Architectural Institute of Japan Arohiteotural エnstitute of Japan
木 材
の
曲
げ強 度
と剛
性
に 及 ぼ
す荷
重
時 間
の
影
響
正 会 員杉
山
英
男* 緒 言 木 材の強 度と剛 性が、
荷重継続時聞換 言 すれ ば荷重 速 度の影響を受 けて変 化 する と い うこ とは、
随 分 古 くから 注 目さ れ、
その研 究が進め ら れて来 た が、
その 数 は必 ず しも多くは な かつ た。飜つ て実 用的見 地からこれを見る に
、
木材の許容応力 度 や 剛性を問題 にする場 合、
木 材の強度 と 剛性に 対 す る 荷重時 間の影 響は、
極め て重 要 な 意 義 を持つ て い る。
そ れ 故筆 者は茲に 1949 年 以来 続 けて来た木材の曲げに関 する実 験 結 果を 総括 報 告し、
そのデー
ター
に資し た い と 思 う。 更に進ん で木 材の弾塑 性 的 姓 質の解 明の足 掛 りと な り得 れ ば幸甚である。 本 論に入 る に 先 立 ち、
筆 者が こ の研究に入 る動 機を与 え られた東大武藤博士、
北大 酒 井 助 教 授に対 し感 謝 申上 げる。
特に本研究の実 施と取纒め に当つ て、
恩 師 武 藤 博 士は終 始 指 導と、
試 験体頒譲等の好 意を賜つ た 上 に、
筆 考が本 論 文を単 独で報 告すること を お許し下 さつ た。 茲 に 謹 し ん で満腔の謝意を表する次 第で ある。 猶 実 験に際し加 速度計の設計を指 導 下さつた東大精密 工学科鈴木助手、
文献の貸与その他多大の便宜を与 え ら れた建 研 久 田 博士、
有 益 な 助言を戴いた東大梅村、
明大 河 野、
建研 竹 山の三博士、
直 接 実験 に 協力 さ れ た、
池田 昭 男、
藤 山秀 雄、
北原勘吾、
その他実験 当時の明 大学生 諸氏に対し心か ら感 謝の意を表 する。 第1
章 木材の曲 げ 強度と荷 重 時 間 との関 係に関 する 既往の研究1.
1
概 観 木材の強 度と 剛性は、
他 の材料同様荷 重速 度や荷 重 継 続時 間の影 響を受 ける が、
こ の ことが注 日 された の は随 分 古 く今 世 紀 初 頭に遡る。 即 ち1908年のCline
とTie・
mann の研 究が その始め である。 然し実 際 活 渡に研 究が 進め られ 出したの は 1930 年 代 以 降の ことで、
特に高速 度 荷 重の影響につ い ては第二次 世 界 大 戦の前 後からであ るn これは木 材が航 空 機の構 造 材とし て頻用さ れる よ う になつ たことが、
大きな原 因の一
つ であろ う。
木 材の圧 縮、
曲げ両強 度に及 ぼ す 高 速 度 荷 重の影 響に関 する既 往 の研 究に就て は、
嘗て筆者が管 見 なが ら紹介したη こと があるの で併せて参照願いた い。 1・
2 海外に 於 け る 研 究 海 外に於げる、
木材の曲げ強度と荷 重 継 続 時 問とに 関 する研究と しては、
Roth (1935
年 )、
Graf
(1938
年 )、
Thurston 等の実験がある。
然し その実 験 計 画の一
貫 性、
規 模の雄 大さ、
内容の優 秀 性に於て、
叉 高 速 度 荷重 を取 * 明 治 大 学講師扱つ てb る点に於て米国の Forest
Preducts
Labora−
tory の多年に亘る労 作は
、
こ の種の研 究 中一
頭 地 を 抜 く画 期 的 な もの である。 即 ち 1930 年、
Markwardtz ) }こ 依 り、
10−
t 秒の オー
ダー
から約1
年に亘る荷 重 継 続 時 間の範 囲に就てSitka
Spruce (唐 檜)の実験 結果が報告 され、
荷里継 続 時 間の 増 加 と共に比例 限度応力も曲げ破 壊 係 数 も減 少 すること が示 された (第 1 表参照)。 荷 重 継 続 時 間の対 数 を 横 軸 に、
応 力の百 分率を縦 軸に と り、Semi−
log を利 用 する こと に依 り荷 重 時 間の影響を 把 握し た こ と、
長時 間 荷重 領 域と高 速 度 荷 重 領 域とを 関 連させ て曲線を導い たこと (従つ て梢 ヒ}こ凹の曲 線 となつ て いる)、
叉荷重 時 問0.
e1
秒の結 果にもなるべ く近からし め るべ く、
実験lr
醵 の外 挿を試み てい ること等が注 目 される。 Markwardt のこの捉 え 方が
、
同じ Forest Products Laboratory の人々 に依り受 け継が れ て い るのは、
興 味 深い (例 え ば後述の wood の場 合 )o Markwardt の実 験lill
線を解析すると第 1表の如 くな る。 第1
表 Markwardt の実験曲線の解析z } 比 例F
艮度に於け る 荷 牽継 続 時 間 St!s. 0.
01秒0.
1 秒 11111 間 秒 分 時 日 年1.
441
.
321。
20
0.
90 曲げ破壊 係 数に閨 す る St!Ss1.
451.
331.
221.
05.
920.
840
.
70 最 初4 分間の曲げ破 壊 係 数の減 少が、
その 後の1
年 問 の荷 重 継 続に依る減少よ り大きい とい うこと は注 意 すべ きである。
Markwardt は、
1935 年 Wilso11 との共同報告3 >に 於 て、
前 記 Sitka Spruce のデー
ター
を引 用し次式 を導い て いる。
S
,,
,
iss− b − Klog ,
,
7
「
…
………
…・
・
・
…
…
(1
) 茲 に 畠は或る荷 重 速 度に依 る比 例限 度 又 は 終 局 荷 重、
S
、 は標 準静 的 試 験に於 ける比例限度夊 は終局 荷重、
K は時 間の函 数で表わ さ れ る係数、
T は 破 壊 迄の 時間 (秒 ) で あ る。 1950 年 同 じF .
P.
L .
の LiskaO は、 一
連の実 験 計 画 の下 に圧縮 試 験 と一
緒に行つ た高 速 度曲げ 試 験の結果か ら次 式を導い た。
一 85 − 一
NII-Electronic Library Service
P − 121− 7.510910T
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2
) 茲に P は高速 荷 重時の曲げ破壊係数と標準 試 験時の そ れとの比 (%)、 T
は曲げ破 壊 係数
に 至 る ま で の時 間 (秒 )であ る。
(2)式の示 す実 験曲線は、
最大荷重迄の時間が0・
5秒〜
2・
0
分の範 囲に注 目し て導かれたもの で、
圧縮 試 験に 於て導か れ た P=
121−
8.
