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YAKUGAKU ZASSHI 132(2) (2012) 2012 The Pharmaceutical Society of Japan 231 UGT1A1 遺伝子多型解析患者におけるイリノテカンの用量変更 副作用発現状況調査 岡 o 敬之介,,a,b 渡邊徹, a,b 齋藤勲

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a昭和大学薬学部病院薬剤学教室,b昭和大学病院薬剤

e-mail: k-okazaki@cmed.showa-u.ac.jp

―Note―

UGT1A1 遺伝子多型解析患者におけるイリノテカンの用量変更・副作用発現状況調査

岡o敬之介,,a,b 渡邊 徹,a,b 齋藤 勲,a,b 村山純一郎a,b

Examination of Factors AŠecting Adverse Reactions and Dosage Reduction in

UGT1A1

Genotyped Patients: A Retrospective Survey of Irinotecan

Keinosuke Okazaki,,a,bToru Watanabe,a,bIsao Saito,a,b and Jun-Ichiro Murayamaa,b aDepartment of Hospital Pharmaceutics, School of Pharmacy, Showa University; 158 Hatanodai,

Shinagawa-ku, Tokyo 1428555, Japan:bDepartment of Pharmacy, Showa University Hospital; 158 Hatanodai, Shinagawa-ku, Tokyo 1428666, Japan.

(Received March 11, 2011; Accepted November 8, 2011; Published online November 16, 2011)

Our aim was to clarify the side eŠects of irinotecan which occurred in patients admitted to Showa University Hospital to investigate whether theUGT1A1 genetic polymorphism status was re‰ected in the discontinuation or dose reduction of irinotecan. We retrospectively investigatedUGT1A1 genetic polymorphisms, irinotecan dosage, dose dis-continuance or reduction, and laboratory results from May 1 2009 to April 30 2010. The analysis ofUGT1A1 genetic polymorphisms in 23 patients showed that frequencies of theUGT1A16 and UGT1A128 polymorphisms were 35% (eight patients) and 22% (ˆve patients), respectively, and 17% (three patients) were UGT1A16/UGT1A128 com-pound heterozygotes. Of all patients who received irinotecan, dose reduction occurred in six patients (38%) and discon-tinuance in two patients (13%) due to neutropenia and other factors. Of these eight patients, seven (88%) had the UGT1A16 and/or 28 polymorphism. The most common irinotecan dose reduction was about 25% of the initial dose. Grade 4 neutropenia was observed in two patients who had the UGT1A16 and/or 28 mutation (13%), and one patient was a compound heterozygote. Our investigation conˆrmed that theUGT1A1 genetic polymorphism status of the patients was re‰ected in the discontinuance or dose reduction of irinotecan. Our results suggest that Grade 4 neu-tropenia may occur in patients who are compound heterozygotes and that these patients may need careful selection of treatment regimens possibly involving discontinuance or reduction in irinotecan dosage.

Key words―irinotecan; UDP-glucronosyltransferase 1A1 (UGT1A1); dosage; neutropenia; compound heter-ozygote; retrospective study

緒 言 イリノテカン活性代謝物(SN-38)の主な代謝酵 素 で あ る UDP- グ ル ク ロ ン 酸 転 移 酵 素 UDP-glu-curonosyltransferase(UGT)の 2 つの遺伝子多型 である UGT1A16 と28 のホモ接合体(6/6, 28 /28)又は複合ヘテロ接合体の患者(6/28)では, 重篤な副作用(特に好中球減少)発現の可能性が高 くなる報告がある.1)そのため,イリノテカンの医 療用医薬品添付文書はこれらの患者にイリノテカン を 投 与 す る 際 は , 十 分 注 意 す る よ う 喚 起 し て い る.2)これに対し,米国の添付文書にあたる

