• 検索結果がありません。

いわゆる‘砂鉄鉱’の粒度および鉱物組成

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "いわゆる‘砂鉄鉱’の粒度および鉱物組成"

Copied!
12
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

いわゆる 砂鉄鉱 の粒度および鉱物組成     ならびにジルコン品位について

(昭和46年10月11日 原稿受理)

開発土木工学教室山本 

   〃    牛  島  和  子

AStudy of the Zircon contents, Mineral compositions and

 Grain sizes of the so−called Iron Sand Ores in Japan.

By Takashi YAMAMOTO   Kazuko USHIJIMA

  This paper is a preliminary review of zircon in the beach iron sand in Japan.

  Hitherto, the magnetite ore only have been worked economically in the beach iron sand, but it would be able to redevelop the iron sand mining industry if when

the other minerals are also utilized.

  Especially, the industrial value of zircon is great in them, and its demand increases more and more with year, however, the deposit of zircon is scarce in Japan.

  According to the author s results studied on zircons from various rocks in the last decade, the content of zircon is about O.004%in granites containing it more than the other rocks.

  So as the first attempt, the authors presumed the deposits of zircon in Japan,

and also they examined grain composition and content of magnetic minerals of iron

sand.

  In the placer beach iron sand deposits, zircon is contained about O.02 to O.03%

and content of magnetic minerals is about 25 to 55%.

       タンであるが,その他にバナジン,燐,硫黄,ク

1・まえがき       。_ム,金および銅などが微量ではあるが含まれ

 従来, 砂鉄鉱 が重要な製鉄原料の一つとして  ている。

使用されてきたことは今更いうまでもないことで    砂鉄鉱に最も普通に含有されている鉱物成分

ある。日本は海に囲まれており,従って海浜砂鉄  は,磁鉄鉱,チタン鉄鉱であるが,その他に石 の産地もまた日本全国全域に及んでおり,その量  英,長石類などの無色鉱物,紫蘇輝石,普通輝

も少なくない。第二次大戦後,日本の産業界は約   石,角閃石,雲母および燐灰石などの有色鉱物類 20年の間に異常な発展をとげた。それに対応し  である。微量成分としてジルコン,モナズ石およ て砂鉄鉱業界も一時段賑をきわめた。が,しか  びザクロ石などの重鉱物類が含有されている。

し,それも昭和37,38年をピークとして,国内   従来,砂鉄鉱業界ではこの磁鉄鉱だけを稼行の

産の製鉄原料は品質も安定し価格も比較的安価な  対象として経営されてきた。従って日本の「砂

輸入原料によってとって替えられるに至り,今日  鉄」の生産費のうち,採掘費は地質,地形,鉱床 では日本の砂鉄鉱業界はみるかげもなく衰退する  の賦存状態および鉱量などから勘案して輸入原料

破目におちいった。       よりも割高になるのが普通であった。そこで磁鉄

 いわゆる  砂鉄鉱 の主化学成分は鉄およびチ  鉱ばかりでなく,石英,長石およびジルコンなど

(2)

10

の他の鉱物をも出来る限り利用するようにすれ        第1表砂鉄試料 いかと考えられる。その中でとくにジルコンにつ

       A−1 いては,いまさらいうまでもないが広く工業的に   A_2 利用されている重要な鉱物であって,その需要は   A_3 年々増加の一途をたどっている。しかし,本邦に   A−4 おけるその埋蔵量は少なく,目下のところすべて   A−5        A−6輸入原料に頼っている状態である。しかし少量と        A−7 はいえ,未調査の鉱床もかなりあり,今後これら   A_8 の調査・開発が進めば,多少なりとも需要にごた   A_g

えられるのではないかと思われる。        A−10

 筆者らは,ここ十数年の間,各種岩石中のジル   A−11

コンについていろいろな角度から,とくにジルコ   A−12        A−13

ンの結晶形態学と岩石の成因論を関連づける立場

       A−14 から研究を進めてきた。そして,その際,各種岩   A_15 石中のジルコンの含有率についても若干触れてき   A−16 たが,いずれの場合にもその含有率は微々たるも   A−17 ので,最も多い花闇岩類でさえも,ジルコンは平   A−18        A−19 均α004%程度しか含まれていない。        A_20  したがって岩石中のものは採掘の対象にはなら   A_21

