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大学の国際化 に参加するもの 1 週間程度語学研修や異文化体験をするものなど 期間や内容はさまざまである 短期間 (1 学期程度 ) の留学プログラムの具体例 千葉大学グローバル フィールドワーク グローバル スタディ プログラム ( 語学研修 異文化体験 ) 夏季休業中および春季休業中を利用し 海

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一般的に留学には、大学が主催する交換留学制度によ るものと、学生が自ら留学先を見つけて申し込む、いわ ゆる私費留学がある。長期間のプログラムになると、留 学のために留年を余儀なくされるという課題があったが、 留学先の大学との単位互換や留学先での修得単位を自大 学でも単位認定することで、4年(6年)間での卒業が 可能となる大学が増加している。 グローバル化の流れはますます加速し、トップリーダ ーだけでなく、中核的・専門的人材層に対するグロー バル人材の需要が高まっている。そこで文部科学省は、 2013年から官民協働で「トビタテ!留学 JAPAN」を展 開するなど、留学を推進し、国際経験のある人材の増加 を図っている。同時に、大学のグローバル化のための施 策を次々と打ち出しており、2008年「留学生30万人計 画」、2012年「グローバル人材育成推進事業」、2014年 「スーパーグローバル大学創成支援」などがある。これ らを受け、各大学も国際化に対応した取り組みを行って いる。 ■長期間(1年程度)の留学プログラムの具体例 ■埼玉大学  協定を締結している海外大学等へ、全学的に 学部生を派遣する1年間の交換留学プログラムがある。事前 指導と準備教育(語学教育や留学カウンセリング、留学生と の授業等においての切磋琢磨、留学生支援活動)、留学、留 学後のサポートを一貫して行う。 ■国際基督教大学  22カ国66大学と交換留学協定を結ん でおり、定員枠は1学年620名に対し4人に1人に当たる 約150名。さらに派遣のみの海外留学プログラムや、加盟 校がそれぞれの学生を交換する「ACUCA Student Mobility Scheme」がある。どのプログラムも、学生は留学中も国際 基督教大学(ICU)に在籍し、取得した単位は審査により ICUの単位として認定されるため、4年間での卒業が可能。 交換留学プログラムの場合は原則留学先大学の授業料は免 除される。 ■東京国際大学  東京国際大学アメリカ校(TIUA)また は姉妹校であるウィラメット大学の学生寮で生活をしなが ら学ぶ1年間の留学プログラムがある。現地で修得した単位 は最高48単位まで認定。帰国後は留年することなく上級年 次に進むことができ、計4年間で卒業できる。 ■京都ノートルダム女子大学  アメリカにある3つの姉妹 大学のマウントメリー大学、メリーランド・ノートルダム大 学、レジス大学との協定の下、学部に留学する。留学では 10カ月の留学期間中に、留学先大学で修得した単位を30単 位を超えない範囲で本学において取得した単位として認定 し、1年間留学をした場合でも4年間で本学を卒業すること が可能。本学からの授業料減免制度等も完備している。 ◆キーワード……… P.18 ◆「ひらく 日本の大学」調査より ………… P.21 ◆大学選びのポイント……… P.23 ◆大学の取り組み 東京慈恵会医科大学 ……… P.24 豊橋技術科学大学 ……… P.26 玉川大学 ……… P.28 京都大学 ……… P.30

長期間(1年程度)の留学プログラム

大学の国際化

キーワード

現在、ほとんどの大学が短期留学制度を設けている。 1学期間滞在し留学先の大学の正規科目の単位を取得す るもの、現地大学の外国人学生向けのサマープログラム

短期間(1学期程度)の留学プログラム

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国際系や外国語系の大学・学部・学科を中心に、海外 への留学を義務づけている大学がある。期間は1年間、 1〜2学期間とさまざまで、内容も専門科目、フィール ドワーク、語学研修と多様である。 海外の企業や日本企業の海外拠点等でインターンシッ プを行う。語学研修等と組み合わせたり、国内での学習 と併せて実施する場合もある。また、インターンシップ という名称ではないが、医療、看護、農業等の分野で、 関連施設での実習やフィールドワークをする例もある。 ■短期間(1学期程度)の留学プログラムの具体例 ■千葉大学  グローバル・フィールドワーク、グローバル・ スタディ・プログラム(語学研修、異文化体験)。夏季休業 中および春季休業中を利用し、海外の協定校を会場として、 2週間程度の期間で実施。海外の大学の学生と協働して特定 の課題について問題の発見、解決案の提案を行う。海外の学 生と共同して学ぶことで異文化への理解や対応力だけでな く、異文化間コミュニケーションへの積極的態度を養う。 ■鳥取大学  メキシコラパス市にある協定校、南バハカリ フォルニア大学(UABCS)およびメキシコ北西部生物学研究 センター(CIBNOR)に、全学から募集、選抜した最大20名 の学生を約3カ月間派遣。本学をはじめ、UABCS、CIBNOR の教員・研究者の他、米国カリフォルニア大学デービス校か らも教員を招聘し、英語で講義・調査実習を実施する。 ■上智大学  夏期および春期の長期休暇を利用して、3~ 6週間の短期語学講座並びに海外短期研修を実施。プログラ ム修了時には単位を付与する。短期語学講座は、一般外国語 教育の一環として、語学能力の向上が目的。海外短期研修は、 海外の名門大学で実施される短期プログラムに参加し、外国 語で専門科目を学ぶため、プログラムごとに必要とされる語 学能力を定めている。 ■山口東京理科大学  米国ポートランド州立大学への1カ 月間の留学制度がある。ネィティブスピーカーによる英語の 授業を受け、現地大学生と交流する。修得単位は英語の単位 として認定。

海外への留学義務づけ

海外インターンシップ

■海外への留学義務づけの具体例 ■弘前大学  グローバル人材育成のための2年間の教育プ ログラムを作り、この教育プログラムに参加する学生に対し ては、英語圏(ニュージーランド)とアジア圏(中国または 韓国)計2回の短期留学を義務づけている。 ■亜細亜大学  5カ月間アメリカの大学に留学する「亜細 亜大学アメリカプログラム(AUAP)」がある。国際関係学 部国際関係学科は必修、他学部他学科も原則希望者全員留学 することができる。毎年450人前後が参加し、25年間で約 12,000人の派遣実績がある。 ■関西大学外国語学部  2年次に提携大学へ1年間留学す る必修の留学プログラムを設けている。前半の約5カ月で、 各言語科目を履修して運用能力を養い、後半の約5カ月で、 ■海外インターンシップの具体例 ■帯広畜産大学  パラグアイの酪農の発展を図るとともに、 獣医・農畜産分野における国際協力を経験する機会を通じて グローバル人材の育成を行うため、JICA青年海外協力隊の 長期隊員・短期隊員として、1~2カ月間、在学生・卒業 生を南米パラグアイに派遣する「帯広-JICA協力隊連携事業」 を実施。派遣在学生の活動は、授業科目「海外フィールドワー ク」として単位認定している。   ■茨城大学  「世界へ飛び立つための3ステップ・プログラ ム@テネシー工科大学(TTU)」を実施。「ステップ1」では 5月上旬~8月(16週間)にかけてTTUの付属学校で週24 時間の英語集中授業を受け、「ステップ2」では9~ 12月 にTTUで現地学生と共に学部で開講される専門科目を履修、 「ステップ3」として1~2月に、自分の興味・専攻に合わ せて4~ 12週間のインターンシップに参加する。 ■昭和女子大学  ロイヤルローズ大学海外インターンシッ プ(週4回の現地企業での就業体験と、週1回の面談、ロイ ヤルローズ大学での講義で編成されている3週間のプログ ラム)がある。講義でカナダの職業観やビジネス英語・ビジ ネスマナーを習得し、実際の就業体験とその後の成果発表プ レゼンテーションを通じてビジネススキルを養う。 留学生の受け入れ推進のために英語の授業だけで卒業 できる課程の設置や、英語による専門科目の授業の増加 が求められている。日本の学生が受講できるものもある。

