs for all sur-vey items. In addition, 80% of CNSs in cancer nursing had learning needs for “support for com-plex and difficult to solve nursing problems” and “decision support for genomics in cancer med-icine.” Of the target participants, the CNSs in cancer nursing who work at a hospital designated for cancer genomics medicine had learning needs that included “multidisciplinary collaboration” and “assessment method for report the results of the genomic testing”.
In conclusion, we suggest that there is a need for learning support to help CNSs in cancer nursing to play a role to the unique and emerging field of cancer genomics medicine.
Key words: がん看護,がんゲノム医療,学習ニーズ,専門看護師
Cancer nursing, Cancer genomics medicine, Learning needs, Certified nurse specialists
Ⅰ.緒 言
1981年より我が国の死因第1位はがんであり(国立 がん研究センターがん情報サービス,2019年2月6日閲 覧),がん死亡率の改善は優先的に取り組むべき重要な 課題である.2018年3月に閣議決定された第三期がん 対策推進基本計画には,新たにがんゲノム医療の充実が 盛り込まれ,個人に最適な治療法を提供することで,が ん死亡率の改善が期待される. がんゲノム医療は,体細胞遺伝子検査であるがん遺伝 [受付日: 2020年6月18日,受理日: 2020年12月11日] 1)京都府立医科大学附属病院看護部,2)大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻子パネル検査によって,がん患者の腫瘍部および正常細 胞部のゲノム情報を用いて治療の最適化・予後予測・発 症予防を行う医療である(厚生労働省,2019年3月20 日閲覧a).我が国では,2017年より国策でがんゲノム 医療の体制が整備され,2018年にがんゲノム医療中核 拠点病院が指定されたことで実用化に向けた取り組みが 進められた(厚生労働省,2019年3月20日閲覧b, 2019 年3月20日閲覧c).さらに,2019年6月にがん遺伝子 パネル検査が保険収載されたことを契機に,同年10月 までに保険診療でがん遺伝子パネル検査を受けた患者は 805件となった(厚生労働省,2020年1月6日閲覧). このように,今まさに発展を遂げているがんゲノム医療 において,質の高い看護実践を検討することは急務であ る. 特に,がんゲノム医療は,個人に最適な治療法を見出 すといったメリットを有する反面,多くの課題も抱えて いる.がん遺伝子パネル検査の対象は,標準治療がない もしくは終了する/した患者である.これらの患者は, がん遺伝子パネル検査を受けるか否かのみではなく,差 し迫った死への恐怖を感じることや,有効な治療がなけ れば医療者から見放されるのではないかという思いを抱 えており,複雑で解決困難な問題を抱えやすい.加え て,現在のがん遺伝子パネル検査は結果報告までに時間 を要するため,患者は結果が出るまでの間がんの進行や 結果への不安を抱えながら過ごすことや,検査を受けて も最適な治療に結び付かない可能性が高く(西原,四十 物,2018; Reed, Steinmark, Seibert, Edelman, 2019) ,他の治療や療養の場の選択を迫られることが多い.こ れらの課題に対して看護師は,がんゲノム医療を取り巻 く課題を把握した上で,患者・家族のがんゲノム医療に 対する理解を支え,意思決定支援をする必要がある (Calzone, Jenkins, Masny, 2002; Reed, et al., 2019).
また,がん遺伝子パネル検査は体細胞遺伝子検査である が,遺伝子を網羅的に解析するため,目的以外のバリア ントが発見されることでの血縁者への倫理・社会的問題 が指摘されている(Breitkopf et al., 2015; Bijlsma et al., 2018).そのため,遺伝カウンセリング技術の習得 や遺伝関連部門との連携し,問題に対応することが必須 となる(Calzone et al., 2002). 遺伝/ゲノム医療の先進国である米国では,がん看護 高度実践看護師が,がん遺伝/ゲノム医療の高度実践看 護の役割を担っている.なかでも,がん遺伝学の知識を 生かした高度な看護実践や多職種の中でリーダーシップ を 指 揮 す る こ と が 期 待 さ れ て い る(Calzone et al., 2002).我が国では,がん看護専門看護師(以下,がん 看護CNS)が,がん看護に対する高度な専門性と看護 実践能力を活かして,患者が適切な治療やケアが受けら れるように支援すると共に,チーム医療の調整役を担う ことが期待される.しかしながら,前述のように遺伝情 報を扱うことに伴うがんゲノム医療特有の複雑な課題を 抱えており,がん看護CNSの既習の知識や技術のみで は対応に限界がある.さらに,現在がん遺伝学やがんゲ ノム医療に関する継続教育の支援は整っておらず(日本 看護系大学協議会,2019年12月1日閲覧),個々のがん 看護CNSが自律的に学習することが求められている. そこで,がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護 CNSが,がんゲノム医療を受ける患者の看護を実践す るために,どのような知識や技術に関する学習ニーズを もっているのかを明らかにすることとした. 加えて,先行研究において,看護師は所属看護単位の 専門性に応じた看護実践に必要となる学習ニードを有し ていること(三浦,亀岡,定廣,舟島,2002)が報告 されていることから,がんゲノム医療に関する学習ニー ズは,看護師の所属施設や勤務場所,がんゲノム医療を 受ける患者への看護実践状況により異なると推察され た.そこで,対象者の背景による学習ニーズの差異の視 点から,実態を把握することとした. 本研究結果は,がん診療連携拠点病院勤務するがん看 護CNSの,がんゲノム医療に関する自律的な学習を支 援するための基礎資料となると考える.