ないが,砂鉄鉱床中にはジルコン結晶が自然の作   A−22 用で濃集され,かなり高い含有率を占めていると   A−23 考えられるので,本論文では,本邦における「砂   A−24        A−25

鉄」鉱中のジルコン品位を推定するはじめての試

       A−26

みを行なった。  、       A_27

 これと同時に 砂鉄 の粒度組成および着磁率   A−28

(砂鉄品位)を調べた。この研究はなお続行中で   A−29 未だ不備であるが,その結果の一部をここに報告   A−30        A−31 することにした。先学各位の御叱正と御教示とが   A_32 得られるならば幸いである。なお,本研究を行な   A_33 うに当り,日本国内各地の試料採集および実験に   A−34 際して,本学卒業生石田彰,今仁茂勝および古川   A−35 領爾の各君の努力に負うところが大きい。また,   A−36        A−37 研究補助員山本隆三君は各種の化学分析実験を熱

       A−38 心に続けている段階である。ここに記して以上の   A_39

方々に謝意を表するものである。         A−40

       A−41

 2.試 料       A−42

       A−43  日本各地から採集した海浜砂鉄試料は第1表に

ぱ微蝶界の前途もま湖るくなるのでセ紘 試料剰  産   地

北海道山越郡長万部町北豊津 北海道山越郡長万部町豊津 北海道山越郡長万部町字国縫 北海道山越郡八雲町字黒岩 北海道亀田郡尻岸内町高岱

青森県下北郡東通村大字入口A

青森県下北郡東通村大字入口B 青森県下北郡東通村大字野牛 青森県下北郡野牛海岸

青森県むつ市大字田名郡字小川町 青森県むつ市関根

青森県八戸市天狗岱A 青森県八戸市天狗岱B

青森県八戸市北沼 青森県三沢市

青森県三沢市字淋代A 青森県三沢市字淋代B

岩手県久慈市岩屋鉱山

宮城県宮城郡宮城町大字芋沢字蒲沢

宮城県仙台市長町字下河原A 宮城県仙台市長町字下河原B 宮城県仙台市長町字下河原C

福島県相馬市磯部字大州 福島県原町市萱浜北畑

石川県小松市安宅関A 石川県小松市安宅関B

千葉県海上郡飯岡町 千葉県館山市

神奈川県三浦岬久里浜野北 島根県江津市浅利 島根県益田市亀地

島根県簸川郡大社町出雲大社海岸 福岡県粕屋郡志賀島西海岸 長崎県松浦市大浜海岸

大分県中津市闇無浜海岸A 大分県中津市闇無浜海岸B

大分県豊後高田市中村干拓地 大分県宇佐郡天津村布津部 宮崎県宮崎市

鹿児島県肝属郡大根占町根占海底 鹿児島県種子島西之表市沖ケ浜田 鹿児島県種子島中種子町竹之川 鹿児島県種子島南種子町松原

示すとおりである。第1図にその産地を示した。  試料採集法に従って採集し,出来る限り該試料が  本研究に使用した試料は各地域の1地点毎に   その地点付近の浜砂鉄層の平均品位を示すものと

3〜5kgを深さ約50 cm,径20 cmの円柱から  なるように採集に当ってとくに留意した。

(3)

第1図 本邦各地の砂鉄鉱試料採集地

   (・印は採集場所を示す)       5 粒度組成

      o

      °         採集したいわゆる  砂鉄 試料の粒度を第2表       のように7つの段階に区分し,各々の粒度組成を

N      しらべた。

第2表 粒 度 区 分

1      区分

φ ;メ・        n

ASTM節

(メッシュ)

30以上 30〜40 40〜50 50〜60 60〜80

80〜100 ユ00以下

粒    径

  (μ)

