'
q
札 幌 市 の 物 憤 指 数
長谷部亮一
85
これまで北海道には数多くの物債調査と︑それにもとつく少なからざる物慣指数がありながら︑その利用債値は必
すしも高いとはいいえない歌態にあつた︒もとより完壁な物償指敏というものは︑理論的にいりても︑技術的にみて
ロも︑現在のところ不可能な作業に属することではあるが︑本道の物償指敏の信頼性の低いことの主たる原因は︑む﹁し
ろ品目構成やウエイトなどの︑技術的な第二の段階ともいうべきところにおいて︑既につまついているためであり︑
改善の余地が頗る多く淺されているのである︒北海道経濟に關レて︑貨幣評償額によるいろいろな名目額の時間的な
攣化を分析するためにも︑また物債攣動の態檬それ自燈の分析のためにも︑この面の開拓は不可欠の事柄といわなけ
ればならない︒その意味において去る二十七年九月の浩費者物償指数の改正は︑札幌市及び帯廣市について︑現在ま
でのところ最も信頼性のある指敏を供給し︑かつ今迄かくされていた諸問題を明るみに持ち出すものであつたといえ
(1)
よう︒〆
791筆暑に曾つて︑道内におけろ物債調査と物債指⁝敷の飛況な概観し︑品目及び銘柄︑便格條件︑類別構成︑基準時︑ウエイトな4
}鴨
札幌市の物債指一数
ら
86
商學討究第三巻第四號
どの諸貼について︑主として技術的な面から若干の検討を試み穴︒(北海道立勢働科學研究所・研究調査報告第五十二號及び五〇十三號﹁本遣の物個指敷に關すろ研究﹂二十七年二月)塞稿はその補完な目的とする︒︑弼
ちなみに筆者の知りえ☆もののみでも︑昭和二十六年十一月現在において︑道内の物債調査は十四種︑物債指敷は十四種を算え
る︒(六だし各市町の商工會議所で隻施の調査及び指数なも別個に加算すろと︑それぞれ三十種及び二十七種となろ)
=
〆 從來まで實質道民所得の攣化とか︑實質賃金の攣化を考究する場合︑通常消費者物慣指敏の全都市が利用されてい
ね た︒その意味するところは恐らく︑道内で計算されているいかなる指数を用いるよりも︑札幌市と 帯廣市もしくは夕
張市の含まれている二+八都市挙均のものを使用することが︑幾分でも實情に近いということであつたと思われる︒
しかし改正溝費者物償指数が公表されたことによつて︑改めて具膿的に明示せられた事柄は︑二十六年一月から約二
十ケ月間の短かい期聞においてすら︑二十八都市李均指数と札幌市のそれとが︑かなりその動きを異にしているとい
うことであつた汐,
2最近の例としては︑例えば北海道総合開壷委員會事務局﹁昭和二十五年度・分配道民所得調査報告﹂(二+七年九月)九頁︑
道立勢働科學研究所研究調査報告第五十六貌﹁木道賃金資料と現状分析(1)﹂(二+七年四月)四〇頁(ただし同頁第二+三表
の註2に︑消費者物債指敷に東京都のものとあろのは︑職前基準は東京都・職後基準は全部市の誤りであろう)︒
第一表は該指激の札幌市に關するものであるが︑第二表に掲げた全都市卒均と封比してみるならば︑前者における
上昇の傾向が急激であることは明らかに察知できるであろう︒特に主食・佳居p雑費指敏においてその傾向は著しい
ものがある︒いま試みに︑総合指敏における漸増傾向に︑最小自乗法によつて直線を當てはめるならば︑札幌市の方
向係数はプラス○・九九強となり︑全都市のそれはプラス○・五四弱にすぎない︒すなわち札幌市の総合指数は︑こ
\
87
(第 一 表)札 幌 市
線 合 食 料 (主 食,) (非 主 食) 被 服 光 熱 住 居 雑 費
26年1月 89.6 89.4 87.3 90.4 95.2 84.6 82.1 90.1
2 92.1 91.4 88.9 92.7 102.2 87.4 83.8 90.3
3 95.9 95.6 89.5 98.6 109.4 89.7 85.3 92.1
4 97.0 96.9 90.7 100.0 107.5 94.2 87.3 93.5
5 101.9 104.7 90.9 111.7 102.4 93.3 92.1 100.9
6 99.2 100.6 92.2 ユ04.9 98.0 934 96.9 99.8
7 99.4
4 100.1 93.3 103.6 97.3 99.2 97.1 100.0
8 104.2 106.8 113.3 103.5 96.4 104.1 113.7 100.7
9 105.6 106.8 111.7
い
104.3 ,96.3 106.6 114.5 106.8
10 105.5 103.4 113.7 98.2 102.3 115.4 ll5.5
◎ 106.2
11 104.4 101.4 113.4 95.3 97.6 115β 115.9 109.4
