真
字
『正
法
眼
蔵
』の
研
究
ー
古
写本
資
料
紹
介
と本
文
対
照
校
異
1
河
村
孝
道
本 研 究 に つ い て 、 そ の 基 本 を な す 新 出 古 写 本 資 料 四 本 （ 真 法 寺 旧 蔵 本 ・ 永 昌 院 本 ・ 成 高 寺 本 ・ 丈 六 寺 本 ） の 形 態 概 要 と 、 各 本 及 び 拈 評 本 と の 本 文 対 照 校 異 の 一 部 を 紹 介 し て お く 。 尚 、 本 研 究 の 詳 細 は 近 刊 「 『 正 法 眼 蔵 』 の 成 立 史 的 研 究 」 （ 春 秋 社 近 刊 ） に 譲 る 。 因 み に 本 研 究 は 昭 和 六 十 一 年度
駒 沢 大 学特
別 研 究 個 人 研 究 費 に よ る 研 究 成 果 の 一 部 で あ る 。 一 黼 軸齶
翻真
字
『 正 法眼
蔵 』 の 形 態 （ 一 ）真
法寺
旧
蔵
本
（ 三巻
一 冊 ） 新 出 資 料 ・ 真 法 寺 旧 蔵 本 『 正 法 眼 蔵 三 百 則 』 は 、 昭 和 三 十 一 年 、 東 京 本 郷 ・柏
林 社 古 書 店 よ り 出 て 、 宮 城 県 故 伊 勢 修 成 氏 が 入 手 所 持 さ れ て い た 古 写 本 で あ る 。 縦23
・4
、 横16
・9
、楮
紙 、 袋 綴 装 、 毎 面 十 六 行 、25
字 詰 。 本 文 三 十 六 紙 よ り 成 る 。 扉 紙 に 、 本 文 書 体 字 と は 異 る 筆 跡 で 、 「 真 法 什物
東 駒 澤 大 學 佛 敏 學 部 研 究 紀 要 第 四 十 五 號 昭 和 六 十 二 年 三 月 琵 押 匚 と あ り 、 有 枠 、 本 文 紙 の 柱 に 「 三 百 則 初 丁 」 に 始 ま り 、 各 柱 に 丁 数 が 書 か れ て 「 三 百 則 三 十 六 丁 」 で 終 っ て い る 。 次 い で 、 末 尾 左 欄 外 綴 目 （ の ど ） に 沿 う て 「 黄 川腰
之 三 百 則 所 持 」 と あ る 。 こ の 書 体 は 扉 の 「 真 法 什 物 」 の 筆 跡 及 び 墨 色 と は 別 異 す る 。 当 初 “ 黄 川 ” に 所 持 さ れ 、 後 に 真 法 寺 に什
物 と し て 納 置 さ れ た こ と を 物 語 っ て い る 。 ま た 本 文 の 書 様 は 、 各 則 毎 に 改 行 し て 、 一 ・ 二 ・ 三 … … 一 百 」 と 則数
番
号 を 付 し 、 一 百 則 末 尾 に 「 正 法 眼 蔵 巻 之 上 」 と 後 題 号 を 付 し て 上 巻 を 終 り 、 上欄
に 本 文 字 と は 別 筆 の 「 百 則 分 」 の 憶 え書
き が あ る 。 中 巻 は 前 題 号 ・ 後 題 号 共 に 「 正 法 眼 蔵 申 」 と題
書 し 、 上 巻 と 同 じ く 各 則 毎 に二
」 よ り 「 一 百 」 に 至 る 列 次 番 号 を 附 し 、 ノ 末 尾 上 欄 に 「 二 百 則 分 」 の 憶 え 書 が あ り 、 後 題 号 の 後 に 、 鎮 州 大 悲 和 尚 嗣 三 聖 、 因 僧 問 除 上 去 下 請 師 便 道 、 師 云 我 開 口 即 錯 、 僧 云 与摩
則 真 是 学 人 、 師 日 今 日 向 弟 子 手 中 死 （ 『 聯 灯 会 要 』 巻 一 一 ） 四 五NII-Electronic Library Service 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） の 古 則 が 細 書 さ れ て い る 。 恐 ら く
書
写 原 本 に メ モ 的 に 書 入 れ て あ っ た も の の 写 し と 思 わ れ 、多
分 に 原 初 本 撰 集 時 の 様 相 を 物 語 っ て お り 、 後 に 諸 種 伝 写 本 の 相 異 の 要 因 も 、 斯 様 な 所 に縁
由 す る も の と 思 わ れ る 。 下 巻 に は 、 「 正 法 眼 蔵 下 」 の 前 題 号 が あ り 、 上 中 二 巻 と 同 じ く 各 則 に 番 号 を 附 し 、 末 尾 に 「 正 法 眼 蔵 巻 之 下 」 と 後 題 号 が 記 さ れ 、 上欄
外 の 耳 の 部 分 に 「 以 上 三 百 則 分 」 の 憶 え 書 が あ る 。 以 上 の 如 き 真 法 寺 旧 蔵 本 の概
要 ・ 諸 事 相 か ら し て 、 “ 東 ” 某 な る 人 物 の 代 に 「 真 法 什 物 」 と し て 所 蔵 さ れ た 『 三 百 則 』 は 、 曾 て 「 黄 川 様 之 所 持 の 三 百 則 聚 」 で あ っ た と い う 経 緯 を 知 り 得 る 。 “ 真 法 ” “ 東閥
遡 ” 〃 黄 川様
之 三 百 則 聚 ” の 記 事 を 検討
し て み る と 、 こ の 古 写 本 の 出 処 は 、 柏 林 社 古 書 店 の 但書
き に 「 長 野 県 須 坂 方 面 」 と あ り 、 従 っ て 扉 の ” 真 注 幽 と は多
分 に 長 野 県 高 井 郡 高 山 村 、 万 松 山 真 法 寺 を指
す も の で あ り 、 （ 洲 ） ま た ． 東 ” な る 人 物 は 真 法 寺 二 十 四 世 東 秀 泰 嶽 （ 安 政 三 年 ． 一 八 五 六 寂 ） を 指 称 す る も の と 思 わ れ る 。 「 真 法 什 物東
囮
型 」 （ 洲 ） の墨
色 が 新 し い 事 か ら 考 え れ ば 、 東 秀 は 何 処 か ら か こ の 『 三 百 則 』 を 得 て真
法 寺 什 物 と し た よ う で あ る 。 さ ら に 「 黄 川 様 之 」 「 習 」 に つ い て 問 題 が 無 く は な い 。 “ 習 ” は 下 部 が 焼 損 し た 為 の 半 字 か と 思 わ れ る が 、 一 字 な ら ば “ 聚 ” で “ 集 ” に 通 じ て “ 三 百 則 集 ” の 意 と な り 、 二 字 な ら ば “ 所 持 ” と な る 。 四 六 ま た “ 黄 川様
之 ” は ” 黄 川 ” は諱
・ 号 の い ず れ か で あ る が 、 さ ま ” 礒 之 ” を 名 字 （ 諱 ） と 見 る か 、或
い は 敬 語 的 表 現 と し て “ 様 の 之 ” と 見 る か 即 断 は 出 来 な い 。 私 見 で は “ 黄 川 様 之 ” と 号 ・ 諱 と 見 て よ い と 思 う 。 因 み に “ 黄 川 ” を 『曹
洞 宗 年 表 』 （ 大 久 保 道 舟 編 ） に 索 め れ ば 元 禄 十 三 年 （ 一 七 〇 〇 ） 三 月 十 四 日 の 項 に 、 龍 音 寺 梅 亭 ・ 泰 増 寺 泰 門 ・ 正 覚 寺 黄 川 ・ 寿慶
寺 白 元 等 に 永 平 寺 住 職 の 綸 旨 を 下 し た 記 事 が 「 宜 下 案 書 」 に 見 え る こ と が 記 さ れ て い る 。 所 謂 「 宣 下 案 」 は 「 勧 修 寺 文書
」 内 の も の で 、 “ 黄 川 ” な る 人 物 の 手 掛 り を 得 る た め に 「 勧 修 寺 文 書 」 を 調 査 す べ く 東 大 史 料 編 纂 所 所蔵
本 を 点検
し た が 、 『 曹 洞 宗 年 表 』 の 表 記 以 上 の こ と は 一 切 不 明 で あ っ た 。若
