Ⅰ.は じ め に
これまでマーケティング研究の領域においては,原産国研究に関する多 くの研究論文が発表され,かなりの研究成果を上げてきた。それと同時 に,この原産国研究は,メイドイン(国名)に関する研究,固定観念に関 する研究,シングル・キュー(cue)とマルチ・キューに関する研究,原 産国の構成概念を分解した設計国,生産国,ブランド国,部品国,組立国 などの構成概念に分解した研究など研究自体が発展し,多様性を示してき た。それと同時に,この領域においては,Ethnocentrism(自民族中心主義 あるは自民族優越主義)の概念を取り扱った研究へ拡張されてきた。元来,
この自民族中心主義の概念は,社会学の概念であったが,Shimp, Terence 65 商学論纂(中央大学)第59巻第1・2号(2017年9月)
マーケティングにおける消費者自民族 中心主義的傾向に関する研究
──日本,中国,韓国の比較──
奥 本 勝 彦
目 次
Ⅰ.は じ め に
Ⅱ.文献レビュー
Ⅲ.本研究の課題と調査
Ⅳ.調査の結果
Ⅴ.分析の結果
Ⅵ.まとめとインプリケーション
A. and Subhash Sharma(1987)によってマーケティングの領域へ導入され た。この概念は,消費者の自民族を重要視するとか,自民族を第一に優先 して考えるとか,自民族がその他の民族よりも優越しているとかというも のであった。それというのは,今日では,ホーム国以外の国々で製品が生 産されることが多くなってきたけれども,その多くの国々で生産された製 品は,その国々で販売・消費されたり,ホーム国へ輸出されるばかりでは なく,まったく異なった国々へ輸出されるなどということが,グローバリ ゼーションの進展と共に常態化し,ますます拡大しているからである。こ れまでも,特にタイ人や韓国人は,ナショナリズムや自民族中心(優越)
主義がきわめて強いということが調査・研究されてきた(Phau, Ian and Kor-
Weai Chan, 2003)。もっとも,自民族中心主義の傾向をまったくもっていな
い民族などというものは存在しないであろうが,それは,民族によってか なり異なっているのではないかと考えられる。
そこで,本研究では,それらに焦点を当て,調査・研究を行う。特に,
日本,中国,韓国の消費者が一体どの程度の消費者自民族中心主義を示 し,それらは国によって異なっているか否かを追究することが目的であ る。
Ⅱ.文献レビュー
この消費者自民族中心主義(Consumer Ethnocentrism)をマーケティング の領域へ導入したのは,すでに示したように,Shimp, Terence A. and
Subhash Sharma(1987)であった。この消費者自民族中心主義という概念
は,Sumner(1906)によって100年以上も前に導入された自民族中心主義
の一般的概念から適応されたものである。もともと内集団(個人が同一視 する集団)と外集団(内集団と対照をなすものとみなされる集団)間を区別す る純粋に社会学的概念であるけれども,自民族中心主義は,一般的文化
的・社会的分析的枠組みと同様に,個人レベルのパーソナリティ・システ ムに関連した社会心理的構成概念となっている(Levine and Campbell, 1972)。 そして,Shimp and Sharma(1987)は,元来社会学的概念である自民族 中心主義をマーケティングへ導入し,アメリカにおいて2つの調査研究を 実施し,調査項目を117項目から17項目へ削減し,CETSCALE(Consumersʼ
Ethnocentric Tendencies)を完成させた。彼らは,リカートの7点尺度法を
用いて,デトロイト,デンバー,ロスアンジェルス,カロライナの4都市 で調査を実施し,CETSCALEを作り上げた。そして,彼らは,これを「態 度」よりもむしろ「傾向」の測度として特徴づけた。ここでいう態度と は,自動車モデルというような特定の対象に対する消費者の感情に関して もっとも適切に用いられるものであるが,傾向は,全体として外国製品に 対して一貫した形で行動する性向の一般的概念をいう。
ところで,CETSCALEにおけるそれぞれの平均値の合計は,デトロイ トで68.56,デンバーで57.84,ロスアンジェルスで56.62,カロライナで 61.28であった。そして,CETSCALEの得点が,外国製品に対する消費者 の信念,態度,購買意図に強い負の相関があり,消費者の外国製品の行動 と負の相関があり,さらに,消費者自民族中心主義の傾向は,特に,生活 の質や経済的生計が外国との競争によって脅威を与えられる個人間で顕著 であるということを検討した。その際,所有する自動車が,外国車か国産 車かを質問した。しかしながら,これらの相関は,行動の先行要因との相 関ほど強くはない。というのは,アメリカ製の製品と外国製の製品間の実 際の選択は,消費者自民族中心主義の傾向以外のさまざまな要因によって 決定されるということであった(たとえば,製品の入手可能性,価格差)。 結局,マーケティングと消費者行動の研究で注意を受けてこなかった領 域に,この消費者自民族中心主義がギャップを埋めようと目論んでいる。
また,消費者自民族中心主義の概念とCETSCALEは,原産国研究に大
い に 貢 献 し て い る。 た だ し, こ の 消 費 者 自 民 族 中 心 主 義 の 概 念 と
CETSCALEによるその研究は,当初現代のアメリカ社会に限定されてい
た。このShimp and Sharma(1987)以降,その他の地域において概念の妥 当性が検討された。そして,その後,多くの研究者によって,アメリカ以 外でも妥当性があるか否かについて研究が進められた。
また,Netemeyer et al.(1991)は,Shimp and Sharmaによって開発さ
れたCETSCALEがアメリカの消費者のみを標本として開発され,妥当と
されていると指摘している。Netemeyer et al.(1991)は,お互いに積極的 に取引するさまざまな国々に対するCETSCALEのサイコメトリックスや 法則的妥当性,すなわち,CETSCALEと自民族中心主義の構成概念間の クロス・ナショナルな一致を検討した。その際,アメリカ,フランス,日 本,西ドイツの学生に対して調査を実施した。
さらに,Netemeyer et al.(1991)は,CETSCALEが,4ヵ国に対して ユニ・ディメンジョンの要因をもっていると考え,CETSCALEの因子負 荷のパターンは,国々に対して一様であり,CETSCALEの内的一貫性の 推定値は,高く,そして,4ヵ国では等しく,CETSCALEとホーム国に 対する態度間の相関は,4ヵ国に対して有意であり,正であるが,しか
し,CETSCALEに対して判別の妥当性の証拠を示し,CETSCALEは,4
ヵ国に対して国内製品を購買する重要性と有意に,正に相関している。ま
た,CETSCALEは,外国製品を購買することに対する一般的態度の測度
と,そして,その他の3ヵ国からの製品を購買することに対する一般的態 度と有意に,負に相関しており,CETSCALEは,4ヵ国に対して国内製 品を購買する重要性と有意に,正に相関しており,CETSCALEは,4ヵ 国に対して国内製品(vs 外国製品)の嗜好ランキングと有意に,また,正 に相関していることなどについて検討した。
Herche(1992)は,自動車とコンピュータを用いて,CETSCALEと人
口統計的変数の先行要因としての有意差を検討した。この場合,人口統計 的変数には,年齢,地理的地域,組合員,性別,所得,教育などが含まれ た。その結果,彼は,人口統計的変数よりもCETSCALEが有力であると いう結論に達した。しかしながら,結果は,スケールの予測妥当性が製品 に特有であるということを示唆していると結論づけた。
さらに,Herche(1994)は,パソコンのオーナーを対象に全国的な郵送 調査を実施した。彼は,⑴マーケティング戦略(McCarthyのいう4P)が,
