• 検索結果がありません。

糖転移酵素デキストリンデキストラナーゼに関する 生物工学的研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "糖転移酵素デキストリンデキストラナーゼに関する 生物工学的研究"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

糖転移酵素デキストリンデキストラナーゼに関する 生物工学的研究

著者 鈴木 雅之

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 22

ページ 153‑155

発行年 2001‑03‑30

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1501

(2)

氏名0(本

  

  

  

(静岡県)

学 位 の 種 類

  

  

  (工 

)

学 位 記 番 号

  

工博 甲第

  201  

難 授与の日付

  

平 成 12年 3月 24日

学位授与の要件

  

学位規則第4条第 1項 該当 研究科0専攻の名称

  

電子科学研究科

 

電子材料科学

学位論文題目

  

糖転移酵素デキス トリンデキス トラナーゼに関する生物工 学的研究

論 文 審査 委 員   (委員長)

教 授

 

 

 

 

  

教 授

 

 

 

巌太郎 教 授

 

田 員 吉

助教授

 

近江谷

 

 

論 文 内 容 の 要 旨

デキス トランは、工業的に生産 される重要な細菌性グルカンであ り、その用途は広 く、血漿増量剤

(代用血漿)や抗血液凝固剤(デキス トラン硫酸)など、薬学あるいは生化学の分野で広 く利用 されてい る。 また、デキス トランを部分加水分解 して得 られるイソマル トオリゴ糖(1,6‐ α‐D―グルコオリゴ糖)

は、 ビフィズス菌など有用腸内細菌の増殖に著効を示すため、機能性オリゴ糖 として食品あるいは飲 料 に添加 されている。 しか し、このデキス トランは、乳酸菌の一種レκ

"asゎ̀ ιれたFattS B¨512F 株の産生する、糖転移酵素デキス トランスクラーゼにより、スクロースから合成 されるもので、その 製造法が限定 された高 コス ト製品であるため、デキス トランの低 コス ト化が望まれている。

酢酸菌の一種た

̀」

a勿

̀″

r capls″滋励 ATCC H89株は、糖転移酵素デキス トランデキス トラナーゼ

(DDase,EC 2.1.1.2)を産生するデキス トラン生産菌 として、1950年代の初期 には知 られていたが、本 酵素の系統的な研究は1992年まで全 く行われなかった。従来報告 されてきたDDaseは 、いずれ も菌体 内酵素であつた。デキス トランスクラーゼに対するDDaseの 最大の利点は、デキス トラン合成の基質 として、甘味分野で利用価値の高いスクロースではな く、デンプンの糖化過程における副生成物で、

利用度の低いデキス トリンを用いることが可能な点にある。そこで、A. が 滋物 ATCC H89萄朱に 着 日し、当該菌の産生する菌体加 Daseに 関 し、総合的な研究 を展開 した。

本研究では、A.caps J勧ATCC H8%株が菌体外 に産生するDDaseに 関 し、その機能の精査・開 発 を行い、これに基づいて低 コス トなデキス トラン生産の実現を目指 した。また、当該酵素の糖転移

‑153‑

(3)

能を利用 した新規オリゴ糖の生産など、食品工業分野におけるDDaseの 利・活用の可能性などについ て種々検討 した。

本論文は、気 章から構成 されている。第1章では、本研究の背景、位置付け、目的および研究の方 向性などについて、デキス トランの用途開発やデキス トラン関連酵素の作用機作 などに触れなが ら紹 介 した。第2章 では、Àιゎbmercaps″滋脇 ATCC H8%株によるDDaseの 効率的生産法の開発 につい て述べている。酵素 タンパ ク質の精製には、相当量の出発粗酵素が必要である。そのため、多量の DDaseを 効率的に当該菌に産生 させるための培養条件の検討 とその確立を行 った。また、高速液体 ク

ロマ トグラフイーを用いた活性測定法における、当該酵素の活性量1酵素単位 を定義 した。

第3章 では、当該酵素 を培養培地か ら効率的に回収する方法ならびに簡易な精製法の開発 について 述べている。当該DDascに ついては、酵素標品中に多量のグルカンが含 まれているため、一般的なク ロマ トグラフイー操作を、当該酵素タンパク質の精製に適用することは極めて困難である。当該酵素 は、合成 された難溶性デキス トランに高い親和性 を示すので、この性質を利用 して、高速冷却遠心分 離 と透析 とを組み合わせた簡易操作 による、高純度DDtteを 得 るための精製法を開発 した。この際、

