数学特別講義 B (1), (3), (4) 2021 年度第 1, 3, 4 ターム
学芸学部数学科
3年
(月曜
1限
/ハイブリッド講義 南校舎
S107教室
)担当
:原 隆
(学芸学部数学科・准教授
)1 講義内容
(講義用
Webページより抜粋
)『線形代数学』の続論としてジョルダン標準形の理論について解説した後、加群の理論の基礎的な内 容
(特に単因子論
)について講義する。
おおよ
凡 その予定は以下の通りである
:⋆
第
1ターム
:ジョルダン標準形
(広義固有空間分解を用いた幾何的方法
⋆
第
3ターム
:加群の定義と基礎的な性質、単因子論
⋆
第
4ターム
:単因子論の応用
(有限生成アーベル群の構造定理、ジョルダン標準形再訪
)2 講義の進め方
基本的にシラバス
(Webシラバス参照
)に沿って講義を行う予定です。内容としては、第
1タームで は『線形代数学Ⅰ
,Ⅱ』の発展的内容
(ジョルダン標準形
)を、第
3タームでは『代数入門』 『代数学』の 授業で扱い切れなかった代数学の基礎的内容
(加群論、特に単因子論
)を学修します。第
4タームでは 第
3タームで学んだ単因子論の応用として、第
1タームで学んだジョルダン標準形の理論を違った視点 から改めて振り返ることで、第
1タームの学修内容と第
3タームの学修内容を統合的に理解することを 目指します。
以上の説明からも想像出来るかと思いますが第
1ターム、第
3タームの内容は独立して学修すること が可能ですが、第
4タームでは第
1, 3タームの内容を随所で用います
(したがって第
1,3タームを履修 せずに第
4タームを履修するのは容易ではないと思います
)。
3 評価について
基本的に 各ターム毎 に 平常点と学期末考査の点数 に基づいて評価します。より具体的には
確認問題の成績
(最大
20点
) + (学期末考査の点数
)×0.8と
学期末考査の点数
100%のうち得点の高い方を本講義の評点とします
(確認問題については後述します
)。
※ 出席点は基本的に考慮しません。
※
2021年度は、新型コロナウィルス感染症拡大予防の観点から、学期末考査は レポート とします。
4 教科書及び参考書
教科書
:特に指定しません
『線形代数学Ⅰ
,Ⅱ』の教科書
(三宅敏恒『線形代数学
—初歩からジョルダン標準形へ』培風館
)や『代 数入門』 『代数学』の教科書
(松坂和夫『代数系入門』岩波書店
)でも扱われている内容ですので、必要 に応じてこれらの教科書を持参して参照すると良いかもしれません。
参考書
:該当する内容の教科書は様々なものが出版されていますので、色々と見比べてみましょう。自 分に合った参考書を使うのが一番ですが、手持ちの線形代数・代数学の教科書に特に不満がなけれ ば、無理に新たな本を購入する必要もありません。以下、関連する書籍を幾つか紹介します。
ジョルダン標準形について
(第
1ターム、第
4ターム
)⋆
三宅敏恒著『線形代数学
—初歩からジョルダン標準形へ』 培風館
簡潔かつ過不足無い説明で線形代数を解説した、ご存知『線形代数学Ⅰ
,Ⅱ』の教科書。線形代数学 の定番教科書として、多くの大学で採用されている本でもあります。例題も程良く載っており、持ち 運びにも便利な
1冊ですが、説明がすっきりまとまり過ぎていてイメージが湧きにくいこともあるか もしれません。まぁそういう部分は授業で補うものと割り切りましょう。ジョルダン標準形は第
8章 で扱われています。この分量でジョルダン標準形までまとめているのは流石。
⋆
加藤文元著 『大学教養 線形代数』 数研出版
最近出版された、線形代数の新定番になるかもしれない
(と個人的に思っている
)教科書。 「高校の数 学の教科書やチャート式のようなスタイルの教科書を是非とも大学数学にも
!」というコンセプトで 書かれた
1冊で
(本当にチャート式を出版している数研出版から刊行されています