外国製品vs国産品の購買行動に基づいてどのように異なっているか,
⑵国産品vs外国製品の所有者の間におけるさまざまなマーケティング・
ミックス構成要因の相対的重要性とは何か,⑶輸入品/国産品の購買決 定は,マーケティング戦略よりもむしろ消費者自民族中心主義的な傾向に よってどの程度影響されるかなどに着目して研究を進めた。このとき,製 品の6項目,価格の4項目,プロモーションの4項目,流通の3項目が検 討された。結局,上記⑴については差異が見出されず,⑵のマーケティ ング・ミックス構成要因の相対的重要性については,また,有意差が見出 されず,⑶では,輸入品の購買について消費者自民族中心主義が重要な 働きをしていると指摘している。
ところで,Sharma et al.(1995)による論文は,消費者自民族中心主義 の理論的選好要因と自民族中心主義が輸入製品に対してもっている影響を 確認している。彼らは,郵送法での調査と,小学校,中学校,高等学校の 生徒の父母に回答を依頼した。そこでは,CETSCALEの尺度得点が,
85.07ときわめて高い得点となった。対象とした製品は,10製品,つまり,
医薬品,台所用品,牛肉,パソコン,宝石,酒,バナナ,保険,ゴルフ・
クラブ,大型冷蔵庫であった。
さらに,彼らは,消費者自民族中心主義的傾向と,輸入製品に対する態 度に対してこれらの傾向がもっているインパクトの先行要因を検討した。
先行的関係に関して,CETSCALEは,集団主義的傾向と愛国的/保守主 義的態度と製品に相関していると示されたが,文化的開放性,教育,所得 と は 負 に 相 関 し て い る と 結 論 づ け た。 そ し て, 分 析 に あ た っ て は,
Sharma et al.(1995)は,因子分析を行った。
Good, Linda K. and Patricia Huddleston(1995)は,統制経済の下で,消 費者の嗜好が,商品の生産や流通において考慮されなかったと指摘し,ポ ーランドとロシアの消費者間に自民族中心主義に対してどのような違いが あるかについて研究した。Good and Huddleston(1995)の研究では,男性 用シャツと女性用セーターについて以前の国営店と民営店が取り上げられ た。
その際,次のような課題を設定した。すなわち,
1.消費者自民族中心主義の得点と国間には違いがあるか。
2.年齢,性別,所得,教育に基づいた自民族中心主義の得点間には違 いがあるか。
3.自民族中心主義得点と諸製品間には違いがあるか。
4.自民族中心主義得点と店舗タイプ間には違いがあるか。
また,Good and Huddleston(1995)の研究によれば,これらの結果とし て,自民族中心主義と諸国間,製品間,店舗タイプ間にはそれぞれ違いが 認められた。しかしながら,人口統計的要因,すなわち,年齢,性別,所 得,教育については,ポーランドとロシア間の一部に差異があった。つま り,ポーランドでは,4つの変数には主効果がみられたが,相互効果はみ られなかった。そして,ロシアでは,教育だけが有意な結果を明らかにし た。
また,Durvasula et al.(1997)は,Shimp and Sharma(1987)が消費者 自民族中心主義を測定するCETSCALEを開発し,国際的に適応させたこ と を 消 費 者 研 究 に 対 す る 重 要 な 貢 献 で あ っ た と 指 摘 し た。 す で に,
Netemeyer et al.(1991)は,4つの異なった西洋化した国々(すなわち,ア メリカ,フランス,日本,ドイツ)に対してCETSCALEのサイコメトリック な特性や法則妥当性を言及した。そこで,Durvasula et al.(1997)は,ア メリカとロシア間のCETSCALEのサイコメトリックな特性と平均値を比 較することによってこの貢献を拡大することを目論んだ。この両国からの 結果は,諸尺度の一次元性,信頼性,判別妥当性,法則妥当性を支持して いる。
Brodowsky(1998)は,日本とアメリカの自動車に対する消費者の知覚
を比較した。つまり,自民族中心主義,製品評価,購買意欲などの関係を 追究した。その際,自民族中心主義は,高い自民族中心主義と低い自民族 中心主義に分けて分析している。また,研究の対象としての自動車自体に ついては,エンジニアリング国,設計国,製造国,組立国に分類した。
CETSCALE,原産国,製品評価,購買意欲,敵愾心,自民族中心主義の
それぞれについて,7点尺度で回答を求めた。そのうえで,自民族中心主 義と購買意欲,自民族中心主義と敵愾心,購買意欲と敵愾心,自民族中心 主義と原産国(中国製品とアメリカ製品),自民族中心主義と製品評価など についてクロス表を作成し,それぞれの関係について分析を行っている。
分析にあたっては,主成分分析を実施し,第1因子をQUALITY,第2因
子をSTATUSとし,また,MANOVAを行っている。
Kaynak and Kara(1998)は,アゼルバイジャンの消費者とそのマーケテ ィング戦略開発上のインプリケーションとしての自民族中心主義的行動を 調査した。Kaynak and Karaは,44人の学生インタビュアーによって調査 を行った。そして,そのデータについて因子分析を用いて分析し,10の因 子を明らかにした。そのなかで,自民族中心主義の得点は,因子5(ファ ッション意識の高い因子)だけが自民族中心主義レベルと有意に相関してい ることを示した。言い換えると,ファッション意識のレベルが高くなるに
つれて,アゼルバイジャンの消費者の自民族中心主義の得点は低くなっ た。また,自民族中心主義の得点とその他のすべての因子相関関係は,統 計的に有意ではなかった。
さらに,もっとも有意なディメンジョンは,家族とコミュニティを志向 する因子であった。たとえば,西欧諸国の消費者の間で見出される種々の ディメンジョン(リスク・テーカー,消費者主義,健康意識)は,アゼルバイ ジャンの消費者の間で見出されなかった。しかしながら,眼識の高い顧客 という市場セグメントにおける消費者は,西欧諸国における消費者に類似 した行動を示した。そのうえ,アゼルバイジャンでは,夫が大部分の家庭 の購入品の中心的な意思決定者であることを明らかにした。
Yoo and Donthu(1999)の研究の目的は,文化的志向と消費者の自民族 中心主義間の関係を検討することであった。彼らは,9つの仮説を設定し た。そして,対象製品として日本製品を選択し,日本製品の知覚品質が,
日本製品の購買意図とポジティブに関係しており,日本製品の購買意図 が,日本製品の実際の所有とポジティブに関係していると指摘した。
また,Watson and Wright(2000)は,これまで,原産国効果を検討した 過去の研究は,自動車,靴,VCRというような多様な製品カテゴリーを 考察し,とりわけオーストラリア,カナダ,中国,フランス,ドイツ,オ ランダ,アイルランド,日本,メキシコ,ニュージーランド,アメリカの 消 費 者 を 対 象 に し た。 た と え ば, そ れ は,Ahmed and dʼAstous 1996 ; Elliott and Cameron 1994 ; Garland and Coy 1993 ; Kaynak 1989 ; Kaynak and Cavusgil 1983 ; Lanz and Loeb 1996 ; Lawrence et al. 1992 ; Nagashima 1970 ; Netemeyer et al. 1991 ; Okechuku 1994 ; Roth and Romeo 1992 ;
Wall et al. 1991などによって行われた。そこで,彼らは,ニュージーラン
ドで入手可能な冷蔵庫,入手不可能なテレビとカメラを取り上げた。
Lanz and Loeb(1996)の研究を一部レプリカして,ニュージーランド,ド