Ⅱ.研究目的
がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護CNSのが んゲノム医療に関する学習ニーズの実態を明らかにし, がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護CNSに対す る学習支援に示唆を得ることを目的とした.Ⅲ.研究方法
1.研究デザイン 量的記述的研究デザインを用いた. 2.用語の操作的定義 1)がんゲノム医療: がんゲノム医療推進コンソーシア ム懇談会報告書(厚生労働省,2019年3月20日閲覧a) の定義を参考に,本研究ではがんゲノム医療の中のがん 遺伝子パネル検査をうける患者・家族の支援場面に焦点 を当てることとし,「がん遺伝子パネル検査の結果を用 いて治療の最適化を行う医療」 とした. 2)学習ニーズ: 生涯学習事典(藤岡,1990)の定義を 参考に,本研究では,学習ニーズは学習することを意識 的に求める内容であると捉え,「がん診療連携拠点病院 に勤務するがん看護CNSが,がんゲノム医療を受ける 患者の看護実践をする際に必要としている学習内容」 と した.3.対象者 2019年5月1日現在,公益社団法人日本看護協会ホー ムページにおいて,「専門看護師登録者一覧」 に掲載さ れているがん看護CNSのうち,氏名および所属先施設 を公開し,がん診療連携拠点病院に勤務する者を抽出し た. 4.調査方法 2019年7月∼12月の期間,郵送法による無記名自記 式質問紙調査を実施した.調査票の回収は,同封した返 信用封筒で個別に郵送にて返信してもらい,同意確認欄 へのチェックをもって本研究の同意を得た. 5.調査内容 1)対象者の背景 対象者の背景として,がん看護CNS経験年数,がん 看護CNS以外の資格取得状況,勤務場所,がんゲノム 医療を受ける患者支援についての学習経験の有無,学習 方法,がんゲノム医療に関する施設要件,がんゲノム医 療を受ける患者の看護実践状況の7項目とした. 2)がんゲノム医療に関する学習ニーズ がんゲノム医療に関する学習ニーズは,がんゲノム医 療と遺伝看護に関する先行文献(日本遺伝看護学会遺伝 看護専門職検討委員会,2019年2月6日閲覧; 日本医療 研究開発機構ゲノム創薬基盤推進研究事業A-2,2019 年2月6日閲覧; 日本医療研究開発機構ゲノム創薬基盤 推進研究事業A-3,2019年2月6日閲覧),がん看護高 度実践看護師のがん遺伝学に関するコンセンサス(Cal-zone et al., 2002)を参考に,がん看護CNSの役割に該 当する内容を抽出して,研究者が独自に作成した.ま た,がん遺伝子パネル検査の流れに沿って学習ニーズを 検討するため,調査項目は,【領域1: 検査前の時期】 【領域2: 検査∼結果開示前の時期】【領域3: 検査結果説 明∼治療の時期】【領域4: 二次的所見が発見された場 合】の4領域の時期と,がん遺伝子パネル検査の流れの 中で必要となる【領域5: がんゲノム医療に関する知識】 の1領域を加えた,計5領域33項目で構成した(図1). 各項目の学習ニーズは,「6: 非常に必要である」 ∼ 「1: 全く必要でない」 の6段階リッカートスケールで回答を 得た. 6.分析方法 対象者の背景を単純集計した.がんゲノム医療に関す る学習ニーズ33項目については,各項目の平均値を算 出し,平均+標準偏差≧6を用いて天井効果を確認し た.その後,がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護 CNSのがんゲノム医療に関する学習ニーズの実態を明 らかにするために,対象者全体(n=233)の回答を記 述統計で示した.次に,対象者の背景(がんゲノム医療 を受ける患者の看護実践状況,がんゲノム医療に関する 施設要件,勤務場所別)と学習ニーズを比較した.その 際,学習ニーズは平均値を参照した上で,6(非常に必 要である)∼5(かなり必要である)の「ニーズ高群」と 4(少し必要である)∼1(全く必要でない)の「ニーズ 低群」の2群に分類した.統計はχ2検定およびFisher の正確確率検定を行った.欠損値は各項目の分析ごとに 除外し,有意水準は5%以下とした.統計処理には, データ分析ソフトJMP pro14.0を用いた. 7.倫理的配慮 大阪大学医学部附属病院の介入研究・観察研究倫理審 査委員会で承認(承認番号: 19037)を得た後に実施し た.対象者には,研究の主旨,データの管理方法,個人 情報の保護,結果の公表,研究に関する問い合わせ先に ついて,文書にて説明した.また,文書を用いて研究の 参加が自由意思であることを説明し,調査票の同意確認 欄へのチェックをもって本研究の同意を得た.
Ⅳ.結 果
1.対象者の背景 がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護CNS 464 名に調査票を配布し,246名から回答を得た(回収率 53.0%).そのうち,同意確認欄にチェックがない者と 対象者の背景に回答がない者を除く,233名を分析対象 とした(有効回答率50.2%). 対象者の背景を表1に示す.対象者全体のCNS経験 年数±SDは6.1±3.9年であり,勤務場所は,緩和ケア 図1 本研究の枠組みセンターが59名(25.5%)で最も多かった.また,が んゲノム医療を受ける患者支援についての学習経験があ る者は195名(83.7%)であった.対象者全体のうち, 実際にがんゲノム医療を受ける患者の看護実践をしてい る者は80名(35.1%)で,がん看護CNS以外の資格取 得においてがんゲノム医療コーディネーターと記載した 者は1名(0.4%)であった. 2. がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護CNS のがんゲノム医療に関する学習ニーズ 対象者全体のがんゲノム医療に関する学習ニーズの各 項目の平均値を算出したころ,30項目で天井効果を認 めた.そこで,学習ニーズの実態を明らかにするため, 各項目の 「非常に必要である」 と 「かなり必要である」 の回答を,学習ニーズが高い項目として捉えた.以下, 領域は【 】,特徴的な項目は『 』で示す. 対象者全体のがんゲノム医療に関する学習ニーズの割 合を図2に示す.学習ニーズにおいて 「非常に必要であ る」 と 「かなり必要である」 の回答の合計割合は,33 項目すべてで6割を超えた.なかでも,【領域1: 検査前 の時期】の『がん遺伝子パネル検査を受ける患者・家族 の複雑で解決困難な看護問題への対応(83.6%)』と 【領域3: 検査結果説明∼治療の時期】の『がん遺伝子パ ネル検査の結果説明を受ける患者・家族の複雑で解決困 難な看護問題への対応(83.8%)』といった,複雑で解 決困難な看護問題への対応に関する学習ニーズの割合が 8割を超えていた.また,【領域1: 検査前の時期】の 『がん遺伝子パネル検査の結果開示に関わる患者・家族 の意思を尊重する支援(81.5%)』,『がん遺伝子パネル 検査を受けるか否かの意思決定支援(81.4%)』,【領域 3: 検査結果説明∼治療の時期】の『がん遺伝子パネル 検査の結果に基づく治療や療養の場の選択における意思 決定支援(78.2%)』といった意思決定支援に関する項 目や,【領域1: 検査前の時期】の『がん遺伝子パネル検 査を受ける患者・家族への心理的支援(82.4%)』に関 しては,7∼8割の者が学習ニーズを有していた.また, 【領域5: がんゲノム医療に関する知識】の『がんゲノム 医療の診療体制に関する知識(80.2%)』は,8割の者が 学習ニーズを有していた. 3. がん診療拠点病院に勤務するがん看護CNSの背 景による学習ニーズの比較 がん診療拠点病院に勤務するがん看護CNSの学習 ニーズの背景として,がんゲノム医療を受ける患者の看 護実践状況,がんゲノム医療に関する施設要件,勤務場 所別に学習ニーズを比較した(表2). χ2検定の結果,がんゲノム医療を受ける患者の看護実 践状況おいて,【領域5: がんゲノム医療に関する知識】 の『がん遺伝子パネル検査の結果によって受けられる治 療(p=0.02)』の項目で有意差がみられた.残差分析の 結果,がんゲノム医療を受ける患者の看護実践をしてい ないがん看護CNSで当該項目の「ニーズ高群」の割合 が高かった. また,がんゲノム医療に関する施設要件では,Fisher の正確確率検定の結果において,【領域1: 検査前の時 期】の『多職種との効果的な連携のあり方(p=0.03)』, 【領域2: 検査∼結果開示前の時期】の『患者・家族にが ん遺伝子パネル検査の結果を伝える際に及ぼされる影響 を考慮したアセスメント方法(p=0.04)』の2項目に有 意差がみられた.残差分析の結果,2項目ともに,がん ゲノム医療中核拠点病院とがんゲノム医療連携病院に勤 務するがん看護CNSにおいて,「ニーズ高群」の割合が 高かった.勤務場所別では,学習ニーズに有意な関連は みられなかった.