!!)、大学受験のと きにチャート式で勉強した人にとってはお馴染みのレイアウトで読み易いかもしれません。加藤文元 さんは非常に沢山の数学の本を執筆されていますが、どれも読み易さを考慮した上で、数学の内容は 本格的かつ堅実であると定評があり、お薦め出来る
1冊です
(まぁ私はチャート式は肌に合わなかっ たんですけどね
(^^;)。ジョルダン標準形は第
8章
,第
9章で扱われています
(割とあっさりとした 記述です
)。
⋆
斎藤毅著『線形代数の世界
—抽象数学の入口』 東京大学出版会
「行列は線形変換である」という立場を極限まで突き詰めた本。そのため
(タイトルが示唆するよう に
)非常に抽象的で、よほど抽象論に慣れ親しんでいないとこの本で独習するのは困難。ただ、この ようなスタイルで書かれた本はほぼ皆無なので、より理論的・本格的な数学に触れる際には重宝しま す。中・上級者向け
(抽象論に対する自信がない限り、下手に手を出さない方が無難です
)。ジョルダ ン標準形が第
3章という序盤で登場するのもかなり特徴的。
⋆
佐武一郎著 『線型代数学』 裳華房
「線形代数学の教科書を一冊だけ挙げよ」と言われたら、恐らく多くの大学教員がこの本を挙げるで
あろう古典的名著。
2006年度日本数学会出版章受賞。とにかくこの一冊をしっかり勉強して使いこ
なせるようになれば、大学数学で必要とされるレベルの線形代数学の知識には困らないでしょう。何
といっても第Ⅴ章でテンソル代数を扱っているのが特徴的で、他に類を見ません
(まぁ皆さんの中で
テンソル代数が必要な人はそんなにいないかもしれないけど
(^^;)。レイアウトやフォントが若干古
くて読みづらいのが難点でしたが、最近新装版が出てぐっと読み易くなりました。じっくり堪能した い一冊。上級者・意欲のある人向け。
加群論・単因子論について
⋆
松坂和夫『代数系入門』岩波書店
松坂和夫の数学入門シリーズの第
3冊目にして、本学の代数系講義
(『代数学基礎』『代数入門』『代 数学』
)の教科書。同著者の『集合・位相入門』も、定評ある教科書として有名です。代数系
(群、
環、加群、体
)の基礎理論に加え、入門編として整数の理論の初歩も解説された
1冊で、これを読み 込めば代数学についての基礎体力はしっかり身に着くでしょう。多少難解な記述や特殊な設定が目に つく面も。加群の理論は第
4章に載っています。
⋆
堀田良之『代数入門
—群と加群』裳華房
代数学の入門書ではあるものの、タイトルが示唆するようにかなり加群の理論が前面に押し出された 特徴的な
1冊。特に「ベクトル空間に近いもの」として自由加群を導入し、そのまま基本変形や単因 子論を
“線形代数学のノリ
”で展開しているため、或る意味では「単因子論を用いたジョルダン標準 形の理論」を最短距離で解説した
1冊と言えるでしょう。テンポ良く進む解説は私には心地良いです が、多少人を選ぶかもしれません。単因子論は第
2章で解説されています。
⋆
堀田良之『加群十和
—代数学入門』朝倉書店
先程と同じく堀田良之さんの著書ですが、こちらはもっと自由に
“加群愛
” (?)を展開した
1冊。加 群の話だけでここまで多彩な本が書けるものかと脱帽ものです
(まぁ途中で群論も振り返ってるけ ど
)。個人的にはイチオシの一冊。後半は表現論っぽい話題となるので一段と難しくなりますが、「こ んな数学もあるのか」と驚きつつページを繰るだけでも有意義な
1冊だと思います。本講義に関係あ りそうな内容は第
3,4章辺りにあります。
⋆
桂利行『代数学Ⅱ
—環上の加群』東京大学出版会
この本の元となった桂先生の『代数学Ⅱ』の講義を私が実際に履修していた、という個人的な事情も あって印象的な
1冊。加群の理論も広大なので、すべてを網羅しようとするとそれこそ辞書のように なってしまいがちですが、桂先生の教科書は内容を厳選してコンパクトにまとめあげているのが特 徴。そのため、若干物足りなく感じる人もいるかもしれませんが、理論の大枠を捉えるにはもってこ いの
1冊だと思います。同シリーズの『代数学Ⅰ』