12 105.3 102.9 115.0 96.8 96.5 116.7 115.8 110.1
27年1月 109.1 107.9 113.8 104.9 94.5 118.3 117.8 117.3
2 109.0 103.1 114.6 〆104.8 92.5 118.4 118.1 】17.7
3 110.7 111.3 121.4 106.2 91.7 118.1 118.2 118.4
4 109.2 109.1 123.4
'
101.8 86.9 121.3 120.6 1ユ&1
5 109.5 107.4 122.5 99.8 83.8 121.8 121.8 125.5
6 112.2 113.1 123.7 107.8 82.7 120.2 119.4 127.3
7 113.5 115.9 123.6 111.9 83.5 120.3 ll8.4 126.5
8 110.2 109.1 116.3 105.4 83.7 120.3 120.1 126.1
9 108.7 105.9 ユ14.6 101.4 85.1 120.3 ユ20.8 125.6
札幌市の﹁物債指数 の二十一ケ月間
において李均大
艦一・0すつ上
昇しているにか
かわらず︑全都
市の傾伺は約
○・五すつ上昇
しているととに
なる︒参考まで
に︑東京都(第
三表)のそれは
プラス○・四四
弱︑帯廣市につ
いてはブラス
○・八四弱が得
(4)られる︒從つて
もしも全都市指
救を本謹適用.捌
'O
銘
(第 二表)全 都 市
噛
'商學討究第三巻第四號
総 合 食 料 (主 食) (非 主 食) 被 服 光 熱 住 居 難 費
26年1月 92.6 91.1 91.7 90.7 101.8 98.2 89.2 89.8
2 96.0 95.0 92.1 96.8 109.3 95.7 92.5 90.4
3 98.7 98.1 93.3 101.1 113.7 94.3 じ95 .5 92.3
4 99.4 100.5 93.6 104.8 106.7 88.3 99.5 94.4
5 98.8 98.1 93.6 100.9 103.6
■
89.7 100.8 99.2
6 97.9 97.3 93.9 99.4 99.3 90.7 101.1 10L1
7 97.8 97.4 95.0 98.9 96.4 92.8 101.4 100.3
,
8 102.2 105.3 109.2 102.8
噛
91.7 103.5 102.1 100.8
9 103.3 105.1 109.2・ 102.5 93.1 105.1 102.7 104.9
、
10 104.3 105.3 110.q 102.4 94.9 107.1 104.0 107.1
11 104.5 103.6 109.4 100.1 95.2 117.0 105.2 109.6
12 104.4 103.0 108.9 99.4 94.5 117.3 105.9 111.0
27年1月 1Q4.9 103.4 108.5 100.4 92.2 117.2 107.5 113.8
2 104.4 103.3 108.2 100.2 89.8 116.5 108.3 113.3
3 104.7 104.2 108.3 101.6 87.2 117.2 108.8 114.1
4 104.9 104.8 108.8 102.3 84.4 11α5 109.1 116.2
5 104.0 102.5 108.8 98.8 84.3 115.9 109.2 116.3
6 104.3 103.2 111.2 98.4 84.1 115.4
「
亀
109.2 116.7
7 105.6 105.5 111.8 101.8 84.8 115.1 108.9 116.5
8 105.9 105.8 111.3 102.3 85.0 115.2 108.9 117.1
9 105.7 105.0 111.4 101.1 84.8 115.8 109.4 117.9
O
するならば︑こ
の上昇傾向が過
少に評慣され︑
ある名目額に樹
するデフレータ
ーとして用いる
場合︑その實質
的なレベルが過
大評償をうける
ことになる︒
3総理府統計局
編﹁小賓物頂統
計調査報告﹂各
貌によろ︒第二
表及び第三表も.同じ︒
4二十山ハ年十一
月な図HOとす
る直線の方程式
に左のごとし︒
482
'
89
O 9
も
き電計圃11HO鼻・ωO十〇︒OO図
趨騒葛目11HOgゆ.ひ刈十〇・GQ劇図
曄雲一苛圃"HO卜o﹂.H十〇・い群図
渇轍製団11H2・coH+O.虐図.