英語による授業の増加

習熟度に応じて帰国後専攻する5つのプログラムの専門に 関連した科目を受講する。学部内に、留学専用のサポートセ ンターを設置している。 に参加するもの、1週間程度語学研修や異文化体験をす るものなど、期間や内容はさまざまである。 ■英語による授業の増加(主に受け入れ)の具体例 ■東北大学  人文・社会科学系の学部2~4年次相当の 学生のための、英語によるジャパノロジーコースである  「International Programs in Liberal Arts(IPLA)」受け入れ期 間は1学期から最長1年。海外の協定校の理学、農学、工学 分野を専攻とする学部3年生を対象とし、専門分野の授業 履修と研究室に所属して研究を行う英語によるプログラム

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日本の大学と海外の大学間の場合、連携した各大学が 開設した同じ学位レベルの教育プログラムを学生が修了 し、各大学の卒業要件を満たした際に、各大学がそれぞ れ学位を授与するダブルディグリー(デュアル・ディグ リー)と、連携する大学間で開設された共同の教育プロ グラムを修了した学生に対し、双方の大学が共同で学位 を授与するジョイント・ディグリーがある。

海外の大学との共同学位

■外国人教員の増加の具体例 ■京都大学  2013年4月に、全学共通教育を担う国際高等 教育院を設置し、外国人教員の増員、英語による講義の増加 に取り組んでいる。また、2020年までに全学共通科目・専 門科目による英語での講義実施率を30%に引き上げる計画 である。 ■新潟県立大学  外国人教員の増員などによって、2023年 度までに英語の授業の割合を現在の0.8%から12.5%(6科 目から96科目)まで増やす目標を掲げている。 ■早稲田大学  創立150周年の2032年までに学部・大学 院ともに、科目の半数を外国語で授業する計画で、外国人教 員や、海外の大学での学位取得教員を増員している。あわせ て、対話型・問題発見・解決型教育へ移行、学生の外国語力 向上を図る。 ■海外の大学との共同学位の具体例 ■神田外語大学  2002年国際化部門最優秀大学として選 定された韓国の慶煕大学校 (Kyung Hee University)で学ぶ 交換留学(ダブルディグリー制度)。2年次修了後、慶煕大 学校スウォンキャンパスの韓国語学科に所属し、規定の単位 数を履修した場合に双方の大学を卒業することができる。 ■創価大学文学部  英国のバッキンガム大学と中国の北京 語言大学との間に協定を結んだデュアルディグリーコース グローバル人材に必要な要素の1つとして、英語の 「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を測ったり、海 外留学を推進したりするために、TOEIC/TOEFLの受 験を義務付けたり、一定以上のスコアでの単位認定を行 う。また、英語力向上のため、正課・課外での対策講座 の開設、e-Learning等による学習支援なども実施してい る。

英語に関する達成目標の設定

■英語に関する達成目標の設定の具体例 ■北海道大学  2023年度までに、TOEFL-iBT80点以上の 学生を学部50%、大学院80%まで増加させる。そのために ①学部2年次以降もTOEFL-ITP等の受験機会(受験料大学 負担)を設けて、全学部生の英語能力を把握し、学生の自主 的な学習への動機付けとする。②大学院入試の際、TOEFL 等のスコア提出を義務づけて英語能力を把握する。③課題解 決型学習方式科目で具体的な英語能力の目標を設定すると いった取り組みを行っている。 ■法政大学  グローバル教養学部に所属する学生は、卒業 時にTOEFL-iBT90点が目標で、それ以外の学生は、TOEFL-iBT80点が目標。グローバル教養学部では、コースナンバリ ングによる授業科目の体系化、英語による情報提供等、ディ プロマ・サプリメントの基礎作りを推進している。全学では 英語強化プログラムを実施するほか、Global ラウンジの設 置により外国語イマージョン環境を提供している。 ■関西外国語大学  英語キャリア学部英語キャリア学科 で は、 英 検 準 1 級 以 上、TOEFL550点(iBT80点 ) 以 上、 TOEIC730点以上、外国語学部英米語学科では学年により段 階的に目標点数を上げ、4年次修了時にはTOEFL PBT550 点以上を目標とする。目標達成のため、英語習熟度別の少 人数クラスを開設しているほか、「留学生別科共同開講科目」 「ビジネスプリビューコース」「留学準備コース」などの特別 プログラムを開講している。 大学の国際化のために、英語での授業実施率の増加や 英語のみで卒業できるコースの創設等のため、それを担 う外国人教員の増員が課題となっている。教員を採用す る場合も国際公募としたり、国際経験が豊富で外国語が 堪能な教員を採用する大学もある。大学の国際競争力を 強化する上でも重視されている。

外国人教員の増加

「Junior Year Program in English(JYPE)」がある。 ■専修大学  主に欧米圏の協定校の留学生のために、日本 語、日本文化、日本のビジネスを学ぶプログラムで、日本語 の授業以外は全て英語で実施。受け入れ期間は3カ月。 を設けている。2年間の留学により、4年間で創価大学と留 学先大学の双方の学位を取得できる。毎年5名の学生を派遣 している。 ■立命館大学  米国のアメリカン大学の5学部(国際関係 学部・経営学部・文理学部・公共政策学部・コミュニケーショ ン学部)のうち希望の学部に所属し、最低80単位を取得する。 うち、40単位を上限に立命館大学の単位として認定し、卒 業に必要な残りの単位を取得することで両大学の卒業要件 を満たす「アメリカン大学DUDP」がある。 ■立命館アジア太平洋大学  本校で2年、派遣先大学で2 年、合計4年間の学習で、両大学の学位が取得できるプログ ラム。多様な文化背景のクラスメートと学び、広い視野と知 識を得る。

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「ひらく 日本の大学」調査より

近年、国際化への対応は、大学でも非常に重要な、ま た緊急に対応すべき課題となっている。そこで「ひらく 日本の大学」調査(2014年度)では、大学の国際化への 対応について設問を設けた。 まず、国際化に関する取り組みについて全学的に実施 しているかを聞いた<図表1>。日本から海外の大学へ の送り出しでは、学士課程・大学院ともに、短期間(1 学期程度)の留学プログラムの実施率が、学士課程75%、 大学院36%と最も高く、期間が長くなるにつれて実施率 が低くなっている。一方、海外から日本への学生の受け 入れについては、1学期程度の短期と、1年程度の受け 入れの割合はほぼ同程度である。送り出し、受け入れ以 外の取り組みは、「外国人教員の増員」が20%で最も多 いが、全体的に低い実施率である。 <図表2>は、「学士課程の留学プログラム(送り出 し)」について、期間別、設置者別に見たものである。 いずれも国立大での実施率が高く、短期間(1学期程 度)は9割に上る。 このように各大学で短期間留学プログラムの拡充を図 っているが、大学在学中に短期間他の国の大学での学修 を経験させることは、日本の大学だけでなく、世界の先 進国の間で大きな趨勢になりつつある。各国とも、大学 生に自律的で高度な学修をいかに促すかが課題となって いるが、留学経験がそこで重要な役割を果たすと考えら れているからである。