し仮
り に 『 年表
』 に い う 「 正 覚 寺 黄 川 」 と 見 た 場 合 、 考 え ら れ る こ と は 、拈
評 本 の 『 三 百 則 』 原 本 は 、 本 光 の 記 す 処 で は 伊 勢 松 阪 養 泉 寺孝
存 梅 友 の 所 蔵 本 で あ る 。 孝 存 は 明 和 五 年 （ 一 七 六 八 ） 八 月 、 能 登 総 持 寺 如 意 庵 に 輪 住 し た 人 で あ る 。 一 方 、 正 覚 寺 黄 川 は 、 総 持 寺 五 院 中 の 普 蔵 院 山 内 に あ っ た 正 覚 寺 （ 開 山 別 峯 ． 後 二 廃 寺 ） に 住 し た 人 物 で あ ろ う か 。 若 し そ う だ と す れ ば 、 当 然 普 蔵 院 に 昇 住 し た と も 思 わ れ る が 、 そ の 歴 住 の 中 に 黄 川 の 名 は 見 出 し え な い 。 こ れ ら の こ と か ら み て 、 『 三 百 則 』 は 総 持 寺 に 伝 わ っ た も の で あ っ た か も 知 れ な い 。 但 し あ く ま で こ れ は 推 測 で し か な い 。 い ず れ と し て も 、 黄 川 の 所 持 本 を 、 （ 洲 ） 後 に 真 法 寺 東 秀 代 に什
物 と し て 新 た に 入 蔵 さ れ た も の で 、 修 N工 工一Eleotronlo Llbrary補 改 綴 す る に 当 っ て 巻 数 の 順 列 次 第 を 間 違 え ぬ
為
に 、 心憶
え と し て 「 百 則 毎 に そ の 末 尾 上 欄 外 に 「 百 則 分 」 コ首
則 分 」 「 以 上 三 則 分 」等
の 端 書 き を し た も の と 思 わ れ る 。 次 に 書 写 年 に つ い て は 、 古 書 店 目 録 の 年 代推
定 は 「 慶 長 元 和 頃 」 と し て 出 品 さ れ て い た も の で あ る が 、 専門
的 な 書 誌 学 的 鑑定
か ら し て 何 時頃
の 時 代 の も の か を 、 川 瀬 一 馬 博 士 に 鑑 て 頂 い た 所 で は 、 室 町 末 期 を 下 る こ と は な い と の 鑑 定 で あ っ た 。 弘 安 十 年 加 点 の 古 写 本 で あ る 金 沢 文 庫 本 に 次 ぐ 第 二 の 古 写 本 『 正 法 眼 蔵 三 百 則 』 で あ り 、 然 も 文 庫 本 が 中 巻 の み の 零 本 で あ る の に 対 し て 、 真 法 寺 旧 蔵 本 （ 別 に 黄 川 所 持 本 で あ っ た こ と か ら ” 黄 川 本 ” と も 、 伊 勢 氏 旧 蔵 本 と も 呼 称 ） は 上 中 下 三 巻 の 完 全 本 で あ り 、 『 三 百 則 』 の 全 貌 を 知 る 手 掛 り を 与 え る も の で あ る と 共 に 、 金 沢 文 庫 本 ・拈
評 本 の 闕 を 補 う も の と し て 、 そ の 史 料 的 価 値 、 及 び そ の 存 在 の 意 義 は 大 き い も の が あ る と 言 え よ う 。 （ 二 ）永
昌 院所
蔵 本 （ 三 巻 一 冊 ） 新 出 資 料 ・ 永 昌 院 所蔵
『 正 法 眼 蔵 三 百 則 』 は 、 前 項 の 「 真 法 寺 本 」 と 同 じ く 室 町 期 の 古 写 本 で 、 包 背 装 （ く る み 綴 ） 本 で 渋 引 表 紙 、 白 地 金 泥 の 書 題 簽 で 「 正 法 眼 蔵 」 と 墨 書 す 。縦
24
・0
、 横 16 ・6
。紙
質
は 楮 紙 。 無 枠 で 、 毎 面9
行 、22
字 詰 、 朱 点 校 異 あ り 。 本 文第
一 紙 よ り 九 紙 に 亘 っ て 折 目 の 欄 脚 部 分 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） が 破 損 し 、 本 文7
行 〜9
行 の 下 方 二 字 よ り 八 字 が 欠 損 し て い る 。 無 扉 で 第 一 紙 に 「 正 法 眼 蔵 序 」 、 序 題 下 に 「 観 音 導 利 興 聖 宝 林 寺 」 と あ り 、 踊 紙 二 面 に序
文 、 第 二 紙 に 「 正 法 眼 蔵 上 」 の 前 題 号 が あ り 、 上 巻 末 尾 に 「 正 法 眼 蔵 終 」 の 後 題 号 が あ り 、 次 い で （ 見 セ 消 チ ） 一團
越 後 国 住 人 道 吉 の 署 名 が あ る 。 す な わ ち ” 道 吉 ” に 依 っ て 書 写 さ れ た こ と が 知 ら れ る 。 中 巻 に は 、 前 題 号 「 正 法 眼 蔵 中 」 、 題 下 に 上 巻 と 同 じ く撰
述 場 所 で あ る 「 観 音 導 利 興 聖 宝 林 寺 」 の 識 語 、 後 題 号 「 正 法 眼 蔵 中 」 。 下 巻 に は 前 題 号 「 正 法 眼 蔵 下 」 、 題 下 に 上 中 巻 と 同 じ く 「 観 音 導 利 興 聖 宝 林 寺 」 の 撰 述 場 所 の 識 語 、 末 尾 後 題 号 「 正 法 眼 蔵 終 」 と あ る 。 尚 、 末 尾 二 紙 の 上 欄綴
目 部 分 が 破損
の 為 に 文 字 に 欠損
が み え る 。 本 書 の 永 昌 院 所 蔵 の 経 緯 は 明 ら か で は な い 。 同 院第
十 四 世 一 蓋 英 周 （ 延 宝 八 年 ・ 一 六 八 〇 寂 ） が 古 い校
割 帳 を 改 め 、 古 記 録 ・ 常 什 物 を 整 理 し て 記 録 し た 寛 文 十 三 年 の 『校
割 牒 』 に は 、 数 多 く の 貴 重 な 書 写 本 や 板 行 本 の 経 典 ・祖
録 類 が 調 査 記録
さ れ て お り 、 『 正 法 眼 蔵 三 百 則 』 は 、 第 十 世 雲 国 源 石 （ 寛 永 十 六 年 ． エ ハ 三 九 寂 ） の 代 に 入 蔵 さ れ た こ と が 記 録 に あ る 。 『校
割
牒 』 は 、 十 四 世 一 蓋 英 周 ・ 十 七 世 大 岑 厳 盛 ・ 十 八 世 庭 山 ・ 十 四 七NII-Electronic Library Service 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） （ 素 ） 九 世 大 機 天 用 、 享 保 十 五 年 ・ 二 十 世 千
岳
天 高 、 以後
、 二 十 世 水 月 、 二 十 一 世 大 僊 ・ 二 十 三 世 大 晃 、 二 十 四 世 天海
、 二 十 五 世 大 年 愚 譲 （ 安 永 六 年 ・ 一 七 七 八 寂 ） に 亘 っ て 引 継 が れ 、 歴 代 の 各 住 持 に 依 っ て 常 什 物 の 添 減 の 次 第 が 記 載 さ れ て い る 。 な お 、 書 写 者 「 越 後 国 住 人 道 吉 」 の 人 物 ・ 行 歴 に つ い て は 一 切 不 明 で あ り 、 昭 和 五 十 一 年 本 書 の 発 見 以 来 、 関 心 を も っ て 調 査 し て い る が 、 手 掛 り は な い 。 い ず れ に し て も 、 室 町 末 期 の 書 写 本 で あ る こ と は 間 違 い な く 、 然 も 後 の 本 文 校 異 に 見 ら れ る 如 く 、 『 三 百 則 』 の撰
集