Pack-age Insert では,UGT1A1 活性低下患者における好

中球減少発現の注意として,UGT1A128 のホモ接 合患者(28/28)には,多剤又は単剤であっても, イリノテカンの初期投与量を少なくとも 1 段階の減 量 を 考 慮 す べ き で あ る と 記 載 さ れ て い る . 特 に UGT1A128 のホモ接合体に言及した上で,イリノ テカンを含む様々なレジメンにおいて減量の段階に ついて詳細な手順を説明している.3) しかしながら,UGT1A1 の遺伝子変異は人種差 が大きいことが知られており,日本人患者における イリノテカンの投与量設計にそのまま米国の添付文 書を当てはめることは難しい.特に6 又は28 ハプ ロタイプに関して,日本人を含む東アジア人では, 28 ハプロタイプの発現頻度は欧米人と比較して 3 分の 1 以下であるのに対し,6 ハプロタイプは欧 米人にはみられていない.4)また,日本国内の固形 がん患者 300 例を対象とした調査では,6 又は28

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をホモ接合で持つ患者(6/6, 28/28),又はい ずれもヘテロ接合体を持つ患者(6/28)の頻度は 10%であった.5)このように,UGT1A1 の遺伝子変 異には人種差がある. 近年,切除不能大腸がん及び胃がん症例を対象と した6/6, 28/28, 6/28 に対するイリノテカン 単剤療法の至適投与量を遺伝子多型別に検討した結 果,日本人における有害事象の発現率と遺伝子多型 の関連性が証明された.6)このことから,UGT1A1 遺伝子の6 及び28 の多型解析結果の重要性が確認 されてきている.一方,欧米人を対象としたメタ解 析では,中~高用量(>150 mg/m2)のイリノテカ ンレジメンにおいてのみ,UGT1A128 ホモ接合型 と好中球減少との有意な関連が認められたとの報告 があるが,7)日本人症例においては,シスプラチン (cisplatine: CDDP)との併用による低用量(6070 mg / m2) の イ リ ノ テ カ ン レ ジ メ ン に お い て も , UGT1A16 又は28 に依存した重篤な好中球減少 が認められていることから,4)日本でのイリノテカ ン療法では,低用量レジメンにおいても UGT1A1 遺伝子解析の重要性が示唆されている. さらに,Onoue らによって行われた研究では, 135 例の日本人がん患者(肺がん,胃がん,大腸が ん を 含 む ) の UGT1A1 (60, 28, 6, 27 ) 及 び solute carrier organic anion transporter family mem-ber 1B1(SLCO1B1)とイリノテカン投与患者(単 剤又は併用療法 低用量~高用量(<60 mg/m2, 60 99 mg/m2, 100 mg/m2<の 3 群))の重篤な副作用 (好中球減少など)の関連性について検討し,重篤 な好中球減少と UGT1A16 の変異との関連性を示 唆している.また,日本人では UGT1A16 の変異 が好中球減少を予測するために最も有用であるとこ の研究では結論づけている.8) 日本における UGT1A1 の遺伝子多型解析の現状 は , 添 付 文 書 に よ る 注 意 喚 起 , 及 び 多 型 解 析 が 2008 年 11 月から保険適応になったことによって, 解析そのものは行われ始めているものの,対処方法 に関する知見が得られていないために,解析自体の 本来の意味に関して十分な理解が得られていない. そのため,結果によって,個々の患者における副作 用回避のための投与量の設定や変更,中止,支持療 法などが行われることは稀であると考えられる.す なわち,日本においては遺伝子多型解析結果を反映 した治療選択や支持療法などが患者に与える影響に ついて明確になっていない.そこで今回われわれ は,実態調査を含めた UGT1A1 の遺伝子多型解析 結果と,イリノテカン投与患者の副作用発現の関係 に関して後ろ向き調査し,これらの関係について検 討を行った. 現在,日本人における UGT1A1 の遺伝子多型解 析によるイリノテカンを用いた治療方法に関する臨 床試験として FLIGHT1, 2 試験などの大規模前向 きトライアルが行われているが,本稿では後ろ向き の少人数の解析によって示唆に富む知見を得たので 報告するものである.今後,これらの大規模試験に より詳細な検討が行われることが期待される. 方 法 1. 対象患者 2009 年 5 月から 2010 年 4 月入 院患者で UGT1A1 遺伝子型解析を行った 23 名の 患者を対象として診療録調査を行った. 2. 調査項目 2-1. 患者背景 対象患者のがん種,導入レジ メン,イリノテカン投与量,年齢,性別を調査した. 2-2. UGT1A1 遺 伝 子 多 型 解 析 結 果 の 検 索   UGT1A1 遺伝子多型解析は病院検査部より委託 検査会社 SRL へ検査依頼された.ヘテロ接合型(1 対の UGT1A1 遺伝子のうち片方のみに6 又は28 が存在する場合),ホモ接合型(1 対の UGT1A1 遺 伝子の両方に6 又は28 が存在する場合)の組み合 わせに応じて 6 種類(野生型(1/1),28 ヘテロ 型(1/28),28 ホモ型(28/28),6 ヘテロ型 (1/6),6 ホモ型(6/6),複合ヘテロ型(6/ 28))に分類した. 2-3. 臨 床 検 査 値 白 血 球 , 好 中 球, 血 小 板 数,赤血球,ヘモグロビン値,肝酵素(Aspartate Amino Transferase(AST)値,Alanine Amino Trans-ferase (ALT)値,ビリルビン値) ,尿素窒素値, クレアチニン値,プロトロンビン時間国際標準比 prothrombin time-international normalized ratio (PT-INR)値,総タンパク値,アルブミン値を調 査した.