75%の大学で

短期間の留学プログラムを実施

1% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 海外への留学義務づけ 長期間(1年以上)の留学プログラム 長期間(1年程度)の留学プログラム 短期間(1学期程度)の留学プログラム等 海外インターンシップ 海外への留学義務付け 長期間(1年以上)の留学プログラム 長期間(1年程度)の留学プログラム 短期間(1学期程度)の留学プログラム等 海外インターンシップ 外国人留学生の増加 長期間(1年以上)の受け入れプログラム 長期間(1年程度)の受け入れプログラム 短期間(1学期程度)の受け入れプログラム等 外国人留学生の増加 長期間(1年以上)の受け入れプログラム 長期間(1年程度)の受け入れプログラム 短期間(1学期程度)の受け入れプログラム等 海外の大学とのダブル・ディグリー等 英語だけで卒業できる課程設置、英語で行う授業増加 大学教員の英語による授業力向上のための取り組み 外国人教員の増加 国際化担当職員の増加 学事暦の柔軟化、クオーター制の導入 海外オフィスの設置 海外キャンパス、海外サテライトの設置 その他 送り出し 学士課程 大学院 受け入れ 学士課程 大学院 その他 11% 48% 75% 24% 0% 8% 26% 36% 12% 39% 50% 54% 33% 27% 34% 32% 13% 10% 12% 20% 19% 5% 16% 4% 2% 30% 100% 80% 60% 40% 20% 0% 国立大 公立大 私立大 1 年以上 1年程度 短期間 ︵ 1 学期程度︶ 20% 72% 43% 44% 90% 68%74% 4%11% <図表2> 学士課程「送り出し」 期間別留学プログラムの実施率(全学) (n=607) <図表1>国際化に関する取り組み(n=607)

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Kawaijuku Guideline 2015 特別号

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次に国際化について、数値目標を設置しているかを聞 いた。今回は「送り出し」と「英語に関する達成目標」 の結果を紹介する。 全学として「送り出しに関する数値目標」を定めてい る大学は、全体で23%だが、設置者別に見ると国立大48 %、公立大30%、私立大17%と、国立大で高い。例えば、 京都大学で「2020年度までに短期の海外留学者を600名 へ」、福井大学で「2023年度までに卒業時までに100%の 学生が海外留学等を経験する」といった目標を定めてい る。 海外の大学へ留学するにあたって重要になるのは語学 力であるため、「英語に関する達成目標」を設定してい るかも聞いた。設定している大学は全体では16%だが、 国立大では32%、公立大17%、私立大13%と、こちらも 国立大で高い。例えば、鳥取大学で「卒業時の外国語力 スタンダードを農学部はTOEIC700点、工学部は600点、 地域学部はTOEIC600点または中国語検定3級あるいは ハングル能力検定3級とする」などである。 さらに、送り出しの期間別の留学プログラムの参加割 合も聞いた。<図表3>は学士課程のみの人数と割合で ある。2013年度中に海外へ向けて出発した学生の人数は 全体で約61,000名。そのうち、私立大の学生が約48,000 名と78%となった。期間別の割合で見ると、「2週間未 満」が24%、「2週間以上1カ月未満」が38%と、この 2つを合わせると6割を超える。 調査では、各大学の全学的な留学プログラムについて 6つまで書いてもらったが、全学的な留学プログラムの 内容を見ると、まずは1カ月未満の、語学研修も含む海 外体験・海外研修等で学生に海外に行ってもらい、その 後1学期や長期間の留学に挑戦してもらいたいと考えて いるようだ。 最後に、海外からの留学生について見ると<図表4>、 受け入れ人数については学士課程が多いが、全学生に対 する留学生の割合を見ると、学士課程の全学生のうち 2.0%程度と受け入れが進んでいるとは言えないのが現 状である。また、留学生の出身地域を地域別に見ると中 国60%、その他アジア18%、韓国11%と、例年の調査と 大きく変わらなかった。 <図表4>留学生の割合 <図表3>送り出しの留学プログラムの参加人数・割合(学士課程) 設置者 留学生数 比率 学士課程 大学院 専攻科・別科 履修生等科目等 留学生全体 学士課程 大学院 専攻科・別科 履修生等科目等 留学生全体 国立大 5,130 15,579 0 5,982 26,691 1.4% 13.9% 0.0% 53.3% 5.4% 公立大 988 1,298 0 681 2,967 0.9% 10.0% 0.0% 29.7% 2.5% 私立大 36,645 10,217 2,171 4,157 53,190 2.2% 14.1% 76.4% 18.4% 3.0% 全体 42,763 27,094 2,171 10,820 82,848 2.0% 13.7% 60.6% 30.0% 3.5% 人数 割合 国立大 公立大 私立大 全体 国立大 公立大 私立大 全体 2週間未満 2,874 645 11,145 14,664 28% 19% 23% 24% 2週間~1カ月 3,872 1,366 18,420 23,658 38% 41% 38% 38% 1カ月~3カ月 1,129 337 3,775 5,241 11% 10% 8% 9% 3カ月~6カ月 408 146 5,746 6,300 4% 4% 12% 10% 6カ月~1年 1,619 748 6,845 9,212 16% 23% 14% 15% 1年以上 342 77 2,007 2,426 3% 2% 4% 4% 合計 10,244 3,319 47,938 61,501 100% 100% 100% 100%

送り出しに関する

数値目標を定めている大学は23%

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大学選びのポイント

将来海外で仕事をしたいという場合に限らず、国内で 仕事をする場合でも、外国の企業や外国人と無関係でい られることが少ない時代となった。そこで大学選びに当 たっては、大学在学中にどのような海外での体験や学修 ができるのか、語学力、特に英語力の向上ができるのか にも注目したい。 また、海外体験・留学は、日本の大学教育にとって重 要な、学生の自律的で高度な学修をいかに引き出すかと いう課題とも関係している。大学在学中に学生自身のア イデンティティを確立することは、学生の成長の点から も非常に重要なことである。海外体験・留学を通じて異 文化に接する経験をすることで、学生が自らのアイデン ティティを確立し、大学で学ぶ意欲を喚起され、自律的 な学修態度が涵養されるといった効果も期待されている。 つまり海外体験・留学は、帰国後、学生の学びに対す る意欲を向上させ、大学での学びをより実りのあるもの とし、基礎的・汎用的能力を向上させる点でも有意義だ と考えられる。国際系や語学系の学部・学科に限らず、 それ以外の学部でも大学選びの1つの指標として考える とよいだろう。 海外体験・留学については、p18〜20にあるように目 的、期間、人数などが多様である。期間は、1年以上、 1年程度、1学期程度などに分けられ、期間が長いほど、 留学先の大学で専門科目を学べるプログラムとなる傾向 がある。その場合、留学先の大学で履修した単位が自分 の大学でどの程度認められるかをあらかじめ確認してお きたい。単位認定されない場合、4年間(6年間)での 卒業が難しくなるからだ。 長期の留学は考えていないが、まず、1カ月程度の比 較的短期の留学や、授業の一環として1〜2週間程度の 海外体験を経験したい場合には、そのようなプログラム があるかを確認しておこう。最近は春休みや夏休みに、 海外の大学のサマープログラムに参加する機会を設けて いる大学も増えている。 大学の国際化を大学選びの重要なポイントにする場合、 単位互換や単位の認定の状況、長期間の場合は修業年限 に影響があるか(留年や卒業への影響)のほか、実際の 応募者数についても確認しておきたい。 また、海外体験・留学で何を得られるかは、学生の自 覚によるところも大きいが、海外体験・留学を単なる経 験に終わらせない工夫があるかどうかも重要だ。海外体 験・留学が、大学教育や大学のカリキュラムの中でどの ように位置づけてられているか、その後の学修に活かす 工夫がなされているかどうかも、留学プログラムを評価 するポイントとなるだろう。 ところで、交換留学制度の場合、英語圏や中国、韓国 の大学が多い。それ以外の国への留学を希望する場合は、 提携校があるかや、留学プログラムの内容、費用などの 条件を調べておこう。 さらに、留学の支援体制にも注目したい。長期留学な ど留学先の専門科目を受講するプログラムに参加するた めには、当然語学力が必要である。語学力向上のための 支援体制も確認しよう。留学費用については、留学先大 学の学費免除、在籍大学の留学中の学費の割引、奨学金 や支援金の給付などの支援をしている大学が多いが、条 件は大学やプログラムによって異なるので注意が必要だ。 ただ、留学しなければ異文化体験ができないわけでは ない。多くの留学生を受け入れている大学では、留学生 との交流の機会を多く得られるだろう。また、留学生対 象の英語による授業について、日本人の学生の受講を認 めている大学もある。こうした機会を活用すれば国内で も異文化体験や語学力の向上を図ることができる。日本 から海外の大学への送り出しプログラムだけでなく、留 学生の受け入れプログラムにも注目し、大学選びの参考 にするとよいだろう。