の 古 型 を 伝 え て い て 、 貴 重 な 資 料 と 言 い 得 る も の で あ る 。 （ 三 ）成
高
寺
所蔵
本
（ 六巻
騨 冊 ） 新 出 資 料 ・ 成 高 寺 所 蔵 本 は 、 昭 和 四 十 八 年 に 発 見 蒐 集 し 、紹
介 し た も の で （ 拙 稿 「 真 字 正 法 眼 蔵 の 研 究 」 仏 教 学 部 紀 要32
〜34
号 ） 、 共 編 の 『 永 平 正 法 眼 蔵 蒐 書 大 成 』 （ 第 一 巻 ・ 昭51
） に 写 真 収 録 し 、 解 説 を 付 し て 公 開 し て お い た 。 そ の 後 、 該 本 に 依 っ て 石 井 修 道 ・柳
田 聖 山 ・ 秋 月 龍眠
の 各 氏 等 に よ る 渉 典 ・ 註解
・ 考 究 が な さ れ て い る 。 本 書 は 、 栃 木 県 成 高 寺 に 所 蔵 さ れ 、 同 じ く 所 蔵 の 卍 山 編 輯 八 十 四 巻 謄 写 本 十 八 冊 、 拾 遺 一 冊 （ 辨 道 話 ・ 重 雲 堂 式 ・ 示 庫 院 文 ・ 受 戒 ・ 八 大 人 覚 ） の 外 に 、 別 に 二 冊 の 写 本 が あ り 、 一 冊 は 仮 字 『 正 法 眼 蔵 』 （ 生 死 ・ 仏 道 ・ 深 信 因 果 ・ 四 禅 比 丘 ） で 、 他 の 四 八 一 冊 が 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 で 、 そ の 表 紙 は 「 永 平 正 法 眼蔵
付 録 」 と 題簽
が あ り 、 仮 字 『 正 法 眼 蔵 』 と 共 に 同 一 の 収 蔵筐
に 納 め ら れ て い る 。 紺 紙 表 装 、 縦26
・5
、 横 19 ・6
、 無 枠 。 序 文 一 紙 共 に 全 六 十 八 紙 。 毎 面11
行 、18
字 詰 。 各 古 則 本 文 の 改 行 に 当 っ て 本 文 一 行 を 頭 文 字 一 字 を 上 げ て 書 い て 19 字 詰 と し て い る 。 各 古 則 の 改 行 と 見 出 し の た め の も の で あ る 。 紙質
は 楮 紙 、 袋 綴 本 。 六 巻 の 配 分 古 則 は 、 第 一 巻 五 十 則 、 第 二 巻 五 十 則 、 第 三 巻 四 十 七則
、 第 四 巻 五 十 四 則 、 第 五 巻 四 十 一 則 、 第 六 巻 五 十 九 則 に 配 分 さ れ 、 各 巻 の 巻 初 の 題 は 「 正 法 眼 蔵 第 一 ・ 第 二 … … 第 六 」 と 記 し 、 各 巻 の 題 下 に 「 観 音導
利興
聖 宝 林 寺 」 と 撰集
場 所 の 識 語 が あ り 、 後 題 号 は 、 「 正 法 眼蔵
巻 第 一 終 右 五 ＋ 則 」 「 正 法 眼 蔵 巻 第 二 終 五 十 連 則 」 「 正 法 眼蔵
巻第
三 終 ノ ノ ノ 四 ＋ 七 則 」 「 正 法 眼 蔵 巻 第 四 終 五 ＋ 四 則 在 」 「 正 法 眼 蔵 巻 第 五 終 四 十 一 則 在 」 「 正 法 眼 蔵 巻 第 六 終 五 ＋ 九 則 ア リ 」 と 記 さ れ て い る 。 次 に 仮 字 『 正 法 眼 蔵 』 と 共 に 収 納 さ れ て い る 箱 の 側 面 の 筐 面 に は 宝 歴 二 壬 申 十 一 月吉
祥 日／
奉 謹 書 写 ／ 百 拝／
露 暁 と 墨 書 さ れ て い る 。 ま た 第 一 紙 の 「 正 法 眼 蔵 序 」 の 文 末 奥 書 に 次 い で 識 語 が あ り 、 ハ ノ ノ ノ テ 此 三 百 則 之 公 案 、 如 来 正 法 眼 蔵祖
師 閑 家 具 也 、 元 祖 之 以 ヲ ス ル ナ リ ノ ル コ シ ノ ニ ク ド 択 二 法 眼 一 而揀
択 者 也 、 其 来 久 矣 、 通 幻 禅 師 葬 記 云 、 ハ ム ノ ノ ナ リ ル ア パ ノ ス ル モ ア ヲ 三 百 則 三 冊 通 幻 禅 師 之 御 親 筆 也 、 然 則 、 後 人 不 レ 為 二 N工 工一Eleotronlo Llbraryノ ナ ル ヵ ナ リ 製 作 → 元 祖 之 親 撰 明 矣 、 と あ り 、 本 書 の 第 六 巻 末 識 語 に （ 池 力 ） 于 時 文 明 十 三 年 丑 歳 二 月 初 五 日 、 濃 州 他 田 郡 脛 長 法
幢
於 侍 者 寮 書 之 、 従 文 明 十 三 年 至 正 徳 五 年 二 亘 二 ＋ 五 年 也、 皆 正徳
五 乙 未 年 晩 秋 日 と あ る 。 こ れ に 依 っ て 新 資 料 成 高 寺 所 蔵 本 は 、 文 明 十 三 年 （ 一 四 八 一 ） 二 月 五 日 、 濃 州 法 幢 寺 の 侍 者 寮 に 於 て 書 写 さ れ た 謄 写 本 を 、 正 徳 五 年 （ 一 七 一 五 ） に さ ら に 再 謄 写 し た も の が あ り 、 こ の 再 謄 写 本 を 宝 暦 二 年 十 一 月 に 露 暁 が 謄 写 し て 成 高 寺 へ 寄 付 し た も の で あ る こ と が わ か る 。 曾 て 面 山 瑞 方 は 、 相 州 紫 雲 寺 に 於 て 、 住 持 天 年 長 老 よ り 文 明 十 三 年 二 月 五 日 、 脛 長 ・ 法 幢 寺 で 書 写 し た 古 冊 を 提 示 さ れ て 、 自 ら も こ れ を 謄 写 し た 旨 を そ の 著 『 正 法 眼 蔵 闢 邪 訣 』 に 述 べ て い る が 、 実 は 面 山 が 紫 雲 寺 天 年 よ り 示 さ れ た 『 三 百 則 』 と は 、 恐 ら く こ の 成 高 寺 本 の 底 本 で あ り 、 成 高 本 は こ の 時 に 面 山 が 謄 写 し た も の の 再 謄 写 本 か と 思 わ れ る 。 面 山 の 伝 を 案 ず る に 、 宝 永 二 年 （ 一 七 〇 五 ） 二 十 三 歳 、 仙 台 泰 心 院 に 在 っ た 面 山 は 、 損 翁 の 勧 め に よ り 関 八 州 の 知 識 に 参 見 す べ く 仲 春 に 仙 台 を 発 し 、 常 州 ・ 江 府 に 行 脚 し 、 相 州 を 最 後 に 三 月 晦 日 に 仙 台 に 還 っ て お り 、 さ ら に 同 年 九 月 以 後 相 州 に 赴 き 、 宝 永 三 年 二 月 よ り 老 梅 庵 に 入 り 、 四 月 十 五 日 よ り 一 千 日 閉 関 の 行 に 入 り 、 宝 永 六 年 （ 一 七 〇 九 ） 二 十 七 歳 、 正 月 十 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） 六 日 に 出 関 し て い る 。 正 徳 元 年 （ 一 七＝
） 冬 、 相 州 大 智 寺 の 衆 寮 に 在 り 、 正徳
二 年 大 智 寺 に 於 て 『 永 平 広 録 』 を 講 じ 、 同 三 年 十 一 月 大 智 寺 宝 田 に 暇 を 告 げ て 京 に 入 っ て い る 。 以 上 の 行 状 を通
し て 、 『 闢 邪 訣 』 で 「 自 後 行 脚 到 二 相 州 岡 崎 紫 雲 寺 こ 、 そ こ で 天 年 よ り 文 明 十 三 年 書 写 本 『 三 百 則 』 を 見 た と い う 自叙
と を 併 わ せ 考 え る と 、 相 州 老 梅 庵 在 住 よ り 以後
