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氏名 脇本ワキモト

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名 脇本

ワ キ モ ト

ユ ウ

所 属 理工学研究科 物理学専攻 学 位 の 種 類 博士(理学)

学 位 記 番 号 理工博 第

252

号 学位授与の日付 平成

30

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第

4

条第

1

項該当

学 位 論 文 題 名

Moduli stabilisation, vacua and cosmological inflation in type IIA superstrings compactified on rigid Calabi--Yau threefolds

リジッドカラビヤウ多様体上にコンパクト化されたIIA型超弦理 論におけるモジュライ安定化、真空、及び宇宙論的インフレーショ ン(英文)

論 文 審 査 委 員 主査 准教授 セルゲイ ケトフ 委員 教 授 安田 修

委員 教 授 政井 邦昭

委員 准教授 百武 慶文

(

筑波大学

)

【論文の内容の要旨】

現在、あまねく天体を包摂するものとしての宇宙はそれ自体、一般相対性理論に基づく 膨張運動をしていることが知られている。遡ると宇宙開闢の瞬間の存在が推定されるが、

その直後、指数関数的な急激な膨張があったとする説が有力である。宇宙論的インフレー ションと呼称されるこの高エネルギー現象は、宇宙観測技術の進歩に伴い観測によって検 証可能な物理模型として研究が続けられている。宇宙論として適切なモデルを構築するた めには、ポテンシャルに正の値の安定点、すなわち

dS

真空、および、スローロールインフ レーションと呼ばれる運動を引き起こす形状の再現が欠かせない。

一方で、あまねく物質を構成するものとしての素粒子は場の量子論に基づく標準模型に よって記述されることが知られている。しかし標準模型は重力相互作用を含まないといっ た瑕疵を有しており、標準模型を超えた物理学の探索が活発に行われている。ポスト標準 模型を担う究極理論として期待するに値する唯一の理論が超弦理論である。超弦理論は未 だ何らかの物理現象を予言・再現できていないが、超弦理論からその低エネルギー有効理 論として宇宙論的インフレーションを導く試みがあり、ストリング宇宙論と呼ばれる。そ こでは、超弦理論の宇宙論的不適性を指摘する多くの

``no-go

定理

''

が証明されている。これ

``no-go

定理

''

を回避する1つの方法が非摂動論的量子効果の導入である。

そこで我々は

dS

真空およびスローロールインフレーションの探索を、

4

次元時空上の局

(2)

N=2

超対称性を持つリジッドカラビヤウ多様体上にフラックスコンパクト化された

IIA

型超弦理論のあるクラスについて行った。超弦理論の低エネルギー有効作用における摂動 論的・非摂動論的量子補正項を陽に計算することが可能な設定の下でこれらの宇宙論的適 性を考察することが目的である。我々はまずベクトル多重項のモジュライ空間上の

1-loop

補正項および世界面インスタントン補正項、またハイパー多重項のモジュライ空間上の完 全な

D

インスタントン補正項を含んだ計量からスカラー場の非摂動論的ポテンシャルを導 出した。そしてモジュライ安定化の可能性について考察し、このポテンシャルが全てのア クシオンを安定化できることを示した。

次に、他のスカラー場、ディラトン場およびケーラーモジュライ場について考察した。そ こでは、任意のケーラーモジュライ数において、摂動的スカラーポテンシャルは極小値を 持たないことが示された。またモジュライ数が1つの場合にインスタントン効果を取り込 んでみても状況は改善しなかった。

最後に我々はインフレーションが可能か否かを、ケーラーモジュライ数が1でインスタ ントン補正項を含まない場合に検討した。結果、各スローロールパラメータは2を上回り、

当ポテンシャルの下ではインフレーションは実現されないという結果を得た。

従って我々は、リジッドカラビヤウ多様体上にコンパクト化された

IIA

型超弦理論のあ るクラスは、非摂動論的効果を含めても、現象論的に不適であることを結論した。この結 果は既知の

``no-go

定理

''

の拡張を与えるものである。当論文ではこれらの結果について報告 する。当論文の成果は

10.1007/JHEP11(2016)066 (arXiv:1607.05293)

および

10.1093/ptep/ptx094 (arXiv:1607.05293)

に基づく。

参照

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