学生のアイデンティティの確立に

つながる海外体験・留学

プログラムの内容、期間、人数、

経済的な支援も含めて検討を

留学だけではない異文化体験

受け入れ留学生との交流経験も貴重

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Kawaijuku Guideline 2015 特別号

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東京慈恵会医科大学

医学教育の国際基準に合わせ

学内に内部質保証の仕組みを構築

医学教育では国際基準が確立されており、日本でも早急にその基準に合わせる必要が出てきた。 1881(明治14)年に高木兼寛が開設した成医会講習所を前身とし、日本最古の私立医学校であ る東京慈恵会医科大学は、「病気を診ずして病人を診よ」という建学の精神の下、全人的な医療 を実践できる医療人を多数育成している。現在、医学教育改革を先導する6大学の1つとして、 国際基準に則った医学教育の分野別質保証の実施に向けた取り組みを始めている。  東京慈恵会医科大学では、国際基準を満たした医学教 育への転換を図り、2014年6月に、その基準に基づいた 試行的な認証評価のための外部評価を受審した。まずは、 その背景を簡単に紹介しよう。  発端は、アメリカの医師免許試験の受験資格が変更さ れることだ。2023年以降、世界医学教育連盟WFMEあ るいはアメリカ医科大学協会が策定した基準による認証 を受けた医学部の卒業生でなければ、アメリカの医師免 許試験の受験が認められないことになった。現在、日本 の医学部を卒業してアメリカの医師免許試験を受験する 人が一定数いるが(注1)、今後は、認証を受けた医学部の 卒業生以外は受験できないことになってしまう。  「もともと医師の国際間移動は盛んに行われていまし たが、世界的な医学部の急増を受けて、医師の質の保証 が世界的にも課題となってきました。各国には独自の医 師国家試験がありますが、それらの試験だけでは質の保 証が不十分だからです。日本の医師国家試験は筆記試験 のみですが、アメリカの医師免許試験は実技も含めて3 段階の試験を課しています。しかし、国家試験だけの成 績では医師の質の保証が十分ではない、自国民の健康を 守ることができないということで、国際基準を満たした 医学教育を前提とした受験資格の変更につながったので す」と、教育センター長の福島統教授は事情を説明する。  ポイントは、医師の質を、その医師を養成する医学教 育の質によって担保しようという点だ。EU域内で進行 中のボローニャプロセス(注2)と同じ趣旨の試みである。  医学教育の国際認証を受けるには、政府とその国の全 医学部に認められた認証評価団体が、国際基準に基づく 外部評価を実施することが必要になる。しかし、現在、 日本では、学士課程における分野別質保証は行われてい ない。そのため、医学教育でも分野別質保証は行われて おらず、認証評価機関もない。  そこで2012年から大学改革推進等補助金による「医学・ 歯学教育認証制度等の実施」事業が始まった。日本医学 教育学会がWFME国際基準に準拠した「医学教育分野 別評価基準日本版」(以下、日本版)を策定した。東京 医科歯科大学を中心に、東京慈恵会医科大学を含む6大 学(注3)が、それに基づいた認証評価のための外部評価を 試行的に実施する予定である。認証評価機関としては、 日本医学教育認証評価評議会(JACME)(仮称)の設 立に向けた検討が進んでいる。  「2012年10月に、東京女子医科大学が日本で初めて国 際基準による国際外部評価を受けました。さらに、2013 年12月、新潟大学が日本版による認証を初めて受審しま した。今後、本学をはじめ6大学が試行を重ねて、評価 基準や仕組みを改善していく予定です」(福島センター長)  国際基準では何が求められているのか。講義や実習な どの教育内容や最低時間数など細目が定められていると 思いがちだが、実際は「使命と教育成果」「教育プログ ラム」「学生評価」など9領域と、その下に位置する36 の下位領域で構成され<表>、その各下位領域において、 達成しなければならない“基本的水準”と、今後の改善 の方向性を示した“質的向上のための水準”という2つ の達成度を示しているにすぎない。  日本版では、例えば「2.教育プログラム」の、「2. (注1)アメリカの医師免許試験を受験している日本の医学部・医科大学の卒業生は、2009年度68名、2010年度63名である。 (注2)ボローニャプロセスは学士課程と修士課程の学位授与基準を統一して、EU域内であればどの国の大学を出ても同等の能力を持つことを認めよう とする試み。