503以上

331〜503 279〜331 250〜279 177〜250 149〜177

149以下

ノ  、・      その結果は第3表および第2図に示すとおりで

  。   。一, 1。。㎞) 第2図から明らかなように微鉱の粒度組

      成は地域によって可成り異なった型を示してい        る。すなわち,B−6(福岡・玄海), B−10(福

∂      岡・芦屋),B−11(長崎・松浦)およびB−13

第3表 砂 鉄 の 粒 度 分 布

粒度分布*(wt%)

試料番号 産        地

Il皿1皿1∋vl∋皿

B−1 青森県三沢市淋代織笠 2.3 3.6 11.1

21.0 40.1

6.6

ユ5.4 B−2

青森県三沢市淋代六川目 6.9 8.7 18.6

30.8 21.3

4.0 9.8

B−3

石川県小松市安宅関

22.8 19.1

23.1 12.9

12.7

6.1 3.4

B−4 島根県石見益田市海岸A 22.2 22.9

23.1

13.6 13.8

3.3 1.0

13−5 島根県石見益田市海岸B 25.5 25.9

22.6

12.8 10.3

2.4 0.5

B−6

福岡県宗像郡玄海町神湊 0.3 0.7 1.4 3.5

63.5 20.1 10.5

B−7

福岡県宗像郡福間町西海岸

30.6 25.6

15.2 8.9 13.9 3.4 2.5

B−8

福岡県粕屋郡古賀町南西海岸

62.1

6.2 8.8 9.1 12.5 0.8 0.5

B−9

福岡県粕屋郡志賀島西海岸

10.2 12.5

20.0 16.2

25.3

2.6

13.4 B−10

福岡県遠賀郡芦屋町柏原 1.4 2.7 8.2

25.6 51.7

5.9 4.6

B−11

長崎県松浦市大浜海岸 2.4 4.1 17.1

24.5 42.8

7.3 1.7

B−12

大分県中津市闇無浜海岸 4.0

14.8 44.3 22.6 12.3

1.5 0.5

B−13

大分県豊後高田市中村干拓地 3.3 4.3 9.1

22.6

51.1 6.7 2.9

B−14

大分県長洲町

ユ3.3 14.4 21.9 23.5 22.8

3.3 0.9

B−15

大分県中津市大新田

54.5 24.6

13.1 4.8 2.4 0.6 0.3

B−16

大分県宇佐郡天津村布津部

23.4 18.6

25.2

12.4

13.1 3.4 3.9

B−17

大分県宇佐四日市下山

27.8 13.3

12.5 13.0

15.6

6.7 11.2

*粒度分布 1)503μ以上  1)331〜503μ  皿)279〜331μ  ]V)250〜279μ      V)177〜250μ  VI)149〜177μ  W)149μ以下

(4)

12

1曽

   B.1青森・淋代

:8

14

8,2青森・淋代 8−3石川・小松

一一」粒 度

  福岡・福間 8−7

8−10福岡 芦屋

1毘

頻80 8.13大分・高田

度60

 40  20

  0

   −《粒 度     8−16大分・宇佐

B−5島根・益田

g.14大分・長洲

B−17大分・宇佐

  福岡・玄海 B−6

  福岡・志賀島 8−9

8叫5大分・中津

第2図 砂鉄鉱の粒度分布図

(大分・高田)などは区分W(粒径149〜177μ)  を示している。また・B−8(福岡・古賀)およ

を最も多量含有し,それを頂点とする変形ピラミ  びB−15(大分・中津)の2試料は区分1(粒径

ッド型を示し,B−12(大分・中津)などは区分  503μ以上)が他に比較して著しく多く,全体の

W(粒径250〜279μ)を頂点とするピラミッド型  30%近くを占めるが,以下,区分1から区分Wに

(5)

13 向って階段的に組成比が低下している。      のは,他地域のものに比較して著しく異なった傾

 B−3(石川・小松),B−4(島根・益田),  向を示している。すなわち,前者では粒度組成は B−5(島根・益田),B−7(福岡・福間)お  ,粒径の大きいものが異常に多い。これを℃一