2-4. 副 作 用 Grade 分 類 発 現 し た 副 作 用 の Grade は National Cancer Institute ― Common Ter-minology Criteria for Adverse Events (NCI-CTCAE) v4.09)の副作用 Grade 分類に基づいて評価した.

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Table 1. Patients' Characteristics andUGT1A1 Genotypes 症例数 23 例 平均年齢 63.7 歳(4379 歳) 性 別 男 性 20 例(87%) 女 性 3 例(13%) がん種 胃がん 8 例(35%) 大腸がん 10 例(43%) 肺がん 5 例(22%) UGT1A1 遺伝子型解析結果 野生型 7 例(30%) 28 ヘテロ型 5 例(22%) ホモ型 ―( 0%) 6 ヘテロ型 8 例(35%) ホモ型 ―( 0%) 複合ヘテロ型 3 例(13%) UGT1A1遺伝 子型解析 結果:野 生型:1/1 ,28ヘテロ型 :1/ 28,28ホモ型:28/28,6ヘテロ型:1/6,6ホモ型:6/6, 複合ヘテロ型:6/28.

Table 2. Relation between UGT1A1 Genotype and Irino-tecan-induced Neutropenia UGT1A1 遺伝子型 解析結果 投与患者数Irinotecan 好中球減少発生数 Grade 4 Grade 34 野生型 5 ― 1( 20%) 28 ヘテロ型 4 1( 25%) 2( 50%) ホモ型 0 ― ― 6 ヘテロ型 6 ― ― ホモ型 0 ― ― 複合ヘテロ型 1 1(100%) 1(100%) 総 計 16 2( 13%) 4( 25%) ( )内はそれぞれの遺伝子型でのイリノテカン投与患者の好中球減 少の発現頻度を示す.UGT1A1 遺伝子型解析結果:野生型:1/1, 28 ヘテロ型:1/28,28 ホモ型:28/28,6 ヘテロ型:1/6, 6ホモ型:6/6,複合ヘテロ型:6/28. 2-5. UGT1A1 遺伝子多型解析結果判定前後の治 療変更状況調査 UGT1A1 遺伝子多型解析結果 判定前後で,イリノテカンの投与量,投与の変更 (減量,中止),イリノテカン以外の薬剤への変更 (レジメン変更)などがあったかについて調査した. 減量が行われたケースについては,減量前後の投与 量を調査し,減量割合を調査した. 3. UGT1A1 遺伝子型と副作用発生頻度,レジメ ン変更,投与量変更との関連性の比較 UGT1A1 遺伝子型解析結果と副作用発現の関係,治療レジメ ン変更,イリノテカン投与変更,イリノテカン投与 量変更の関係について比較検討を行った. 4. 倫理的配慮 本臨床研究は,昭和大学医学 部医の倫理委員会にて研究許可承認を受けたのちに 開始された. 結 果 1. 患者背景と遺伝子解析結果 UGT1A1 遺 伝子型解析患者の患者背景と解析結果を Table 1 に 示す.調査数は 23 例,平均年齢は 63.7(4379) 歳,男女割合は男性 87%(20 例),女性 13%(3 例) であり,男性が多かった.