、 正 徳 二 年 か ら 三 年 に 到 る 大 智 寺 で の 演 法 時 代 頃 と 思 わ れ る 。 然 も 大 智 寺 は 紫 雲 寺 と は 同 地 区 で 、 距 離 的 に も 近 い こ と か ら し て も 肯 け得
よ う 。 関 東 八 州 の 知 識 に参
見 す べ く 仙 台 よ り 出 遊 し た 宝 永 二 年 （ 一 七 〇 五 ） で は 、 時 間 的 に も 『 三 百則
』 謄 写 は 無 理 で あ り 、 成 高 寺 本 「 序 」 末 の 識 語 に 記 す る 『 通 幻喪
記 』 等 の 閲 覧 は 年 齢 的 に も 、 環 境 的 に も 不 可 能 で あ っ た 。 面 山 が 紫 雲 寺 本 を 披 見 ・ 謄 写 し た 年 時 を 右 の 如 く 見 る 事 に 依 っ て 、 元 文 三 年 （ 一 七 三 八 ） 若 州 空 印 寺 に お い て 撰 述 し た 『 正 法 眼 蔵闢
邪 訣 』 の 文 と も 一 致 し う る 。 な お 、 前 挙 せ る 成 高 寺 本 「 序 」 末 の ノ ハ ノ ノ ナ リ ノ テ 此 三 百 則 之 公 案 、 如 来 正 法 眼 蔵 祖 師 閑 家 具 也 、 元 祖 之 以 ヲ ヲ ス ナ リ ノ ル て シ や ノ ニ ク レ 択 二 法 眼 一 而揀
択
者 也 、 其 来 久 矣 、通
幻 禅 師 葬 記 云 、 ハ ま ノ ノ ナ リ ル ン バ ノ ス ル ユ ア ラ 三 百 則 三 冊 通 幻 禅 師 之 御 親 筆 也 、 然則
後
人 不 〆為
ニ ノ ナ ル つ カ ナ リ 製 作 嚇 元 祖 之 親撰
明 矣 。 （ 共 編 『 正 法 眼 蔵 蒐 書 大 成 』 第 一 巻 ） の 識 語 は 、 恐 ら く 面 山 の 但 書 を そ の 儘 に 露 暁 が 書 写 し た も の 四 九
NII-Electronic Library Service 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） と 思 わ れ る 。 因 み に
現
在 、 蔵 さ れ て い な い 。紫
雲 寺 に は 『 三 百 則 』書
写 本 は 所 （ 四 ）丈 六
寺
所
蔵本
（ 上 巻 一 冊 ） 新 出資
料 、 丈 六 寺 所 蔵 一 冊 本 は 、 前 三 本 と 相 異 し て 、 指 月 拈 評本
『 三 百 則 』 上 巻 の 稿 本 で あ る 。 徳 島 県 丈 六 寺 に 所 蔵 。 縦23
・2
、 横14
・5
。有
枠 ・ 界 線 あ り 。 毎 面9
行 、 字 数 不 定 、24
字 前 後 。 外 題 「 指 月 和 上 拈 古 」 ・ 内 題 「 永 平 正 法 眼 蔵 上 巻 」 、 内 題 下 「 耳孫
指 月 拈 香 」 と あ り 、 上 巻 末 尾 後 題 は 「 正 法 眼 蔵 拈 香 上 巻 尾 」 、 次 い で 「 正 法 眼 蔵 三 百 則 序 」 、 序 に 続 い て 「 正 法 眼 蔵 上 目 次 」 と 題 し て 上 巻 一 百 則 の 挙 古 名 が 列 挙 さ れ て お り 、 刊 本 『 拈 評 三 百 則 』 の 前 段 階 的 作 業 と し て の 草 稿 本 で あ る こ と が 、 刊 本 『 拈 評 三 百 則 』 と の対
照 を 通 し て知
ら れ る 。 指 月 の 法 嗣瞎
道 本 光 は 、曾
て 刊 本 『 拈 評 一 二 百 則 』 に 跋 記 し て 、指
月 の拈
評 の 姿 勢 、 座 下 の 編輯
作 業 に つ い て 、 ニ ル 老 人效
二 採 華 之 蜂 噌 於 二 挙 古 噌 或 レ 所 ノ 約 γ 文 、 日 ≧ 慧 洪 等 随 〆 拈 編 〆 之 、 と 述 べ て い る が 、 こ の 編 輯 作 業 の 草 稿 が 本 書 丈 六 寺 本 で 、 然 も そ れ が瞎
道 本 光 に 依 る 草 稿 本 の 謄 写 で あ る こ と が 、 本 光 自 身 の 書 入 れ に よ っ て 知 ら れ る 。 例 え ば 第 十 二 則 「洞
山 仏 向 上 事 」 話 に は 、 次 の 如 く あ る 。 （ 丈 六 寺 所 蔵 本 ） 一 五 〇 （ 拈 評 三 百 則 本 ） 笏 州 洞 山 悟 本 禅 師 翻 餓 儼 示 衆 云 、 体 得 仏 向 上 事、 方 有 些 子 語 話 分 、 僧 問 如 何 是 語 話 、 師 云 、 語 話 時 即 聞 、 ユ 光 私 云 、 諸 本 皆 作 「 師 云、 語 つ こ 話 時 闍 梨 不 問 、 僧 云 、 和 尚 皈 聞 否 、 師 云、 待 不 語 話 時 即 聞 」 、 況 別 本 正 法 眼 蔵 仏 向 上 巻 中 有 二 如 ノ 此 之 数 語 一 乎 拈 云、 上 下 且 置 、 何 言 仏 柄 短 長 早 已 失 也 、 如 F 言 二 視 仏 未 出 時 是 向 上 噛 不 〆 免 レ 言 二 田 庫 奴 何 時 未 出 州 如 何 知 二 向 上 州 作 二 一 語 話 「 報 γ 君 知 、 莫 二 莽 歯 叫 徴 （ 甘 力 ） レ 知 〆 耳 先 知 ノ 苦 、 当 該 写 本 は 、 笏 瀦 州 洞 山 悟 本 禅 師 翻 齲 儼 示 衆 云 、 体 得 仏 向 上 事 、 方 有 二 些 子 語 話 分 肉 僧 便 問 云 、 如 何 是 語 話 、 師 云 、 語 話 時 閣 黎 不 聞、 日 、 和 尚 還 聞 否 、 師 日、 不 語 話 時 即 聞 丈 六 寺 二 十 三 世 百 川 智 梁 （ 嘉 永 元 年 ・ 寂 ） が 謄 写 し 所持
し て い た も の で あ る が 、 る 如 く 、 本 光 が 仮 字 『 正 法 眼 蔵 仏 向 上 』 及 び 諸 本 と の 対 照 を通
し て 、 指 月 の “ 所 約 文 ” を 補 正 し た も の の 稿 本 で あ る こ と が 知 ら れ る 。 指 月 が 拈 評 す る に 随 っ て 慧 洪 等 の 記 録 編集
が 行 わ れ 、 本 光 の 校 閲 を 得 て 進 め ら れ た も の で 、 草 稿 の 段 階 か ら 上 梓 本 へ の 展 開 を 示 す と 共 に 、 本 光 が 註 記 せ る 如 く 、 『 仏 向 師 云 、 上 下 且 置 何 言 ノ 仏、 杓 柄 短 長 、 家 家 皆 知 、 若 言 下 上 二 乎 仏 一 者 、 仰 面 看 之 道 理 か 則 未 〆 免 γ 言 三 田 舎 奴 何 処 見 二 上 下 州 何 知 二 洞 祖 意 引 報 レ 君 知 、 莫 二 莽 歯 哨 欲 『 知 レ 甘 先 知 〆 苦 、 一 八 四 八 右 の 挙 例 に 見 ら れ N工 工一Eleotronlo Llbrary上 』 巻 等 の 如 く に 本 文 を 匡 し て い る こ と が 知 ら れ る 。 然 も 当 初 は 、 前 題 号 （ 「 永 平 正 法 眼 蔵 上 巻 」 ） 、 後 題 号 （ 「 正 法 眼 蔵 拈 香 上 尾 」 ） に 見 ら れ る 如 く 、 「 正 法 眼 蔵 」 と 題 せ ら れ て あ っ た こ と が 知 ら れ る 。 加 え て 、 指 月 の 評 唱 を 「 拈 云 」 と あ っ た も の が 、 拈 評 本 の 上 梓 に 当 っ て 「 師 云 」 と 尊 称 に
改