よびB−16(大分・宇佐)などは粒径が小さくな  群 と呼ぶことにする。

るに従って漸次,その組成比も減少している。    B−3(石川・小松),B−4(島根・益田A),

 B−1(青森・淋代),B−2(青森・淋代),   B−5(島根・益田B), B−7(福岡・福間),

B−6(福岡・玄海),B−9 (福岡・志賀島)   B−16(大分・宇佐)およびB−17(大分・宇佐

およびB−17(大分・宇佐)などでは区分V皿(粒   四日市)の6地域のものは相互に類似した曲線を

径149μ以下)が他に較べて多量含まれている  示しており,これらを A一群 と呼称しよう。

が,これはジルコンの含有率と深い相関関係があ  これに対してB−2(青森・淋代),B−9(福

る。これについては,あとの項で更にくわしく述  岡・志賀島),B−10(福岡・芦屋), B−11(長

べよう。       崎・松浦),B−12(大分・中津), B−13(大

 以上あげたもののうちから代表的なもの数例の  分・豊後高田)およびB−14(大分・長洲)など

粒度組成を累積頻度曲線に示せば,第3図のとお  は互に類似した曲線を示しており,これを・B一

りである。図から明らかなようにA,BおよびC  群 として一括することが出来る。

の3つの群に分類される。つぎに,B−8(福岡・   以上述べたように,本邦各地の 海浜砂鉄 古賀)およびB−15(大分・中津)の2地域のも  (beach iron sand)の粒度組成には地域により

幌)

累 70

頻 60

1  90

 ,  o 蛯燕l

C

80

ドミ%/〆z /々多汐 め  , 硲  yシ     ,/,1ク B−o

,也◎C−or。叩

s6@ノ

@ % ノ

eノぴ   !  ノ  / 7/ ,       // /% ⑱Ao叩  ノ

9 13

%く

g°、0

o

1

W.6

II

III IV V VI

        粒  径

第3図 砂鉄鉱の累積頻度曲線

(6)

14

場所によって明瞭な差異が認められる。      採集を行ない,適当に量を減らし,それをプレパ        ラートにして偏光顕微鏡下に観察測定した。な  4 鉱物組成       お,鉱物組成は便宜上,次のように4つに大別し  いわゆる 砂鉄 (海浜砂鉄)を構成する鉱物成   た。

それらの種類および含有率は当然,地域によって   以上の区分に従って測定し,計算した結果は第 差異があるものと予想される。      4表に掲げたとおりである。

 これら鉱物組成が地域により,また同じ地域の   さらに鉱物組成別頻度を試料の粒径区分毎に計 同一試料においても鉱物組成と粒度組成との間に  算し,鉱物組成と粒度組成との間の関係を表わし 何らかの相関関係が認められるかどうかを検討し  たものが第4図である。第4表にはジルコンの頻 てみた。       度を示しているが,いつれの場合においてもそれ

 鉱物組成の分析は前述の7つの区分にしたがっ  は1%前後であるので,第4図ではジルコンは省

て箭分けした各粒径別試料を,四分法により試料   略し,1)無色鉱物,2)有色鉱物および3)鉄鉱

 ㈲

 100

頻80

度e◎

1:

D−1 厚田・望来

  福岡・志賀島

D−5

D−6大分・高田

D−7大分 長洲  O__◎__◎無色鉱物          Φ一一Φ一一●有色鉱物

         ト●一一●鉄鉱物

第4図 顕微鏡下による粒度別鉱物組成

(7)

15

第4表顕微鏡下による鉱物組成を示す表    酸となしイオン交換樹脂に通す。10.5NHC1,

試料 番号

C−1 C−2 C−3 C−4 C−5

産    地

千葉県飯岡 鳥取県浜村温泉 福岡県志賀島 大分県豊後高田市 大分県長洲町

鉱物組成(%)   6NHCLα1NHC1を流して岩石中の各元素を

馴顕1鉄鉱物1㍑ 単独分齢る・ONHC1で融されたジルコニウ

     、叫α3 ムをアルセナソ皿の呈舗薬で比色し・それを

27.2 44.8 28.6

4.3 3.7

53.ユ

36.3

35.4 24.3 23,6

18.7

35.2 71.4 72.6

    9NHC1の濃度として光電比色計にかけ,標準溶

0.2

0.8  液で得られた検量線から岩石中のジルコニウム量 0.1  を定量する。

o・1   この方法は岩石中の微量ジルコニウムの定量を       行なうのにすぐれているが,いまのところ,当実 物のそれぞれの含有率と粒径との相関関係を示し  験室においてはイオン交換樹脂によるジルコニウ