5 10g、
。
T なる式と極め て似た 形を と り、
荷重時 聞の影響の度合が殆ど全 く一
致し て い るのが伺 える。Liska
は同 報 告で、
更に次のこと を指摘、
し て い る。 (1) 軟 材に就て は、
比 例 限 度に於 ける繊維応 力の増 大 率の方が、
曲げ破 壊 係 数の増 大 率よ り大きい が、 硬 材に就てはその逆である。 (2
) 弾 性 係数は 近 似的に は 総て の荷 重 速 度に対し同じで ある。 (3)最大荷重時の撓 みは、
軟 材に於ては荷 重 速 度に拘 らず 殆 ど同 じだが、
硬 桝に於ては荷 重 時 間の減少につれ増加 する傾向がある。
(4) 最 大 荷 重 迄の仕 事は、一
般に荷 重 速度の高 速 化に痒 い大 ぎ くなる が、
硬 材の場 合こ の増 加の割 合が特に大き いG 次い で 1951 年 F.
P.
L.
の Wood は、
米松(Douglas・
fir)梁につ きF.
P.
L .
で1943
年 以来 続けて来た長期荷 重試 験の結 果と Liska の報 告し た上 述の高速 度荷重曲 げ 試 験のデー
ター
と を綜 合し、
長 期、
短 期 両 荷 重 域 をカ バー
する (3)式の如 き双 曲線実 験 式を示し た5 }。 1916 年 Elmendorf が報 告し た、
僅か一
つ の衝 撃 試 験の結 果に も 出 来るだ け 近からし め よう と苦 心して導いた もの である 108.
4一
夕
瓢
。 。 窪63『
一
+18.3 …・
・
・
・
・
・
…
t・
・
…
……
(
3
) 茲に Ptは (2) 式の P と同 じ意 味、
x は 荷 重 継 続 時 間 (秒)である。
Wood は 同じ報 告で、
こ の双 曲 線 実 験 式を用い、
標準荷 重時間(5分 間 )試 験の強 度の9
!16 を 長期 全 荷重時の使 用応力と し、
これを100
% で表わ し使 用 応 力の提案を試み た。 最後に有名な Graf の長期 荷重に 関する実 験デー
ター
‘
} に就い て触れて置こう。
彼は約 1!4年に亘 る実 験を行』
い、
引張 強 度 と同 様長期 継 続 荷重の下に於ては無 欠点材 の 曲げ強 度が標 準 曲 げ 強度 と 較べ約40%減少 す ること、
破 襲位 置の近 くに節がある と長期 曲げ強度は約 60 %減 少 すること等を報告してい る。1.
3
国 内 に 於 け る研 究一
方国 内に於ける研 究に は、
長 期曲げ強 度に 関 す る 南、
竹 山、
久田等の研 究があり、
こ の分 野に於て 世界 的 な 先 鞭をつ けてい る。
夊高速 度曲げ強 慶に関しては、
寺 沢、
酒井、
武藤と筆者等の報 告がある が、
紙数の都 合で これら我が国の文献の紹介は省略する。 第2
章 急 激 な荷 重 を受 け た場 合の 木 材の 曲 げ 強 度と剛 性 2・
1
酒井良男の 研究との 関連 酒 井良男は東京大 学 武 藤 研 究 室に於て、
急 激 な荷 重を_ 86 一
受けた場合の木 材の曲げ強 度と剛 性に関 する 研究に着
手 し、
「木 材の振動 強 度に関 する実 験 的 研 究」と題して第 1 報7 )を発表し た。 次い で筆者は酒井に協力して、
ヒ バ に 就て動 的 曲げ試験を行い、
その時の曲げ強度と剛性を静 的 試験時のそ れ と 比 較 し、
第2鞭 )と して 報 告した。
その後 武 藤と筆者は、
ヒ バ の代りに秋田杉を試 験 鉢に 用VL 又動 的 試 験に於ける加 速 度の解析 法と し て加速度 計で直接 加速 度を測 定 する方 法を 採 用 して研 究を進め、
報 告 を 重ねて来た゜)ICb)11)12} 。 太 章はこ の秋田杉の実 験 結 果を取 り纒め たもの で ある。2.
2
実 験 方 法2.
2.
1
試 験体と試験 位置 元口、
末口の最 大 径が夫々 69 cm , 64・
5cm,
長 さ3.
75 m の秋田杉の原木の 辺材 部か ら、
12cmx15cm の角 材 を採り、
風 通しの良い暗 室で約1年 間、
自然 乾燥し た後 所 定の寸 法の試 験 体に挽いた。 即 ち第 1
図 (A)の如 く 前 記の角材を3つ に截 り、
その各々を第 1図 (B)に示 す如 く厚 さ 1cm・
巾 10cm,
長 さ 125 cm の板に挽 き上 μ
15
⊂m
L12
∫
噛
理
・m (A)寺
厚
・〔m
(B) 策1
図 試 験体の木取と試 験 位置 (a,b
,C は試 験 位 置で○印の箇 所は静 的、
× 印 の 箇 所は動 的 試 験 を 行 う) 試 験 体 とした。 試 験体は総て無 欠 点で、
能 う限 り繊 維が 長 さの方 向に 通直で、
目切れのない ように木 取 された。 夊断 面に於ける年 輪の方 向は、
巾の方 向に直 角で あつ た。
第1図 (B) に図示し た如 く試 験 体1本 毎に3箇 所 (a,
b,
c)を片 持 梁の固定 端に して動 的 試 験 又は静 的 試 験を行b
た。
こ の ように 試 験 位置を 選 定することに依り 動 的 試験体の材 質とそ れに隣接 する静的試験体の材 質 と を比 較する ことが出 来た。 動 的 試 験体の強 度を推 定 する 際、
隣 接 する静 的 試 験 体相互の 強 度 差 は 10% 以内と し、
こ の制 限を超 過した ときは、
動 的 試 験 を行 うことを 中止 し た。 木 取 後 試 験体は、
試 験の為とり出される迄 約 20℃ の慣 温 室に 入 れ られ た。
2.
2.
2
静 的試 験の方法前述の長 さ 125cm の試 験 体の或る試 験 位 置を固 定 端 に して
、
第 2図に示 す 如 く、
長 さ 40cm の片 持 梁に支 え、
その自 由 端に、
年 輪 方 向に平 行に (荷重面は 柾 目) 荷 貢を加え た。 猶載 荷は 0・
3kg ,0.
5kg , 1kg の 3種 の錘 を、
自 由端に吊し た箱に実 際 載せ て行い、
自 山端の N工 工一
Eleotronio LibraryArchitectural Institute of Japan Arohiteotural エnstitute of Japan
撓 みは歪測定用 望遠 鏡 に依り測定 し た
。
猶荷 重 は 4kg !min の割 舎 で加えた の で、
外 縁繊 維 応 力 度の弾 性 論的増 加 速 度は約100kg
! ’ cm21min
,
破 廢迄の所 要 時 間は 4 分 30 秒 乃 至5 分 30 秒で あっ た。
Z2 .