Ⅴ.考 察
1. がんゲノム医療においてがん看護CNSの役割を 発揮するための学習ニーズ 本研究は,がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護 表1 対象者の背景 対象者全体 (n=233) n (%) がん看護CNS経験年数 平均±SD 6.1±3.9 がん看護CNS以外の取得資格 なし 174(76.3) 認定看護師 35(15.4) 家族性腫瘍コーディネーター 4(1.8) がんゲノム医療コーディネーター 1(0.4) その他 14(6.1) 勤務場所 緩和ケアセンター(病棟除く) 59(25.5) 病棟 48(20.8) 外来(看護外来, 化学療法室含む) 34(14.7) 相談支援センター 33(14.3) 組織横断的 28(12.1) その他 29(12.6) がんゲノム医療を受ける患者支援についての学習経験 なし 38 (16.3) あり 195 (83.7) 学習方法(複数回答) 院外の研修 137(70.3) 学会のセミナー・講演等 112(57.4) 専門書籍・雑誌 72(36.9) 院内の研修 71(36.4) 修士課程の講義・実習 18(9.2) その他 15(7.7) がんゲノム医療に関する施設要件 がんゲノム医療連携病院 125 (53.9) がんゲノム医療中核拠点病院 28 (12.1) 指定なし 79 (34.0) がんゲノム医療を受ける患者の看護実践 実践している 80(35.1) 実践していない 148(64.9) 無回答数は欠損値として分析から除外したCNSのがんゲノム医療の学習ニーズを明らかにした初 めての研究である.その学習ニーズの特徴として,33 項目すべてで6割以上のがん看護CNSが学習ニーズを 有していたことが明らかとなった.この背景には,我が 国において,急速に臨床でのがんゲノム医療の実用化が 進められてきたことの影響を考えた.既にがん看護 図2 がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護CNS全体のがんゲノム医療に関する学習ニーズの割合
表 2-1 がん診療拠点病院に勤務するがん看護 CNS の学習ニーズの背景要因 n= 233 質問項目 がんゲノム医療を受ける患者の看護実践 がんゲノム医療に関する施設要件 勤務場所 実践 している n= 80 実践 していない n= 148 p 値 がんゲノム 医療 中核拠点 病院 n= 28 がんゲノム 医療 連携病院 n= 125 指定なし n= 79 p 値 緩和ケア センター n= 59 病棟 n=48 外来 n=34 相談支援 センター n= 33 組織 横断的 n=28 p 値 n( % ) n( % ) n( % ) 【領域 1: 検査前の時期】 患者 ・家族に対するがん遺伝子パネル検査の説 明の仕方 ニーズ高群 56 ( 70.0 ) 118 ( 79.7 ) 0.10 22 ( 78.6 ) 96 ( 76.8 ) 61 ( 77.22 ) 0.98 48 ( 81.4 ) 37 ( 77.1 ) 23 ( 67.7 ) 26 ( 78.8 ) 20 ( 71.4 ) 0.60 ニーズ低群 24 ( 30.0 ) 30 ( 20.3 ) 6( 21.4 ) 29 ( 23.2 ) 18 ( 22.8 ) 11 ( 18.6 ) 11 ( 22.9 ) 11 ( 32.3 ) 7( 21.2 ) 8( 28.6 ) がん遺伝子パネル検査を受ける患者のアセスメ ントの方法 ニーズ高群 60 ( 75.0 ) 117 ( 79.1 ) 0.51 23 ( 82.2 ) 101 ( 80.8 ) 58 ( 73.4 ) 0.40 47 ( 79.7 ) 37 ( 77.1 ) 26 ( 76.5 ) 26 ( 78.8 ) 21 ( 75.0 ) 0.99 ニーズ低群 20 ( 25.0 ) 31 ( 20.9 ) 5( 17.8 ) 24 ( 19.2 ) 21 ( 26.6 ) 12 ( 20.3 ) 11 ( 22.9 ) 8( 23.5 ) 7( 21.2 ) 7( 25.0 ) がん遺伝子パネル検査を受ける患者 ・家族への 心理的支援 ニーズ高群 63 ( 78.7 ) 124 ( 83.8 ) 0.36 24 ( 85.7 ) 106 ( 84.8 ) 62 ( 78.5 ) 0.46 29 ( 87.9 ) 38 ( 79.2 ) 27 ( 79.4 ) 29 ( 87.9 ) 21 ( 75.0 ) 0.45 ニーズ低群 17 ( 21.3 ) 24 ( 16.2 ) 4( 14.3 ) 19 ( 15.2 ) 17 ( 21.5 ) 4( 12.1 ) 10 ( 20.8 ) 7( 20.6 ) 4( 12.1 ) 7( 25.0 ) がん遺伝子パネル検査を受ける患者 ・家族への 社会的支援 ニーズ高群 60 ( 75.0 ) 120 ( 81.1 ) 0.31 24 ( 85.7 ) 100 ( 80.0 ) 61 ( 77.2 ) 0.63 48 ( 81.4 ) 37 ( 77.1 ) 28 ( 82.4 ) 28 ( 84.9 ) 21 ( 75.0 ) 0.85 ニーズ低群 20 ( 25.0 ) 28 ( 18.9 ) 4( 14.3 ) 25 ( 20.0 ) 18 ( 22.8 ) 11 ( 18.6 ) 11 ( 22.9 ) 6( 17.6 ) 5( 15.1 ) 7( 25.0 ) 患者に対するがん遺伝子パネル検査を受けるか 否かの意思決定支援 ニーズ高群 60 ( 76.0 ) 124 ( 83.8 ) 0.16 23 ( 85.2 ) 104 ( 83.2 ) 62 ( 78.5 ) 0.62 51 ( 86.4 ) 35 ( 74.5 ) 26 ( 76.5 ) 28 ( 84.9 ) 22 ( 78.6 ) 0.52 ニーズ低群 19 ( 24.0 ) 24 ( 16.2 ) 4( 14.8 ) 21 ( 16.8 ) 17 ( 21.5 ) 8( 13.6 ) 12 ( 25.5 ) 8( 23.5 ) 5( 15.1 ) 6( 21.4 ) がん遺伝子パネル検査の結果開示に関わる 患者・家族の意思を尊重する支援 ニーズ高群 64 ( 80.0 ) 121 ( 81.8 ) 0.73 25 ( 89.3 ) 105 ( 84.0 ) 60 ( 76.0 ) 0.19 50 ( 84.8 ) 37 ( 77.1 ) 27 ( 79.4 ) 28 ( 84.9 ) 22 ( 78.6 ) 0.83 ニーズ低群 16 ( 20.0 ) 27 ( 18.2 ) 3( 10.7 ) 29 ( 16.0 ) 19 ( 24.0 ) 9( 15.2 ) 11 ( 22.9 ) 7( 20.6 ) 5( 15.1 ) 6( 21.4 ) がん遺伝子パネル検査を受ける患者 ・家族の複 雑で解決困難な看護問題への対応 ニーズ高群 67 ( 83.8 ) 122 ( 83.0 ) 1.00 24 ( 85.7 ) 109 ( 87.9 ) 61 ( 77.2 ) 0.12 51 ( 86.4 ) 38 ( 79.2 ) 29 ( 85.3 ) 30 ( 90.9 ) 21 ( 75.0 ) 0.42 ニーズ低群 13 ( 16.2 ) 25 ( 17.0 ) 4( 14.3 ) 15 ( 12.1 ) 18 ( 22.8 ) 8( 13.6 ) 10 ( 20.8 ) 5( 14.7 ) 3( 9.1 ) 7( 25.0 ) がん遺伝子パネル検査を受ける前に専門的介入 を必要とする患者のスクリーニング方法 ニーズ高群 59 ( 74.7 ) 119 ( 80.4 ) 0.32 23 ( 82.1 ) 102 ( 82.3 ) 56 ( 70.9 ) 0.14 47 ( 79.7 ) 34 ( 70.8 ) 27 ( 79.4 ) 28 ( 84.9 ) 21 ( 77.8 ) 0.65 ニーズ低群 20 ( 25.3 ) 29 ( 19.6 ) 5( 17.9 ) 22 ( 17.7 ) 23 ( 29.1 ) 12 ( 20.3 ) 14 ( 29.2 ) 7( 20.6 ) 5( 15.1 ) 6( 22.2 ) 多職種との効果的な連携のあり方 ニーズ高群 60 ( 75.0 ) 118 ( 79.7 ) 0.41 24 ( 85 .7 ) 104 ( 83 .2 ) 54 ( 68.3 ) 0.03 * 47 ( 79.7 ) 37 ( 77.1 ) 25 ( 73.5 ) 28 ( 84.9 ) 21 ( 75.0 ) 0.81 ニーズ低群 20 ( 25.0 ) 30 ( 20.3 ) 4( 14.3 ) 21 ( 16.8 ) 25 ( 31 .7 ) 12 ( 20.3 ) 11 ( 22.9 ) 9( 26.5 ) 5( 15.1 ) 7( 25.0 ) がん診療に携わる看護師に対するがんゲノム医 療に関する学習支援 ニーズ高群 65 ( 81.3 ) 113 ( 76.4 ) 0.50 24 ( 85.7 ) 99 ( 79.2 ) 60 ( 76.0 ) 0.54 43 ( 72.9 ) 37 ( 77.1 ) 26 ( 76.5 ) 31 ( 93.9 ) 22 ( 78.6 ) 0.20 ニーズ低群 15 ( 18.7 ) 35 ( 23.6 ) 4( 14.3 ) 26 ( 20.8 ) 19 ( 24.0 ) 16 ( 27.1 ) 11 ( 22.9 ) 8( 23.5 ) 2( 6.1 ) 6( 21.4 ) 【領域 2: 検査∼結果開示前の時期】 患者 ・家族にがん遺伝子パネル検査の結果を伝 える際に及ぼされる影響を考慮したアセスメン ト方法 ニーズ高群 62 ( 77.5 ) 121 ( 81.8 ) 0.49 25 ( 89 .3 ) 106 ( 84 .8 ) 57 ( 72.2 ) 0.04 * 53 ( 89.8 ) 37 ( 77.1 ) 27 ( 79.4 ) 24 ( 72.7 ) 21 ( 75.0 ) 0.25 ニーズ低群 18 ( 22.5 ) 27 ( 18.2 ) 3( 10.7 ) 19 ( 15.2 ) 22 ( 27 .8 ) 6( 10.2 ) 11 ( 22.9 ) 7( 20.6 ) 9( 27.3 ) 7( 25.0 ) 患者 ・家族が理解できるレポ―トであるかを検 討するためのアセスメント方法 ニーズ高群 59 ( 73.8 ) 114 ( 77.0 ) 0.63 25 ( 89.3 ) 98 ( 78.4 ) 54 ( 68.4 ) 0.06 46 ( 78.0 ) 36 ( 75.0 ) 26 ( 76.5 ) 24 ( 72.7 ) 19 ( 67.9 ) 0.89 ニーズ低群 21 ( 26.2 ) 34 ( 23.0 ) 3( 10.7 ) 27 ( 21.6 ) 25 ( 31.6 ) 13 ( 22.0 ) 12 ( 25.0 ) 8( 23.5 ) 9( 27.3 ) 9( 32.1 ) 【領域 3: 検査結果説明∼治療の時期】 患者 ・家族に対するがん遺伝子パネル検査の結 果開示の仕方 ニーズ高群 53 ( 66.3 ) 115 ( 77.7 ) 0.08 23 ( 82.1 ) 91 ( 72.8 ) 58 ( 73.4 ) 0.58 44 ( 74.6 ) 34 ( 70.8 ) 25 ( 73.5 ) 24 ( 72.7 ) 19 ( 67.9 ) 0.97 ニーズ低群 27 ( 33.7 ) 33 ( 22.3 ) 5( 17.9 ) 34 ( 27.2 ) 21 ( 26.6 ) 15 ( 25.4 ) 14 ( 29.2 ) 9( 26.5 ) 9( 27.3 ) 9( 32.1 ) 治療の候補となる薬剤が見つからなかった患 者・家族の心理的支援 ニーズ高群 58 ( 72.5 ) 118 ( 79.7 ) 0.25 23 ( 82.1 ) 99 ( 79.2 ) 59 ( 74.7 ) 0.64 46 ( 78.0 ) 35 ( 72.9 ) 27 ( 79.4 ) 28 ( 84.9 ) 20 ( 71.4 ) 0.69 ニーズ低群 22 ( 27.5 ) 30 ( 20.3 ) 5( 17.9 ) 26 ( 20.8 ) 20 ( 25.3 ) 13 ( 22.0 ) 13 ( 27.1 ) 7( 20.6 ) 5( 15.1 ) 8( 28.6 ) 患者に対する今後の治療や療養の場の選択に関 する意思決定支援 ニーズ高群 60 ( 75.0 ) 117 ( 79.1 ) 0.51 23 ( 82.1 ) 99 ( 79.2 ) 59 ( 74.7 ) 0.64 44 ( 74.6 ) 38 ( 79.2 ) 26 ( 76.5 ) 27 ( 