イツ,アメリカ,イタリア,シンガポールで製造される冷蔵庫とニュージ ーランドで製造されていないテレビとカメラを調査した。
そのうえ,彼らは,Schwartzの価値分類を利用し,高い自民族中心主 義と低い自民族中心主義に分類し,研究を行った。製品知覚は技術的な進 歩,名声,技量,価格,信頼性,価値によって,また,消費者自民族中心
主義はCETSCALEによって,人口統計的要因は性別,年齢,民族性,教
育,所得によって調査された。
Clarke et al.(2000)の研究では,⑴アメリカ,メキシコ,フランス,オ ーストラリアにおける標本に対する消費者の自民族中心主義における国の 差異を検討し,さらに,⑵この多数の国々の状況で消費者の自民族中心 主義の先行要因として物質主義と価値観の役割を検討した。そして,これ らの国々における差異を見出そうとした。
彼らは,学生標本を用いて各国で調査し,メキシコの消費者が,フラン ス,オーストラリア,アメリカの消費者よりも自民族中心主義的傾向を示 すことについては一部支持され,フランスの消費者が,オーストラリアな らびにアメリカの消費者よりも自民族中心主義的傾向を示すことについて は支持されず,オーストラリアの消費者が,アメリカの消費者よりも自民 族中心主義的傾向を示すことについては支持された。そして,物質主義と 消費者の自民族中心主義間には,正の相関があることについては支持さ れ,価値観のリストの「内的ディメンジョン」(the list of values=LOV)と消 費者の自民族中心主義間には,負の相関があることについては支持されな かった。また,価値観のリストの「外的ディメンジョン」(LOV)と消費 者の自民族中心主義間には,正の相関があることについては支持され,年 齢と消費者の自民族中心主義間には,正の相関があることについては支持 されず,女性が,男性よりも消費者の自民族中心主義に高いレベルを示す ことについて支持され,所得水準と消費者の自民族中心主義間には,負の
相関があることについては支持されなかった。
また,Pecotich and Rosenthal(2001)は,コンピュータ用のプリンター を用いて,製品評価,価格評価,購買意図に対する原産国と消費者自民族 中心主義とブランドの関係について研究した。実際に調査したのはオース トラリアであったが,対象としたのは,オーストラリア,日本,中国,ガ ボン,シメット(Simet:架空の国)などであった。
また,国産品に対して自民族中心主義的な消費者は,外国製品に対して 非自民族中心主義的な消費者よりも品質評価,価格知覚,購買意図につい てホーム国の製品を高く評価することを明らかにした。特定の製品クラス 内における高い品質の製品の有名な生産者である国は,品質評価,価格知 覚,購買意図に対して貧弱な生産あるいは未知の国よりも高く評価される ことを見出した。
さらに,それらの製品評価,価格評価,購買意図に対する原産国と消費 者自民族中心主義とブランドの変数間の主効果と交互効果についても分析 を進めている。ただ,ほとんどは,これまでの研究と同様な結果を得た が,品質評価,価格知覚,購買意図に対する有意な原産国の影響が存在す るということについては,これまでの研究とは異なった結果になった。
Balabanis, Mueller and Melewar(2002)は,人間の価値観と消費者自民 族中心主義の関係について追究している。その際,人間の価値観に関する
Schwartz(1992)よるフレームワークが,研究の基礎として用いられた。
調査国は,トルコとチェコであり,その際,ANOVAと回帰分析を用いて 分 析 し た。 ま た, 消 費 者 自 民 族 中 心 主 義 は,Sharma et al.(1995)の
CETSCALEを用いている。
これまでのさまざまな研究は,個々の消費者に観察される自民族中心主 義のレベルが文化ごとにさまざまであることを示した(Netemeyer et al.
1991 ; Good et al. 1995 ; Sharma et al. 1995 ; Steenkamp et al. 1998)。しかしなが
ら,Balabanis, Mueller and Melewar(2002)は,これらの違いが起こる理 由に関する説明が行われていないと問題提起している。研究の主要な限界 の1つは,それらが1つの国によって見受けられる名目変数として文化を 取り扱っているということである。地域における新しい研究は,名目変数 としての文化の表現がほとんど理論的で実際的な利用は役立たないことを 示唆している。そして,彼らは,社会科学者によって広く受け入れられて いる実りの多いアプローチは,人間の価値観を用いることによって文化を 検討することであるとしている。
そこで,Balabanis, Mueller and Melewar(2002)の研究は,Sharma et al.(1995)の研究とは異なっており,つまり,それは,最近の進んだ研究 に基づいた価値観のさまざまな概念を使っており,消費者自民族中心主義 に影響を及ぼしそうな利用できる文化的なディメンジョンと人間の動機づ けを研究している。
結果的に,Balabanis, Mueller and Melewar(2002)の研究は,消費者自 民族中心主義に対する価値観の関係が調査された2ヵ国でさまざまである ことを示し,また,価値観の「保守的」タイプが消費者自民族中心主義に ポジティブに関連があることを確認した。
Huddleston et al.(2001)は,ポーランドの被験者がその他の国々,この 場合は,中国,ドイツ,ポーランド,アメリカをどのように知覚している かについて追究した。それぞれの国々の製品に対して品質評価と購買意図 を ど の よ う に 知 覚 す る か が 問 題 と さ れ た。 そ の 際,Huddleston et al.(2001)は,商品を必需品と非必需品に分類した。前者としては缶詰の 肉,シリアル,缶詰の果物,靴,また,後者としては自動車,ラジオ,テ レビ,腕時計を取り上げた。また,CETSCALEを用いて,リカートの7 点尺度によって被験者に回答を求めた。そのうえで,被験者を2つに分類 し,自民族中心主義の測定測度のCETSCALEの得点を4.0で分割し,高い
自民族中心主義と低い自民族中心主義に区別した。
また,ポーランドの消費者にとって自民族中心主義と所得とは逆の関係 を示しているので,価格が自民族中心主義的消費者の重要な選択基準であ った。高い自民族中心主義のポーランドの消費者は,ポーランドと中国か らの製品(自動車,ラジオ,テレビ,腕時計)を低い自民族中心主義の得点 の人々よりも高品質であると評価した。高い自民族中心主義の消費者が自 民族中心主義的ではない消費者よりも中国の非必需品を好ましく評価した ことは,少々分かりにくい結果となった。また,必需品については,ドイ ツとアメリカの肉と果物を除いて,国のすべてのペアは,各々の製品に対 して,有意に違っていると認められ,非必需品については,国のすべての ペアは,すべての製品に対して,ドイツとアメリカの腕時計を除いて,有 意に異なっていると認められた。結局,消費者自民族中心主義が消費者用 製品に対する品質知覚に影響を及ぼすというHuddleston et al.(2001)の 調査結果は,Shimp and Sharma(1987)とSharma et al.(1995)の研究を 支持することとなった。また,購買意図と製品の品質知覚が2つの異なっ た概念であるというPeterson and Jolibert(1995)の提案を支持し,自民族 中心主義は購買意図に等しい影響を及ぼさないということを明らかにした。
Klein et al.(2006)の研究は,学生と非学生の標本を使って中国とロシ アの移行経済における消費者自民族中心主義の尺度,つまり,CETSCALE のサイコメトリックな特性を評価した。