3
動 的 試験の方 法 確 断 面lx
lo
.
mtUe=
PPs
錘 第2図 青予r
白試1換の機 構 第3 図に示す 如 く、
片持梁の臼 由端に推 定 静 的 破 壊 強 度 (PSB )の α% の荷 重 a PSIiを吊し、
こ の片 持 梁を 水 平に保つ た位置か ら突 然 解 放し、
破 壊させた。 破 壊 迄oπ
゜
〆
緊5
長用針 金40
− 一
時 間1『
キ、
1
“
.
.
蠡
癰
計珍
・
。誇
動蠹
・・ 第3
図 動 的 試 験の機構と自由 端の撓み・
一
時 間 曲 線 の所要時 間は約0.
2 秒であつた。 以下 α の こ と を荷 重 比、
こ の試 験形 式を動 的 破 壊 試 験と呼ぶこと にする。 所が荷 重 比Ct (従つ て自 由端の載 荷々重 nt PSB )が小 さい時には、
片 持 梁を水 平に保つ た位 置か ら解 放して も 破 壊せず、
第3図に見る如 く減 衰 振 動し遂には静止 して し まう。 こ の ように 1回 目で破 壊しない場 合に は、
同一
荷 重を載 荷し た 儘再び片持 梁を元の水 平 位 置 に 戻 し た 後、
前と同 様 突 然 解 放 する。
そ して破壊 する迄こ の操 作 を繰返 した。 こ の試 験形 式 を動的振動試 験と呼ぶこ と と する。 繰返の機 構が疲 労 試 験 夊は所謂振動試験の繰 返の 機 構と異15
点 注 意を要 す。 猶 動的 破 壊試 験と動 的 振 動試’
験と を包 括して以 下 動的試験と呼ぶ。
Z3
測 定 記 録とその解 析 方法2.
3.
1
実 験の測定 と 記 録動的 試 験に於 ける自 由 端の撓み の実動を
、
撓 み 測 定 用 ドラム (回 転 数 毎 秒5
回 )に記 録せ し め、
撓み一
時間 曲 線を求めた。一
方自 由端の加速 度をこ の位 置に取付 けた 振子式 加速度計に記 録 させ、
こ の記 録から加 速 度一
時間 曲 線を求め た。 加 速度が分れば、
慣 性 力が求ま り、
慣性 力から更に動的 荷 重 が導 ぎ得 るの で、
結 局 加 速 度一
時間 曲 線から動的荷 重一
時間の関係が求ま る。
以 ヒの よ うに して求めた撓み一
時 間曲線と動 的荷重一
一
時 問 曲 線か ら、
時 間を媒介に動 的荷 重一
撓 みの関係を導 く。
猶 撓 み一
時 間 曲 線 を求め る に 当つ て は、
自由端が 鉛直 変 位に伴つ て回 転 するの で、
換言すれば水平成 分の変 位 を 生 じる の で、
時 間 軸に及ぼすこの影響を除いて修正す る。 又 加 速 度一
時 間曲線を求め る際は、
加速度計に固 有 の time lag の影 響 を考 慮し修正しな け れば ならない。 上の ように し て求め た加速度一
時間曲線と撓み一
時 聞曲 線 を2
回微 分し て求め た加 速 度一
時 間曲線と を互に チェ ッ クし、
それ らの間に著しい相 異がある時に は、
その デー
ター
は棄 却し た 。 猶 加 速 度 計を保 持 する箱と自 由 端とは ピン接 合と し た の で、
白由 端が鉛 直 変 位に伴つ て回 転 現 象を生じて も、
加 速 度 計は常 に 自 由 端の変 位の鉛 直 成 分の加 速 度 を 記録 することが出 来た。2
.
3
.
2
加 速 度計の性 能 本実 験の為に設計された加 速 度計の性 能に触れると、
加 速 度 計の全 重 量は 4.
125kg で振 子の質量 540 g,
振 子の周期 0.
065 秒、
基本感度は 記録 紙上の偏 れ 8mm が 重力の加 速度に相当する。
常 用した 減 衰 常 数は O.
67 (減衰 比17),
減 衰 器は ピス トン型 空 気 減 衰 器 を 用いた。 動 的 感 度試験の結 果、
常用の減衰状態で は約0・
1秒よ り 大 きい周 期の振 動に対し て正 確 な 加 速 度を記 録 する こと が 確か められた (第4図 参 照 )。基
雇
譲
度
3
』
勲
2
対
割
喜
合
7
1
/qQ65
秒
‘糯
0
(烝
減
衰)
ゐ
冨
0
.
67
(
常
用)
1
振 子
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rm
・O
.
。
6591
)o
〃
1
6
〜2
ピ
2
」44
〃
5
−一一+
…
強制
振
動
の
罔期 俸少)
第4
図 加 速 度 計の動 的 感 度 試 験の結果 2.
4 動的 破 壊試験 に 於 け る曲 げ 強 度と剛1 性2 .
4.
1
動的破 壊試 験の結 果 動 的 振 動 試 験の 初 回 目に破 壊し た、
所謂動的破壊 試 験 の実 験 結 果を、
そ れ と比 較 すべ き静的試 験の結 果と併せ 表示し たのが第 2表であ る。 表巾の記 居の意味は次の 通 りである (第 5図.
丶
≦
PSB
,
δSfi=
一
静的破 匚」 匚L 襲 荷 重 及び それ 緻縮
に対応 す る 最 大 肛 賦猛 温
変位
盤
面
毳
P朋
,
δD8=
動 的匿
蘊
幽
第5図 第2表の 記 号の説 明 大 変 位w コ
動的試験に於 ける載荷々重 Ct=
vv1PSB=
=
荷 電 比一 87 一
NII-Electronic Library Service
T =
破 壊に達 する迄の時 間 δDE1=
ft
的試験に於ける釣合位 置 δSE=
比較 すべ き 静 的 試験の W に 対 す る釣 合 Es=
・
ge
的 弾 性 係 数 位 置 ED=
動 的 弾 性 係 数 第2
表 動 的 破 壌 試 験と静的試 験の結果 比較 (記号の意 味は本 文 參照) 試 験 休 A3−
2 cA5−
2 cA4− 2
cA1−
1 cA3−
1 cA2−
1 cA2−
3 bAl−
3bA2−
2 bA1−
2 bA2−
1 bA3−
1 cA3−
1 b 試験別 静 静 動 静 静 動 静 動 静 動 ) α % (82
81 80 79 74 静 静 動 PSB orPDB (kg )一
21,
019
.
826.
4
ll
:
ll25
.
・ 21.
028.
82 ユ.
026.
019.
821.
024
.
3 ) 罪 (16.
7
16.
6 16.
7 16.
5 15,
2’
1”
均1
δSB orfiDB.
(gm
)16,
613
.
6 ? 13,
413.
213,
614.
212.
.
915.
511.
914.
413.
212.
3 T (sec ) ? 0.
197憲 聯
無
’
0.
210 。.
、。31
0・
ー
8.
18,
17.
07.
35.
79
.
76.
4i
?11
・
29 6.
76.
46.
77.
17
.
55
.
86.
7 1.
23i1
・
37
PDB 彫 1,
58 1.
51 1,
73
、.
241
、
.
S7 δDB δSB ? O.
242111
:
li
:
:
1
6.
6 6.