81.8 ) 23 ( 82.1 ) 0.90 ニーズ低群 20 ( 25.0 ) 31 ( 20.9 ) 5( 17.9 ) 26 ( 20.8 ) 20 ( 25.3 ) 15 ( 25.4 ) 10 ( 20.8 ) 8( 23.5 ) 6( 18.2 ) 5( 17.9 ) がん遺伝子パネル検査の結果説明を受ける患 者・家族の複雑で解決困難な看護問題への対応 ニーズ高群 66 ( 82.5 ) 124 ( 83.8 ) 0.85 24 ( 85.7 ) 108 ( 86.4 ) 62 ( 78.5 ) 0.31 53 ( 89.8 ) 39 ( 81.3 ) 29 ( 85.3 ) 28 ( 84.9 ) 21 ( 75.0 ) 0.47 ニーズ低群 14 ( 17.5 ) 24 ( 16.2 ) 4( 14.3 ) 17 ( 13.6 ) 17 ( 21.5 ) 6( 10.2 ) 9( 18.7 ) 5( 14.7 ) 5( 15.1 ) 7( 25.0 ) *p< 0.05 がんゲノム医療を受ける患者の看護実践 ,勤務場所は χ 2検定、 がんゲノム医療に関する施設要件は Fisher の正確確率検定 下線は残差分析( χ 2検定, Fisher の正確確率検定で有意な場合のみ) にて有意(調整済みの標準化残差の絶対値> 1.96; p< 0.05 )
表 2-2 がん診療拠点病院に勤務するがん看護 CNS の学習ニーズの背景要因 n= 233 質問項目 がんゲノム医療を受ける患者の看護実践 がんゲノム医療に関する施設要件 勤務場所 実践 している n= 80 実践 していない n= 148 p 値 がんゲノム 医療 中核拠点 病院 n= 28 がんゲノム 医療 連携病院 n= 125 指定なし n= 79 p 値 緩和ケア センター n= 59 病棟 n=48 外来 n=34 相談支援 センター n= 33 組織 横断的 n=28 p 値 n( % ) n( % ) n( % ) 【領域 4: 二次的所見が発見された場合】 患者・家族に対する二次的所見の説明の仕方 ニーズ高群 60 ( 75.0 ) 109 ( 73.7 ) 0.88 23 ( 82.1 ) 97 ( 77.6 ) 52 ( 65.8 ) 0.10 48 ( 81.4 ) 32 ( 66.7 ) 27 ( 79.4 ) 23 ( 69.7 ) 20 ( 71.4 ) 0.41 ニーズ低群 20 ( 25.0 ) 39 ( 26.3 ) 5( 17.9 ) 28 ( 22.4 ) 27 ( 34.2 ) 11 ( 18.6 ) 16 ( 33.3 ) 7( 20.6 ) 10 ( 30.3 ) 8( 28.6 ) 二次的所見が発見された患者 ・家族に対するア セスメント方法 ニーズ高群 62 ( 77.5 ) 113 ( 76.4 ) 0.87 23 ( 82.1 ) 99 ( 79.2 ) 56 ( 70.9 ) 0.30 47 ( 79.7 ) 34 ( 70.8 ) 28 ( 82.4 ) 25 ( 75.8 ) 22 ( 78.6 ) 0.76 ニーズ低群 18 ( 22.5 ) 35 ( 23.6 ) 5( 17.9 ) 26 ( 20.8 ) 23 ( 29.1 ) 12 ( 20.3 ) 14 ( 29.2 ) 6( 17.6 ) 8( 24.3 ) 6( 21.4 ) 二次的所見が発見された患者 ・家族に対する フォローアップ方法 ニーズ高群 64 ( 80.0 ) 114 ( 77.0 ) 0.74 23 ( 82.1 ) 101 ( 80.8 ) 57 ( 72.2 ) 0.30 49 ( 83.1 ) 34 ( 70.8 ) 28 ( 82.4 ) 27 ( 81.8 ) 22 ( 78.6 ) 0.57 ニーズ低群 16 ( 20.0 ) 34 ( 23.0 ) 5( 17.9 ) 24 ( 19.2 ) 22 ( 27.8 ) 10 ( 16.9 ) 14 ( 29.2 ) 6( 17.6 ) 6( 18.2 ) 6( 21.4 ) 二次的所見が発見された患者 ・家族に対する 遺伝カウンセリングを受けるか否かの意思決定 支援 ニーズ高群 62 ( 77.5 ) 118 ( 79.7 ) 0.73 23 ( 82.1 ) 101 ( 80.8 ) 59 ( 74.7 ) 0.52 52 ( 88.1 ) 35 ( 72.9 ) 28 ( 82.4 ) 25 ( 75.8 ) 21 ( 75.0 ) 0.30 ニーズ低群 18 ( 22.5 ) 30 ( 20.3 ) 5( 17.9 ) 24 ( 19.2 ) 20 ( 25.3 ) 7( 11.9 ) 13 ( 27.1 ) 6( 17.6 ) 8( 24.3 ) 7( 25.0 ) 二次的所見が発見された患者 ・家族に対する 遺伝学的検査を受けるか否かの意思決定支援 ニーズ高群 63 ( 78.8 ) 119 ( 80.4 ) 0.86 24 ( 85.7 ) 101 ( 80.8 ) 60 ( 79.7 ) 0.49 50 ( 84.8 ) 35 ( 72.9 ) 28 ( 82.4 ) 27 ( 81.8 ) 23 ( 82.1 ) 0.63 ニーズ低群 17 ( 21.2 ) 29 ( 19.6 ) 4( 14.3 ) 24 ( 19.2 ) 47 ( 20.3 ) 9( 15.2 ) 13 ( 27.1 ) 6( 17.6 ) 6( 18.2 ) 5( 17.9 ) 【領域 5: がんゲノム医療に関する知識】 がんと遺伝子に関する知識 ニーズ高群 59 ( 26.3 ) 120 ( 81.1 ) 0.24 20 ( 71.4 ) 98 ( 78.4 ) 66 ( 83.5 ) 0.37 48 ( 81.4 ) 38 ( 79.2 ) 28 ( 82.4 ) 27 ( 81.8 ) 20 ( 71.4 ) 0.82 ニーズ低群 21 ( 73.7 ) 28 ( 18.9 ) 8( 28.6 ) 27 ( 21.6 ) 13 ( 16.5 ) 11 ( 18.6 ) 10 ( 20.8 ) 6( 17.6 ) 6( 18.2 ) 8( 28.6 ) 遺伝性腫瘍に関する知識 ニーズ高群 57 ( 71.3 ) 121 ( 81.8 ) 0.09 22 ( 78.6 ) 97 ( 77.6 ) 64 ( 81.0 ) 0.84 46 ( 78.0 ) 