め 、 或 い は 第 八 十 五 則 「 全 明 一 毫 衆 穴 」 の 本 文 に お い て 、 径 山 洪 誣 の 語 「 光 靴 カ ニ ハ ニ 任 二 汝 光 靴 → 結 果 任 二 汝 結 果 」 の 「 光 靴 」 の 語 に つ い て 、 本 ノ 光 は 丈 六 寺 本 に お い て 「 光 私 云 、 靴 花 華 託 音 」 と 註 記 し て お り 、 上 梓 に 際 し て は 「靴
花 同 音 」 と 簡 潔 に 割 註 し て 印 刻 に 付 し て い る （ 共 編 『 正 法 眼 蔵 蒐 書 大 成 』 第 十 四 巻 ・ 六 六 七 頁 上 段 。 『 続 曹 全 』 註 解 日 二 二 八 一 頁 下 段 参 照 ） 。 『 拈 評 三 百 則 』 が 上 梓 開 板 さ れ た の は 明 和 四 年 （ 一 七 六 七 ） で 、 指 月 は そ の 四 年 前 の 明 和 元 年 （ 一 七 六 四 ） に 示寂
し て い る こ と を 考 え れ ば 、 本 光 の 整 文 ・ 校 閲 が 全 般 に 亘 っ て い る こ と は 、 上 に 見 た 上巻
の 私 註 作 業 だ け を 通 し て も 、 容 易 に 窺 い 得 る で あ ろ う 。 丈 六 寺 本 は 上 巻 の み の 端 本 で は あ る が 、 『 正 法 眼 蔵 三 百 則 』 の 古 則 本 文 が 、 指 月 の 時 点 で 如 何 様 う に “ 約 文 ” さ れ た か を 知 る 唯 一 の 手 掛 り に な る と 共 に 、 拈 評 原 稿 か ら 修 訂 ・ 上 梓 本 に 至 る 間 に 本 光 の 介 在 が 多 分 に あ っ た こ と 、 拈 評 本 成 立 過 程 を知
る 資 料 と し て も 、 貴 重 で あ る と 言 わ ね ば な ら な い 。 以 上 、 『 正 法 眼 蔵 三 百 則 』 の新
出 資 料 三 種 と 、 別 に 拈 評 本 関係
の 新 出 資 料 一 本 と の 、 計 四 本 の 概 要 に つ い て み た の で あ 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） る が 、 以 下 に こ れ ら の 新 出 資 料 本 と 、 従 来 存 在 す る 金 沢 文 庫 本 及 び 拈 評 本 『 三 百 則 』 と の 六 本 の 本 文 の 比 較 対 照 校異
を試
み る で あ ろ う 。 そ の 校 異 を 通 し て 、 『 三 百 則 』 各 書 写 本 の 内 容 的 特 徴 と 写 本 間 の 関 連 性 と を 明 ら か に し 得 る と 共 に 、各
書 写 本 の 系 統 的 位 置 づ け を も 闡 明 に し 得 、 延 い て は 道 元禅
師撰
集
原 初 の 『 正 法 眼 蔵 三 百 則 』 の 全 容 解 明 へ の 端 緒 を 得 る も の と な る か ら に 外 な ら な い 。 二『 正 法
眼
蔵
三 百 則 』諸
本
対 照校
異 凡例 一 、 次 下 に は 、 新 出 資 料 四 本 を 含 め て 、 『 正 法 眼 蔵 三 百
則
』 諸 本 、 即 ち 金 沢 文 庫 本 、 真 法 寺 旧 蔵 本 、 永 昌 院 本 、 成 高 寺 本 、丈 六 寺 本 、 拈 評 三 百 則 本 、 六 本 に つ い て の 本 文 校
合
を試
み 、 そ の異
文 を 脚 註 に 摘 記 し た 。 本 文 校合
に 当 っ て は 、 主 軸 と な る 底 本 と し て 、 古 写 本 の 形 態 を 保 ち 、 本 文 中 に 「 永 平 御 点 」 を 保 持 す る 真 法 寺 旧 蔵 本 （ 筆 者 所 蔵 ） を 用 い た 。 古 写 本 中 、 『 正 法 眼 蔵 三 百 則 』 の 原 初 形 態 を 保 つ 金 沢 文庫
本 は 中 巻 の み の 零 本 で あ る た め 、 底 本 と し て は 不 適 格 であ
る た め で あ る 。 一 、 各 本 の対
照校
異 に 当 っ て は 、 脚 註 に 用 い る 各 本 の略
称 を 次 の 如 く定
め た 。 金 沢 文 庫 蔵 本H
（ 金 ） 、 真 法 寺 旧 蔵 本 ” （ 原 本 ） 、 永 昌 五 一NII-Electronic Library Service 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） 院 蔵 本
H
（ 永 ） 、 成 高 寺 蔵 本 ロ （ 成 ） 、 丈 六 寺 蔵 本11
（ 丈 ） 、 拈 評 三 百 則 本H
（ 拈 ） 一 、 底 本 の 真 法 寺 旧 蔵 本 の 本 文 字 体 は 、 す べ て 活 宇 用 正 字 体 に 統 一 し 、 特 殊 異 体 字 に つ い て は 、 底 本 の 性 格 を 知 る た め に 、 そ の 儘 と し た も の も あ る 。 一 、 諸 本 対 校 に 依 る 脚 註 へ の 校 記 は 、 異 体 字 の 校 異 お よ び 「 日 」 「 云 」 、 「 著 」 「 着 」 の 異 同 等 は 摘 記 し な か っ た 。各 本 の 訓 点 （ 返 り 点 ・ 送 り 仮 名 ・ 振 り 仮 名 ・ 句 読 点 ） に つ い て も 、 校 異 を 省 略 し た 。 但 し 底 本 （ 真 法 寺 本 ） の み は 原 本 通 り の 返 五 二 り 点 を 付 し 、 読 点 の み は 文
節
を 明 確 に し て 読 解 に 資 す べ く 私 見 で 以 て 付 点 し た 。 『 三 百 則 』 中 巻 の 金 沢 文 庫 本 に 見 ら れ る 訓 点 は 、 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 か ら 仮 字 『 正 法 眼 蔵 』 へ の 和 文 ・ 和 語 化 へ の 展 開 過 程 を 示 す 重 要 な 付 点 で あ る が 、 本 稿 で の 本 文 校 合 で は 一 切 省 略 し た 。 金 沢 文 庫 本 の 訓 点 に つ い て は 、 拙 稿 「 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 」 （ 『 仏 教 学 部 紀 要 』33
号 ） 、 『 金 沢 文 庫 資料
全 書 』 （ 第 一 巻 禅 籍 篇 ） 、 共 編 『 正 法 眼 蔵 蒐 書 大 成 』 （ 第 一 巻 ） 等 を 参 照 さ れ た い 。N工 工一Eleotronlo Llbrary Servloe
正
法
眼
藏
「 藏 」 ノ 下 「 序 」 （ 永 ） （ 成 ） （ 拈 ） 。 「 三 百 則 序 」 二 作 ル （ 丈 ） サ觀
音
道
利
興
聖
賓
林
寺
（ マ マ ） 「 観 音 … … 」 ノ 九 字 ナ シ （ 拈 ） 道−
導 （ 永 ） （ 丈 ） ロ ヤ ス ヤ ヤ 正 法 眼藏
、 大 師 釋 奪 已 拈 擧 矣 、 拈 得 盡 也 未 、 直 得 二 千 一 百 八 十 餘 歳 、 ゆ 法 子 法孫
、 近 流 遠 杠 証 繊 報繕
） 創 抛 嚀 瀞陰
漁 〜旗
藏 」 ノ 派 、 幾 箇 萬 萬 、 前 後 三 三 、 諸 人 要 明 來 由 歴 、 昔 日 靈 山 百 萬 衆 前 、 世 奪 拈 花 瞬 目 、迦
葉 破 顔派
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流 （ 永 ）り 微 笑 、 當 時 世 奪 開 演 之 日 、 吾 有 正 法 眼 藏 涅 槃 妙 心 、 附 囑 摩 訶 大