がん種の内訳は大腸がん 43%(10 例),胃がん 35%(8 例),肺がん 22%(5 例)であった.UGT1A1 遺伝子型解析結果は6 ヘ テロ接合型(6 heterozygote)(1/6)が 8 例(35 % ),28 ヘ テ ロ 接 合 型 (28 heterozygote )(1 / 28)が 5 例(22%)で認められ,6 と28 両方の 変異(以下複合ヘテロ型(28/6 compound hetero-zygote)(6/28))が 3 例(13%)に認められた. 6 又は28 ホモ接合型(6 homozygote, 28 homo-zygote)は,本症例においては認められなかった (Table 1). 2. 副作用発現状況と遺伝子解析結果 UGT1A1 遺伝子診断を行った 23 例のうち,イリノテカンが 投与された 16 例の遺伝子型解析結果は6 ヘテロ接 合型(6 heterozygote)(1/6)が 6 例(38%), 28 ヘテロ接合型(28 heterozygote)(1/28)が 4 例(25%)で認められ,6 と28 両方の変異(以 下複合ヘテロ型(28/6 compound heterozygote) (6/28))が 1 例(6%)に認められた.Grade 3 以上の副作用発現状況は,白血球減少 4 例,好中球 減少が 4 例,血小板減少 1 例,ヘモグロビン低下が 1 例に認められた.イリノテカンの用量制限毒性で ある Grade 4 の好中球減少が 2 例(イリノテカン投 与患者の 13%)に認められ,どちらにおいても遺 伝子型変異が認められた.このうち 1 例が複合ヘテ ロ型(28/6 compound heterozygote)(6/28) であった.このほかの調査項目については対象者す べてにおいて Grade 2 以下の副作用発現であった (Table 2). 3. 遺伝子解析結果判定後の投与変更と遺伝子解 析結果の関係 UGT1A1 遺伝子型解析結果判定 後にイリノテカンを投与しなかった患者 7 例中 5 例

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Table 3. Frequency of Dose Reduction and Discontinuation on Irinotecan Treatment UGT1A1 遺伝子型 解析結果 減量例 中止例 減量及び中止例 野生型 ( 17%)1 例 ― ( 13%)1 例 28 ヘテロ型 2 例 ( 33%) ( 50%)1 例 ( 38%)3 例 ホモ型 ― ― ― 6 ヘテロ型 2 例 ( 33%) ( 50%)1 例 ( 38%)3 例 ホモ型 ― ― ― 複合ヘテロ型 ( 17%)1 例 ― ( 13%)1 例 変異型合計 ( 83%)5 例 (100%)2 例 ( 88%)7 例 総 計 (100%)6 例 (100%)2 例 (100%)8 例 UGT1A1遺伝 子型解析 結果:野 生型:1/1,28ヘテロ型 :1/ 28,28ホモ型:28/28,6ヘテロ型:1/6,6 ホモ型:6/6, 複合ヘテロ型:6/28.