37 ( 77.1 ) 27 ( 79.4 ) 27 ( 81.8 ) 22 ( 78.6 ) 0.99 ニーズ低群 23 ( 28.7 ) 27 ( 18.2 ) 6( 21.4 ) 28 ( 22.4 ) 15 ( 19.0 ) 13 ( 22.0 ) 11 ( 22.9 ) 7( 20.6 ) 6( 18.2 ) 6( 21.4 ) がん遺伝子検査と遺伝学的検査の違いに関する 知識 ニーズ高群 64 ( 80.0 ) 117 ( 79.1 ) 1.00 22 ( 78.6 ) 99 ( 79.2 ) 65 ( 82.3 ) 0.84 47 ( 79.7 ) 36 ( 75.0 ) 29 ( 85.3 ) 26 ( 78.8 ) 22 ( 78.6 ) 0.86 ニーズ低群 16 ( 20.0 ) 31 ( 20.9 ) 6( 21.4 ) 26 ( 20.8 ) 14 ( 17.7 ) 12 ( 20.3 ) 12 ( 25.0 ) 5( 14.7 ) 7( 21.2 ) 6( 21.4 ) がん遺伝子パネル検査の概要 ニーズ高群 55 ( 69.8 ) 111 ( 75.0 ) 0.35 19 ( 67.9 ) 88 ( 70.4 ) 64 ( 81.0 ) 0.18 41 ( 69.5 ) 34 ( 70.8 ) 26 ( 76.5 ) 26 ( 78.8 ) 19 ( 67.9 ) 0.82 ニーズ低群 25 ( 31.2 ) 37 ( 25.0 ) 9( 32.1 ) 37 ( 29.6 ) 15 ( 19.0 ) 18 ( 30.5 ) 14 ( 29.2 ) 8( 23.5 ) 7( 21.2 ) 9( 32.1 ) がん遺伝子パネル検査を受けるメリットとデメ リット ニーズ高群 58 ( 72.5 ) 117 ( 79.1 ) 0.32 21 ( 75.0 ) 92 ( 73.6 ) 67 ( 84.6 ) 0.16 45 ( 76.3 ) 38 ( 79.2 ) 24 ( 70.6 ) 27 ( 81.8 ) 19 ( 67.9 ) 0.66 ニーズ低群 22 ( 27.5 ) 31 ( 20.9 ) 7( 25.0 ) 33 ( 26.4 ) 12 ( 15.2 ) 14 ( 23.7 ) 10 ( 20.8 ) 10 ( 29.4 ) 6( 18.2 ) 9( 32.1 ) がん遺伝子パネル検査の種類とその特徴 ニーズ高群 56 ( 70.0 ) 118 ( 79.7 ) 0.11 20 ( 71.4 ) 94 ( 75.2 ) 65 ( 82.3 ) 0.37 41 ( 69.5 ) 39 ( 81.3 ) 26 ( 76.5 ) 28 ( 84.9 ) 21 ( 75.0 ) 0.47 ニーズ低群 24 ( 30.0 ) 39 ( 20.3 ) 8( 28.6 ) 31 ( 24.8 ) 14 ( 17.7 ) 18 ( 30.5 ) 9( 18.7 ) 8( 23.5 ) 5( 15.1 ) 7( 25.0 ) がん遺伝子パネル検査の結果によって受けられ る治療 ニーズ高群 56 ( 70.0 ) 124 ( 84 .4 ) 0.02 * 22 ( 78.6 ) 99 ( 79.8 ) 64 ( 81.0 ) 0.96 44 ( 75.9 ) 39 ( 81.3 ) 26 ( 76.5 ) 27 ( 81.8 ) 21 ( 75.0 ) 0.92 ニーズ低群 24 ( 30 .0 ) 23 ( 15.6 ) 6( 21.4 ) 25 ( 20.2 ) 15 ( 19.0 ) 14 ( 24.1 ) 9( 18.7 ) 8( 23.5 ) 6( 18.2 ) 7( 25.0 ) エキスパートパネルに参加すべき職種とその職 種の役割 ニーズ高群 44 ( 55.0 ) 95 ( 64.2 ) 0.20 19 ( 67.9 ) 70 ( 56.0 ) 54 ( 68.4 ) 0.16 36 ( 61.0 ) 32 ( 66.7 ) 22 ( 64.7 ) 19 ( 57.6 ) 15 ( 53.6 ) 0.80 ニーズ低群 36 ( 45.0 ) 53 ( 35.8 ) 9( 32.1 ) 55 ( 44.0 ) 25 ( 31.6 ) 23 ( 39.0 ) 16 ( 33.3 ) 12 ( 35.3 ) 14 ( 42.4 ) 13 ( 46.4 ) エキスパートパネルで検討される内容 ニーズ高群 52 ( 65.0 ) 106 ( 67.1 ) 0.36 21 ( 75.0 ) 84 ( 67.2 ) 56 ( 70.9 ) 0.68 43 ( 72.9 ) 32 ( 66.7 ) 24 ( 70.6 ) 21 ( 63.6 ) 19 ( 67.9 ) 0.90 ニーズ低群 28 ( 35.0 ) 52 ( 32.9 ) 7( 25.0 ) 41 ( 32.8 ) 23 ( 29.2 ) 16 ( 27.1 ) 16 ( 33.3 ) 10 ( 29.4 ) 12 ( 36.4 ) 9( 32.1 ) がんゲノム医療の診療体制に関する知識 ニーズ高群 63 ( 78.8 ) 119 ( 80.4 ) 0.86 25 ( 89.3 ) 97 ( 77.6 ) 64 ( 81.0 ) 0.36 26 ( 78.8 ) 37 ( 77.1 ) 27 ( 79.4 ) 26 ( 78.8 ) 23 ( 82.1 ) 0.98 ニーズ低群 17 ( 21.2 ) 29 ( 19.6 ) 3( 10.7 ) 28 ( 22.4 ) 15 ( 19.0 ) 7( 21.2 ) 11 ( 22.9 ) 7( 20.6 ) 7( 21.2 ) 5( 17.9 ) 遺伝カウンセリングに関する知識 ニーズ高群 57 ( 71.3 ) 118 ( 79.7 ) 0.19 21 ( 75.0 ) 93 ( 74.4 ) 64 ( 81.0 ) 0.54 50 ( 84.8 ) 34 ( 70.8 ) 24 ( 70.6 ) 26 ( 78.8 ) 19 ( 67.9 ) 0.30 ニーズ低群 23 ( 28.7 ) 30 ( 20.3 ) 7( 25.0 ) 32 ( 25.6 ) 15 ( 29.0 ) 9( 15.2 ) 14 ( 29.2 ) 10 ( 29.4 ) 7( 21.2 ) 9( 32.1 ) がんゲノム医療における国内外の動向 ニーズ高群 59 ( 73.7 ) 115 ( 77.7 ) 0.51 20 ( 71.4 ) 95 ( 76.0 ) 63 ( 79.8 ) 0.64 47 ( 79.7 ) 35 ( 72.9 ) 26 ( 76.5 ) 24 ( 72.7 ) 23 ( 82.1 ) 0.84 ニーズ低群 21 ( 26.3 ) 33 ( 22.3 ) 8( 28.6 ) 30 ( 24.0 ) 16 ( 20.2 ) 12 ( 20.3 ) 13 ( 27.1 ) 8( 23.5 ) 9( 27.3 ) 5( 17.9 ) *p< 0.05 がんゲノム医療を受ける患者の看護実践 ,勤務場所は χ 2 検定、 がんゲノム医療に関する施設要件は Fisher の正確確率検定 下線は残差分析( χ 2検定, Fisher の正確確率検定で有意な場合のみ) にて有意(調整済みの標準化残差の絶対値> 1.96; p< 0.05 )