自国民の健康を守るため

医学教育の質保証が世界的潮流に

医学教育で最も大切なことは

プロフェッショナリズムの育成

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5臨床医学と技能」という下位領域では、“基本的水準” として「重要な診療科で学習する時間を定めなくてはな らない」、“質的向上のための水準”として「全ての学生 が早期に患者との接触機会を持ち、徐々に実際の患者診 療への参画を深めていくべきである」などと記述されて いる。  「国際基準では、医学教育で教える内容には具体的に 触れていません。医師の『質』は、医師として職責を果 たすことができるかどうか、言い換えればプロフェッシ ョナリズムを備えているかどうかで判断されるべきもの です。職責を果たすには、最新の知識や技術を獲得す る努力をするのは当然なのです。ところが、このプロフ ェッショナリズムは国家試験では測定できません。だか らこそ、医師を育成する教育機関に対して、プロフェッ ショナリズムを身につけさせることを求めているわけで す。国際基準は、患者安全を守るための医学教育という、 ただ一点を確保するための指針なのです」(福島センタ ー長)  つまり、国際基準による認証とは、学ぶべき領域と達 成度を用いて、医科大学・医学部が自らの教育をきちん と現状分析し、使命に沿った改革案を策定しながら常に 改善を進めていく仕組みを保証していくものということ ができる。  東京慈恵会医科大学では、日本版による認証評価のた めの外部評価を受けるにあたって着々と準備を重ねてい る。認証評価に不可欠なものは、国際基準に沿った自己 点検評価の仕組みの構築である。そのため、新たに教育 IR(注4)部門を設立し、WFME国際標準の原本と日本版、 さらにWFMEスタンダードに基づいて自己点検評価を 行った他大学の報告書などを参考にしながら、自己点検 評価のためのデータベースのフォーマットの作成を開始 している。  「自己点検評価における世界の潮流は、データに基づ く客観的な分析による『内部質保証』です。本学の教育 活動に関わるデータの収集と分析を容易にするデータベ ースを構築することで、国際基準に則した評価システム に転換する予定です」(福島センター長)  国際基準では、卒前教育と卒後教育における教育成果 を結びつけることも求めている。そこで、卒業生に対す るインタビューを複数回行い、大学のカリキュラムと卒 業時の教育成果に関する調査を自己点検評価に組み込む ことで、卒後教育まで含めた評価が可能な体制を整えた。 「国際基準に対応した医学教育認証制度の確立」プログ ラム(注3)では、日本版を使った国際基準に基づく認証評 価を2016年まで繰り返し行い、経験を蓄積していく。そ の知見を、やがて設立されるJACME(仮称)に引き継ぎ、 JACME(仮称)が国際的認証機関として認証されるこ とで、日本の医学教育を国際基準に沿ったものとしてい く予定である。  しかし、現在の機関別認証評価と同じ7年ごとに受け る前提だとすると、2023年の7年前となる2016年頃には、 国際基準に対応した医学教育認証制度が始まっていなけ ればならない。  「2016年までに、日本の全医科大学・医学部と国民に、 国際基準に基づいた医学教育に転換していくことの意味 を理解してもらう必要があります。医師の国際間移動の 問題は、日本にとっても人ごとではありません。医学教 育の質を保証することは、結局はその国の国民を守り、 世界の市民を守ることにつながります。認証を受けると いった実務的なことに終始することなく、世界の医療を 見据える広い視野に立って、日本の医学教育の国際化を 図っていくという意識が求められているのです」(福島 センター長) <表>医学教育分野別評価基準日本版 (世界医学教育連盟(WFME)グローバルスタンダード2012 年版準拠より 9つの領域とその下位領域を抜粋) (注3)「国際基準に対応した医学教育認証制度の確立」プログラムの選定大学は東京医科歯科大学で、連携校として千葉大学、東京大学、新潟大学、東 京慈恵会医科大学、東京女子医科大学が参加。 (注4)IR(Institutional Research=機関調査)…学内の多様な教育情報を収集し、数値化、可視化して、その分析結果を教育・研究、学生支援、経営な どの改革に役立てる取り組みのこと。

卒業生インタビューを含め

国際基準による自己点検評価の仕組みを構築

1.使命と教育成果 1.1 使命 1.2 使命の策定への参画 1.3 大学の自律性および学部の自由度 1.4 教育成果 2.教育プログラム 2.1 カリキュラムモデルと教育方法 2.2 科学的方法 2.3 基礎医学 2.4 行動科学と社会医学および医療倫理学 2.5 臨床医学と技能 2.6 カリキュラム構造、構成と教育期間 2.7 プログラム管理 2.8 臨床実践と医療制度の連携 3.学生評価 3.1 評価方法 3.2 評価と学習との関連 4.学生 4.1 入学方針と入学選抜 4.2 学生の受け入れ 4.3 学生のカウンセリングと支援 4.4 学生の教育への参画 5.教員 5.1 募集と選抜方針 5.2 教員の能力開発に関する方針 6.教育資源 6.1 施設・設備 6.2 臨床トレーニングの資源 6.3 情報通信技術 6.4 医学研究と学識 6.5 教育の専門的立場 6.6 教育の交流 7.プログラム評価 7.1 プログラムのモニタと評価 7.2 教員と学生からのフィードバック 7.3 学生と卒業生の実績・成績 7.4 教育の協働者の関与 8.統轄および管理運営 8.1 統轄 8.2 教学のリーダーシップ 8.3 教育予算と資源配分 8.4 管理職と運営 8.5 保健医療部門との交流 9.継続的改良

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Kawaijuku Guideline 2015 特別号

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豊橋技術科学大学

マレーシアに海外教育施設を設置し

6カ月間の長期インターンシップの拠点に

豊橋技術科学大学は、1976(昭和51)年に、主に高等専門学校からの編入を受け入れ、大 学院に重点を置いた大学として設立された工学系の単科大学である。同様の設置目的の大学と して長岡技術科学大学がある。豊橋技術科学大学では、文部科学省の「国立大学改革強化推進 事業」として採択された「三機関(豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、国立高等専門学校 機構)が連携・協働した教育改革」の中でグローバル指向人材の育成に取り組んでいる。  豊橋技術科学大学は、開学当初より国際化に力を入れ てきた。例えば1990年から2002年まで、JICA(独立行 政法人国際協力機構)との連携で「HEDS」と呼ばれる 「高等教育開発支援プロジェクト」に参画し、インドネシ ア高等教育の質の向上に貢献した。それ以降、アジア地 域を中心に高等教育の向上に関する取り組みに協力して いる。また、豊橋技術科学大学の在学生は、約2,000名中 10%程度が留学生と留学生比率が高く、ASEAN諸国、 特に近年ではマレーシアからの留学生が多い。さらに、 大学設置の趣旨から学生の約80%が高等専門学校(以下、 高専)からの編入生であり、その中にはASEAN諸国か ら高専に留学し、高専から大学に入学する学生もいる。  こうした背景もあって、「三機関が連携・協働した教 育改革」事業では、豊橋技術科学大学が「グローバル指 向人材育成」を、長岡技術科学大学が「イノベーション 指向人材育成」を主に担当している。「グローバル指向 人材育成」について、具体的には1. 海外教育施設の設 置とグローバル教育 2. 教員のグローバル化支援 3. グローバル工学教育推進機構の設置と事業展開の3つを 実施している。  まず、「1. 海外教育施設の設置とグローバル教育」 として、2013年12月にマレーシアのペナン州にペナン校 を設置した。その理由について、井上光輝副学長は「エ ンジニアを育成するためには、座学に加え、実務訓練が 不可欠です。そこでペナン校を拠点に、近隣の企業で インターンシップを実施することを通し、グローバルに 活躍できる優秀なエンジニアを育成することにしたので す」と説明する。  ペナンはリゾート地として有名だが、実はマレーシア でも有数の工業地帯であり、周辺には約300もの企業が 立地する。そこには、東レ、SONY、パナソニックなど 日本の企業、インテルやモトローラ、ボッシュなどの多 国籍企業のほか、現地企業も多い。業種もエレクトロニ クスだけでなく、機械・電気・電子・情報・化学・医薬 品・環境など多様な業種が揃っている。さらにマレーシ アでは、小・中学校の授業は英語のため、学生が街に出 ても英語で会話できる。  「グローバル人材に英語力が求められるのは当然です が、日本国内で英語だけを学ぶのではなく、実際に現地 の人と一緒に働くことを通じて、お互いに理解し合える 真のグローバル人材が育成できると考えています。ま た、現在の日本の学生は、生まれた時から不況ですが、 ASEAN諸国には明日は今日より良くなるという右肩上 がりの雰囲気があります。そうした熱気の中で働く経験 をしてほしいという思いもあります」(井上副学長)  ペナン校でのインターンシップは6カ月間と、長期間 である点が特筆される。豊橋技術科学大学では、開学当 初から国内企業での2カ月間のインターンシップを実施 する「実務訓練」を必修科目としている。この2カ月間 のインターンシップは、期間も内容も非常に充実したも のとして知られているが、ペナン校ではさらに長い6カ 月である。それは、海外の企業ではインターンシップと は職場見学や職場体験ではなく、少なくとも6カ月は滞 在して、企業で課題を研究したり、製品開発に実際に携 わったりするインターンシップを前提としているためだ。