と同時に︑本道の物償が結局において東京の物債に依存している︑すなわち若干の時間的なラツグをもつて追随し
ているという常識的な解繹が︑いろいろなモデフィケイシ.ンを受けねばならないということにもなろう︒いま札幌市
と東京都の攣動關係を︑爾樹数目盛りのグラフの上に圖示すると第一圖のようになるのであるが︑もし爾指数の饗化
\
(第 三表)
1棘 都 1
1 帯 廣 市 』
26年1月 93.3 90.8
2 97.3 94.0
●
3 99.5 98.5
4 99.9 99.9
5 99.3 98.9
6 98.7 982
7 97.3 98.3
8 100.8 100.6
9 102.6 102.6
10 103.3 103.9
11 104.1 105.9
12 103.8 108.2
27年1月 104.4 109.4
2 104.2 108.3
3 4
104.9 105.0
107.8
冒
106.9
5 103.7 109.2
6 103.0 ユ08.8
7 104.6 109.8
8 104.3 108.3
9 104.0 工08.8
に順相關があれ
ぱ︑書かれた線
は封角線上にあ
るかもしくはこ
れに亭行し︑ま
た札幌市の物便
攣動が︑東京都の物慣の上り下りに繋して一定の逞れをもちながら追随するという傾向があるならばギ右回蒋しなが
ららせん状に移行しなければならない︒しかし圖によれば︑東京都と札幌市の相關度は極めて低いようであり︑特に
二4.七年に入つてからは相關關係が殆んど失われ℃いるとみられ︑かつ追随の關係も僅かに二十六年の前傘において
みられるだけで︑それ以後は常識とは逆に︑形式的にはむしろ札幌市の方が先行の傾向を示している︒第二固は帯廣
市と東京都の關係であるが︑二十六年においてやや相關がみられるとしても︑追随の關係は前の場合と同じく︑最初
らねは若干追随し︑後にはむしろ先行の形をあらわすのである︒ととに示された二十七年の物償攣動が︑ある特殊な事情
札幌市の物僧⁝指勤}
483
、
ゆ 90
(第 一 剛
東
京
tO!s.o
toe.e
都9なo
90.e
『 σ竃o 99.01ρo.o響o㌻.o
札 幌 布
1to.O
●
商學討究第三巻第四號
東
都
(第 二 図 、)
1。と 。
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90.o
8を
3虚・ワ
4381
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99.oSoo.。1。k.o
帯 広 布
̀to。0
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■ ︑ に強く左右されているのかどうか︑問題の解決のためにはより實質的な分析へと進まねばならないが︑とも角も︑東
しゆ京都の物債攣動と本道のそれとを謝比すべき同一地盤は︑この改正指敏によつて始めて用意せられるに至つた︑とい
ー.(6)'つても決して過言ではないであろう︒
'5ちなみに︑全都市指数と東京都指敷とは︑この期間においてかなり密接な相關關係なもつている︒
6なお参考までに︑北海道商工部交易窺光課・北海道脛濟懇話會﹁北海道経濟動向の分祈(第一輯)﹂(二十六年十二月)は︑
経濟審議廃の週間卸賢物債指敷(六だし月指敷にまとめて)と︑交易親光課の遣内卸費物債指敷とな用い︑二十五年七月から二
十六年十月に至ろ十六ケ月間について︑東京卸賢物債と本道のそれとの關係な分析していろ︒(一五‑一六頁及び第九圖)これ
によれば︑憂般的には東京物慣の上昇寧がやや大春いとにいえ︑極めて密捧な相關開係なもつており︑その理由は﹁本道物便の
東京物債への追樋が上昇期にはす早く︑下降期には緩慢であるという事情が︑動齪後相當期間つづい六イy7レ期において︑先
高豫想の適中などの六めに時期的ズレな清し去つれということにで琶ないであろうか﹂(一五頁)と説明されている︒
同様の分析に︑交易槻光課﹁商況速報(第六十六號)﹂(二十七年一月十一日)七頁にも行われており︑相關係敏はO・九九と計
算されている︒
"しかし分析者自身も断つてあるように︑雨指敷の比較繊討の喪めには︑探用品目の種類・計算方法など︑指敷の性格な全く異にーしていることが問題となる︒b︑の揚合の北海道卸蜜物償指敷は︑二十丑年九月における各週平均卸賢償格の︑札幌・小樽・函
館・室蘭・旭川・釧路六市の準均な基準とすろ︑四十三品目の週もしくは旬相揚の月準均の前記六市準均債格︑算式は箪純算術
亭均法であろ︒・
一一 91
札幌市に關しては右の消費者物憤指数の外に︑次のごとき各種の浩費財物慣指数がある︒①札幌商工會議所調の小
費自由物慣指数︑働同じく全道主要都市自由物債指数のうち札幌市指数︑働北海道商工會議所の札幌市市場小費債格
指敏︑㈹北海道新聞肚政経部の消費財物償指数︑㈲北海道商工部商務観光課の北海道小費物償指敏のうち札幌布指
札幌市の物債指敷
485
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