た。       ムの単独分離が常に完全とはいえないので,充分

 第4図からわかるように,無色鉱物および有色  な結果が得られていない。当研究室のこれまでの 鉱物の何れも区分V(粒径177〜250μ)ないし区  分析結果もまだバラツキが多くて発表の段階にい 分VI(粒径149〜177μ)付近から,粒径が小さく  たっていない。

なるに従って急激にそれらの含有率が減ってい   2) 原子吸光分析法

る。それとは逆に,鉄鉱物は何れの地域において   岩石中のジルコンの分解法は前述の比色分析法

も区分VI(粒径149〜177μ)ないし区分W(粒  と同様である。ホウ砂と炭酸ナトリウムによる二

径149μ以下)において上記鉱物の含有率が急増   次分解のあと,融成物を塩酸に溶かし,前の濾液

する傾向が見られる。ただし,D−5(島根・益  と合わせた全液をそのまま検液とする。原子吸光

田A),D−6(島根・益田B)は例外で,鉄鉱物  分光分析装置を用い,亜酸化窒素一アセチレン炎 の占める割合は各粒度区分において非常に低い。  で試料を原子状となしさらに中空陰極放電管(ホ  また,図には示していないが一般に区分Wおよ  ロー・カソード・ランプ)と呼ばれるジルコニウム びWではジルコンが他に比較して多量含有されて  元素の金属またはその酸化物を陰極にした特殊な いる。このことは,ジルコンの粒径が小さく,比  光源で励起すると比色分析におけるランバート・

重が4.6〜4.7で大きいことなどから考えて当然  ベールの法則と同様な吸収を示す。この方法は湿 予想されることではあるが,ジルコンを選鉱する  式分析や比色分析に比べてはるかに簡便かつ迅速 場合には充分留意すべきことである。       であるが,ジルコニウムの分析に関するかぎりで       は分析精度はあまり高くなく,それに多くの妨害

5ジルコニウムの定量分析    廿ンの影響力・無視出来ないので,当研究室相

 岩石など珪酸塩類中のジルコニウムを定量分析  標にしている岩石中の微量ジルコニウムの定量に する方法には次の方法が知られている。それにつ  はまだ充分な結果が期待出来ない状況である。

いて簡単に述べよう。       3) 湿式分析法

 1) 比色分析法       岩石試料を細粉乾燥後,約0.5gをニッケルル

 岩石試料を細粉し,110℃で約1時間乾燥す  ツボに秤量する。それに水酸化ナトリウム5g,

る。一定量(約0.5g)を白金ルツボに秤量し,  過酸化ナトリウム1g棚酸1gを加え,加熱融解

それにHF, H2SO4を加えて砂浴上で一次分解す  する。冷却後,温湯抽出し, H・SO4(1:1)40 cc る。岩石中のジルコソは完全に分解されないた  を加え加熱する。硫酸の白煙を生じさせ,冷却後

め,砂浴上でH,SO4の白煙を生じさせたあと,  水150ccを加え加熱して塩類を溶解する。濾過し 濾過する。不溶物を濾紙と共に白金ルツボで灰化  て250ccメスフラスコに濾液をとり,水で標線 して,100mgのホウ砂と炭酸ナトリウムの混合  まで稀釈する。なお,濾紙上の沈でん物を乾燥灼

