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ホットウォールエピタキシー法によるCdTe 及び HgxCd?-xTe薄膜の成長及び評価

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Academic year: 2021

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(1)

ホットウォールエピタキシー法によるCdTe 及び HgxCd?‑xTe薄膜の成長及び評価

著者 立岡 浩一

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 14

ページ 166‑169

発行年 1993‑03‑25

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1734

(2)

氏名。

(本

籍 )   立           (滋 賀県

)

学 位 の種 類 博 士 (工 学 ).

学 位 記 番 号    工博乙第   40  

学位鵬 の日付   平 成 4年 2月 20日 難 授与の要件    学位規則第 4条 第 2項 該当

学位論文題目   Growth of Cdtte and Hgxcdl̲xTe films by hot・ wall epitatty and its character:zation

(ホ ッ トウォールエ ピタキシー法による CdTё 及び HgxCdl̲xTe薄 膜の成長及び評価

)

論文審査委員   (委 員長

)

教 授 山 田 祥 二

教 授 熊 り │1征 司   教 授 藤 安   洋 教 授 福 家 俊 郎   嗽 授 石 田 明 広

論 文 内 容 の 要 旨

本研究は ,ホ ットウォール法 (HWE法 )に よる高品質 CdTe及 び HgCdTe薄 膜 の成膜技術を確立 することを目的とする。この CdTe薄 膜は HgCdTe成 長 のためのパ ッファー層である。基板 として GaAs及 びサファイア基板を用いた。 CdTeと GaAs及 びサファイアとでは ,格 子定数及び熱膨張係 数が異なるため ,CdTe薄 膜内に歪が生 じ結晶性が劣化す る。高品質 CdTe薄 膜を成長 させ るには

,

それらの影響を調べる必要がある。

(1)そ

こで ,歪 の特長及びその緩和過程の評価・ 解明に重点をおき CdTe薄 膜の構造的 ,光 学的諸性質を明 らかにした。また基板 と CdTe薄 膜 との熱膨張係数の差によっ て薄膜が受ける歪 0旧 夢 をバイメタルモデルを用いて解析 した。 ・

121さ

らに ,HWE法 により赤外 デ バイス材料として応用が期待されている HgTe及 び HgCdTe薄 膜の成長技術を確立 した。

(3)歪

緩和機 構について新 しいモデルを提案 した。

基板及び成長方位の異なる CdTe薄 膜を作成 し ,そ れ ら薄膜の結晶性を ,エ ッチピット観察 ,高

ネルギー電子線回折 ,X線 回折 ,透 過型電子顕微鏡観察 ,蛍 光発光スペクトルにより評価 した。また 薄膜内の歪の大 きさを X線 回折 ,及 び反射 スペク トルの解析か ら求めた。作成 した CdTO薄 膜 は

,

GaAs(100)基 板上 CdTe(100)薄 膜 ,即 ち CdTe(100)/GaAs(100),他 CdTo(111)B/GaAs

(100),CdTe(111)/サ ファイア (0001),CdTe(111)B/CdTe(111)Bで ある。 GaAs基 板の前

処理温度を変えることにより CdTe薄 膜の成長方位を制御することに成功 した。以下 ,各 薄膜 につい

(3)

て明 らかになった主なことを記す。

lAI CdTe(100)/CaAs(100),薄 膜の結晶性が膜厚の増加に伴い向上することが分 った。膜厚 1

mで の CdTe(400)ピ ークの X線 ロッキングカープの半値幅は

140秒

,4.2Kで の蛍光発光 スペク

トルにおける東縛励起子発光の半値幅は0.37meVで あった。これらはいずれも CdTe薄 膜が高品質薄 膜であることを示 している。この薄膜は格子不整及び熱歪より

=次 元圧縮励 を受けていることが分っ た。 14%の 格子不整は薄膜基板界面でその殆どが緩和 し歪は約 3x10 3程度になること ,そ の歪 は膜 厚の増加に伴い緩和 し

̀約

10μ

mで その殆どが緩和することが分かった。さらに膜厚が厚 くなぅて も ほぼ

10‑4程

度の歪が残留 していることが分かったるこの残留歪 は熱歪であることが解析の結果より明 らかになった。

lBI CdTe(111)B/GaAs(100),基 板として (100)基 板

(ジ

ャス ト基板 ),或 いは (100)よ り

010〕

方向に 2度 傾斜させた基板

(オ

フ基板 )を 用いるかによって ,CdTe薄 膜の諸性質が全 く異 な ることが分かった。ジャス ト基板上のCdTe薄 膜には双品の発生がみられた。 これに対 してオフ基板 を用いた場合には ,高 品質単結晶薄膜が成長 した。膜厚