1 LO20,
91
0.
771
11
.
19旨
1.
60 。.
89 1 茲 に弾 性 係数は静、
動 共に荷電 5kg (略々破 壊 荷重の 1f4)に於 けるSecant
Modulus を 以て表わし た。
猶 静、
動 両 試 験の荷重一
変位曲 線を比 較を し た ものが、
第 6図 である。2・
4・
2
静、
動 両試験の結 果比較の考察 動S
」O
(Kg
Kg) 10−
一 麦缸 〔C
瓢 )一
・一
麦 位 (‘m
靄
又尋
的.
薑
( (K2)1
− 一
彦{江(〔m
)一一
笈{虹( ) 第6図 動 的 破 壊 試 験と静 的 試 験に於 ける荷 重 変位曲線の比較1
1
・
・
261 ・・
6・1
・P
・動 的破壊 試 験 と静 的 試験に於 ける強 度
、
剛 性を比 較 考 察す る と次の こと が言え る。 (i) 動的破壊 強 度は静 的 破 壊 強 度よ りも平 均26%大 きい。 こ の ことは荷 重 速 度の急 速 化 に 依 り強 度が増 大 す る こ と を示 す もの である。 (ii) 破 壊 時の最 大 撓み に就ては、
動は静の約・
90% で、
荷 重 時 間の減少につ れ最 大撓みが幾 分 減 少 する傾 晦 が看 取 され るo (iii) 弾性 係 数を比 較 する と動は静の 1.
0〜1.
2倍で、
このこ とは常に動 的 弾 性 係 数が静 的 弾 性 係 数よ
b
大ぎい か又は等しb とい うこと を示すもの で、
荷 重速 度が大 ぎ くなる につ れ 弾性 係 数が増 加 する傾 向が何 える。 (i)の結 果は 1949 年 酒 井 と筆 者に より示され だ 〉 ヒ バ の同種 同 形 式の実 験 と・
全 く同じ結 果を与 えて いる。 筆 者 等と Liska との実 験1 〕の間に は、
材 種、
試験 万 式、
断面形 状 等の相 違か ら来る比 較 困 難 な 問題が 横 た わ る が、
弾性計 算に基い た外繊維応 力 度の平 均 増 加 速 度が、
極め て良 く近 似 して い る とい うこと を 理由に両 者を比較 してみ ると第 3表の如 くなる。
彼 我の実 験 結 果が よく一
L 致し て いるの が分る。
第3
表 Liska と筆 者 等に依る動 的 破 壊 強 度 増 加 率の値の比較 実験
者
1
孵
鷲
1
欄旨
… 〆…攤
・・瀦 蠍
び翫 …一
・・
2・1
・・
26 ・ ・… Ljska の実験 式4 ) 0.
25 1,
29588
N工 工一
Eleotronio LibraryArchitectural Institute of Japan Arohiteotural エnstitute of Japan
2・
5
動 的 振 動 試 験の繰返 回 数 と 荷 重 比 と の関 係動的 破 壊 試
曠
の結 果 と動 的 振 動 試 験の破 壊 時の結 果 を2.
5.
1
動 的 破 壊試験 及 び 動 的振 動 試 験 破 壊時の表 示し た もの が第 4表である
。
表中の記 号の意味は、
前実 験 結果
.
節 2
,
4に於 けるもの と同じである。 第4
表 動 的 破 壊試験の結果 と動的 振 動 試 験の 破 壊 時の結 果 勸的 試験 試 験 体 卯 (kg) 比 絞 すべ き 静 的 試 験 PDβ PD β 試 騨齧
1
齬
) PD β (kg
) δρ β (cm ) T (sec ) Ps β π α 繰 返 回 数 A4−
2 c[
・6・
・i
蠍
ll
:
1
臑
[
26・
4
い
A2−.
1 cA1−
3 b 60617曾
61 ・i
・・
291 … 882食
1
:}
:
ll
:
言
隧
:
引
垢
・
・ ・2・
・b{
・… ・4・
・128
・
・.
A12b
・3・
61 …9
・i
・・
23巨
5・1
・・ ・6・
・1
.
・ ・−2
・1
・・1
・.
巨
5・
526・
・ド
…1
・・
…1
・gi
・・
371 ・・
7380
1
A31bA4.
.
2 aA2−
2 c 15.
2 A5.
.
2b 15.
214.
514.
3 ・… 31 ・・
24 ・・
57179 A4−
1 a*会
1
韭
1
齢
搬
宜
1
二鞫
ll
:
刷
齬
」
24・
3 A1−
2 cA3−
2 c Al−
lb 21.
021.
01
・2・
31 ・・
242!
… 9 ・…!
」
塑
・12
・
圃
「
喇
・・
3711
・5・
91 ・・
2・21 ・・
24i ・…1
741
.
2・・
9 16.
0 26,
1 16.
6 ・4−
2 ・1
・1
・
6T
・4・
・128
・
・ A3−
1a 18.
1 13.
1 A5−
1a 20.
61
・3・
・ A2−
・b1
・9・
・1
ll
:
夛
ド
・1
・4・
4125・
7 7169 1・
13.
6 G.
224 1 L36・
1 2.
00
一
ウ‘
68論
一
1
−
7〔} 21
劉
26・
i
い
2列
}
劉
232 ・3・
。 14.
5 0.
2171
1
…L
画
・・
3・1
・・
86一
竺 生
望
・
gllt葦
:鯛
ll
:
ll
・4−
…劉
鴿
:i
:
lll
:
8
.
・2−
…11
・・
5鏘
嚢
障
9
:
至
* 印はス パ ン 45cm,
他 は 40 cm2.
5.
2
実 験結 果の考 察 及 び検討 A,
変位 「 0.
2281 1.
24 2.
02.
.
L0
,
ユ92 1.
10 1。
88ll
:
剥
.
25:・巨
・.
ト
・・
322・
23 6259 3 59 第5
表 荷 重比 と繰 返 回 数 と の関 係 (杉山 ) 動的振 動試 験の繰 返 圖数と破 壊 迄の 時聞、
最 大 荷 重 比 〔α)i75
%以上i
75〜
65%165
〜
55% 第4表に掲 げた試 験 体の破 壊に達す る 迄 の時 間は、
e・
19・
一
一
〇・
24 秒。 最大変位は 12〜
16cm である。
破 壊 迄 の時 間と最 大 変位の値の、
繰 返に伴 う変 動は、
デー
ター
のぱ らつ き を考慮 に 入 れ た場 合、
その傾 向は余 り明 白で ない。 唯 同一
繰 返回数の もの に注 目し た 場 合、
動 的 破 壊 荷重の静 的 破 壊 荷重に対 する増 加率が小 さい もの (別 な 見方をすれ ば動 的 破 竣 荷 蚕の動的載 荷々重に対 する割 合 が小 さい もの)は、
それが大きいもの よ り破壊迄の時間 並び に変 位が小さい と い う結果 は 注 意 すべ ぎで あ る。
B・
動的振動試験の繰 返 回数 と荷 重 比 との関 係 第 7図に見る如 く動 的振 動 試 験の繰 返同数と荷 重 比α との関 係は極め て明 瞭で、
第 5 表に示す如 ぎ関 係がある。 第 5 表の結 果1’
M、
ヒ バに関 する酒 井 の報 告り と殆ど 完全に・
致して い ることから、
3
2
ア繰
返
囿敬
繰 返 回判
1 2 34
「一
一
丁一
一
T
−一
一
T
−一一
T
−一一
1
I I l I l…
4
…
ヰ
…
↓
一
一
壽
L−−
4
{
l
i
l
i
l−一
一
3 ■ I i +一
一一
†一一
一
備 ■一一
トー
一
一
「 1 1i
I I l l 『’
l I l l−一
鑒 i I 十一一
僧 卜 十 十一
十一一
H旨
1
.
