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口腔バイオフィルムにおける薬剤浸透性の評価法

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Academic year: 2021

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北海道医療大学学術リポジトリ

口腔バイオフィルムにおける薬剤浸透性の評価法

著者 藤田 真理

雑誌名 北海道医療大学歯学雑誌

巻 34

号 2

ページ 68‑68

発行年 2015‑12‑31

URL http://id.nii.ac.jp/1145/00010417/

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図.バイオフィルムに浸透・残留したテルペンアルコールの定量方法

(A)ならびにその浸透量と抗菌効果の相関(B)

[最近のトピックス]

口腔バイオフィルムにおける薬剤浸透性の評価法

藤田 真理

北海道医療大学歯学部口腔生物学系微生物学分野

口腔バイオフィルムは菌体外多糖などに囲まれた口腔 細菌凝集体が歯面上のペリクルに付着した三次元的集合 体であり,抗菌薬や免疫細胞の内部への浸透が困難であ ることが知られている.近年,口腔バイオフィルム内部 への薬剤の浸透・殺菌効果の評価には薬剤作用後のバイ オフィルム中の生菌数の測定に加え,膜傷害性を指標と するCalcein−AM(CAM)染色やLive/Dead染色などの蛍 光染色試薬によるバイオフィルム底部の細菌の生死の判 定などが応用されている.しかし,この蛍光染色を用い た判定には偽陽性の可能性(Davey & Hexley, 2011)も 報告されており,単独での判断ではなく,いくつかの方 法を併用した評価が望ましいとされる.

現 在 ま で にCell culture insert を 用 い た Pseudomonas

aeruginosa のバイオフィルムにおける実際の薬剤浸透性

を定量する簡易的定量法(Shigeta et al., 1997)が報告さ れているが,近年我々はヘッドスペース固相マイクロ抽 出(HS−SPME)法(Osada et al., 2013)を応用したガス クロマトグラフィー質量分析法を用いてStreptococcus mutansの既成バイオフィルム中に実際に浸透・残留した 天然精油由来テルペンアルコール量を定量する実験系を 確立した.その結果から,浸透・残留テルペンアルコー ル量とバイオフィルム内の抗菌効果における正の相関を 明らかにし,薬剤の浸透性によるバイオフィルム抗菌効 果を実証している(図).この方法はサンプル中の揮発 性物質を抽出・濃縮して定量するため,実際にバイオフ ィルム中に残留した成分の定量することができる点が非 常に画期的である.

今後,この化学分析法と微生物学的抗菌評価を併用す ることで,バイオフィルムにおける浸透性ならびに抗菌 効果を正しく評価することが可能となり,今後のバイオ フィルムを標的とした口腔ケア製品の開発等にも貢献す るものと期待される.

参考文献

Davey HM, Hexley P. Red but not dead? Membranes of stressed Saccharomyces cerevisiaeare permeable to propid- ium iodide. Environ Microbiol 13 : 163−171, 2011.

Osada K, Kurihara K, Izumi H, Kashiwayanagi M. Pyrazine analogues are active components of wolf urine that induce avoidance and freezing behaviours in mice. PLoS One. 24 : 8(4), 2013

Shigeta M, Tanaka G, Komatsuzawa H, Sugai M, Suginaka H, Usui T. Permeation of antimicrobial agents through Pseu- domonas aeruginosa biofilms : a simple method. Chemo- therapy 43(5) : 340−345, 1997

北海道医療大学歯学雑誌 ! 平成 年

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第34巻2号   4C150 1C133/本文 ※31‐1から組体裁変更 OTF/068     トピックス 藤田  2016.02.15 13.58.21  Page 68 

参照

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