迦
葉 、 迦 葉 直 下 二 十 八 代 菩 ヤ ノ ア タ リ ハ シ マ ル コ リ ノ 提 達 磨 奪 者 、 親到 少 林 、 面 壁 九 年 、 撥 草 瞻 風 、 附 髓 、 震 旦 之 傳 、 肇
于
之 也 、 六 代 曹 溪 、 ヲ ノ 得 青 原 南 嶽 、 師 勝 資 強 、 嫡 嫡 相 嗣 、 正 法 眼 藏 不 昧 本 來 、租
狙 開 二 明 之 一 者 三 百 箇 則 、 今 之 有 ロ ヒ テ て コ 也 、 代 以 得 人 、 古 之 美 也 、 テ イ ノ ネ 于 時 嘉 頑 乙 未 一 陽 佳 節 、 佳 持 觀 音 道 利 興 聖 （ マ ご 賓 林 寺入
宋
傳 法 沙 門道 元
序 正
法
眼
蔵
一 、 吾 州 青 原 血 静 居 寺 弘 濟 禪 師 翻 掀 體 曾 問 石 頭 、 祢 從 甚 處 來 、 蜘 日 、 曹 溪 來 、 師 乃 拈 拂 子 日 、 ° ° ° ． ζ、 耄 曹 溪 還有
遮 γ 箇 麼 、 頭 日 、 非 但 曹 溪 → 西 天 亦 無 、 師 日 、 子 莫 曾 到 西 天 否 、 頭 日 、 若 到 印 有 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） 日 ーー
云 （ 丈 ）糶
到
薦
覗讃
鼬
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艷
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リ ヲ ス ヲ 寺 本 「 得 レ 可 付 レ 髓 匸 ト 訓 ズ 「 之 」 ナ シ （ 丈 ） ・ 「 于 」 ナ シ （ 丈 ） 溪ー
谿 （ 成 ） （ 拈 ） （ 丈 ） 人ー
之 （ 丈 ） 「 佳 」 ノ 下 「 寺 」 （ 丈 ） 、 但 シ 「 時 」 ノ 略 字 ナ ラ ン ＊ 永 昌 院 本 ・ 成 高 寺 本 ・ 拈 評 本 ・ 丈 六 寺 本 共 昌 「 導 」 二 作 ル 、 原 本 ハ 謄 冩 時 ノ 誤 リ 「 聖 」 ノ 下 「 護 國 」 二 作 ル （ 丈 ） 寺−
禪 林 （ 丈 ） ＊ 永 昌 院 本 ハ 「 序 」 字 部 分 ヲ 破 損 シ テ 見 エ ズ 、 「 序 」 字 有 ル モ ノ ト 思 ワ ル互
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NII-Electronic Library Service 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） ノ ヲ ル ク ロ ル ヨ ヲ ハ 也 、 師 日 、 未 在 更 道 、
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日 、 和 尚 也須
下 道 取 一 牛 一 莫 中 全靠
レ 希 邏 b 師 日 、 不 F 辭 向 〆 汝 道 、 ハ ソ 恐 已 後 無 人 承當
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山 斷黷
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從 上 亡 不 乘 如 何 指 示 於へ
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・ 後 代 兒 の 孫 、 將 何 傳 授 、 百 丈 日 、 我 將 謂休
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人 、 便 皈 方 丈 、 三 、 豊 爿 寒 奈k
而 嗣 甫 湶 男 苒 灸 、退
ヨ 差 勾 十 壅 遶 長 、 曹 灸 ヨ 、 勾U
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騨． 一 嚢 ・ 丿 」 匯 ・ ・ 自 諱 從 譴 ・ 「 ・ 「 ー フ 彡 刊 工 ノ 「 イ 彦 塵 ；． ・ F 匡 フE
μ レ 虞 ネ． 走 c1 彡f
＝ 呈 フ ・ 寸 牛 去 、 師 日 、 謝 師 指 示 處 、 泉 日 、 昨 夜 三 更 月 到 窓 、窶
州 西 山 亮 座晶
・ 因鵞
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・ 將 心 講 、 祀 日 、 心 如 工 夫 兒 嚇 意 似 和 伎 者 、 六 識 爲 伜侶
、 爭 解 講 得 經 、 師 日 、 心 既 講 不 得 、 五 四 似 夫11
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N工 工一Eleotronlo Llbrary莫 是 虚 室 講 得 磨 、 租 日 、 却 是 盧 室 講
得
、 師 拂 レ 袖 而 去 、 租 召 日 、 座 卦 、 生 至 老 、 ロ バ 是 這 箇 、 師 因 而 有 省 、 途 隱 西 山 、 更 無 漕 息 、 師 囘 首 、 租 日 、 從 三 、 襄 州 蘊 鹿 居 士 醐 馬 初問
石 頭 、 不 與 萬 法 爲 上 侶 、 侶 者 是什
摩 人 、 頭 以 手 掩 暦 士 口 、 か 於 此 豁 然有
省 、 又 問 馬 租 、 租 日 、 待 下伽
一 匹 吸 二 乱 西 江 水 湘 昆 ． 印 向伽
道 、 士 言 下領
騨 、 是老ll
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因 信 問 、 清 淨森
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ホ ナ ヲ ン ニ ハ 師 日 、 清 淨 本 然 云 六 ・ 「 澱 州 」 ナ シ （ 永 ） （ 成 ） ・ 「 昭 」 ノ 下 「 大 師 」 （ 永 ） （ 成 ） （ 拈 ） （ 丈 ） ・ 昭−
照 （ 拈 ） （ 丈 ） ・ 汾−
紛 （ 成 ） 、 但 シ 成 本 ハ 寫 誤 ナ リ ＊ 丈 本 「 師 日 」 ノ ミ デ 、 「 清 淨 本 然 … … 」 以 下 ノ 文 ナ シ 、 前 文 ト 同 一 文 ト 見 テ 略 セ ル カ ＊ 諸 本 「 永 李 御 點 」 ナ シ 七 、 京 兆 米 胡 和 尚 蜩 灑 令 二 信 問 仰 山 、 今 時 人 還 風 ヤ 悟 否 、 借 囘 擧 似 師 、 師 深 肯 之 、 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） 山 日 、 ロ コ ロ 悟 印 不無
、 爭 奈 落 第 二頭
何 、 爭 奈 … … 何ー
駅 ． 砿 〜 成 ） 五 五NII-Electronic Library Service 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） へ 洪 州 江 西 馬
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禪 師 翻韈
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坐 カ コ 禪 、 讓 知 是 法 器 、 徃 師 所 、 問 日 、 大 徳 坐 禪 圖 箇 什 歴 噛 師 日 、 圖 作 佛 、 讓 乃 取 一 墫 、 於 ノ ン 師庵
前
石 上 磨 、 師 遂 問 、 師 作什