物で二次分解する。冷却後,その融成物を塩酸で  熱して秤量すると全sio、となる。

溶解し,前の濾液と合する。全液を10・5Nの塩   メスフラスコ中より50 ccを分取し・過酸化水

(8)

i6

素水(3%)5cc,水50 ccを加えて稀釈する。    第5表砂鉄中の着磁物およびジルコン品位

慧義.(竃5聲嚇㌫ぽξ試糊産地罐篇

濾過する。硝酸アソモン(5%)で洗条し沈殿を   A−1

乾燥灼熱する。これをZrP,O,として秤量し,あ   A−2

とでZrO,に換算する。この方法は重量法である

ため,一般の岩石中に含まれる微量ジルコニウム   A_5 の定量には適さない。ジルコニウム原鉱石および   A_6 炭化ジルコニウムなどジルコニウム含有率の高い   A−7 物質中のジルコニウムの定量に適している。この   A−8 ため,実験室では一般の岩石のようにジルコニウ

ム含有率の低い岩石試料の場合には,多量の試料   A_11 を濃縮して行なう,いわゆる「濃縮法」を検討し   A_12 ている。岩石中の微量ジルコニウムをかなりの程   A−13 度まで濃縮することが出来るならば,この方法が   A−14 前の二つに比べて多くの試料を短時間に,しかも   A−15 必要としている範囲内の分析結果をあげうるもの   A_ユ7 だと確信している。しかし,これについても未だ   A_18 多くの問題が残されている。      A−19

6. ジルコン品位       A_21

以上述べた比色分析,原子吸光分析および湿式分

析のいつれの方法もまだ予備実験的段階で公表す   A_24 るにいたっていない。そこで,砂鉄中のジルコン   A_25 を定量する予察的手段として,従来我々が各種岩   A−26 石中のジルコンを抽出してきたと同じ方法,つま   A−27 り椀掛け法(panning)によって求めることにし   A−28 た。      A_30

 すなわち,試料3kgを3等分し,1kgずつ   A_31 を別々に椀掛けし,ジルコンを抽出した残りの砂   A−32

(嬢砂)についてもくり返し2回これを行なった。  A−33

つまり,3kgの試料について9回以上の椀掛け   A−34

を注意深く行なったわけである。これによってジ   A_36 ルコンは殆んど洗い流すことなしに採取すること   A_37 が出来る。これらの結果は第5表に示すとおりで   A−38 ある。      A−39  第5表より明らかなように,特にジルコンの多   A−40 い地域はA−3(北海道・国縫…),A−18(岩手・

岩屋鉱山),A−23(福島・磯部), A−24(福   A_43 島・北畑),A−25(石川・安宅関A), A−27

(千葉・飯岡)・A−33(福岡・志賀島)でいつれ  ている。これとは反対に含有率が非常に少ないの

においてもジルコンが0・12〜0・23%も含有され  はA−6(青森・入口A),A−8(青森・野牛)

A−1

北海道・北豊津

33.69 0.0395 A−2

北海道・豊津

56.23 0.0063 A−3

北海道・国縫

38.40 0.1258 A−4

北海道・黒岩

16.03 0.0217 A−5

北海道・高岱

55.20

0.00ユ7

A−6 青森・入口A 22.82 tr.

A−7 青森・入口B 4.68 0.0029

A−・8 青森・野牛

25.45 tr.

A−9

青森・野牛海岸 9.76

tr.