留学生受け入れや国際協力の実績を背景に

大学の国際化に取り組む

マレーシアにペナン校を設置し

欧米型の長期インターンシップを実現

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 しかし、日本の大学の学事暦で6カ月間学生を派遣す るのは難しい。そのため、「3年次に高専から編入して、 約90%の学生が修士課程に進学する」という特徴を生か し、ペナン校でのインターンシップ希望者は、学部4年 生の1月から3月までは必修科目の「実務訓練」として 派遣し、現地で学部の卒業式と修士課程の入学式を行い、 そのまま4月から6月までは修士課程の選択科目として インターンシップを行う予定だ。  「2013年度は試行として16人の日本人学生と、費用は 自費ですが5人のマレーシア人の学生を派遣しました。 来年度以降からは最大50名程度をめざして派遣する計画 です。さらに、欧米では、工学系は博士論文の作成を企 業で行うのが一般的です。そこで、ペナン校でのインタ ーンシップをいわば博士課程での研究として活用し、優 秀な学生は博士課程に進んだ際に、インターンシップ先 の企業で研究ができるようにしたいと考えています」(井 上副学長)  「2. 教員のグローバル化支援」については、学生を 海外で教育するには教員のグローバル化も不可欠との考 えから、教員のFD(注)として実施している。プログラム には、1年程度の長期の「グローバル教員養成プログラ ム」、1カ月程度の中期の「世界研究拠点ビジットによ る教育研究力強化プログラム」、1週間程度の短期の「最 先端教育研究動向調査研究プログラム」があり、大学と 高専の教員が対象である。  このうち特に注目されるのが、ニューヨーク市立大学 クイーンズ校と提携して行う長期のプログラムである。 対象は高専教員が中心である(2014年度は高専教員10名、 豊橋技術科学大学教員1〜2名を派遣)。長期プログラ ムでは、1年間のうち最初の3カ月は豊橋技術科学大学 で英語の研修を行う。ニューヨークでの生活で困らない ための日常英会話に加え、豊橋技術科学大学の教員とペ アになり、留学生を対象に英語で研究指導を行う。ここ で一定の準備をした後、ニューヨークに派遣される。  「ニューヨーク市立大学では、それぞれの専門に近い 学部の講義を受講し、単位をとってもらいます。授業は もちろん英語です。これは、海外の大学ではどのような 講義を行うかを体験してもらうためです。さらに、ニュ ーヨーク市立大学には、英語での講義の方法論を教授す る特別プログラムを作ってもらいました。英語が話せれ ば、英語で授業ができるというわけではありません。ど のように内容を組み立てて教えているのか、どのような 指導法を用いているのかなど、単に授業で英語を話すの ではなく、英語で授業ができる教員を育成するのが狙い です」(井上副学長)。そして、最後の3カ月はペナン 校に派遣され、提携校である国立マレーシア科学大学 (USM)の学生や、日本の学生に対して英語で講義を行 う。さらに、英語でe-ラーニング教材を作成し、それ を高専でも活用してもらう計画である。  派遣される教員は、全国の高専51校に対して国立高専 機構が志願者を公募し、選抜する。なお、豊橋技術科学 大学、長岡技術科学大学から派遣される教員は、講義の 受講のほか、ニューヨーク市立大学の教員との共同研究 を行う予定である。帰国後も共同研究ができる相手先を 見つけるとともに、修士課程や博士課程の学生が海外の 研究室と交流する環境が整うことも期待している。  「3. グローバル工学教育推進機構の設置と事業展開」 は、1と2を円滑に行うために、三機関が連携して2013 年10月に豊橋技術科学大学に「グローバル工学教育推進 機構」を設置して事業を本格的に展開するものである。  「マレーシア、インドネシアに強い本学に対し、姉妹 校の長岡技術科学大学は、タイ、ベトナムにネットワー クを持っています。2014年度から本格化する取り組みが 軌道に乗り、ニーズがあることがわかれば、この事業を さらに拡大・充実させていきたいと考えています」(井 上副学長) <図>ペナン校を活用したマレーシアを中心とした ASEAN諸国の学生を対象とした大学院教育プログラム(案) (注)ファカルティ・ディベロップメント

高専教員を中心に長期間海外に派遣し

「本物の英語の講義」ができる教員を養成

ASEAN ASEAN ペナン校 豊橋メインキャンパス ペナンで学んだ知識・経験を基にした、研究 キャリアパス形成のための講義 博士後期課程へのステップアップ 意識の高い社会人留学生との交流による日本人 学生のグローバル化 実践的専門講座  USM連携研究室への研究指導委託    実験スキルの向上、背景調査   研究開発プランの立案演習(MOT) 専門科目  リアルタイム遠隔地講義配信  集中講義(オムニバス、著名研究者など)  分割開講講義(講義+課題調査研究) 一般科目   日本語、日本文化、経営、知財など 

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Kawaijuku Guideline 2015 特別号

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玉川大学

世界で通用する英語を身につけるプログラムを導入

新設の観光学部では1年間の海外留学を義務化

玉川大学は、トータルな人間性を育む「全人教育」を基盤に、幅広い学問領域を学べる 8学部を擁する大学である。玉川大学では「ELF」という新しい発想による英語プログラ ムを導入している。このプログラムは、4つのレベルにクラス分けし、段階的に英語力を 高めるとともに、ノンネイティブ教員を積極的に登用しているところに特色がある。また、 2013年度に新設された観光学部では、1年間の海外留学を義務化している。

 玉川大学でELF(English as a Lingua Franca(注1))が

導入されたのは、次のような問題意識が出発点になって いる。  「英語は話者数では3番目ですが、それにもかかわら ず、英語が国際共通語であるのは、英語を母語としない 人(ノンネイティブ)同士がコミュニケーションを図る 際に、最も多く用いている言語が英語だからです。グロ ーバル化が進行する中で、おそらく日本人が英語を使う ときの相手は、8割がノンネイティブでしょう。英語を 専門に学ぶ学生は別として、それ以外の学生に求められ る英語力は、完璧なネイティブスピーカーの発音をめざ す必要はありません。自分が専門とする分野に関しては、 英語でも日本語でも理解でき、自分なりの考えが伝えら れる力です。そのための橋渡しとなる英語プログラムを 構築したいと考えました」(小田眞幸ELFセンター長)  新しい英語プログラムは、2012年度、経営学部国際 経営学科と観光経営学科(2013年度に観光学部に改組)、 文学部比較文化学科の必修科目として試行された。2013 年度にELFという名称になり、これらの学部・学科に加 え、リベラルアーツ学部でも必修科目になったとともに、 他学部でも選択科目として受講可能になった。2014年度 には、芸術学部パフォーミング・アーツ学科とメディア・ デザイン学科が必修(4セメスター)となり、文学部人 間学科でも1セメスターのみだが必修となる。  「受講者数が増加したことから、非常勤教員を採用し ていますが、採用条件からネイティブであることを撤廃 しました。これまで大学の英語教員は、ネイティブであ ることが最大の条件で、それ以外の資質は軽視されてき たように思います。本学では、ネイティブかどうかは問 わず、『大学院修士課程で英語教授法、あるいは応用言 語学を修得』『英語を母語としない学生に教えた経験を 有すること』『母語以外の外国語を上級まで学習した経 験、つまり苦労して身につけた経験があること』の3つ を条件にしました。極めて多くの応募があり、ノンネイ ティブに優秀な人材が埋もれていたことを実感していま す。現在、専任10名、非常勤約40名、12カ国にのぼる英 語担当教員が在籍しています。中には5〜6カ国語を駆 使できるノンネイティブ教員もいます」(小田ELFセン ター長)  ELFは、週2回授業(1回100分)が行われる4単位 科目で、レベルは1〜4の4段階に分かれている。入学 時にプレイスメントテストが実施され、成績上位の学生 はレベル2からスタートできる。1クラス18 〜 20名(最 大24名)の少人数制で、学部・学科に関係なく各自のレ ベルに合ったクラスで学び、各レベルで到達目標が設け られている。  自ら外国語学習経験が豊富な英語教員が担当すること による成果について、小田ELFセンター長は、「ノンネ イティブ教員は、自分自身で苦労して英語を修得した経 験がありますから、学生がつまづきやすい部分がよくわ かっています。例えば、文法を解説するときにそういっ た部分を詳しく扱うなど、時間配分に長けています」と、 十分な手応えを感じている。  また、ELFでは、単位の実質化をめざして、週4時間 の授業に対して、8時間分の宿題を課している。その支 (注1)Lingua Franca(リンガ・フランカ)…共通の母語を持たない人同士のコミュニケーションに使われる言語。

