高等学校理科学習指導案
広島県立広島皆実高等学校 教 諭 大 本 順 一 1 科 目 物理Ⅰ 2 学 年 普通科 第2学年(35人) 3 単 元 発音体の振動と共振・共鳴 (1) 単元観 本単元では,音の波について,その伝わり方や音特有の性質を観察,実験を通して探究的 に扱い,基本的な概念や法則を理解させ,それらを日常生活に見られる波動現象とも関連付 けて考察できるようにすることをねらいとしている。音に関する学習については,波の伝わ り方と種類,重ね合わせの原理と波の干渉,波の反射・屈折・回折等の学習を踏まえて展開 していくこととなる。 また,音は,うなり・ドップラー効果など生徒の興味・関心をひく現象であり,管楽器・ 弦楽器の基本的な構造と関係付けて学習を進めることができる。 (2)生徒観 本学習集団の定期考査における論理的に考える力を問う問題の正答率は,1学期中間考査: 35%,1学期期末考査:76%,2学期中間考査:57%であり,表現力を問う問題の正答率は, 1学期中間考査:31%,1学期期末考査:31%,二学期中間考査:61%であり,双方の学力 が高まっている傾向にある。 しかしながら,自然の事象の中から自ら課題を見つけ,その解決に向けて主体的に学習し ようとする生徒は多くない状況にある。前単元で,実際に波を観察し,作図をしながら学習 して,波の基本的な性質や波の速さと振動数と波長の関係,反射・屈折の法則などを理解し ている。しかし,波の伝わり方と媒質の振動の関係のような本質的な理解を必要とすること を,的確に説明できる生徒は多くない。それは,十分な思考を経た理解がなされていないか らであると考えられる。 (3)指導観 本校の今年度の研究テーマは,「考えること・表現することを取り入れた授業の創造」であ る。本単元の指導では,弦の振動等における波動の特徴である基本振動・倍振動及び共鳴等 の現象について,定常波を観察しそれを作図させたり,波の振動数と弦を引く力との関係を 調べその結果をワークシートにまとめさせたり,他者にわかりやすく説明させたりするなど の学習活動を通して,生徒の考察力及び表現力の育成を図る。 4 単元の目標 ・発音体の振動と共振・共鳴について,関心をもち,科学的な態度で探究する。 ・発音体の振動と共振・共鳴についての基本的な考え方を基に,観察・実験を通して,身の 回りの音に関する事象と関連付けて考察する。 ・発音体の振動と共振・共鳴について,安全で的確な実験を行い,その結果を報告書に創意 (工夫)ある表現でまとめる。 ・発音体の振動と共振・共鳴についての基本的な考え方を理解する。5 単元の評価基準 関 心・意 欲・態 度 思 考・判 断 観察・実験の技能・表現 知 識・理 解 ・共 振・共鳴 に つ い て, 科 学 的 な 態 度 で 観 察 ・ 実 験 を 行 い , 意 欲 的 に 探 究 し よ う と す る 。 ・弦や気柱に生じる定常 波 の 固 有 振 動 数 等 に つ いて考察する。 ・共振及び共鳴について 固 有 振 動 に 基 づ い て 考 察する。 ・おんさを用いた共鳴現 象 に つ い て 安 全 で 的 確 な実験を行い,その結果 を報告書にまとめる。 ・弦や気柱の振動につい て 基 本 的 な 考 え 方 を 理 解し,知識を身に付けて いる。 ・共振・共鳴についての 基 本 的 な 考 え 方 を 理 解 し,知識を身に付けてい る。 6 指導と評価の計画(4時間) 次 学習内容 評 価 関 思 技 知 評価規準 評価方法 1 ( 本 時 ) 弦の振動 ・弦の振動を観察し,固有振動 の振動数と波長の関係につい て考察する。 ・弦を伝わる波の速さと弦を引 く力の関係について考察し,規 則性を見いだす。 ◎ ○ ・固有振動の振動数と波 長の関係について考察す る。 (思考・判断) ・弦を伝わる波の速さと 弦を引く力の関係を考察 しその結果を発表する。 (思考・判断,観察・実験 の技能・表現) ・生徒観察 ・ワークシ ート 2 ( 2 ) 気柱の振動 ・気柱の固有振動(閉管及び開 管)について考察する。 ・気柱の圧力の変化について考 察する。 ・気柱の共鳴実験を行い,音速 を求める。 ○ ◎ ・気柱の固有振動(閉管 及び開管)及び圧力の変 化について考察する。 (思考・判断) ・気柱の共鳴実験を安全 かつ的確に行い,結果を 報告書にまとめている。 (観察・実験の技能・表現) ・生徒観察 ・ワークシ ート 3 ( 2 ) 共振・共鳴 ・おんさを用いて共鳴現象に関 する実験を行う。 ・結果をまとめ報告書を作成す る。 ◎ ○ ・科学的な態度で実験を 行い,意欲的に探究しよ うとする。 (関心・意欲・態度) ・共鳴現象について安全 かつ的確な実験を行い, 結果を報告書にまとめて いる。 (観察・実験の技能・表現) ・生徒観察 ・報告書
4 ( 1 ) まとめ ・これまでの学習活動を振り返 る。 ・問題演習に取り組む。 ○ ◎ ・共振・共鳴について固 有振動に基づいて考察す る。 (思考・判断) ・共振・共鳴についての 基本的な考え方を理解 し,問題を解いている。 (知識・理解) ・生徒観察 ・問題演習 ・プリント 7 本時の目標 ・観察した結果を基にして,弦の固有振動について考察する。 ・ワークシートに沿って,弦を伝わる波の速さと弦を引く力の関係について考察し,その結 果を発表する。 8 本時の展開 学習活動 指導上の留意点 評価規準 評価方法 <導入>(5分) ・弦の振動と発音につい て説明を聞く。 ・弦楽器と関連付けて説 明を行う。 <展開>(40分) ・弦をはじいてできる定 常波を観察する。 ・弦にできる定常波を作 図しながら考察する。 ・低周波発振器等を用い た弦の振動に関する実験 を観察し,結果をワーク シートにまとめる。 ・弦を伝わる波の速さと 弦を引く力との関係につ いて考察する。 ・考察した結果見いだし た規則性をワークシート にまとめ,発表する。 ・定常波が出来る仕組み を復習させる。 ・弦の両端は固定端であ ることをおさえる。 ・振動の種類の名称,及 び波長と振動数の関係に ついておさえる。 ・振動数と波長の関係に 注意して観察させる。 ・弦を引く力とおもりの 個数の関係をおさえて考 えさせる。 ・他者に分かりやすく発 表させる。 ・固有振動の振動数と 波長の関係について考 察する。(思考・判断) ・弦を伝わる波の速さ と弦を引く力との関係 について考察し,その 結果を発表する。 (思考・判断,観察・実 験の技能・表現) ・生徒観察 ・生徒観察 ・ワークシート <まとめ>(5分) ・本時のまとめをする。 ・次時の予告を聞く。 ・生徒の発表を基にまと めと予告を行う。