!l
i
I l ; l i700
90
80
70
60
50
一
荷 重
L
ヒα (% ) 第7図 荷重 比 と繰 返 回 数と の関係 周 期0・
4〜O・
5 秒の振動を受 ける木材に関しては、
か か・
る推論が成 立 する もの と判断 さ れ る。 C・
動 的破 壊 荷 重と動的振 動 試 験の繰 返 回数との関 係動的 破 壊 荷 重 と動
14
.
的 振 動 試 験の繰 返同L5
数との関 係を、
動的蕪
蠶
鸚 驚
PDBZ2
と いう腋 礁 介にPSBz
] 捉え て み る と、
第 8 図の如 くな る。
こ の図を見ると、
試 験 休 数 とデー
タ…
のぱらつ きが 問題に なる が、
それで も猶tIo
o
.
9
θ1
2
5
4
繰
返 圖 数 第8「寒[ PDEIPSB と動 釣 揮蓬鋤 試 験の繰 返 回数との関係 動 的振 動 試験の繰返 回 数の増加に伴い強 度が減 少 する傾 向が看 取され、
我々の常識的 な推 論を裏 書 ぎしてい る。
こ の傾 向は次 項で述ぺ る検 討に依り肯定さ れ る。 D.
鋤的破 壊 荷重 と動 的 載 荷々重との関 係89
NII-Electronic Library Service
:荷重比αの値が
、
動 的硬
壊 荷 重PDB
と動的試 験 載 荷・
々重 陀 との関 係に 及 ぼす 影 響を調べ てみると、
第9 図 の 如 く可成明瞭な傾向が伺 える。
実 験に於て扱 わ れた荷 重 比Ctの範囲は、
80〜
60%である が、
その結 果を 100〜
50%の範 囲に 迄外 挿 するこ と炉 可 能に見 えるの で、
第 9 図の如 く実線を 以て実 験 曲 線を導い てみ たe この実 験 曲24
・
22
20PDS
』
T7
・
8
1
1
,
6
14
].
2
1
.
0
10090
60
70
tio
50
一レ
6
と0
ア
0
20
.
3D
40
50
−−
700
一
久 第9図 PDBIva と荷重 比 α と の関 係 驫 oo广
曁
。1
[田目
破攘
x2[
皿圉
石皮壌
△3
[
田
目
石皮
壤
線は次 式で表わ される。 a>80% に対し「
午
一
(P
塑
・−
8°一
!
i
’
26
l
」
……
(… ) 80免≦α≦50% に対し一一
・・
57
・・
… (・・一
・)・
…一
(4.
・)
(4,
b)式は荷重比の 10% の増 減に対し、
PDB ノ躍 が 22%減 増すること を物 語つ て い る。
然るに (5)式の如 き 欄 係争
一1
語
・
鵡
一
驚
……
(
・・ が 存 在する か ら、
第9 図に於て PDBt’
W とα との値 を 読 み と り、
その積を求めれ ば、
atと PDBIPSB との関係が 求 まる。 こ れらの計算結 果を表にした ものが第6
表であ る。第
6
表1
荷 電 比に対する PDB !W,
PDB !PSB と繰 返 回数の関係 α% 1009080 PDBIw 肋 ・・列
繰 返 陥 1.
261,
401,
57 1,
261.
261.
26 70 1,
791
1.
25 2 60 2.
01 1213
50 2.
23 1.
124・・ 第6表の
PDB
!PsB
の値と前 出の第5表の荷 重比と動一 90 一
的 振 動 試 験 繰 返 回 数 (第6
表最 右欄) との開 係を併
音考 え る と、
繰返回 数の増 加に伴い PDB !PSB 即ち破 壊 強 度 が減少すること が 看取され る。
第3
章 長期 荷 重 を受けた場 合の木 材の 曲 げ強 度と荷 重 継 続時 間 との 関係3.
1
総 論 所 調クリー
フ試 験 を意 味 する長 期 荷 重 試 験 に 関 し て は、
我国 に於て は南、
竹 山、
久田等の研 究に依り先 鞭が 附 けられた。
筆 者は今 少し くク リー
プ現象の定量的解 析 を進めてみたい と思い、
先 年 来曲げを受 ける木造 梁を対 象と し実 験を行つ て来た。
然 し その結果は題 を改め て近 い将 来に報 告 することに し、
本 章では、
こ の ク リー
プ実 験の結 果の中か ら、
載 荷々重の大きさ と荷重継続 時 間の 関係、
クリー
プ糧歴 を持つ木 材の静 的曲 げ 強度と 剛 性の 関 係を取り出し 述べ たい と思 う。
3.
2
実 験 方 法3.
2.
1
試験体と試 験 位 置 第 2章で述べ た秋田杉の試 験 体と同一
の原 木か ら採 取 し た角材を、
2〜
3 年風 通しの良い暗室で 自然 乾 燥し た 後、
一
ド記の如 く試験体を木 取し た.
長期荷 重 試 験 は、
寸 法の異つ た 2 つ の 試 験 体 群を昨 り、
互 に異つた時 期に試 験を行つた。 即ち一
方のグルー
フ (グルー
プ1と呼ぶ ) は、
断面5 cm ×6cm,
長 さ 3・
75 m の角 材か ら第 10 図に示す如 く 24箇の試 験 体を挽 き、
試 験 体1箇の寸 法 を、
5.
Ocm
〔巾) ×1.
5cm (厚.
)〉(60 cm (長さ)と し た。
試 験 体は総て無 欠 点で s 繊 維が長 さの方 向に 出来る だけ 通 直で あるよ う木 取 され、
断面の年輪の方向は巾 万 向に大 体 直 角であつた。 長期荷重試 験は、
第 11図の x 印の試 験 体に就て行い、
そ れ に隣接す る ○ 印の静 的 試験体の強 度か ら、
長 期 荷重.
用 試験体の静 的強 度を推定し た。 若し隣接 する静的試験 体 相 互の強 喧差が 玉0
% を越 える ときは、
長 期 荷 重 試 験 号.