日本人が英語を使う相手の8割はノンネイティブ

ノンネイティブ教員を積極的に採用

週8時間分の宿題を課し

チューターシステムでサポート

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援にもノンネイティブの非常勤教員が活躍している。  「英語の非常勤教員によるチューターシステムを取り 入れています。学生には、オフィスアワーの時間に、宿 題に関する相談、TOEIC、留学の相談のほか、雑談で もいいので積極的に訪問するように勧めています。会話 はすべて英語ですから英語力が高まります。また、英語 は国や地域によってアクセントや発音が異なることが少 なくありません。12カ国の教員が在籍していますから、 アクセントの違いも体得できます。さらに、チューター システムができたことによって、非常勤教員に学生の英 語力向上への、より大きな責任感が生まれていることも 有意義だと思います」(小田ELFセンター長)  オフィスアワーの活用は学生の自主性に任されている が、かなり多くの学生が相談に訪れている。それだけ学 生の英語学習への意欲が高まっているようだ。  玉川大学では、2013年度、経営学部観光経営学科を改 組して、観光学部を開設した。観光を通して社会に貢献 するグローバル人材の育成をめざす学部で、国際感覚の 養成と英語運用能力の向上に力を注いでいる。  特に注目されるのが、1年間の海外留学が義務化され ていることだ。留学先はオーストラリア・メルボルンの ディーキン大学、ビクトリア大学、スィンバーン工科大 学で、同国のビクトリア州政府の支援を得ている。  「メルボルンの大学を選んだのは、世界一住みたい街 に3年連続で選定されるなど、治安が良好な街ですし、 約30カ国から留学生が訪れており、多様な文化が混在し ている街だからです。現地の大学では、本学の学生だけ のクラスを作らず、現地の学生やさまざまな国の留学生 と一緒に学ぶことで、多彩な文化、宗教、ものの考え方 が理解できる力を身につけてほしいと考えています」(益 田誠也観光学部長)  海外留学を経験するためには、TOEIC500点以上が条 件になる。そのために入学直後から始まるのが「英語シ ャワープログラム」だ。先述したELFのほか、観光学部 独自の授業も含めて、毎日英語を受講する。  「宿題として1週間で7,000語の英作文を課すなど、徹 底的に鍛えます。海外の大学ではハードな宿題が与えら れますから、それに負けないだけの精神的な強さを養 うことも目的です。留学のために必要ということで、学 生の意欲は高く、TOEICの平均スコアは入学時と比較 して100点以上アップしています。入学時で留学基準の 500点を満たした学生は、102名のうち2名だけでしたが、 2013年12月段階で57名に増加。留学に出かけるまでには もっと増えると期待しています」(益田学部長)  留学基準を満たした学生は、2年次後期から3年次前 期までの1年間、留学することができる(注2)。留学先では、 英語のレベルに応じた教育を受ける。TOEIC650点以上 の場合は、すぐに現地の大学の授業に参加する。650点 に満たない場合は、いったん併設の語学学校に入り、一 定のレベルに達した時点で大学の授業に参加する。基準 に達しない学生は語学学校で学んで過ごすことになるが、 それは非常に稀な場合だと想定している。  「現地の大学の先生方が、本学の英語プログラムの様 子を視察して、9割の学生は少なくとも現地の後期から、 大学の授業に参加できるだろうと予想しています。また、 最後まで語学学校で学ぶことになっても、語学学校の授 業に、マネジメント、会計学などの専門的な内容の科目 も組み込まれています」(益田学部長)  なお、12単位までは現地の大学の授業を受けるが、そ れ以外に、観光学部独自の科目「国際研究」「インター ンシップ」が必修科目として課される。「国際研究」は遠 隔講義を実施、「インターンシップ」は約1カ月間、現 地の企業で就業体験をする。玉川大学は1年間の留学に よって16単位までの履修を認めているが、オーストラリ アの多くの大学では12単位までしか履修を認めていない ため、その分の単位を「国際研究」「インターンシップ」 としているのである。このため、留学しても4年間で卒業 が可能である。帰国後は、専門科目を中心に履修するが、 そのうち3〜5割は英語による授業が予定されている。  「観光学部では、TOEIC700点以上が卒業要件です。 そのため、留学を経験した後も英語力の強化に力を入れ ます。また、英語の学修を意識させるために入学式翌日 の学部ガイダンスは英語です。学生からはどよめきが起 こりますが(笑)、それで覚悟が決まるようです。かな り早い時期から、さまざまな授業で英語のレポートも課 しますが、最初は戸惑っていても、3カ月もすると十分 に対応できるようになっており、意欲の高い学生が多い と感じています」(益田学部長) (注2)万一基準に達しない場合は、翌年度に留学できる。

観光学部では「英語シャワープログラム」を実施

さらにオーストラリアへの海外留学を義務化

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Kawaijuku Guideline 2015 特別号

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京都大学

国際戦略「2×by 2020」を策定

研究、教育、国際貢献を3本柱に国際化を推進

京都大学では2013年度、新たな国際戦略「2×by 2020」を策定した。研究、教 育、国際貢献を3本柱として、2020年度までに国際化の指標を現在の2倍にす ることを目標にしている。すでに多様な留学プログラムが次々に導入されており、 2014年度から英語で行われる授業が大幅に増加するなど、さまざまな改革が進行 している。  2013年度、新たに提唱された国際戦略「2×by 2020」 (Double by Twenty-Twenty)の狙いを、国際交流推進 機構長の森純一教授は次のように語る。  「京都大学が持つ伝統的な強みは、自由な学風、独善 に陥らない対話を大切にする学風が生み出してきた、独 創力です。また、京都には1200年に及ぶ東西交流が生み 出した重層的な文化が蓄積されています。そうした京都 大学ならではの強みを原動力として、これまで以上に国 際的な評価を高めることが、国際戦略である『2×by 2020』の基本理念です。そのために、研究、教育、国際 貢献を3本柱として、2020年度までにさまざまな国際化 の指標を2倍にすることを目標にしています」  例えば、学生の海外留学者は現在の短期235名を2020 年 度 ま で に600名、 中 長 期544名 →1,000名、 海 外 か ら の留学生受け入れは学位取得・コース認定型1,912名 →4,000名、交換留学生170名→300名、全学共通科目・ 専門科目における英語による講義は5.1%→30%、外国 人教員数は240名→500名、外国人研究者の受け入れは 2,950名→6,000名など、具体的な数値目標が掲げられて いる。  留学を希望する学生に対しては、すでに多彩な留学プ ログラムが実施されている。いくつか例を見てみよう。  2013年度に本格的にスタートしたのが「ジョン万プロ グラム」。オックスフォード大学やケンブリッジ大学に、 大学院生やポストドクター(博士課程を修了し、常勤研 究職になる前の研究者)などの若手研究者を派遣し、グ ローバルマインドを育成して、研究者同士の国際的なネ ットワーク形成に寄与することが主目的だ。学部生がオ ックスフォード大学の特別サマースクールに参加できる プログラムもあり、2013年度は33名の学部生・大学院生 が派遣された。  「SEND日 本 再 発 見 プ ロ グ ラ ム 」 は、 京 都 大 学 が 2012年10月に開始した大学の世界展開力事業・SEND (Student Exchange-Nippon Discovery)の一環として、