従来報告 されてきた菌体内DDaseの 精製法 との比較 も行 った。

第4章 では、得 られた精製酵素の機能特性ならびに作用機作などについて検討 した。pHおよび温度 が当該酵素にお よぼす影響、各種金属イオンや阻害剤のDDase活 性に与える影響や、基質特異性など について精査 した。また、マル トースによるデキス トラン合成の阻害機構など、反応速度論的な解析 を行い、DDaseの有する機能特性 について、詳細 に検討 した。 さらに、得 られた実験結果を総合 し て、マル トベ ンタオースを基質 とした際のDDaseに よるデキス トラン合成の反応経路 を推定 し、種々 考察 を加えた。また、反応系中に合成 されるデキス トランや各種オリゴ糖の化学構造 をNMRを用い て解析 した。

5章では、低 コス トにデキス トランを合成するために、デキス トランの連続生産法 を開発 し、当 該生菌による長時間のデキス トラン合成反応や、還元処理 された基質からのデキス トラン合成反応 と の比較などを行い、本連続生産法の有効性 について結論 を得た。 さらに、DDaseの マル トースヘのグ ルコシル基転移能を利用 し、数種の新規オリゴ糖 を酵素合成 し、それぞれを単離・精製 した後、その 化学構造 を決定 した。

第6章 では、本研究か ら判明 した諸事実に基づいて、DDaseの 生物学的意義および食品工業分野に おける当該酵素の利用の可能性などについて、総合的に考察 した。

‑154‑

(4)

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

デキス トランは、乳酸菌レ″o4asゎε

̀s FaZιS起源のデキス トランスクラーゼ(DSase)に より、

スクロースから合成 されるα一グルカンで、代用血漿や抗血液凝固剤など、医学・生化学分野におけ る重要且つ高価な機能性高分子多糖である。一方、デキス トリンからデキス トランを合成する酢酸菌 À̀"b ″r

滋効 起源のデキス トリンデキス トラナーゼ(DDase)に 関する系統的な研究は、これ までほとんどなされていない。

DSaseに 対するDDaseの 最大の利点は、デキス トラン合成の基質 として、スクロースではな く、デ ンプン糖化の副産物で、利用価値の低い廉価なデキス トリンの利用が可能なことにある。そこで、ス。

助孵 勉物 の産生するDDaseに 着 日し、生物工学的ならびに食品工学的研究を展開 した。

本論文では、A.働ぃ 滋勉 のDDaseを 活用 し、低 コス トデキス トラン生産の実現 を目指す ととも に、デキス トランの加水分解物で、ビフイズス菌など有用腸内細菌の増殖 に著効 を示す、各種イソマ ル トオリゴ糖の大量生産への可能性などについて、種々検討 している。

1章では、有用多糖デキス トランに関するこれまでの研究について述べ、本研究の背景 と目的を 示 している。

第2章 では、大量のDDaseを 効率的に産生 させるための最適培養条件の検討 とその確立について述 べている。

第3章 では、DDaseを 培養液か ら効率的に回収する方法 と酵素の純化・精製について述べ ている。

当該酵素は、自らが合成 した難溶性デキス トランに高い親和性を示すため、この性質を利用 し、高速 冷却遠心分離 と透析 とを組み合わせることにより、高純度DDaseを 調製する簡易な精製法 を開発 して いる。

第4章 では、精製酵素の物理化学的・酵素学的特性お よび基質特異性などについて精査 している。

さらに、反応速度論的な解析やNMRによる反応生成糖の構造解析などに基づいて、DDaseの 糖転移機 能の特性を詳細 に検討 し、マル トペンタオースからデキス トランを合成する際の、副反応 を含む全反 応経路 を確定 している。

第5章 では、低 コス トデキス トランの連続生産法 を開発 し、その有効性 について結論 を得ている。

さらに、一連の有用新規 グルコオリゴ糖 を酵素合成 し、その化学構造 を決定 している。

第6章 では、本研究から得 られた成果の意義 と今後の展望、特 に食品工業分野で期待 されるDDase 利用の可能性 について、多面的に考察 している。

以上、本論文はDDaseを 活用 し、低 コス トデキス トランを、効率的に連続生産する方途 を提案 して いる。これにより、イソマル トオリゴ糖の低 コス ト且つ大量生産システムの構築が可能 となり、食品 工学へ寄与するところが大である。 よって、本論文は博士(工)を授与するに十分値するものと結論

された。

‑155‑

参照

関連したドキュメント

その産生はアルドステロン合成酵素(酵素遺伝 子CYP11B2)により調節されている.CYP11B2

しかしながら生細胞内ではDNAがたえず慢然と合成

化し、次期の需給関係が逆転する。 宇野学派の 「労働力価値上昇による利潤率低下」

の点を 明 らか にす るに は処 理 後の 細菌 内DNA合... に存 在す る

船舶の航行に伴う生物の越境移動による海洋環境への影響を抑制するための国際的規則に関して

(a) ケースは、特定の物品を収納するために特に製作しも

それに対して現行民法では︑要素の錯誤が発生した場合には錯誤による無効を承認している︒ここでいう要素の錯

3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7