A−10

青森・小川町

34.57 0.0018

A−11

青森・関根

26.31 0.0042

A−12 青森・天狗岱A 36.86 0.0001

A−13 青森・天狗岱B 26.56 0.0020

A−14

青森・北沼

29.49

0.0ユ15

A−15

青森・三沢

31.37 0.0482

A一ユ6

青森・淋代A 32.46

0.02ユ3 A一ユ7

青森・淋代B 27.49 0.0101

A−18

岩手・岩屋鉱山

25.95 0.1475 A−19

宮城・蒲沢

8.30 0.0620

A−20 仙台・下河原A

9.21

0.0836

A−21 仙台・下河原B

10.2

0,098 A−22 仙台・下河原C

8.2

0,069

A−23

福島・磯部 6.25

0.2340

A−24

福島・北畑 6.45

0.1928 A−25 石川・安宅関A 12.95 0.2065 A−26 石川・安宅関B

7.49

0.0166 A−27

千葉・飯岡 7.44

0.1422 A−28

千葉・館山

23.43 0.0105 A−29

神奈川・三浦岬

10.36 0.0140

A−30

島根・江津

51.87 0.0430 A−31

島根・益田 2.1

0,050 A−32

島根・出雲大社 4.1

0,046

A−33

福岡・志賀島 25.4

0.1652

A−34

長崎・松浦 0.40

0.0019 A−35 大分・中津A 51.20 0.0376 A−36 大分・中津B 7.ユ3 0.0004

A−37

大分・豊後高田 58.2

0.0172 A−38

大分・宇佐 9.90

0.0237 A−39

宮崎・宮崎市 5.00 0.00ユ7

A−40

鹿児島・根占 9.12

0.0396 A−41

種子島・沖ケ浜田 2.66

0.0002

A−42

種子島・竹之川 42.0ユ

0.0007 A−43

種子島・松原 7.61 0.00ユ7

(9)

17

およびA−9(青森・野牛海岸)などであった。   第6表には砂鉄の粒度別のジルコン品位を示し

 第5表には着磁率とジルコン品位とを掲げてい  た。

るが,これをもとにしてそれらの相関関係を検討   いま,(i)粒度区分1〜VI(粒径149μ以上),

した。その結果は第5図に示すとおりで,これら  (ii)粒度区分W(粒径149μ以下)および(iii)

の間にはあまり相関性は認められない。むしろ砂  生試料のそれぞれにおけるジルコン品位を相互に 鉄の粒度とジルコン品位との間に密接な相関性が  比較検討すると(ii)の部分すなわち区分W中の 認められる。      ジルコソ品位は(i)の部分(区分1〜VI)中のぞ  すなわち,前項でも述べたように粒径が小さく  れの少なくとも2倍以上である。特に著しい場合

なる程,ジルコンの品位が高くなっている。    には,例えばB−10(福岡・芦屋)の場合,(ii)

 一般には粒度区分v(粒径177〜250μ)より大  の部分のジルコン品位は(i)の約40倍に近い。

きい部分ではジルコン品位は非常に低い。これに  ただ一つの例外として,例えばA−38(大分・宇 反して区分W(粒径149〜177μ)およびW(粒径  佐)の場合には(i)の部分の品位が(ii)のそれ 149μ以下)の部分においてジルコン品位は著し  に比較して高い値を示している。

く高い。       このような例外はあるが一般的にいえること

ノレ

ン  O.15

1α1。

O     IO    20    30    40    50    60    70 (%)

         着 磁 率

第5図 着磁率とジルコン含有率との関係

(10)

18

第6表粒度別試料のジルコン品位      位は高くなる傾向が認められた。

試 料 番 号

        ジルコン品位(wt%)    次に 砂鉄鉱 の粒度および鉱物組成は日本各         (i)  (ii)      地の地域によってかなりの差異が認められた。こ

産 地灘磯灘雛全議中れは微鉱の供給源の差異,したがって原岩

       署去中鴨雰中ののもの の願および鉱物組成の相違に大きく左右される

A−25 石川・安宅関A 1,281 3.7836 0.2065

A−26 石川・安宅関B 0.4006 0.9990 0.0166 A−33

福岡・志賀島

0.5591 0.9805

0.ユ652

A−34

長崎・松浦

tr. 0.1105 0.0019 A−36 大分・中津B tr. 0.0737 0.0004 A−37

大分・豊後高田

0.1351 0.2794 0.0172 A−38

大分・宇佐

0.3641 0.2903 0.0237

B−1 青森・淋代織笠

0.0096 0.0576 0.0089 B−2

青森・淋代六川目

0.0211 0.0762 0.0075

B−4

島根・石見益田A tr. 0.4774 0.0048

B−5

島根・石見益田B 0.0162 0.0444 0.0006

B−6 福岡・玄海 0

0.0096

0.00ユ0

B−7

福岡・福間

tr. 0.1172 0.0029 B−8

福岡・古賀 0

0.6058 0.0013

B一ユ0 福岡・芦屋

0.0286 0.7637 0.0363 B−14

大分・長洲

0.1118 0.1337 0.0154

0.2065  ためであろう。

参 考 文 献

      0.0019   福地義寛(1960):砂鉄の利用と埋蔵鉱量,特殊製鉄,

      0.0004    Vo1.2, No.4, P.ユ2−15.

      0.0172   長谷川熊彦(1922):砂鉄鉱に就いて,九州鉱山誌,Vol.