その結果,ロシアと中国の被験者を比較したとき,中国よりもロシアの
方がCETSCALEの得点が高いことが把握された。その際,CETSCALE
は, 当 初Shimp and Sharma(1987)に よ っ て17項 目 で 作 成 さ れ, 後 に Netemeyer et al.(1991)によって10項目に削減されたが,Klein et al.の研 究では6項目の測度が主唱され,調査された。
また,Kaynak and Kara(2002)は,トルコの消費者に対して大学院生に
よるインタビューによって調査を実施し,製品・国のイメージと自民族中 心主義を検討した。元来著者たちは,トルコの消費者が外国製品をどのよ うに知覚するかを探求しようとしたが,その際,製品・国のイメージに関 連づけて検討した。
Kaynak and Kara(2002)は,Shimp and Sharma(1987)のCETSCALE を用いて分析を試みた。イスラム教徒と非イスラム教徒間では,前者が後 者よりも高い自民族中心主義を示した。そこで,彼らは,研究の一般性を 求めるために,4ヵ国と2つの地域,つまり,日本,アメリカ,ロシア,
中国と,東ヨーロッパと西ヨーロッパで分散分析を行った。その結果,ト ルコの消費者がコミュニティ志向になればなるほど,自民族中心主義にな り,一方,彼らがオピニオン・リーダーになればなるほど,自民族中心主 義ではなかった。
そのうえ,Kaynak and Kara(2002)は,日本,アメリカ,西洋諸国から 入手した製品が有名なブランド名というような非常に類似した属性と関連 していると知覚されることを見出した。そして,技術的に高度であり,高 価で,贅沢であり,良いスタイルや外観をもち,非常に大量に広告されて いると知覚された。一方,ロシアの製品は,信頼性,耐久性,サービスに おいて劣っていると知覚された。中国,ロシア,東ヨーロッパからの製品 にはネガティブな知覚があると明らかにされた。
Moon and Jain(2002)は,韓国のソウル市で成人の消費者を対象に調査 を実施した。その際,対象国としては,アメリカ,ドイツ,フランス,イ タリアであった。Moon and Jain(2002)は,まず初めに,対象とされた4 ヵ国に対する被験者の国の態度と消費者自民族中心主義の程度を測定し た。次に,7点の意味判別尺度を用いて被験者の原産国に関する知覚を測 定した。それから,被験者は,外国の広告と広告された製品に対する反応 を測定するために,刺激広告と自己完成の質問票を与えられた。そこで,
取り扱われた製品は,高いプロトティピカルな製品として冷蔵庫,自動 車,コニャック,革ソファー,低いプロトティピカルな製品として化粧 品,子供服,スチーム・アイロン,食器洗い機である。そして,前者と後 者に被験者を割り当てた。彼らは,外国の広告の購買提案と創造的なプレ ゼンテーションに対する消費者の反応,外国の広告に対する消費者の態度 に対する影響,特定の国に対するポジティブな(ネガティブな)態度をと る消費者は,外国の広告の文化に関連した創造的なプレゼンテーションに 対する好ましい(好ましくない)反応を取ることを明らかにした。
Orth and Firbasova(2003)は,原産国(COO)効果について豊富な文献 があるにもかかわらず,COO効果の先行要因のさらなる経験的な研究の 必要があると指摘したうえで,消費者自民族中心主義(CETSCALEによっ て測定されるように)が,その変数だけで,また,その他の変数と関連づけ て,どの程度国内の食料品対外国の食料品について消費者の評価を予測す ることができるかについて検討している。彼らは,これまでの研究を,シ ングル・キュー・モデルvsマルチ・キュー・モデルの使用,学生標本の 利用,属性調査の使用,記述的vs具体的な(製品)情報の異なる形態の使 用,COO効果の先行要因の考慮の不足などから生じていることに終始し ていたと指摘している。たとえば,(Ozsomer and Cavusgil 1991 ; Peterson and Jolibert 1995)などである。
また,Orth and Firbasovaは,チェコで調査を実施し,対象製品として
ヨーグルトを取り上げた。そこで,国産品と外国からの輸入品の原産国,
つまり,フランス,ドイツ(先進国),ロシア(発展途上国)を比較し,そ れらのヨーグルトを代表的製品として取り上げた。
具体的に,彼らは,次の3つの研究課題を設定した。すなわち,⑴自 民族中心主義的な個人は,非自民族中心主義的な個人よりも国産品として 知覚されるヨーグルトを好意的に評価する。⑵高齢の個人,低関与の個
人,購買頻度の低い個人,購買量の少ない個人は,他の人々よりも国産品 のヨーグルトを好意的に評価する。⑶自民族中心主義的な個人は,非自 民族中心主義的な個人よりも,高齢で,ヨーグルトの購買頻度が少なく,
一度の購買量が少ないなどである。結局,彼らによって設定された課題 は,彼らによってすべて経験的に実証された。そして,調査結果は,消費 者自民族中心主義の消費者が,製品評価が強く,有意な予測因子であるこ とを示唆している。
また,Balabanis and Diamantopoulos(2004)は,イギリス,アメリカ,
ドイツ,日本,イタリアを調査対象とし,8製品,つまり,自動車,食料 品,テレビ,トイレタリー,ファッション・ウェアー,玩具,DIY用品,
家具を検討した。
自民族中心主義と(国産品と外国製品の両者に対する)消費者の嗜好間の 関係は,製品カテゴリーごとにさまざまであり,言い換えると,外国製品 に対する消費者の評価あるいは嗜好は,製品─特有であり,原産国─特有 であり,あるいは,製品/原産国─特有であると指摘した。もっとも重要 なことに,自民族中心主義は,消費者の嗜好あるいは購買意図の説明変数 としてめったに考慮されることがなかった(顕著な例外は,Brodowsky 1998 ; Hadjimarkou et al. 1996 ; Watsonn and Wright 2000)としている。
そのうえで,自民族中心主義と,国産品と外国製品との関係について追 究した。そこで,前者については正の関係,後者については負の関係を明 らかにした。また,その両者の関係の大きさは,製品カテゴリーに特有で あることも明らかにした。
Wang and Chen(2004)は,これまで研究が先進国で行われてきており,
自民族中心主義的消費者が国産品の購買意欲を示すことを例証してきた し,彼らは,発展途上国,すなわち,中国の状況において消費者による国 産品の購買意欲と自民族中心主義間の関係において国産品の品質判断と衒
示的消費(conspicuous consumption)をモデレートする役割を研究した。
その際,先進国と発展途上国では,国産品と輸入品に対して価値や態度 が異なるという仮定を置いて,自民族中心主義はShimp and Sharma(1987)
によるCETSCALEから,衒示的消費は,Marcoux et al.(1997)から,国 産品の購買意欲はKlein et al.(1998)から援用された。先進国ばかりでは なく,自民族中心主義の高い被験者と低い被験者では国産品と輸入品に対 する態度が異なっていることを明らかにした。
Saffu, K. and J. H. Walker(2005)の研究は,先進国としてのカナダと移 行経済国としてのロシアにおいて消費者自民族中心主義を測定するために
CETSCALEのサイコメトリックな特性を比較し,尺度の異文化間の信頼
性と妥当性を確認し,CETSCALEの平均値が,ロシアの回答者よりもカ ナダの回答者のほうが有意に高く,CETSCALEで測定されるように,消 費者自民族中心主義的な傾向は,教育のレベルとネガティブに相関し,女 性にポジティブに相関していることを明らかにしようとした。