歴 、 讓 日 、 磨 作 鏡 、 師 日 、 磨墫
豈 得 成 鏡 耶 、讓
日 、 坐 セ （ ■ ● ， 禪 豈 得作
佛 耶 、 師 日 、 如 何 印 是 、 譲 日 、 如 人 駕 車 、 車 若 不 行 、 打 車 即是
、 打 牛 即 是 、 師 無 對 、 讓 又 示 日 、 汝 爲 學 坐 禪 、 爲 學 坐 佛 → 若 學 坐 禪 、 禪 非 坐 臥 、 若 學 坐 佛 、 佛 非 ノ 定 の ニ 相 、 於 無 佳 法 、 不 應 取 捨 、 汝 若 坐 佛 、 即 是 殺 佛 、 若 執 坐 相 、 非 達 其 理 肉 師 聞 示 誨 、 如 飮 醍 醐 、 コ コ 瓦 、 黄 檗 山 斷 際 禪 師 、 初 黄 檗 捨 衆 、 入 大 安 精 舍 、 混 迹 勞 侶 、 拂 洒 殿 堂 、 時 裴 休 相 國 、 入 寺 焼 香 、 圭 事 祗 接 、 因 觀 壁 畫 乃 問 、 是 何 圓 像 、 主 事 對 日 、 高 借 眞 儀 、 公 日 、 眞 儀 可 觀 、 ． ヤ〜
ユ． 黄 高 信 何 在 、 信 皆 無 對 、 相 國 日 、 此 間 有 禪 人 不 、 僧 日 、 近
有
一 信 、 投 〆 寺 執 役 、 頗 似 禪 者 、霜
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和 尚 （ 拈 ） 。 際ー
除 （ 丈 ）、 但 シ 寫 誤 ナ リ ・ 拂ー
掃 （ 成 × 拈 ） （ 丈 ） ・ 裴 休−
右 註、 名 ・ 相 國ー
左 註、 官 も （ 成 ） 壁−
檗 （ 永 ） 、 但 シ 寫 誤 力 不ー
否 （ 拈 ） （ 丈 ） ・ 役ー
役 （ 拈 ） N工 工一Eleotronlo Llbraryく
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公 日 、 可 請 來
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問 得 不 、 於 是 遽 尋蓮
師 、 相 國 公覩
ア 之 、 欣 然 日 、 休遘
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一 問 、 諸 禪 ● リ ン ロ コ 徳 吝 辭 、 今 請 上 人 代 酷一 二 語 納 師 日 、 請 相 國 垂 問 、 公 帥 擧 前 間 、 師 朗聲
日 、 相 國 、 公應
諾 、 ヲ ノ ヒ シ あ 師 日 、 在 什歴
處 、 公 當 下 有 ノ 省 、 如 レ 獲 二髻
珠 → 日 、 吾 師 眞 善 知 識 也 、再
請 開 堂 、 不−
否 （ 成 × 拈 × 丈 ） 「 禪 」 ナ シ （ 永 × 成 ） （ 拈 ） （ 丈 ） ・ 貼 酎ー
酬 ム タ へ禳
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髻 （ 永 ） （ 成 ） （ 拈 × 丈 ） ＋ 、 青 原 和 伺 、 因 信 問 、 如 何是
祀 師 西 來 意 、 師 日 、 又 恁 麼 去 也 、 乞 師 一 兩 則 、 師 日 、 近 前 來 、 僭 近 前 、 師 日 、 分 明 記 取 、 ウ カ 借 又 問 、 近 日有
何 言 句嚇 ＋ ・ 「 西 來 」 ナ シ （ 丈 ） コ ヤ タ 土 、 趙 州 和 伺 示 衆 日 、纔
有 是 非 、 紛 然 失 心 、 還 有 答 話 分 一 也 無 、 有 信 出拊
侍 者 一 下 日 、 何 カ 不 祗 對 和 伺 、 師 便 歸 方 丈 、 後 侍 者 請 釜 、邁
來 信 是 會 不 會 、 師 日 、 坐 底 見 立 底 、 立 底 見 坐 底 、 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） 申 一 ・ 「 趙 」 ノ 上 「 擧 」 （ 拈 ） 纔 有 是 非 紛 然ー
纔 是 非 有 紛 然 （ 丈 ） 「 不 」 ナ シ （ 丈 ） 五 七NII-Electronic Library Service 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ）
主
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山 悟 本 ヵ 師餒
臓 示書
、 コ ネ ロ 語 話 、 師 日 、 語 話 時 闍 梨 不 ソ 聞 、借
日 、 中 三 、 舒 州撃
山 慈 濟 大 師 翻臟
如 何 、 師 日 、 吐 却 七 箇 八箇
、 ヲ ゆ 體 得 佛 向 上 事 納 方有
些 子 語 話 分 、 信 便 問 、 ヤ レ ノ 和 徇 還 聞否
、 師 日 、待
我 不 語 話 時 即 聞 、 如 何 是 ロ 因 僧 問 、 月 未 圓 時 如 何 、 師 日 、 呑 却 兩 三 箇 、 借 日 、 圓 後 五 八 ＋一7
大 師−
禪 師 （ 拈 ） （ 丈 ） 問ー
問 云 （ 拈 ） 「 時 」 ノ 下 「 即 聞 」 （ 丈 ）、 丈 本 ハ コ ノ 語 デ 文 ヲ 絡 リ、 以 下 ナ シ ＊ 丈 六 寺 本 「 閣 梨 ： ・ ： 晶 即 闇 冖 」 ノ 廿 一 由 子 ナ シ、 但 シ 本 光 ノ 註 記 ア リ 、 云 ク 「 光 私 云 諸 本 皆 作 師 云 語 話 時 閣 梨 不 聞 信 云 和 尚 皈 聞 否 師 云 ク 待 不 語 話 時 即 聞、 況 ヤ 別 本 正 法 眼 截 佛 向 上 卷 中 有 二 如 レ 此 之 敷 語一 乎 」 梨i
黎 （ 拈 ） ・ 「 借 」 ナ シ （ 拈 ） ・ 否−
不 （ 永 ） ・ 「 待 我 」 ナ シ （ 拈 ） 士一7
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部 （ 永 ） 未−
末 （ 丈 ） 、 但 シ 誤 寫 ト 思 ワ ル 「 箇 」 ナ シ （ 永 ） （ 拈 ） （ 丈 ）N工 工一Eleotronlo Llbrary Servloe
＋ 四 、 潭 州 大 潟 山 大 圓 禪 師 輛 飄 敬 因 仰 山
間
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右 註 、 ア ツ カ ル ニ （ 成 ） コ ロま
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問 、 得會
、 師 日 、 盡 十 方 世界
、 是 一 箇 明 珠 、 和 尚有
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、 盡 十 方 世界
、 是 一 箇 明 珠 、 學 人 如 何 師 來 日 却 問 其 信 、 盡 十 方 世 界 、 是 一 査 ・ 沙−
砂 （ 永 ） ・ 「 院 」 ナ シ （ 永 ） （ 成 ） （ 丈 ） ・ 「 和 伺 」 ナ シ （ 丈 ） 得 會−
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爲 什 麼 （ 拈 × 丈 ）ル
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か ゜ 箇 明 珠 、 汝 作 麼 生 會 、 對 日 、
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方 世 界 、 是 哺 箇 明 珠 、 用 會作