Table 4. Practical Dose Reduction on Chemotherapy Regi-mens Involving Irinotecan

レジメン名称 がん種 減量前(mg) 減量後(mg) 減量(%) GC-CPT/S1 4w2 胃がん 140 100 29 GC-Biweekly CPT/CDDP 胃がん 90 70 22 GC-Biweekly CPT/CDDP 胃がん 50 40 20 GC-Biweekly CPT/CDDP 胃がん 80 60 25 CRC-CPT/S1 4w2 大腸がん 200 100 50 LC-CPT/CBDCA 3w2 肺がん 80 60 25 平 均 106.6 71.7 25 レ ジ メ ン 名 称 : GC : 胃 が ん , CRC : 大 腸 が ん , LC : 肺 が ん , CPT:イリノテカン,S1:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリ ウム配合剤,CDDP:シスプラチン,CBDCA:カルボプラチン,Bi-weekly:2 週間ごとの投与,4w2:4 週間に 2 回投与,3w2:3 週間に 2 回投与を示す. (71%)に遺伝子型変異が認められ,このうち 2 例 が複合ヘテロ型(6/28)であった.野生型と判定 された 2 例では患者の意思と医師の臨床的判断よ り,イリノテカンは投与されなかった.また,好中 球減少の副作用により,投与量を減量した患者は 6 例,投与中止患者は 2 例であった.減量及び中止し た 8 例中 7 例(88%)に遺伝子型変異が認められた (Table 3).減量については投与量の 2050%まで の減量が認められ,約 25%前後の減量が最も多か った(Table 4). 考 察 今回調査を行った UGT1A1 遺伝子解析結果の分 布は,1/6:35%,1/28:22%,6/28:13% となった.日本人を対象として行われた UGT1A1 遺伝子解析結果の報告1,5,8)では,6, 28 のいずれ かのホモ患者(6/6, 28/28)が6/6:2.85.7 %, 28/28:0.72.3%存在しているが,われわれ の調査ではこれらの患者は観察されなかったため, 今回の対象症例には組み入れることができなかった が,今後,これらのハイリスク患者が見い出された ときには逐次本研究に組み入れ,これらの対象患者 を合わせた検討を行う予定である. 今回,われわれの調査では,UGT1A1 遺伝子解 析を行ったイリノテカン投与患者のみを対象として 副 作 用 発 現 状 況 を 調 査 し た . こ の 調 査 結 果 で は Grade 4 の好中球減少が 2 例(13%)となっており, 遺伝子解析が未実施であったイリノテカンの臨床第 Ⅲ相試験10)における Grade 4 の好中球減少の副作用 発現率 37%から比べると低い発現率となった.こ のことは,UGT1A1 遺伝子解析結果に基づいてイ リノテカンの投与量の減量や中止を実施したことに よって,白血球減少の発現率が低下した可能性があ り今後,段階的減量や中止基準の検討が必要と考え られる. イリノテカン単剤使用例における好中球減少発生 率と UGT1A1 遺伝子多型の関係について Minami ら1)は Grade 3 以上が1/1 で 14.3%(3/21),1/ 6 及 び1/28 で 24.1%( 7/29),6/6, 28/28 及び6/28 では 80.0%(4/5)と報告している.わ れわれの調査では1/1 が 20%(1/5),1/6 及び 1/28 が 20%(2/10),6/28 においては 100% (1/1)であった.以上,単剤と併用療法,2 つの結 果はほぼ同じ結果となったことから,併用療法にお いても単剤療法と同様に,これらの遺伝子変異が好 中球減少の副作用発現と関連していることが示唆さ れた. UGT1A1 遺伝子多型解析の結果,イリノテカン を投与しなかった患者のうち,71%が6 と28 の両 方,若しくはどちらか一方の遺伝子変異を持ってお り,このうち 40%が複合ヘテロ型(28/6 com-pound heterozygote)(6/28)であった.このこ とから,遺伝子解析の結果を考慮してイリノテカン