彼らは,CETSCALEの初期の研究と比較し,CETSCALEには,カナダ とロシアにおける一次元因子構造があり,因子負荷量のCETSCALEのパ ターンがカナダとロシアのデータ・セットに対して一様であることを確認 することを目論んだ。そして,CETSCALEにおいてカナダが48.611,ロ シアが53.454という平均値の合計を算出した。これらは,韓国の85.07
(Shimp et al. 1995),ロシアの32.02(Durvasula et. al. 1997),オーストラリア
の89.24(Mulye et al. 1997)と比較すると,かなり低いことが明らかにされ
た。また,両国の被験者については,CETSCALEの項目5,10,15で有 意差がみられた。
また,彼らは,人口統計的変数についても着目したが,教育については 有意差がみられたが,性別や年齢については有意差がみられなかった。
Reardon et al.(2005)は,移行経済内で自民族中心主義と経済発展がブ
ランドと広告に対する態度形成にどのように影響を及ぼすかを追究するこ とを試みた。彼らの研究で取り上げられた移行経済とは,カザフスタンと スロバニアであった。
彼らの研究の結果は,自民族中心主義がスロバニアではなく,カザフス タンに対してのみネガティブなブランドをもたらし,また,ブランドに対 する自民族中心主義の影響は,新しい移行経済において,より強かったと いうことであった。
Hamin and Elliott(2006)は,インドネシアの被験者を対象にインタビ ュー調査を実施した。彼らは,有形財としてテレビ,無形財として国際航 空を取り上げた。高い自民族中心主義の被験者と低い自民族中心主義間で ブランド,価格,COA,CODに対して有意差があるか否かを検討した。
そのうえで,先進国(MNC)と低開発国(LDC)を比較した。
そこで,彼らは,次のような結果を得た。つまり,⑴ LDC,すなわち,
インドネシアにとって消費者自民族中心主義の高いレベルは,LDCにお ける消費者がMNCからの製品をより高く評価するということを示唆して いる初期の理論に反対した結果を得ている。また,⑵高い自民族中心主 義の得点にもかかわらず,インドネシアの回答者は,ブランドの次に,価 格よりも有形財のCOAとCODの方が重要であると評価した。⑶これら の結果は多少思索的であるけれども,それらは,COOが無形のサービス に対して強力な事実上のブランドとして役立つということを示唆してい る。⑷これらの結果は,サービスのCOO効果が有形財よりもより重要で あるということを示唆している。
ま た, さ ま ざ ま な 研 究 の 中 で, 文 献 研 究 を 行 っ た の は,Shankar- mahesh, Mahesh N.(2006)であった。Shankarmaheshは,消費者自民族 中心主義の先行要因と結果要因などに関する既存の研究の時宜を得たレビ ューと統合的枠組みを提供しようとした。自民族中心主義の先行要因に
は,4つの幅広いカテゴリーがあるとした。すなわち,社会心理的要因,
経 済 的 要 因, 政 治 的 要 因, 人 口 統 計 的 要 因 の4つ で あ る。 そ こ で,
Shankarmahesh(2006)は,⑴社会心理的要因として,文化的開放性,世
界観,愛国心,保守主義,集団主義・個人主義,敵愾心,物質主義,価値 観のリスト,顕著さ,独断論,⑵経済的環境,⑶政治的環境,⑷人口統 計的先行要因として,年齢,性別,教育,所得,人種/民族的グループ,
社会階級など,さらに,消費者自民族中心主義の結果,直接的結果,媒介 要因による結果,モデレータによる結果などについて述べている。
Shankarmahesh(2006)の研究以外は,ほとんどすべて経験的研究であ
るといえよう。それに対して,このShankarmaheshの研究は,まさに希 少な研究であったといえる。
Liu et al.(2006)は,消費者自民族中心主義が仮説設定された外国のパ
ン店のために3つの店の看板……⑴中国語名,⑵英語名と中国語名,
⑶原産国(COO)と一緒になった両方の言語……に関して中国の消費者の 評価にどのように関連しているかを検討した。これと同時に,消費者の態 度と購買意図,人口統計的要因と,それらとの関係についても,研究を進 め た。 ま た, 消 費 者 自 民 族 中 心 主 義 を 測 定 す る た め に,Shimp and
Sharma(1987)によって作成されたCETSCALEを用いて,リカート尺度
によって測定された。
その結果,消費者自民族中心主義は,二ヵ国語の看板に有意な関係を示 した。低い自民族中心主義的な消費者と比較して,高い自民族中心主義的 な消費者には,二ヵ国語の看板に対して有意に好ましくない態度と購買意 図があった。しかしながら,自民族中心主義は,中国語だけの看板に対す る態度と意図との関係をまったく示さなかった。彼らは,COOが外国ブ ランドの評価に対する自民族中心主義のインパクトをモデレートすること ができるということを明らかにした。そして,アメリカのブランドに対し
て有意であったが,COOがオーストラリアであるとき,有意ではなかっ たことを明らかにした。さらに,性別は,従属測度と有意な相互作用を示 さなかった。製品関与は,強力な結果,看板⑴と⑵に対する店の看板と 購買意図との有意で,ポジティブな相互作用を示した。年齢は,看板
⑴に対するストア・サインと購買意図との有意で,ネガティブな相互作 用を示した。所得は,看板⑴に対する購買意図との有意で,ポジティブ な相互作用を示している。教育は,看板⑵と店の看板との有意で,ポジ ティブな相互作用をもっていた。しかしながら,原産国を含めることは,
人口統計と製品関与のために影響を減少させることなどを明らかにした。
Spillan et al.(2007)は,グアテマラの自民族中心主義とライフ・スタイ ルが,どのような要因が購買パターンに影響を与えるかについて視点を開 発するために分析を行った。
その結果,Spillan et al.による研究のファインディングは,種々のライ フ・スタイルのディメンジョンが自民族中心主義的購買傾向に対する影響 をもっているグアテマラの消費者間に存在しているということを示した。
3つの主要なディメンジョン,すなわち,リーダーシップ,コミュニティ
の関心,健康意識は,西洋の国々の消費者間に見られる。また,グアテマ ラの消費者における主要なライフ・スタイルのディメンジョンとしても存 在している。統計的に有意な相関は,グアテマラの消費者のライフ・スタ イル・ディメンジョンとそれらの自民族中心主義のスコア間に見出され た。そして,同様に実践性,コスト意識,幸福感などの要因は,自民族中 心主義のスコアと統計的に負の相関をもっていた。したがって,自民族中 心主義的なグアテマラの消費者は,コスト意識,実践性,幸福感がほとん どないか,あるいは,その逆である。一方,コミュニティ志向は,自民族 中心主義のスコアと統計的に正に相関していることなどを指摘した。
Chryssochoidis et al.(2007)は,ギリシャの消費者が自民族中心主義の
レベルを評価することばかりではなく,消費者自民族中心主義と原産国効 果の関係も研究し,輸入食料品に関する消費者の知覚について諸概念のイ ンプリケーションを検討した。
彼らは,3つの異なる国々,つまり,ギリシャ,オランダ,イタリアと 3種類の製品,すなわち,ビール,ハム,チーズを選択してCOO効果が 現れるレベルを分析した。その際,そのCOO効果は,国に特有であるの か,製品に特有であるのかを明確にしようと試みた。また,CETSCALE によって測定される消費者自民族中心主義の概念上の検討と同様に,ギリ シャの消費者におけるCETSCALEの適用性を検討し,消費者自民族中心 主義のさまざまなレベルと消費者の特徴的な人口統計的特徴とさまざまな 消費者クラスターの存在を識別した。そのうえ,COO効果が食料品の評 価状況で消費者自民族中心主義のさまざまなレベルのクラスターごとに活 発になるレベルを識別した。