摩 、 師 日 、 知 汝 向 黒 山 鬼窟
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所 〆 説 、 盡 是 章 疏 之 屯 り 記 掩 得 來 、 吾 今 問 ゾ 汝 、 汝 生 下 爲 嬰 兒 時 、 為 レ 辨 二 東 西 南 お → 笛 二 必 時 一 タ メ 菖 ソ ● ● ツ カ シ ナ カ ， 與 レ 吾 読 看 、 師 下語
、并
読 道 理 、 並不 二 相 契 、 又 於 干 生
所
集 丈 字 、 尋 究 總 無 此 箇 相 契 時 ● ・ ， ． ヲ ニ 。 昌 シ ソ ト ゜節
→ 乃 歎 悲 泣 、 將 諸 文 字 哺 火蕪
却 、 乃 日 、 我 此 生 不 敢 望 會 禪 、 且 入 山 修 行 去 、 便 入 武 當 ヲ 呂 昌 ス ● ス ク 山 → 忠 國 師舊
庵 基 卓 庵 、 一 日併
二 淨 道 路 、 因 棄 レ 礫 撃 竹 響 、 於 時 忽 然 大悟
、 乃 有 頌 日 、輔 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） 五 九 7 當 」 ナ
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會 珠 A 丈 ） 作 麼NII-Electronic Library Service 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） ホ コ セ コ コ 撃
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嚇 更 不 二 自 修 治 → 動 容 揚 古 路 、 不 堕 二 悄 然 機 → 處 處 無 蹤 跡 、 聲 色 外 威 儀 、 諸 方 達 道 ホ やへ 者 、咸
言
止 上 機 、瀉
山 聞 得 日 、 此 子 徹 也 、 （ マ こ ● ● ト キ ロ テ ロ ネ 夫 、 池 州 南泉
山 普 願 禪 師 闘 馬 因 至 莊 、偶
莊 圭預
備 迎 奉 、 師 日 、 老 信 尻 常 出 入 、 不與
他 知 、 ’ マく
ハ ヤ ク ノ セ 何 夙 排 辨 至 於 如 是 → 圭 日 、 昨 夜 土 地 狆 相 報 、 師 日 、 王 老 師 修 行 無 力 、 被 鬼 神 観 見 、侍
者 便 リ ニ セ シ ロ 問 、 既 是 大 善 知 識 、 爲 甚 却 被 鬼 祕観
見 → 師 日 、 土 地 前 更 下 一 分 飯 着 、 ヲ カ シ メ ロ シ ヤ克
、 趙 州 觀 音 院 眞際
大 師 問 南 泉 、 如 何 是 道 、泉
日 、 夲 常 心是
道 、 師 日 、 還 可 二 趣 向 一 否 、 泉 ソ ト ソ バ ハ 日 、 擬 向却
乖
、 師 日 、 不擬
叉 爭 知 二 是 道 、泉
日 、 道 不 局 知 不 知 哨 知 是 妄 覺 、 不 知 是 無 記 、 ソ ハ リ チ リ若
眞 達 不 擬 之 道 → 獪 如 大 盧廓
然 蕩 豁 、 豈 強 是 非一 耶 、 師 言 下 頓 悟 玄 旨 、 ナ大 リ1
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シ 際 尢 「 大 ・鶚
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N工 工一Eleotronlo Llbraryロ ロ ロ ギ ソ テ ル ト ロ シ ル ニ ＋ 、 長 沙 縣 景 岑 禪 師 、 因 竺 伺 書 問 、
蚯
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斬 爲 兩 段ハ 兩 頭 倶 動 、 未 審 佛 性 在 二 阿 那 箇 頭 → 師 セ ハ 日 、莫
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想 、 書 日 、 爭 奈 動 何 、 師 日 、 會 印 風 火 未 散 、書
無 對 、 師 却 喚 二 伺 書 、 書 應 諾 、 師 O ニ ノ 日 、 不 是 爾 書 本 命 → 日 、 不 下 可 離 却 印 今祗
對 有 中 第 二 箇 圭 人 ム 公 也 、 師 日 、 不 可 三 喚 尚 書 作 ニ ト ニ カ ロ ニ 今 上 一 也 、 書 日 、 與 歴 則 總 不 祗 對 和 尚 嚇莫
是 弟 子 圭 人 公 否 、 師 日 、 非 四 但 祗 對 不 祗 對 老 侶 → コ ロ ル カ ヲ 從 無 始劫
來 哨 是 箇 生 死 根 本 、 乃 示 レ 頌 日 、 學 道 之 人 不 識 眞 、 祗 爲 從 前 認 識 神 嚇 無 始 劫 來 生 ノ の 死 本 、癡
人 喚 作 本 來 身 、 二 二 、鼾
醤
聾
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甞因
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客 人幕
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鬟
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ヲ 屠 家 放 下 刀 子 、 叉 手 日 、 長吏
那 箇 是 不 精 底 、 師 於 言 下 有 レ 省 、 二 主 、 鎭 州 普 化 和 尚 蜩 盤 膨 鰐 入 レ 市 、 振 鈴 鐸 日 、 明頭
來 明 頭 打 、暗
頭 來 暗 頭 打 ・ 四 方 八 面 來 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ）i
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和 A 拈 ）NII-Electronic Library Service 真 字 『 正 法 眼 蔵 』 の 研 究 （ 河 村 ） ト ニ 旋 風 打 、 盧 室 來 連 架 打 、 一 日 臨 濟 令 僧 捉 佳 日 、 或 遇 不 明 不 暗 來一 時 如 何 、 師 拓 開 日 、 來 ン ム コ テ 日 大 悲 院 裡 有 齋 、 僧 囘 擧 似 濟 、 濟 日 、 我 從 來 疑 着 這 漢 、
ミ
粛
仰 山轟
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山罌
、 師 問 日 、蠶
得 恁 歴嘆
， 那 頭 得 恁 歴高
ロ ク ヘ シ ツ ヨ ル コ ト ユ ル ス潟
山 日 、 水 能 卆 レ 物 、 但 以 水 李 、 師 日 、 水 也 無 7 憑 、 和 尚 但 高 處 高 孕 、 低 處 低 雫 、 潟 山 然 レ 之 、 の ロ テ ス ヤ い 一 一 ＋ 四 、 釜 州 大 隋 山 神 照 大 師 矧 議 濺 鰍 因 僧 問 、 劫 火 洞 然 大 千 倶壊
、 未 審 這 箇 還 壌 也 無 、 師 日 、 壊 、 僣 日 、 恁 歴 則 隨 佗 去 也 、 師 日 、 隨 他 去 、 ・ ● 丿 ヲ ● ヤ ツ ツ ワ ル 昌 ヲ ニ ＋ 五 、 地 藏 院 眞 應 大 師 舗 舷 彫 爲 玄 沙 忌 齋 、 請 二 報 恩 和 伺一 喫 藥 石 、 報 恩 看 二 供 養 位 → 不 見 有 眞、莎
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