(群論と環論の初歩
)、『代数学Ⅲ』
(体とガロワ理 論
)もお薦め。単因子論は第
1章という序盤で扱われています。
5 確認問題について
本講義は週
1コマの講義であり、講義時間内に問題演習の時間をあまりとれません。一方で、
皆さんも既に
1,2年生の授業で体験済みであるように、数学の理論をきちんと理解するためには 問題演習による基礎訓練を積む ことが不可欠です。そこで本講義では、問題演習の時間の不足を補う べく 毎回の講義で確認問題 (レポート課題)を提示する ことにします。
⋆
レポートの提出には
Google Classroomを利用します。締切までに提出されたもののみ採点 し、
Google Classroomにて返却します。
⋆
提出された確認問題は、添削するとともに
5点満点で点数をつけ、 上位
5回分の得点の合計点 を
確認問題の成績とします
(最大
20点
/ 20点以上は切り捨て
)。なお、締切を過ぎて提出された
確認問題は、添削はしますが 点数は加算しません
!!6 受講に関する注意
⋆
必ず
Tsuda Netで指定期間内に履修登録して下さい
(履修登録しなかった場合、学期末の学力 考査を受験出来ない場合があります
)。
⋆
「板書が速くて追いつかない」との意見がしばしば出ますので、板書の記録用にデジタルカメラ、
写メ等を用いることは許可しています。但し シャッター音を切るなど、周囲の受講者の迷惑に ならないよう十分に配慮すること。また、老婆心ながら忠告しておくと、写メを撮りっぱなしに して、後程自分でノートに纏めるなどしなければほぼ
100%記憶から抜け落ちます。
IT社会の 現今、「文明の利器」を積極的に利用していただくに越したことはないですが、それを「使いこ なせるか」どうかは自分次第であることを肝に命じましょう。
⋆
わざわざ銘記するまでもないですが、他の受講者の迷惑となる行為(私語、携帯電話、徘徊
etc……)は厳に慎んでください。大学生ともなれば
(ましてや大学
3年ともなれば
)社会的には 立派な「大人」です。周囲の利益にも配慮しつつ、自らの行動には自ら責任を取れる様に心掛け ましょう。
⋆
本講義は
1限に開講されているため、電車の遅延などで授業開始時刻に間に合わないこともある かと思いますが、出席を取っているわけではないので遅延証明書などの提出は不要です。落ち着 いて、無事に大学に辿り着けるように行動しましょう。ただし、遅れて教室に入室する際は、他 の受講生に配慮して 静かに入室するように 心がけてください。
⋆ [
レポートのファイル形式について
]互換性がないため
HEIC形式
(iPhoneの写真のデフォルト のファイル形式
)でのレポート提出はなるべく避けて ください
!! HEIC形式のレポートは、ファ イル形式を
pdf, jpeg, pngなどに変換してくださると、作業効率上ありがたいです。
また、
Google Classroomは複数のファイルを提出することが出来ますが、
1つファイルを開く
度に時間がかかり、トータルの採点時間が膨大になってしまうため、可能ならば以下のアプリ等 を使って
1つの
pdfファイルにまとめて提出していただけると大変助かります
!!◆
Adobe Scan https://app-liv.jp/4444824/◆
CamScanner https://app-liv.jp/6612/◆
Office Lens https://app-liv.jp/2171677/7 質問の受付、講義情報
Web: https://edu.tsuda.ac.jp/~t-hara/Lectures/2021/specialB.html
メールアドレス
: [email protected]※ 識別しやすくするため、タイトルの冒頭に
[数学特別講義
B]と記入してください。
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