その結果,若く教育レベルの高い消費者は,非自民族中心主義的であ り,比較的高齢で教育レベルの低い消費者は自民族中心主義的であった。
また,クラスター分析の結果は,COO効果が現れるので,自民族中心主 義が消費者の信念ばかりではなく,国産品と外国製品の知覚品質が評価さ れる方法にも影響を及ぼすことを示した。さらに,非自民族中心主義は,
自民族中心主義とは違って,一般に,外国製品が全体的に拒絶されずに,
国産品を好意的に評価した。また,彼らは,COO効果が製品のレベルで はなく属性(属性に特有)のレベルで顕著であると考えている。
Luthy, M.(2007)は,アイスランドで調査研究を進めた。Shimp and
Sharma(1987)によって自民族中心主義的な傾向と購買行動の関連を追究
さ れ た が, そ れ は, ア メ リ カ 人 に 対 し て 行 わ れ た。 ま た,Luthyは,
Luque-Martinez et al.(2000)によってメキシコで,Shoham and Brencic
(2003)によってイスラエルで,Saffu and Walker(2005)によってカナダ
とロシアで,Good and Huddleston(1995)によってポーランドとロシアで 検討されたと指摘した。また,Luthy(2007)の調査対象の被験者は,ア イスランドの学生と大学院生であった。
そこで,Luthyは,CETSCALEを⑴アイスランド語のみ,⑵英語のみ,
⑶アイスランド語と英語の併記によっていずれが高いレベルの消費者自 民族中心主義を示すかを追究した。その結果,分散分析によって,Luthy
(2007)は,3つの状況間に統計的に有意な違いを見出しえなかった。
国際マーケティング研究においては,外国製品とは対照的に,消費者が 国産品の嗜好に対して先有傾向があるかどうかについて長く関心をもって きた。そこで,Evanschitzky et al.(2008)は,ドイツの市場におけるその ような国内のバイアス(Domestic-Country Bias)について評価を行った。そ の時,彼らの研究は,Balabanis and Diamantopoulos(2004)の研究を拡張 しようと試みたものであり,また,Herche(1992)の研究に近いものであ った。彼らは,調査をドイツで実施し,対象国をアメリカ,フランス,イ ギリス,日本,イタリア,ドイツとした。さらに,彼らは,自動車,食料 品,テレビ,化粧品,ファション・ウェアー,玩具,DIY,家具,医薬品,
革製品,織物,電子製品,パック済み食料品,生鮮食品など14の製品カテ ゴリーに対して調査を行った。その際,消費者自民族中心主義について は,10項目のCETSCALEを用いた。
具体的には,自民族中心主義の消費者嗜好が,国産品あるいは外国製品 にポジティブか,ネガティブかに関連しており,その関連の大きさは,国 産品あるいは外国製品の製品カテゴリーによってさまざまである。さら に,国の経済的競争力のレベルが高くなればなるほど,ますます自民族中 心主義と外国の製品に対する消費者嗜好のネガティブなつながりは弱くな り,ホーム国に対する国の文化的な類似性のレベルが高くなればなるほ ど,ますます自民族中心主義と外国の製品に対する消費者嗜好間のネガテ
ィブな関連は弱くなるということなどを問題提起した。
その結果,COO効果が製品カテゴリーに特有であることを確認してい る。そして,それは,Balabanis and Diamantopoulos(2004)によって得ら れた調査結果とも一致していた。
Erdogan and Uzkrt(2010)は,自民族中心主義と製品に対する態度の関 係を検討し,人口統計的変数について,また,自民族中心主義と製品に対 する態度の関係が人口統計的変数によってさまざまであることを研究し た。その際,トルコの被験者が,7ヵ国(アジアでは日本と中国,アメリカ で は ア メ リ カ,EUで は フ ラ ン ス, ド イ ツ, イ タ リ ア )を 評 価 し た。 ま た,
Kaynak and Kara(2002),Watson and Wright(2000),Han and Terpstra
(1988)などから援用して,8変数,つまり,品質,性能,頑丈さ,ブラ ンド・イメージ,スタイル,デザイン,多様性,価格について評価した。
その結果,自民族中心主義と人口統計的変数(性別,教育,年齢,所得)
は有意差を示し,また,自民族中心主義の高い得点の消費者は,低い得点 の消費者よりも外国製品に対して好ましくない態度をとり,さらに,自民 族中心主義の高い得点の消費者は,外国製品よりも国産品に対して好まし い態度をとることを明らかにした。
Parker et al.(2011)は,消費者自民族中心主義,原産国,製品判断,購 買意欲,北部中国の港町における経済的に恵まれた中国の大学生の標本間 の外国製品に対する敵愾心(animosty)を含む自民族中心主義的な傾向を 検討した。つまり,彼らの研究は,中国のより発展した地域に住んでいる 中国人消費者が中国の国産品と外国製品(アメリカ製品)をどのようにみ ているかについて検討することであった。
また,彼らは,自民族中心主義,COO,製品判断,購買意欲,敵愾心 に関連した項目を調査項目に含めた。その際,中国人消費者の自民族中心 主義を測定するために,Shimp and Sharma(1987)によって作成された
CETSCALE尺度を用いて研究を進めた。原産国効果は,Pisharodi and
Parameswaran(1992)により提供される尺度を用いて測定された。製品判
断,購買意欲,敵愾心は,Klein et al.(1998)によって用いられた尺度を 使って測定された。
その結果,本研究では,自民族中心主義,COO,製品判断,購買意欲,
敵愾心に関連した項目の基本統計とピアソンの相関について算出してい る。
Josiassen et al.(2011)は,消費者の人口統計的特徴がどのように影響を 及ぼし,購買意欲に対して消費者自民族中心主義とどのように相互作用す るかを明らかにした。これまで多く行われてきた研究は,消費者自民族中 心主義の傾向が顧客の特徴によって直接影響されることを示してきた。そ こで,彼らは,消費者自民族中心主義と購買意欲の関係の強さが,顧客の 特徴によって影響を及ぼされることを明らかにしている。また,彼らは,
消費者の人口統計的特徴の役割をさらに明確にしている。
結局,低い所得の消費者が高い所得の消費者よりも消費者自民族中心主 義的である傾向があり,性別では,消費者自民族中心主義的である傾向が あることは認められなかった。高齢の消費者が消費者自民族中心主義的で ある傾向があることは認められた。さらに,購買意欲に対する消費者自民 族中心主義のインパクトは,消費者の所得に応じて増加することも認めら れなかった。
Ⅲ.本研究の課題と調査
すでに指摘されたように,この消費者自民族中心主義に基づいた製品評 価に対する影響がアメリカの消費者に対して多く実施されてきた。もっぱ らこれまでの研究は,特に,Shimp and Sharma(1987)によって作られた
CETSCALEを用いてアメリカの消費者を中心にCETSCALEの妥当性があ
るか否かが検討されてきた。そのために,アメリカ以外の国々で妥当性が あるか否かを検討することは急務とされた。そして,さまざまな国々,特 に,アメリカ,フランス,ドイツなどで行われた。もっとも,若干ではあ るが,日本に対してもその他の国々との比較において研究されてきてい る。そこで,本研究では,これまでまったく比較研究されたことがなかっ た日本,中国,韓国の被験者に対してCETSCALEに基づいて調査を実施 し,それらを比較検討する。したがって,本研究では,日本,中国,韓国 の国々でどのように考え方が異なっているかを追究し,その結果をマーケ ティング戦略に活かそうというものである。
