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結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

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Academic year: 2021

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膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT‑MMP)発現 細胞による細胞外基質の分解

著者 芝原 一繁

著者別名 Shibahara, Kazushige

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成11年7月

発行年 1999‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/15433

(2)

医博甲第1326号 平成10年6月30日 芝原一繁

膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT-MMP)発現細胞による細胞外基質の分解 学位授与番号

学位授与年月曰 氏名 学位論文題目

佐藤 中西功 村上清 博夫史論文審査委員主査

副査

教授 教授 教授

内容の要旨及び審査の結果の要旨

癌の浸潤・転移にともなう組織破壊にはマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)といわれる一群の金属酵素が 重要な役割を果たすと考えられている。MMPの中でも基底膜構成成分であるⅣ型コラーゲンを分解するゼラチナー ゼAが癌組織においては非常に特異的に活性化されている。この癌組織に特異的に発現するゼラチナーゼA活性化因 子として膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT-MMP)が佐藤らによって同定された。MT-MMPは癌浸潤の キーエンザイムとして注目されている。現在3種類のMT-MMP遺伝子すなわちMT-1-MMP,MT-2-MMEMT-3- MMPがクローニングされている。本研究ではヒト胃癌細胞株KKLSおよびイヌ腎上皮細胞株MDCKを用いて,これ らMT-MMPおよびその膜貫通構造を欠失した△MT-1-MMP遺伝子発現細胞株を樹立化し,細胞外基質の分解能お よび細胞の浸潤能を検討することにより以下の結果を得た。

1.MT-1-MMP,MT-3-MMP発現細胞ではゼラチナーゼAの活性化型,△MT-1-MMP発現細胞では活性化中間体 の産生を認めたがMT-2-MMP発現細胞では活性化は認められなかった。

2.ゼラチン分解活性はMT-1-MMP発現細胞でのみ認められ,△MT-1-MMP,MT-2-MMP,MT-3-MMP発現細胞 では認められなかった。MT-1-MMP発現細胞によるゼラチン分解はTIMP-2によって阻害されたがTIMP-1は無効 であった。

3.KKLS細胞のコラーゲンゲルを用いた浸潤測定において,MT-1-MMP発現細胞のみが著明な浸潤能を示した。

この浸潤はMMP特異的阻害剤BB94およびTIMP-2によって阻害されたがTIMP-1は効果がなかった。

4.MDCK細胞をコラーゲンゲル中で3次元培養するとMT-1-MMP発現細胞はコラーゲンゲルを分解し空泡を形成 しながらその内面で増殖した。MT-2-MMRMT-3-MMP,△MT-1-MMP発現細胞はコラーゲンゲルを分解せず に細胞塊を形成して増殖した。

以上の結果から,MT-1-MMP発現細胞による細胞浸潤は活性化されたゼラチナーゼAよりもむしろMT-1-MMP自 身の分解活性によることが強く示唆された。またこの浸潤にはMT-1-MMPの細胞膜貫通領域が重要な役割を果たす

ことが示された。

本研究は癌細胞の浸潤機構を分子レベルで解明し阻害剤開発のための基礎的データーとしてきわめて価値ある研究 と評価され,学位に値すると判断された。

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参照

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