CNSの資格を取得している者の多くは,CNS教育課程 においてがんゲノム医療に関する教育を受けないまま実 践をせざるを得ない状況である(日本看護系大学協議 会,2019).そのため,がんゲノム医療においてCNS の役割を発揮するための学習は個々に任されており,学 習ニーズが高まったと考えられる. 対象者全体の学習ニーズの中でも,『がん遺伝子パネ ル検査を受けるまたは結果説明を受ける患者・家族の複 雑で解決困難な看護問題への対応』,『がん遺伝子パネル 検査を受けるか否かということや結果開示に関わる患 者・家族の意思決定支援』や『がん遺伝子パネル検査の 結果に基づく治療や療養の場の選択における意思決定支 援』,『がん遺伝子パネル検査を受ける患者・家族への心 理的支援』の学習ニーズの割合が高いことが明らかと なった.これらの項目は,CNSの役割である高度な実 践を軸に,がんゲノム医療特有の倫理的な問題を含んだ 調整活動の必要性を示す項目であった.がんゲノム医療 を受ける患者・家族は,がんゲノム医療を受けるメリッ トとデメリットへの理解が十分ではなく,デメリットよ りもメリットへの期待が大きい(Reed et al., 2019)と いわれる.しかしながら,実際に治療に結びつく患者は 1割以下であり,多くの患者・家族が新たな治療への望 みが絶たれることや二次的所見が発見される可能性な ど,がんゲノム医療の課題に直面する可能性がある.さ らに,我が国のがん遺伝子パネル検査の対象は,標準治 療がないもしくは終了する/した進行がん患者である. 進行がん患者は,化学療法の不確かさやがんの進行に伴 う不安などを体験しながら治療を継続していることが報 告されており(船橋,鈴木,岡光,2011),がん看護 CNSが関わるべき倫理的問題などの複雑で解決困難な 問題を抱えやすい.このように,がんゲノム医療を受け る患者・家族の体験は,従来のがん医療・看護に加え, がんゲノム医療の課題とがんゲノム医療の対象による特 徴とが相互に関連し合うことでより複雑さを増す.これ らのことから,がん看護CNSは,がんゲノム医療に伴 う課題を理解し,がんゲノム医療の対象となる患者が持 つ特有の複雑性を読み解き,優先性を考慮しながら患 者・家族の個別の価値観に基づく 「実践」 および 「調整 」,「倫理調整」 の役割を担う必要があると考えており, 学習ニーズ゙が高まったと考える. さらに,対象者全体の結果から,『がんゲノム医療の 診療体制に関する知識』の学習ニーズの割合が高いこと も明らかとなった.この背景には,がんゲノム医療が飛 躍的に進展している中で,がん看護CNSが,チーム医 療の調整役としてリーダーシップを発揮する必要性があ ると捉えていることが推測される.我が国におけるがん ゲノム医療は,2017年から急速に体制整備がされ実用 化されている.医療機関は,このようながんゲノム医療 を取り巻く環境の変化に対応した診療体制を構築するこ とが迫られている.米国の高度実践看護師は,組織やケ ア提供システムの中で臨床チームをリードし,がん診療 に携わる看護師や他の専門職の臨床実践の向上を目指し た イ ニ シ ア チ ブ を 指 揮 す る 役 割 が 期 待 さ れ て い る
(Hamric, Hanson, Tracy, O’Gragy, 2014/2017). こ
のことから,本研究の対象者であるがん診療連携拠点病 院に勤務するがん看護CNSは,がんゲノム医療を取り 巻く環境の変化に対応しながらがんゲノム医療体制の課 題を明確にし,リーダーシップを発揮して看護を実践す る立場にあり,がんゲノム医療の診療体制に関する知識 の学習ニーズが高まったと考えられる. 2. がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護CNS の背景によるがんゲノム医療に関する学習ニーズ の特徴 本研究において,がんゲノム医療に関する施設要件お よびがんゲノム医療を受ける患者の看護実践状況によっ て,学習ニーズが高い項目が異なっていたことが示され た. がんゲノム医療中核拠点病院とがんゲノム医療連携病 院に勤務するがん看護CNSにおいては,【領域2: 検査 ∼結果開示前の時期】の『がん遺伝子パネル検査の結果 を伝える際の影響を考慮したアセスメント方法』に加 え,【領域1: 検査前の時期】の『多職種との効果的な連 携』についての学習ニーズを有していることが明らかと なった.これは,CNSの役割の中でも,患者・家族の ニーズをアセスメントし,多職種で支援内容を「調整」 することに関連する項目といえる.がんゲノム医療にお いて必要な多職種連携には,従来のがん医療における連 携に加え,所属施設内外の臨床試験部門や遺伝診療部門 などがある.特に,二次的所見が発見された場合は,患 者のみならず血縁者に対しても多職種で連携をしてフォ ローアップをしていくことが重要であり,遺伝カウンセ リング等の専門職の介入の必要性が強調されている(厚 生労働省,2019年3月20日閲覧b).そのため,多職種 チームの中でがん看護CNSがリーダーシップを指揮す る必要性があると捉えており,学習ニーズが高まったの ではないかと考える. がんゲノム医療を受ける患者の看護実践状況では, 『がん遺伝子パネル検査によって受けられる治療』につ いて,がんゲノム医療を受ける患者の看護実践をしてい ないがん看護CNSで学習ニーズが高かった.本研究の 対象となったがん看護CNSのような達人レベルの看護 師は,可能性のある問題にどう対処すべきかを知り実践 を 行 っ て い る(Benner, Tanner, & Chesla., 2009/ 2015).そのため,がんゲノム医療を受ける患者の看護 実践をしていない場合であっても,がん遺伝子パネル検 査によって受けられる治療に関する知識を得て,がん患