また,課題を次のように設定する。
課題1:日本,中国,韓国における被験者間には消費者自民族中心主義 に違いがあるか否か。
課題2:日本,中国,韓国の被験者には消費者自民族中心主義と人口統 計的変数と相関があるか否か。
Ⅳ.調査の結果
調査については,主として,日本においては,東京都とその近郊,中国 においては,大連および瀋陽市とそれぞれの近郊,韓国においては,ソウ ル市,仁川市,京畿道(キョンギド)とその近郊で行われた。
また,日本の被験者は,総数で214票であった。その男女の比率は,男 性が49.53%,女性が50.00%,不明が0.4%であった。また,被験者の年齢 構 成 と し て は, ①10代 は な く, ②20代 は13.08%, ③30代 は13.08%,
④40代は33.18%,⑤50代は28.97%,⑥60代以上は11.21%,⑦無回答が 0.28%であった。
住居としては,①東京都が61.68%,②神奈川県が14.02%,③埼玉県
9.81%,④千葉県が6.54%,⑤その他が7.48%,⑥無回答が0.47%であっ た。また,勤務先としては,①官庁・役所が2.34%,②民間企業が60.28
%,③合弁企業がなく,④主婦が28.97%,⑤その他が7.94%,⑥無回答 が0.47%であった。また,業種としては,①製造業が17.29%,②卸売業 が2.80%,③小売業が7.48%,④サービス業,24.30%,⑤主婦27.57%,
⑥その他が20.94%,⑦無回答が0.47%であった。
さらに,産業分類としては,①土木・建設が3.74%,②食料品が0.93
%,③紙・パルプが3.74%,④繊維・衣服が2.34%,⑤化学が0.47%,
⑥機械・精密機器6.07%,⑦石油・石炭・ゴム製品0.47%,⑧鉄鋼・金 属・非鉄金属が1.40%,⑨輸送機器1.87%,⑩電気機器が4.67%,⑪情 報・通信が3.74%,⑫金融が2.80%,⑬運輸・倉庫が5.14%,⑭商業4.21
%,⑮サービスが13.08%,⑯主婦が28.50%,⑰その他が16.36%,⑱無 回答が0.47%であった。
また,中国の被験者は,総数で302票であったが,その内容は,男性が 59.27%,女性が40.73%であった。年齢では,①10代が6.95%,②20代が 25.83%,③30代が30.79%,④40代が21.19%,⑤50代が9.27%,⑥60代 以上が5.96%であった。
住居としては,①瀋陽が61.26%,②瀋陽郊外が12.25%,③大連が 17.22%,④大連郊外が5.30%,⑤その他が3.97%であった。また,勤務 先としては,①官庁・役所が8.28%,②民間企業が17.88%,③合弁企業 が31.46%,④学生が10.93%,⑤主婦が8.28%,⑥その他が23.18%であ った。また,業種としては,①製造業が5.63%,②卸売業が21.52%,
③小売業が13.25%,④サービス業が16.56%,⑤学生が10.93%,⑥主婦 が7.28%,⑦その他が24.83%であった。
さらに,産業分類としては,①土木・建設が3.64%,②食料品が8.28
%,③紙・パルプが5.30%,④繊維・衣服が2.32%,⑤化学が0.99%,
⑥機械・精密機器が5.96%,⑦石油・石炭・ゴム製品が1.66%,⑧鉄鋼・
金属・非鉄金属が2.65%,⑨輸送機器が3.64%,⑩電気機器が1.32%,
⑪情報・通信が0.99%,⑫金融が2.98%,⑬運輸・倉庫が12.25%,⑭商 業が2.32%,⑮サービスが5.30%,⑯学生が9.27%,⑰主婦が7.28%,
⑱その他が23.84%であった。
また,韓国の被験者は,総数で316票であったが,その内容は,男性が 51.58%,女性が48.42%であった。年齢では,①10代が0.32%,②20代が 29.11%,③30代が21.52%,④40代が22.47%,⑤50代が21.84%,⑥60代 以上が4.75%であった。
住居としては,①ソウル市が35.76%,②仁川市が22.15%,③京畿道
(キョンギド)が36.39%,④その他が5.70%であった。また,勤務先とし ては,①官庁・役所が6.33%,②民間企業が55.70%,③合弁企業が3.16
%,④学生が17.72%,⑤主婦が17.09%,⑥その他はまったくなかった。
また,業種としては,①製造業が23.10%,②卸売業が7.91%,③小売業 が5.38%,④サービス業が33.86%,⑤学生が18.04%,⑥主婦が11.71%
であった。
さらに,産業分類としては,①土木・建設が6.01%,②食料品が7.59
%, ③紙・ パ ル プ は な く, ④繊 維・ 衣 服 が4.75%, ⑤化 学 が5.70%,
⑥機械・精密機器が3.48%,⑦石油・石炭・ゴム製品が0.63%,⑧鉄鋼・
金属・非鉄金属が2.85%,⑨輸送機器が1.58%,⑩電気機器が1.90%,
⑪情報・通信が4.43%,⑫金融が4.11%,⑬運輸・倉庫が0.95%,⑭商 業が2.85%,⑮サービスが25.63%,⑯学生が18.04%,⑰主婦が9.81%で あった。
また,調査の結果によると,日本の被験者のCETSCALEにおける各調 査項目の平均値の合計点は,55.80,中国の被験者の合計点は,72.43,韓国 の被験者の合計点は56.99であった。したがって,これらの国々において
もっとも消費者自民族中心主義が高かったのは,中国であった。また,韓 国は,日本と比較して若干高かったが,それほどの違いはみられなかっ た。Shimp and Sharma(1987)によるアメリカの4大都市における調査で は,リカート尺度でデトロイトでは68.58,カロライナでは61.28,デンバ ーでは57.84,ロスアンジェルスでは56.62であった。この点からみると,中 国の平均値の合計は,若干今回の調査でも,Shimp and Sharma(1987)の 調査結果と比較しても,高いように思われる。しかし,それ以外の韓国,
日本の被験者は高くなく,アメリカの4大都市のデンバーならびにロスア ンジェルスとかなり似ているといえよう。しかしながら,Phau and Chan
(2003)の研究とは,大いに異なっていた。つまり,Phau and Chan(2003)
の研究によると,韓国とタイは,自民族中心主義とナショナリズムが強 く,日本ならびにシンガポールは,自民族中心主義とナショナリズムが弱 く,香港は,自民族中心主義だけが強かった。その点からいうと,今回の 調査における韓国の評価点は,きわめて特徴のあるものといえよう。
日本,中国,韓国のそれぞれの被験者のCETSCALEの平均値は,表1 に示されている。表1の質問項目は,Shimp and Sharma(1987)のオリジ ナルを示している。本研究では,表のアメリカについては日本,中国,韓 国と置き換え,それぞれの言語に翻訳して調査した。
表1の通り,中国の平均値がもっとも高くなっている。そして,日本と 韓国の被験者はかなり似通った回答をし,同じような信念をもっているこ とが認められる。また,[3]の質問項目については,中国よりも低いが,
日本ならびに韓国では高くなっている。[4]の質問項目については日本の 被験者が高くなっている。それと同時に,[12]の質問項目については,
日本ならびに韓国では低くなり,[13]の質問項目については,それらが 共に高くなり,[14]の質問項目については,共に低くなっていることが 明らかになった。
表1
質 問 項 目 日本 中国 韓国
1. American people should always buy American-made products instead of imports.
3.61 5.57 3.85
2. Only those products that are unavailable in the U.S.
should be imported.