第10図 試験体の木 取 と番 号 C肌 C毋B
越
臨
鴨
轟
鶸
覊
1
三
羃
妻琴
第 11図 長 期 試験 (x 印 )と静 的 試験 (○印 )の試験 位 置 N工 工一
Eleotron ‡o LibraryArchitectural Institute of Japan Arohiteotural エnstitute of Japan
を行 うこと を断念し た。
他 方の グル
ー
プ (グルー
プ 皿 と 呼 ぶ )の試験体は、
3・
5cm (巾)xl・
3cm (厚)×60 cm (長 さ)の寸 法に選び、
その他の条 件は グルー
フ.
1 と全 く同じで あつ た 。3.
2.
2
静 的試験方法 グルー
プ1_
グルー
プ 丑共に長 さ 60cm の試 験 体 をス パ ン45cm
の片 持 梁に支 え、
荷 重 面を柾 日とし、
その 自 由端にグルー
プ 1 は 4kg !mil1,
グルー
プ 五 は 3 kg! min の割合で、
第2章で述べ た と同様 順 次 段 階 状に荷重 を加え て行つ た。
外 繊 維の応 力 度 増 加の速 度は、
弾件理 論に基}ナば、
グルー
プ1は 100kg !cmZlmin,
グルー
プ 1王 は 135kglcln21min,
破重裏迄の時問は夫々 4 分 30 秒 乃 至 5分 30 秒、
3分 乃 至3分 30 秒であっ た。 3.
2.
3
長 期荷 重 試 験方 法 長 期 荷 重 試 験は、
臼然 換 気の実 験 室 内で行つた。 先づ 予め決めた 荷 重 段 階 迄 静 的 試 験 と同 じ方 法で荷 重を加え て行 き、
以後 その儘 荷E
を継続放 置し た。 こ の継続 載 荷 々重
と推 定 静 的 破 壊 荷 重の比を、
前章の実験の場合 と同 様 荷重 比 と呼ぶことにす るe 撓 みの測 定は、
荷 重放置直 後と破 壊 直 前に は特に頻 繁に、
他の時 期に は毎日 夊 は 1 日置 きに実 施し た。
猶室内に は自記 湿度計と自記 温度計を備 え、
試 験 継 続 期 間 中ずつ と相対湿 度と温 度の測 定を行い、
撓みの 測 定 時には必 ず、
試 験 体に隣 接 する部 分か らとつ た木材の小 片の重 量 を測 り、
含 水 率の測 定 を 行つた。3。
3
荷 重比 と荷 重 継 続 時 間の関 係3.
3.
1
実 験 結 果 長期 荷重試 験に於 ける継続載 荷々重の大 きさほ、
荷重 比に して20〜90
% の範 囲 を扱つた。 荷 重 放 置 期 間は約 6〜 10ケ月で、
グルー
プ1
は 1953 年 9 月か ら 翌年7 月迄、
グルー
プ∬ の大部分は 1954 年 8 月か ら翌年 1 月 迄、
そ の一
部 分は1955
年7月に夫々実 験を行つ たL
これら実 験に於ける荷 重 比と破 壊迄の時間の 関係を 試 験 体 別に表 示したの が、
第 7表である。
3.
3.
2
実験結果の考察長期荷 重 試 験は上 述の如 く
、
異つ た 寸 法の試 験 体に就 て、
室 内 自然換気の条 件の下に異つ た時期に試 験を行つ た もの であ るが、
第 7 表又は後 掲の第 14 図を検討する と次の ことが言 える。 (i) 荷 重 継 続 時 問6〜
10ケ月の実験 結 果 だ けか ら観 察 すると、
長 期 曲 げ強 度は静 的 曲 げ強 度の 60%に当る。 これは Graf9) の 結 果 と一
致し て い る。
(ii) 従つ て荷 重 継 続 時 閭を更に増 した 終 極のク リー
プ限度を考え るならば、
静 的 曲げ 強 度の 60% 以 下に ク リー
プ限度が存 在 することが 当 然予想 さ れ る。
(iii) 湿 度的}こ不 利な夏季に実 験し た試験体は、
秋か ら冬 に かけて実 験し た試験体に較ぺ、
長 期 曲げ強度の値 が低 く、
荷重 比が同 じでも破 壊 迄の時 聞が短か い傾 向を 第7
表 荷 重 比 と破 壊 迄の時 間 と の関 係T/i)14 ) グル 試験 体一
プ.
ゲ ル 1 プ.
1 (一
九 五 三 年 ) グ ル ー プ ー(
一
九 五 四 年)
(一
九 五 五 年 ) グ ル ー プ 皿 B1−
2B4−
5B3−
6B2−
3B2−
1B3_
4A1−
2A3−
2A2−
1A4−
1B4−
3B3−
2B4−
1Bl−−
6B1−
4B2−
52D3−
63D5−
62D4−
52D7−
61D3−
61D 6−
53D3−
63D4−
52D1−
61D2−
52D2−
11D2−22D2
−
22D4−32D2
_
32D2−4
荷 重比 (% ) 破 壊 迄 の 時 間 0000550005055500 9998777・
7766544330000000000 8776654422000000 QVgQり
888
27 秒 41 時間 57 分 140 巨寺Hdi
25 / 」> 8時 問 53 分 169 時 間 37 分 170 時 間 13 分 2時間 42 分 263 時唱] 10 分 3863 時 間 11 分〜
3878時間11 分 3285時 間34分〜
3287時閊19 分 破 壊セ ズ (312 日) 〃〃
〃 〃 〃 ( 〃 ) (151 日) ( 〃 ) ( 〃 ) ( 〃 ) 2 時 間 01 分 74 時間 13 分 288 時 閤 32 分〜
312 時 間 22 分 572 時 間 26 分〜
595 時 間 46 分 1028 時 間 27 分〜
1051時間 32分 破 壊 セズ 〃 〃 〃 〃15
分1
時間13
分 2時間 Q1 分1
時間28
分 3時間 16 分10
時間19
分 示し て い る。
3・
4
長期 荷 重を 受 け た木 材の静 的 曲 げ強 度と剛性15)3.
4.
1
昃 期 荷 重の載 荷 方 式の種 別 本 節で述べ る長 期 荷 重の載 荷 方 式は、
次の 2 種 で あ る。
C
形 式・
・
一 一
定荷 重を継続載荷 (312 日 ) し た後、
荷 重 を 除 去し、
静的 試 験 を行つ て破 壊 させ る』 CRC 形 式……一
定 荷重 を 継 続 載 荷 (151 日) した 後、
荷 重 を 除 去して放 置 (124 日)し、
再び荷 重を継 続 載 荷 (36 日) し、
最 後に荷 重 を 除 去して静 的 試 験 を 行い破 壊 させ る。 両 形 式共に 1953 年 9月か ら翌年 7月 末に かけて実 験 を行つ た。3
含
4
.
2
実 験 結 果 長 期 荷 重を受け た材の静的破 壊強 度と長期 荷 重 を受 け一 91 一
NII-Electronic Library Service ない材の静 的 破壊強 度と を比 較 表 示し たもの が第 8 表で ある
。
長 期 荷重 を受 けた材 自身の長 期 載 荷に依る剛 幌の変 化 を 調べ る為に、
荷 重 5kg (静 的破 壊荷重の約1
/4)に於 ける撓み を荷 重一
擁 み 曲線か ら求め ると第 9表の通 りで ある。第
8
表長 期 荷 重を受 けた 材と受 けぬ材の 静 的 曲 げ 破 壊 係 数
・
.