者の治療の見通しを立てながら患者に予測的に関わる必 要があることから,学習ニーズが高まったのではないか と考えられる. 加えて,その他の項目では,がんゲノム医療を受ける 患者の看護実践状況によって有意な関連はなかった.こ れは,がんゲノム医療が臨床において急速に実用化され 始めた新たな医療であり,すべてのがん看護CNSが学 習過程にあることから,学習ニーズに差がなかったと考 えられた.また,本研究の対象者は,がん診療連携拠点 病院に勤務するがん看護CNSであり,がんゲノム医療 が発展している中で,現在がんゲノム医療を受ける患者 の看護実践をしていなくても今後実践する可能性を視野 に入れていることも考えられる. 3.学習支援への示唆 本研究の対象者は,8割以上ががんゲノム医療を受け る患者支援に関する学習経験があった.しかしながら, がんゲノム医療を受ける患者の看護実践状況に関わらず がんゲノム医療に対する幅広い学習ニーズをもってい た.これは,対象者の多くがCNS教育課程において, がん遺伝学やがんゲノム医療に関する系統立った教育を 十分に受けることができておらず(日本看護系大学協議 会,2019年12月1日閲覧),がんゲノム医療の実用化が 進むなかでがん看護CNSの自律的な学習に任されてき たことが影響していると考える.そのため,がん看護 CNSが自己学習をすすめられるよう,がんゲノム医療 に関するe-learning教材や学習ガイドなどの構築を行う 必要があるだろう.なかでも,前述したように,患者・ 家族の複雑な問題への対応や意思決定支援,心理的支援 に関する学習ニーズを有していた.これは,現在行われ ている学習支援は知識の提供は多いが,がん看護CNS が対応すべき課題に対する学習支援の機会が少ないこと が推測される.Bennerの述べる達人の実践は,経験か ら学ぶことで,道徳的・主体的に複雑な臨床状況下で行 動することができる(Benner, et al., 2009/2015).そ のため,がんゲノム医療を受ける患者の看護実践をして いる者の経験をもとに学習する方法を身に着ける必要が ある.つまり,がんゲノム医療における知識の提供のみ でなく,経験者からの症例提示による討論(Dent. & Harden., 2005/2010)や経験的学習を促進するグルー プワーク(Jarvis, 2002/2011)が有用であると考え る.さらに,がん遺伝子パネルの検査の時期の中でも, 結果開示以降の【領域3: 検査結果説明∼治療の時期】, 【領域4: 二次的所見が発見された場合】の看護実践に対 する学習支援が急務であると考えられた.この時期に は,治療の継続,臨床試験もしくは緩和ケア,それに伴 う療養の場の選択,二次的所見の開示やフォローアップ など多職種連携による患者・家族への関わりが必要にな る.そこで,がん看護CNSが,がんゲノム医療におけ る多職種チームの中で結果開示以降の時期においてその 役割を発揮するための学習支援を行うことが重要であ る.これらに対する学習支援には,複数の専門領域や異 なる角度からのアプローチが得られる合同講義やミニシ ンポジウムなどが有用であると考えられる(Dent. & Harden., 2005/2010). 加えて,所属する施設要件の役割に即した学習ニーズ を有していた.そのため,がん看護CNSが所属施設に おける役割を明確にして,リーダーシップを発揮しなが らがんゲノム医療の課題に対応できるための学習支援が 必要であることが示唆された.そこで,既にがんゲノム 医療における看護実践をしているがん看護CNSの経験 から得た意見を集積し,我が国のがんゲノム医療を担う がん看護CNSに求められる能力(コンピテンシー)を 明確化することが(Jarvis, 2002/2011),所属する施 設要件の役割に即して,がん看護CNSの役割を発揮す るための行動指標として必要になると考えられる.
Ⅵ.本研究の限界と今後の課題
本研究は,がん診療連携拠点病院で勤務するがん看護 CNSに限定した.さらに,郵送法かつ自由意思に基づ く調査であり有効回答数が約5割であったことから,が ん診療連携拠点病院で勤務するがん看護CNS全体の学 習ニーズとは異なる可能性がある.また,研究者が参考 資料をもとに調査項目を作成したため,全ての学習ニー ズを反映できていない可能性があり,今後は,がんゲノ ム医療の発展に応じて調査対象や調査項目を検討する必 要がある.Ⅶ.結 論
本研究の結果より,がん診療連携拠点病院に勤務する がん看護CNSのがんゲノム医療に関する学習ニーズが 明らかとなった.がん診療連携拠点病院に勤務するがん 看護CNSは,複雑で解決困難な看護問題への対応,意 思決定支援や心理的支援,がんゲノム医療に関する基礎 的知識から取り巻く環境に関する幅広い知識に関する学 習ニーズを有していた.今後は,これらの学習ニーズに 対し,がんゲノム医療の複雑性に対応しながら,がん看 護CNSが役割を発揮するための学習支援の必要性が示 唆された. 謝 辞 本研究の実施にあたり,ご協力いただきました対象者 の皆様に心より感謝申し上げます.付 記 本研究は,大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻に 提出した修士論文に一部加筆修正を加えたものである. 助 成 本研究は,公益財団法人安田記念医学財団癌看護研究 助成(大学院学生)の助成を受けたものである. 利益相反 本研究における利益相反は存在しない. 著者資格 杉浦康代は,研究の構想およびデザイン,データ収 集,分析,解釈および,最終原稿の作成に至るまで研究 プロセス全体に貢献した.青木美和,市原香織,荒尾晴 惠は,研究の構想よびデザインへの助言,データの分析 および解釈の助言を行った.また,論文の作成または重 要な知的内容に関わる批判的な推敲に関与した.全ての 著者が,投稿論文の最終確認をした. 引用文献
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