3.53 4.80 3.77
3. Buy American-made products. Keep America working. 3.78 4.73 4.35 4. American products, first, last, and foremost. 5.14 4.67 3.75 5. Purchasing foreign-made products is un-American. 3.19 4.74 3.12 6. It is not right to purchase foreign products, because it
puts Americans out of jobs.
3.03 3.24 3.06
7. A real American should always buy American-made products.
3.01 4.34 3.07
8. We should purchase products manufactured in America instead of letting other countries get rich off us.
3.37 4.22 3.55
9. It is always best to purchase American products. 3.24 3.73 3.51 10. There should be very little trading or purchasing of
goods from other countries unless out of necessity.
3.15 3.93 3.35
11. Americans should not buy foreign products, because this hurts American business and causes unemploy- ment.
2.91 3.44 3.25
12. Curbs should be put on all imports. 2.45 4.16 2.58 13. It may cost me in the long-run but I prefer to support
American products.
3.86 4.27 3.74
14. Foreigners should not be allowed to put their products on our markets.
2.65 4.34 2.74
15. Foreign products should be taxed heavily to reduce their entry into the U.S.
3.01 4.43 3.17
16. We should buy from foreign countries only those products that we cannot obtain within our own country.
3.21 4.33 3.17
17. American consumers who purchase products made in other countries are responsible for putting their fellow Americans out of work.
2.65 3.47 2.96
Ⅴ.分析の結果
課題1について
本研究では,Shimp and Sharma(1987)によって行われた研究がマーケ ティング研究に消費者自民族中心主義という概念を導入したことがはじめ であることは認められている。しかしながら,彼らの研究以降ほとんどの 研究は,アメリカを中心として行われてきた。そして,その妥当性につい てはいくつかの研究によって実証されてきた。つまり,このCETSCALE が学問上の法則妥当性,判別妥当性,内的一致性を有しているか否かにつ いては,Netemeyer et al.(1991),Durvasula, et al.(1997)などを参照され た い。 そ れ に 対 し て,Kaynak et al.(1998)は ト ル コ で,Clarke et al.(2000)はアメリカ,メキシコ,フランス,オーストラリアで,Durva- sula et al.(1997)は ア メ リ カ, フ ラ ン ス, 日 本, ド イ ツ で,Luque- Martinez et al.(2000)はメキシコで,Shoham and Brencic(2003)はイス ラ エ ル で,Saffu and Walker(2005)は カ ナ ダ と ロ シ ア で,Good and
Huddleston(1995)はポーランドとロシアで,その有効性と妥当性を実証
した。
そこで,本研究は,日本,韓国,中国の被験者間において消費者自民族 中心主義に違いがあるか否かを検討する。したがって,次のように仮設を 設定した。
仮説1‑1:日本,韓国,中国における被験者間で,消費者自民族中心主 義の考えには違いがある。
仮説1‑0:日本,韓国,中国における被験者間で,消費者自民族中心主 義の考えには違いがない。
上記の仮説を検定するために分散分析を行った。その結果は,次の通り であった。
[1] F(2, 829)=58.760, p=0.000,[2] F(2, 829)=11.417, p=0.000,[3] F(2, 828)=10.772, p=0.000,[4] F(2, 829)=55.636, p=0.000,[5] F(2, 829)=47.963, p=0.000,[6] F(2, 829)=55.825, p=0.000,[7] F(2, 829)=99.594, p=0.000,[8] F(2, 829)=53.730, p=0.000,[9] F(2, 829)=62.885, p=0.000,[10] F(2, 829)=14.198, p=0.000,[11] F(2, 829)=30.226, p=0.000,[12] F(2, 829)=38.790, p=0.000,[13] F(2, 829)=36.196, p=0.000,[14] F(2, 829)=57.069, p=0.000,[15] F(2, 829)=48.966, p=0.000,[16] F(2, 829)=0.729, p=0.483,[17] F(2, 829)=4.600, p=0.010
以上の通りであったことから,[1]から[15]の質問項目までは,1%有 意水準で帰無仮説を棄却することができ,3ヵ国の被験者間において消費 者自民族中心主義の考えには有意差が認められた。また,[17]の質問項 目については,5%有意水準で帰無仮説を棄却することができ,有意差が 認められた。しかしながら,[16]の質問項目に対しては,帰無仮説を棄 却することができず,3ヵ国の被験者間において消費者自民族中心主義の 考えには違いが認められなかった。
以上の分析結果から,日本,中国,韓国の被験者間においては消費者自 民族中心主義の考えには違いがあることが明らかになった。わずかに,16 番目の質問項目については,それらの違いが認められなかった。このよう に,日本,中国,韓国は,民族的にも,地政学的にも近い関係にあるにも かかわらず,かなり消費者自民族中心主義の考え方では異なっていること が明らかになった。
課題2について
課題2については,日本,中国,韓国の被験者には消費者自民族中心主 義と人口統計的変数に相関があるか否かということであった。
そこで,次のように仮設設定をした。
仮説2‑1:日本,中国,韓国の被験者には消費者自民族中心主義と人口 統計的変数に相関がある。
仮説2‑0:日本,中国,韓国の被験者には消費者自民族中心主義と人口 統計的変数に相関がない。
上記の仮説を検定するために,相関分析を行った。その結果,日本にお ける性別では,第1項目(0.160*),第9項目(0.156*),第10項目(0.188*), 第14項目(0.174*),第15項目(0.185*),第17項目(0.192*),住居では,第 7項目(0.183*),第8項目(0.232*),第13項目(0.160*),年齢では17質問 項目とまったく相関がなく,勤務先では,第2項目(0.251**),第3項目
(0.179*),第7項目(0.154*),第8項目(0.162*),第9項目(0.271**),第14 項目(0.190*),第15項目(0.184*),第16項目(0.171*),第17項目(0.283**) と,業種では,第13項目(‑0.174*)のみ,産業分類では,第1項目(0.164*) のみが相関していた。ただし,ここで示された*は5%で有意であり,** は1%で有意であることを示している。
ま た, 中 国 に お け る 産 業 分 類 で は, 第7項 目(0.288*)と 第9項 目
(0.345*)のみが相関していた。この中国については,産業分類以外の性 別,住居,年齢,勤務先,業種などはまったく相関していなかった。
さらに,韓国については,性別では,第9項目(0.119*),住居では,第 4項目(0.128*),第9項目(0.124*),年齢では,17項目すべてにおいて相 関が見られた。つまり,第1項目(249**),第2項目(209**),第3項目