ASEANを中心とした各国に短期留学できるプログラム だ。留学先の言語・文化を学ぶだけでなく、現地の学生 に日本語・日本文化を紹介し、議論を通して相互理解を 深め、日本文化の再発見を促進するところに特色がある。 そのために、留学前に「日本語日本文化実習」の受講が 義務づけられている。2012年度はサマープログラム(修 士課程)を実施し、学生15名を受け入れ、学生15名、教 員1名を派遣した。  「国際交流科目」は、全学共通科目の1つで半期の授業 である<表1>。学部1・2年生対象で、夏休み・春休 みなどに10日前後の日程で、教員と10 〜 15名の学生が 海外視察や現地大学での受講・研修などを行っている。 同行する教員の専門分野に関わる内容の研修であり、例 えば、「暮らし・環境・平和-ベトナムに学ぶ-Ⅱ」では、 メコン川を渡り、水質を調査する。「復興から学ぶ21世 紀の防災と環境」では、2005年にハリケーン・カトリー ナの被害が大きかったニューオリンズを視察する。  短期留学プログラム< 表 2 >として、「Kyoto-DC Global Leadership Program」は、ワシントン在住の卒 業生が費用を全額負担して実施される。3回生以上の学 部生、大学院生を対象としたプログラムであり、NASA、

2020年度までに国際化の指標を

現在の2倍にすることが目標

「ジョン万」など多彩な留学プログラムを導入

交流協定締結校も大幅に増加中

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WHOなどの各種機関、現地企業、財団などを訪問し、 そこで働く研究者や専門家の講義を受け、ディスカッシ ョンをする研修プログラムである。将来、国際的な活躍 をしたいという意識を持つ学生を育てたいという思いが 込められている。人気が高い研修プログラムで、2013年 度は約6倍の競争率を勝ち抜いた、10名の学生が参加し た。  そのほか、カリフォルニア大学デービス校での実習型・ 夏期短期留学プログラム(2011年度22名、2012年度34名 が参加)、オーストラリア英語研修プログラム(2011年 度62名、2012年度59名が参加)などもある。  さらに、大学間学生交流協定による短期留学プログラ ムも実施している<表3>。その内容は、語学学習にと どまらず、特別講座の受講、現地学生との共学、フィー ルドトリップなどが含まれている。  いずれも充実した内容だが、短期の留学プログラムへ の力の入れ方が目立つ。この点について森国際交流推進 機構長は次のように説明する。  「本学の学生には、卒業後、研究者として、あるいは 社会人として、世界を舞台に活躍してほしいと期待して います。そのためには、大学在学中、もしくは大学院を 修了するまでに、1年間以上の長期留学を経験すること が望まれます。しかし、いきなり長期留学に挑戦するの は難しい面があるため、まずは短期留学を経験して、新 しい発見に刺激を受けて、自分なりの課題を見つけて、 本格的な長期留学につなげてほしいと考えています。実 際、『国際交流科目』でニューオリンズを視察した学生 の中には、マイノリティの方々が暮らす地域ほどハリケ ーンの被害が大きかったことを知り、自分なりに問題意 識を感じたのでしょう。その後の学びの真剣さが変わっ たと聞きました。短期留学プログラムは、そうした学生 に『火をつける』意義が大きく、さらに各種プログラム の拡充に力を入れていくつもりです」  もちろん、大学間学生交流協定に基づく、1学期以上 1年間以内の長期の派遣留学も大幅に拡充される予定 だ。現在、京都大学の協定校は約60校で、2012年度は79 名が参加した。「2×by 2020」では、学術交流協定93件 →200件、学生交流協定69件→150件に増やすという数値 <表1>国際交流科目(半期・全学共通科目拡大科目群) <表2>短期留学プログラム <表3>大学間学生交流協定による短期留学プログラム プログラム・内容 留学先 主催部局 留学期間 休学 学費 変容する東南アジア-環境・生業・社会 カセサート大学(タイ) 農学研究科 9月3日~ 15日(13日間) 不要 自己負担 東南アジアの再生可能エネルギー開発 ガジャマダ大学(インドネシア)エネルギー科学研究科 9月(10日間) 不要 自己負担 暮らし・環境・平和-ベトナムに学ぶ-Ⅱ フエ農林大学(ベトナム) 地球環境学堂 9月初旬(2週間)(前期事前講義有)不要 自己負担 「復興」から学ぶ21世紀の防災と環境 ニューオリンズ等(U.S.A) 防災研究所 2014年2月(1週間程度) 不要 自己負担 プログラム名 派遣先機関 対象 派遣期間・時期 休学 費用負担 オーストラリア 春季英語研修 プログラム 文系・異文化 英語研修プログラム シドニー大学 学部生 (2月中旬~約3週間 3月中旬) 不要 自己負担 理系・サイエンス 英語研修プログラム ニューサウスウェールズ大学 UC実習型・米国夏季短期留学 プログラム カリフォルニア大学 デービス校 Extension 2回生以上の学部生、 院 生( 工 学 部/工 学 研 究 科、農学部/農学研究科、 経営管理大学院) 約3週間 (8月上旬~ 9月上旬) 不要 自己負担 米国短期留学プログラム

“Kyoto-DC Global Leadership Program” ワシントンDCの 各 種 機 関および 現 地 企業・財団を訪問 3回生以上の学部生、 院生 約2週間 (2月末~ 3月初旬) 不要 S&R Foundationが負担。ただし、関 西国際空港までの交通費、現地での 食事代、電話代などの個人的な費用、 研修日程以外および自由行動に伴う 費用、海外旅行保険料等を除く。 プログラム名 対象 休学 派遣期間・時期 学費免除(2012年度の場合) 香港中文大学インターナショナルサマースクール英語コース 学部生 ・ 院生 所属部局と要相談 約4週間(6月末~ 7月末) 学費免除 香港中文大学インターナショナルサマースクール中国語コース 不要 約3週間(8月) 学費免除 韓国・慶北大学校の夏休み文化研修プログラム 不要 約1週間(8月初旬) 学費免除 中国・西安交通大学サマースクール 不要 約2週間(9月中旬~下旬) 学費免除 中国・浙江大学スプリングスクール 不要 約2週間(3月上旬~中旬) 学費免除 台湾・国立清華大学スプリングスクール 不要 約2週間(3月上旬~中旬) 学費免除 韓国・延世大学校のスプリングスクール 不要 約3週間(3月) (2014年3月現在。最新の情報については京都大学HP等でご確認ください)

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Kawaijuku Guideline 2015 特別号

参照

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