形 式 CRC 形 式 長 期 荷 重 を 受 け た材 試 験 体1
荷 重 比lPL
・…
圃
47・B2 −5
B1−
6陣
C 形 式 B3−
2 B4−
330
45 45 55 60 455 470 455 512 477 長期荷重を受 け頃材 1讖 体lPsP
乙ノPs B1−
3B2_
4565一
一
ー ウ〕
3一
BBBB1−
5B2−
6B3−
1B4−
2B2−
2B3−
1B4−
2B3−
3B4−
4編 紬
・2 1 4514804401058444386 丞酔
△−
5004844630尸
D90ソ
44 457 466474
482 493 O.
99 1.
01 0.
96 1.
06 0.
97 含 水 率e
μ)[
・7・
・一
・7・
・1
17.
9〜
1862 PL,
Ps=
長 期 荷 重 を 受 けた材、
受 けぬ 材の 静 的曲げ 破 壊 係 数 (kg
!cm2 ) 含 水 率は静 的試験実施 時の値を示 す。 最後に長期 荷重を受けた材と受けない材の剛 性 を 比 較 する為、
C形 式試 験 体と それに 隣接 する試 験 体の静 的 破 壊 時の荷重一
撓み 曲線を比 較して描 くと第 12図 (a)及 び (b)の通 りである。CRC
形 式に就て同様の比 較 をし たのが第 13 図で あ る。 3.
4.
3 実験結果の考察 実 験 結 果 を検 討 すると次の ことが言 え る。 (i) 長 期 荷 重 を 受 けた材と受 け ない材に就て、
その 25 ?o 荷 15 重 (Ks} アo 5濡
o 第一
92
一
?o ?5 ?o 荷 石 重 CK3} iθ 5 0 5 /o ア5−
R 号 (cm ) (b
) 長 期 荷 重を受 けた材 (C形 式 )と受け ぬ材の静 的 試験 時の 荷重一
撓み 曲線 静 的 曲 げ 破 壊 係 数を 比較する と、
両者の 間の大小関 係は区々 で あるが差は殆ど 認 め られ な い。 長 期 荷 重載荷の経 歴が、
静 的 強 度に影 響を 及 ぼ さ ない ことを物 語つ て い る。 夊C形 式、
CRC 形 式の荷 璽 比 大 なるも の と小な るもの一
こ の 3者の間に は、
PLIPs の値の差が認 め られない の で、
長 期 荷 重の載 荷 方式の 相 異、
継 続 荷重の大 02 ♪ ノ !0 重 CKs)5
壷
,
’
7
”,
ρ
響
,
’
%
穿
痴
〃
’
律
, ノ斡、
懿
」礎
0 5 /025
一
撓 み く cm・t ) 第13図 長期荷 重を受け た 材 (CRC 形 式 )と受 げぬ 材の 静 的試験 時の荷 重 撓 み一
曲 線 小の い つれに依つ て も、
静 的 破 壊 強 度は 影響を 蒙 らない もの の ようである。 第9
表 長期荷 重を受げた材自身の 長期載 荷に 依る剛性の変 化 比 較 (舎 水率は静的 試 験実施 時の値) 種 別 CRC 形 式一
C 形 式 試 験 体 B1−
4B2−
5B1−
6B4−1B4
−
3B3−
2響
難 醗鞨麟 齲
弾 齢 数 (%櫑
剥
(鸚
只
〕1
蠶
嬲
鬧昌
褞
目
30304514512.
32.
02.
052.
5 「 2.
0 55E ・・1
・・
85 2.
42,
02.
22.
05 2.
452.
12.
32.
2 0.
961.
000.
930
.
98、
・・
45ト
2・
31
一一
0,
940.
95e.
870.
910.
820.
81 含水 率 (°
/tut)臨
.
、11
気
1
、.
、 1覧
1
、.
、1
(ii) 長 期 荷璽 を受 けた材 自身の長 期 載 荷に依る 剛性 の変 化を見る と
、
先づ 長期 載荷を受 けた為に剛性が低 下 してい るのが分る。 更に詳 細に検討する と弾性係数の減・
少率が、
同 じC形 式で も荷重比が大 きい程大きく、
載 荷 期 閻が増 すにつれ 大 ぎ くなつ てい るのが見られ る。 C形 式 は CRC 形 式 よ りも荷 重 比が大 ぎい上 に継 続荷 重を長 く受 けたの で、
CRC 形 式と較べ 弾性係数の 減 少が顕 著 である。 然し荷 重の大 小 と持 続 載 荷の長短 の い つれの因 子が よ り支 配 的に 剛性に 影響を及 ぼ すか は これ だ けのデー
ター
で は速断出来ない。 (iii) 長期 荷 重 を 受けた材 は、
受 け ない材より’
弾 性 係 数が小 さい。
然し長 期 荷重 を受 けた材は 受けな い 材 と較 べ て、
破 壊に近づい ても大 きな 撓みの増 加が見られず、
脆い破壊性状を 呈 してい る。 この現 象は、
C形 式の方が CRC 形式よ りも顕 著で ある。 載 荷 期 間の長い程加 工硬’
N工 工一
Eleotronio LibraryArchitectural Institute of Japan Arohiteotural エnstitute of Japan
化が著し い と解 されよう。
第
4
章 木 材の 曲げ 強 度 と 荷 重 時間と の関係4・
1
総 論本章に於て は木 材の曲げ強 度と荷重時聞との関 係を求 め ることにする
。
短 期、
長期 両荷 重領域 を包 括し た関 係 を導 く所に特徴 が あ る。
尤 もこ の検 討を進め る際、一
考 しておかね ば な らぬこ とがある。 動 的 試 験 形式 及 び静 的 試 験 形 式の結果 と ク リー
プ試 験 形 式の結 果と は厳 密な 意味で は比 較 出来ない性 質の もの である が、
両 形 式の破壊機構は木 材 固有の同 じ 性質に支配 されるもの と考 え られる 上に、
木材の曲 げ強 度と荷 璽 継 続 時間 との関 係は、
当 然一
つ の連続した曲線 に依 り表 現されるべ きだ と推 断 される。 こ の推論を肯定 し て既に wood が5 }、
筆 者が本 章に於てなさん とする試 みの先 鞭をつけて い る。4.
2
木材の 曲 げ 強 度と荷重 時 間 との関 係4
.
2.
