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発心集における希望表現について

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Academic year: 2021

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発心集における希望表現について    目次     一、はじめに     二、希望表現の構成形式     三、各形式の用法     四、おわりに   一、はじめに     本 稿 は、 別 稿

を 受 け、 発 心 集 を 研 究 資 料 と し て、 そ れ に お け る 希 望 表現

の実態を解明しようとするものである。

  周 知 の よ う に、 発 心 集 は 「方 丈 記 」 の 作 者 鴨 長 明 の 編 に よ る 仏 教 説 話 集 で あ る。 『日 本 古 典 文 学 大 事 典 』

な ど に よ る と、 そ の 成 立 は、 一 般 的 に 『方丈記』 が成立した建暦二年 (一二一二) 以後、長明が没した建保四 年 (一 二 一 六 ) 以 前 と 考 え ら れ て い た が、 一 方、 成 立 を 数 次 に わ た り、 起筆を 『方丈記』 以前とする説、巻七 ・ 八を後人の増補とする説などがあ り、定説をみない。その内容は、仏教説話を集め、随想・評論・説教な ど の 内 容 を 添 え る。 部 分 的 に は 同 趣 話 が 連 鎖 さ れ て い る 部 分 が 多 い が、 特に編目は立てず、雑纂的な説話集といえる。啓蒙・教化をむねとする 佛教説話集一般に比べ、自照性が強いのを特徴とする。   諸 本 に は 版 本 と 写 本 と 二 種 が 存 在 す る。 版 本 に 慶 安 四 年 (一 六 五 一 ) 版 片 仮 名 交 じ り 整 版 本 と 寛 文 十 年 (一 六 七 〇 ) 版 平 仮 名 交 じ り 整 版 本 が あり、いずれも全一〇二話からなり、二者に表記の違いはあるが内容は 大同小異である。写本には神宮文庫本五巻五冊、素行文庫本五巻二冊が あり、ともに近世初期写で、内容は相似る。版本に比べ、独自の説話四 話を収めるが、全体で六二話にすぎない。   テ キ ス ト に は、 大 曽 根 章 介   久 保 田 淳 編 『鴨 長 明 全 集 』(貴 重 本 刊 行 会   平 成 一 二 年 五 月 二 五 日 初 版 発 行 ) 所 収 の 神 宮 文 庫 本 を 用 い る。 そ の 底 本 は 天 明 四 年 (一 七 八 四 ) 以 前 の 書 写、 版 本 と 比 べ 量 的 に 少 な い が、 後人の増補と見られる説話を欠き、長明の発心集の原態を受け継ぐ本と 考 え る 説 も あ る。 翻 刻 に 際 し て、 底 本 に な い 句 読 点 を 付 し、 振 り 仮 名・ 傍 書 は 底 本 に 従 っ た。 右 傍 小 字 の 「ヒ 」 は ミ セ ケ チ を 示 す。 清 濁 は 底 本 にあるなしにかかわらずこれを補った。   二、希望表現の構成形式

  発 心 集 (以 下、 「本 書 」 と 略 す ) に お け る 希 望 表 現 と 認 め ら れ る 構 成 形 発心集における希望表現について

  田   昭   二

   連   

  仲   友

  

07-柴田(縦書).indd 1 2017/08/31 9:10:56

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