ウイクセル効果と限界生産物
ウイクセル効果と限界生産物
児玉元平
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現代の資本理論ではウイクセル効果は主としてサムエルソン的な要素価格 曲線でもって分析されている1)。この場合ウイクセル効果は,実質賃金率変 化(又は利潤率)の資本価値にあたえる効果としてはあくされる。そしてま たこの効果は価格ウイクセル効果と実質ウイクセル効果に区別して分析され る2)。このようなウイクセル効果の考察については現代の資本理論ではこれ を重視する傾向と軽視する傾向とが見られるが,このことは資本理論の現状 を反映しているものと考えてよい。たとえば,スワンによればウイクセル効 果はたんにインベントリ再評価の問題にすぎない。一般に述べられるごとく ウイクセル効果は決してパズル的性格のものではなく,これを資本ストック の再評価の問題としてとらまえるならば,その効果がいづれの方向にむこう が,決してパズル的なものではない3)。デュイはそ若「現代資本理論」では 完全にウイクセル効果の問題は無視している4)。
グッドウインはウイクセル効果の重要性についてつぎのように述べてい る。「ウイクセル効果は,一見するよりももっと大なる理論的重要性をもっ ている。運転資本の複雑さばここではより小なる量的重要性しかもたないも のとして無視しよう。物理的な資本設備のストックがたとえ不変であるとし ても,コンスタントな価格水準においてさえ利潤がが変るごとに異なった価 値をもつかもしれない。もし,労働が資本設備の生産でより早く投入される ならば,資本設備の実質価値は,利子率がより高くなればなるだけより大と なる。他の場合にはより低下する。等しい時間構造という考えられない場合 においてのみ,投資した実質資本と資本設備の量との問に直接的な関係が存 在する5)。」ここでは,生産の時間的構造,賃金率,利子率と資本財価値との関