1
荷重比 と荷 重時間の 関係 を 示 す 実 験 曲線 第2
表及 び第 7 衷に示された実 験 結 果から、
荷 重 比 を 縦 軸に、
破壊 迄の時 間 即ち荷 重継続時 間の常用 対数を横 軸に し て両 者の闥 係を求めた ものが第 14図である。 μo 72e 100 荷 80 篁 辷ヒ6e (%) 40 ?o、
o △ 1954年 頁・
−
1954ξ匡朷 頭 △ 1955e 秋埀
兪 diff
線「
L属
曁
、
杉山の実験曲線’
時聞が無 限で ある所に限界強 度、
所 謂ク リー
プ限 度が 存 在 すること を示し て居 り、
そ れ らの値は、
人に依り異る が、
静 的破 壊 荷 重の 40〜
60% と見 做 されて い る。 こ の こと は、
上述の実験式の適 用 範 囲が制 限を受け るこ と を 指 唆 するもの である。 こ の適 用範囲の 問題は、
Wood の 与えた双 曲線 実 験 式 即ち (3)式 と筆 者の (6)式と を比 較 する* こ と に依つ ても 明か になる。
第 14図の破 線で示 された実 験曲線が WOGd あ もの であ るD 実 線の筆 者の 実 験 曲線は、
荷 重 継 続 時 間が短か い周は Wood の曲線 と極めて よく一
致し て い る が、
荷 重 継 続 時 間が大 き一
くな るにつ れ 離 脱して行く傾 きが あ る。
これ は筆 者の長期 荷 重試 験の試 験 期間が無か かつ た為で、
若し数年に 亘 るよ うな試験を実 施し たな らば、
ク リー
プ限 度が荷 重 比40
〜60
% 辺に存 在 する故、
荷 重 継続時 閻の増 大につ れて上 に凹 に彎曲 して行 く Wood の実験 曲 線の ような 形の曲 線が導かれる に 違 いない。 それ は兎 も角 として荷 重 時 閥 0・
2 秒〜
6ケ月の 範 囲に注 目するな らば、
筆者の実 験 曲 線は Wood のそ れ と 近 似 して居るの が分る。
第 14図の筆者の実験曲線を解析して表示すると第 10 表の如 くなる。 第1
表の Markwardt のもの と比 較し て も荷 重継 続 時間 1日 以 下で は 酷 似し て い るの が看 取され る。 第10
表 荷 重継 続 時 問と荷 重 比との関係 (杉山) 荷 重 継続時 間 荷 重 比 0.
1秒 1 秒 1 分 1 時間 ¢ 匝 [[1 廻 nc 冊 軽.
. _ _
_
1.
301.
211.
060.
90
1
荷電継続 時間け
ヒも 重 比 日 週 月 111O.
780.
700.
64
・ 1
〆
・
げ ガ 疹弓
rb
・
1。 。 ・ ;。n 荷 重 継 黷 時 間 〔佃ゲ5) 第14図 荷重比 と荷 貢 継 続 時 間とg
関 係 (杉 山 ) 実験山 線とし ては、
傾 向を簡 単に把 握 出来る.
.
ヒに計 算 が容 易で あ る と い う観点 か ら直 線を採 用し た。
この直 線 は荷重 比100%、
破壊ま での時
間 4 分〔第 2 韋、
第 3 章で 述べた2っの静 的 試 験に於ける破壊迄の時間の平均値) の点を 通 り、
且つ 動 的 試験の デー
ター
とク リー
プ形 式の 長 期 荷重試 験の傾 向とに 出来る限 り適 合 するよう設 定さ れた。 こ の直 線 を 数 式 的に表 現 する と、
(6) 式の如き実 験 式となる。
Ct
=90 − 8.91091
“T …………
………
‘6
)
茲に at=
:
荷 重 比 (%)、
T =
破 壊 迄の時 間 (h
。urs ) 第 14 図の実 線で示された実 験直 線 即ち (6)式は、
荷 重 継 続 時 閻が延 びる につれ、
荷 重 比が無 限に減 少 を 続 け るこ と を示 すように見 える。
然し既 往の研 究は荷重継 続 結 論 (1
) 木材の標 準静 的 試 験に於 ける荷 重 時 間を境に考 えてみる と、
曲げ強 度は、
荷重時 間が減 少 す れ ば 増 加 し、
荷重時 間が増加すれ ば、
減 少 する。 こ の増 減の割 合 は、
荷 重時間の 10 倍の減 増に対し 約g
% の割 合で あ る。
(2) 長期間荷承 を受 けて も
、
その静 的破壊強度は長 期荷重 を受 けないもの と殆ど同じ で、
継 続 載荷の経歴の 影響は認め られない。
(3) 振動を繰 返し受 けると、
繰 返 回数の 増 加 につ れ、
・
曲げ強度が漸 減する。
(4)
木 材は急激な 荷 重を受 けると
、
弾 帷 係数が増加 する。
即ち荷重時 間の減 少につれ 剛 性が増 加 する。 逆に長 期 聞 継続荷 重を受 けた木材は、
荷 重 除去 後 再び 載 荷し た時、
剛 性は低 下する が加工硬化現 象を示し、
脆 い破 壊性状を帯びて来る。 (5) 急 激 な 荷 重 を 受 けると、
標 準静的 試験時と較べ * Wood の実 験 曲線に於て は、
標 準 静 的 試 験の荷 重 継 続 時 聞が 7分 30 秒で あ る の で、
第 15 図の破線を画 くに 当り 筆者の標 準 荷 重継 続 時間4分 30 秒に於い て 荷 重 比が 100% と な る ようWood の実験式(3)を換算し てい る。一 93 一
NII-Electronic Library Service 最大 荷 重 時の橈 みが梢 減 少 する
。
(6) 荷 重 継 続 期 間 6〜
IOケ月の範 囲に於 ける長期曲 げ強度は、 実験結果に依れ ば静的 曲げ強 度の約 60% に 当る。
(7) 長 期荷重試験に於て、
持 続 載 荷の荷 重が大 きい 程、
又期間が長い程、
荷 重除去 後 再 び載 荷し た場 合 弾 性 係 数の減少の傾 向が顕 著である。 匚交 献 コ 1) 杉 山英 男 :木 材の強度に及 ぼ す 高 速 度 荷 重 の影 響 に関 する最 近の 研 究に就て、
日本 建 築学会研究報 告 No.
26 (1951 年3月 )2) Markwardt
,
L.
J.
: Aircraft Woods−
TheirProperties
,
Selection and ℃haracCeristics,
National Advis,
¢ommitteefor
Aeronautics
Rept
.
No.
345 (1930 年)3) Markwardt
,
L.
J,
and Wilson,
T.
R.
C.
lStrength
and related properties of woods grown in the
United States
,
U.
S.
Dept.
AgL Tech.
Bul.
479 (1935 年 )4)
Liskal
J
.
A .
:Effect
of R耳pid Loading on the
Cempressive and Flexural Strength of Wood
,
U
.
S.
Dept.
Agr.
ForestService,
F.
P.
L Rept.
NQ
,
R 1767 (1950
年1
月 )一
筆 者に依る抄 訳が建 築 雑 誌 (1953 年 1月 )に掲 載さ れ て い る
。
5) Wood
,
L.
W 二Relation of Strength of Wood to
Duration
of Load,
U.
S.
Dept.
Agr。
ForestService
,
F.
P.
L Rept No.
R (1951年 12月 )一
) 6 ) 7 8) ) 9 10) 11) 12) 13) 14) 15) 筆 者 に 依 る 抄 訳が建 築 雑 誌 (1952 年10 月)に掲 載さ れ て い る。Graf