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以外の治療を選択したことが把握できた.特に初回 導入患者のうち,複合ヘテロ型(28/6 compound heterozygote)3 例中 2 例(67%)においてイリノ テカンから治療変更が行われていることから,複合 ヘテロ型(28/6 compound heterozygote)の存在 が治療選択に重要な因子になっていることも考えら れた. 治療途中での投与量減量及び中止された 8 例のう ち,7 例(88%)に遺伝子型変異が認められた.内 訳は1/28:38%,1/6:38%,6/28:13%で あり,6 又は28 いずれかの変異があることが, DLT 発現に 関与している ことが示唆され た.ま た,複合ヘテロ型(28/6 compound heterozygote) であっても中止せずに減量を行っている例もあり, 治療上の有益性を優先した投与が行われていること が考えられた. イリノテカンの投与量は,レジメンやがん種によ り投与量に違いがあるものの,減量に関してはレジ メンなどには関係なく約 25%前後の減量が最も多 く行われていた.この結果は,減量の段階を設定す る上で,重要な知見になると考える.今後この設定 を十分なものとするために,さらに減量程度の調査 を行う計画である.その上で,1 段階減量を 25%に 設定した相別解析を行い,どのような場合に減量の 段階を上げるべきかの因子を検討する必要がある. 併用薬剤の影響を調べた結果,CDDP を含む白 金系の薬剤との併用で減量が 2025%であったのに 対し,テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウ ム配合剤 tegafur, gimeracil and potassium oxonate combination (S1)との併用では減量が 2950%と 増加している傾向にあった.この結果は Sai らの報 告4)と同様に,併用薬剤による影響を示す知見であ るとともに,併用薬剤によって減量段階設定を変更 する必要があることが考えられた. 今回の検討では,UGT1A1 遺伝子多型解析によ ってイリノテカンの用量を設定するに十分な例数に 至っていないが,今後は症例数を増やし,減量方法 についてさらに検討したい.また,治療効果と副作 用の関係から調査検討する必要もある. 現状では,治療選択や用量設定に関する統一され た基準がなく,病棟薬剤師はイリノテカン使用患者 の治療に対し,医師へ UGT1A1 測定の依頼を行う だけに留まっており,医師に対して十分なインフォ メーションができていない.今後,病棟薬剤師が UGT1A1 遺伝子解析結果を基に投与量の設定や治 療選択に参画し,治療上の有益性と安全性の両面を 担保した適正使用が必要と考える. REFERENCES

1) Minami H., Sai K., Saeki M., Saito Y., Ozawa S., Suzuki K., Kaniwa N., Sawada J., Hama-guchi T., Yamamoto N., Shirao K., Yamada Y., Ohmatsu H., Kubota K., Yoshida T., Ohtsu A., Saijo N.,Pharmacogenet. Genom-ics, 17, 497504 (2007).

2 ) Package insert, CAMPTO ( Irinotecan Hydrochloride Hydrate) for I.V. infusion, 14th Edition, Yakult Honsha Co., Ltd., Au-gust 2011.

3) Package insert, Camptosar(irinotecan hy-drochloride) Injection, Pˆzer Inc., August 2011.

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Ohashi Y., Niitani H., Fukuoka M.; CPT11 Lung Cancer Study Group West,Br. J.

Table 1. Patients' Characteristics and UGT1A1 Genotypes 症例数 23 例 平均年齢 63.7 歳(43 79 歳) 性 別 男 性 20 例(87%) 女 性 3 例(13%) がん種 胃がん 8 例(35%)大腸がん10例(43%) 肺がん 5 例(22%) UGT1A1 遺伝子型解析結果 野生型 7 例(30%)28ヘテロ型5例(22%)ホモ型―(0%) 6 ヘテロ型 8 例(35%) ホモ型 ―( 0%) 複合ヘテロ型 3 例(13%) U
Table 4. Practical Dose Reduction on Chemotherapy Regi- Regi-mens Involving Irinotecan

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