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うつ病女性・健常女性における家事労働・賃金労働上のストレス要因

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Academic year: 2021

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(1)

様式 D

論文審査の結果の要旨

学位記番号 ※ 甲 第 42 号

氏 名 星野 藍子 論 文 題 目

うつ病女性・健常女性における家事労働・賃金労働上のストレス要因

論文審査担当者

主 査 諏訪 真美 副 査 佐々木 政人 副 査 天野 成昭

副 査 舟橋 龍秀 (独立行政法人 東尾張病院 院長)

(2)

様式 D-2

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

38 字×35 行

1.研究の独創性と意義

うつ病に関連した労働ストレス要因の研究はこれまでも多く認められているが、

男性の賃金労働に関するものがほとんどであり、女性のしかも家事労働について のまとまった研究は認められない。本論は、うつ病女性・健常女性の賃金労働と 家事労働におけるストレス要因について検討した初めての研究であり、うつ病 女 性にとって、労働上のストレス要因は何か、そしてそのストレスを低下させる支 援について考えるための基礎的研究としての意義は高いものと思われる。

また、近隣の精神科クリニックの研究協力を得て、うつ病就労女性 56 名、うつ 病非就労女性 42 名、健常就労女性 58 名、健常非就労女性 38 名、合計 194 名に無 記名アンケート調査を行った。特に通院中の女性 98 名のストレスに関して調査で きたことは、この領域の調査としては非常に有意義なものと考えられる。

2. 論文の構成と論理展開の適切さ

本論文は、5 つの章立てとなっており、構成と論理的展開については特に問題は ないものと思われる。

序論においては、先行研究とその研究から本研究に至った着想について述べら れている。そして、1)家事労働におけるストレス評価を可能とする評価表の作成、

2)うつ病女性の労働の情のストレスを明らかにする、3)賃金労働と家事労働に おけるストレス要因のうちうつ病との関連性の高い要因を明らかにする、の三つ の目的が示されている。

二章では研究の概要について示されている。就労女性・非就労女性、うつ病群・

健常群、4 群の対象者について、賃金労働と家事労働のストレスを比較する 4 つ の研究が提示されている。

三章では、4 つの研究について詳細が示されている。研究1: 「家事労働版 NIOSH 調査票の作成と予備調査」、賃金労働のストレス調査である NIOSH 職業性ストレス 調査票を改編し家事労働版の調査票を作成、その適切性・一致について検討した。

研究 2: 「就労女性の賃金労働・家事労働におけるストレス要因の特徴」について、

就労うつ病女性 56 名、就労健常女性 58 名に対して調査し、賃金労働においては 量的労動負荷が、家事労働では社会的支援の低さが特徴であると指摘している。

研究 3:「家事労働のストレス要因の特徴」について、研究 2 の対象者 114 名に加 えて非就労うつ病女性 42 名、非就労健常女性 38 名の家事労働ストレスの結果を 分析している。うつ病群における対人葛藤と裁量権において高ストレスであり、

就労群において量的な負荷と負荷の変動が高ストレスであると述べている。研究

4:「うつ病に関連する労働上のストレス要因について」、 就労うつ病女性のうち

抑うつ傾向が高い 35 名と就労健常女性 35 名を対象とし、ストレス要因 8 尺度と

基礎情報(年齢・賃金労働時間・家事労働時間)について分析し、家事労働およ

(3)

様式 D-2

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

38 字×35 行

び賃金労働における社会的支援がうつ病と関連性が高いことを明らかにしている。

この章で、研究 1 から 3 と研究4との関連性が不明確である点が指摘されたため 研究 3 のまとめの後に、研究 4 への繋がりについて説明を加えることとした。

四章で、この 4 つの研究全体を包括して考察を示している。賃金労働でこれまで も注目されている労働量の高さについては、家事労働でも同様にストレスである ことが示されており、家事労働の量的な負荷の軽減が介入のポイントであること、

また支援の量については職場の心理教育だけでなく、家族への心理教育が必要で あること、さらに家事労働の裁量権の高さを有効に利用できるような介入につい ての検討が必要であること、の 3 点についてまとめている。ここでは序章であげ られた目的への結論が曖昧な示し方であったため、この部分について修正を行う ことを課題とした。

五章では、本研究の限界と課題が示されている。本研究で用いた家事労働につ いての質問紙が、賃金労働のストレス尺度を改編したものであり、家事労働のス トレスを網羅できていない可能性を述べ、次の課題としている。

3.先行研究の検討

日本語 19、英語文献 32、合計 51 の文献について引用されており、適切に引用・

比較検討がなされていると評価できる。

4.総合評価

以上の観点から総合評価して、本学審査委員会は、本論文が博士(社会福祉学)

の学位を授与するに値するものであると評価した。

参照

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