      00237 1・P・ユ26−i55

            一(ユ926):砂鉄の研究,鉄と鋼,Vo1.12, P.97−

       151, 221−276.

      0・0075   −(1936):砂鉄,本邦砂鉄及其利用,工業図書       0・0048  服部富雄(ユ960):本邦の含チタン砂鉄資源,地質調査

      0・0006    所報告特別号E,p.1−38.

      0.00ユ0  今仁茂勝,古川領爾(1967):本邦ビーチサンドの鉱物       0.002g   工学的研究(九州工大卒論手記)

      0.0013  井上 武(1953):日本の砂鉄鉱床・秋田大地下資源研       00363 報・N°・9・

            井上敏雄(1927):本邦に於ける砂鉄の分布と其地方的

      0 0154   地質状態に就いて,鉄と鋼,Vo1.1亀p.99一ユユ5.

      石田 彰(1966):本邦の砂鉄鉱床および砂鉄鉱床中の は,既述のように粒径の小さい方ほどより高いジ   ジルコン資源に関する予備的調査ならびに研究(九州 ルコン品位を示すということである。        工大卒論手記)・

      宮本弘道(1960):化学成分からみたわが国の砂鉄,地

 7.結 言       

質調査所報告特別号E・P・73−111・

      大西 弘(1966):本邦砂鉄鉱業の現状と将来,日本鉱  今回,・砂鉄鉱 の粒度,鉱物組成ならびにジル   業会誌・Vo1・82・N・・937・P・417−426・

コン品位について調べた繍われわれがカつて竹 f講部籍竃麟調鐘鉄の獣に

予想したようにかなり高品位のジルコンが砂鉄鉱  坪谷幸六(1947):本邦の砂鉄,学振66小委・

中に含まれていることがわかった。そして,それ  渡辺万次郎(1944):砂鉄鉱床に関する2・3の観察・

は微鉱の粒度ときわめて密歎関係があり,吉驚Y錫1よ゜羅67

−一ハに粒径が小さくなるにしたがってジルコン品

図  版  説  明

第1図版砂鉄鉱中のジルコンの顕微鏡写真(×65)   第2図版砂鉄鉱中のジルコンの顕微鏡写真(×65)

 1.北海道北豊津      9.石川・安宅関  2. 同 上       10.千葉・飯岡  3.青森県八戸市天狗岱      11. 同 上

 4. 同上      12.島根・浜田

 5.青森県八戸市北沼       13・福岡・玄海・勝浦  6. 同 上      14.福岡県志賀島  7.宮城県仙台       15.大分県長洲

 8.宮城県蒲沢       16.鹿児島・種子島・竹之川

(11)

山本・牛島         第1図版  砂鉄鉱中のジルコンの顕微鏡写真(1)       PL.1

1       2

3         4

b       6

』       ▲     ▲    _感

7       8

(12)

20

山本・牛島         第2図版  砂鉄鉱中のジルコンの顕微鏡写真(2)       PL II

9      10

11       12

謄こ       1醗

ユ3       14

      ㌢ζ㌢鶯麓犠 灘 ㍉   灘i錫

      ご 一    驚       ㌶

       s 〆㌶_、一炎欝 1

       望      登     @     オ

       鍾

15       16

参照

関連したドキュメント

うのも、それは現物を直接に示すことによってしか説明できないタイプの概念である上に、その現物というのが、

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

共通点が多い 2 。そのようなことを考えあわせ ると、リードの因果論は結局、・ヒュームの因果

在させていないような孤立的個人では決してない。もし、そのような存在で

巣造りから雛が生まれるころの大事な時 期は、深い雪に被われて人が入っていけ

単に,南北を指す磁石くらいはあったのではないかと思

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

都調査において、稲わら等のバイオ燃焼については、検出された元素数が少なか