24μ

 mで の CdTe(333)ピ ークの X線 ロッキ ングカープの半値幅は

90秒

であった。歪は膜厚の増加と伴に減少 し ,膜 厚約

20μ

m以 上で■定値となっ た。この残留歪の大 きさは計算で求められる熱歪の値 とほぼ一致 した。 CdTe薄 膜の結晶面 と GaAs 基板のそれとの傾 き角は ,  ジャス ト基板を用いた場合にはゼロ度 ,オ フ基板を用いた場合には約

0.65

度であった。この角度は薄膜基板界面における幾何学的考察により説明できた。以上 GaAsオ フ基板 を用いて高品質 CdTe(111)B薄 膜の成長技術を確立 したことが示された。

lCI CdTe(111)/サ ファイア (0001),GaAs基 板の場合と同等な結晶性の CdTe薄 膜を成長 させ た。格子不整による二次元引張歪は膜厚 lμ mに おいて殆ど緩和 しており ,CdTe薄 膜は熱歪により

,

二次元圧縮応力を受けていることが分かった。これよリサファイア基板上の CdTe薄 膜もまた HgCdTe 成長のパ ッファー層 として使用可能であることが分かった。

lDI CdTe(111)B/CdTe(111)B,CdTe(111)B面 は HgCdTe成 長に適 している面でありなが ら ,ホ モエピタキシャル膜において双品の発生が問題 となっていた。本研究では基板処理条件を最適 化することにより高品質単結晶薄膜の成長技術を確立 した。同薄膜は歪んでいること ,ま た歪の大 き

さと薄膜の結晶性 とは相関関係にあることが分かった。

HgTe及 び HgCdTe薄 膜の成長を HWE法 により行 った。 HgCdTe成 膜時 Hgを 過剰 に供給 し薄膜 の組成比を Teの 供給量で制御 した。 HgCdTe薄 膜を CdTe/GaAs多 層構造基板上に作成 し , n型 移動度が室温で

l x104話

v‑ls‑1と 良好な電気的特性を有する薄膜の作成に成功 した。

(100)成 長格子不整ヘテロエピタキシャル膜の歪緩和機構について新 しいモデルを提案 した。 ミス フィット転位密度が歪の大きさに比例すると仮定 し ,歪 と膜厚の関係式を導出 した。このモデルは他 に報告されている格子不整ヘテロエピタキシャル膜の歪緩和の実験結果を良 く説明 した。このモデル は今後の歪み緩和の詳細な解明に大いに寄与するものと思われる。

以上の結果はいずれも HWE法 により達成 されたものであり ,今 後の赤外デバイスの研究及び工業

化に有益な寄与をなす ものと考えられる。

(4)

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

本論文は ,ホ ットウォール法 (HWE法 )に よる CdTe及 HgCdTeの 薄膜成長及び歪緩和 に関す るものであり , 7章 か らなる。この研究は HgCdTe赤 外線センサーを大型で良質な結晶の得 られ る GaAs等 異種基板上へ作製することを目指 して行 ったもので ,そ のバ ッファ層 として CdTe膜 を用い ることを目標にしている。草 WE法 による CdTeや HgCdTe薄 膜の作製研究はこれまでほとんど行わ れておらず ,こ の研究は HWE法 による最初の系統的な研究である。

この研究では ,CdTe薄 膜を GaAs(100),サ ファイア (0001)及 CdTe(111)B面 上に作製 し ている。第 1章 では本研究の目的につき記されている。第 2章 は GaAs(100)基 板上への CdTe薄 膜の作製 ,評 価に関するもので ,基 板の表面状態すなわち表面の処理方法の違いにより ,CdTe(100) と CdTe(111)Bの 2種 類の薄膜をつ くり分けることができることを確認 している。また。作製 し た薄膜の評価を X線 回折法 ,フ ォ トルミネッセンス測定 ,反 射スペクトル測定 ,TEM観 察等 により 評価 している。 CdTeと GaAsと は格子定数が 14%と 大 きく異なり ,良 質な単結晶薄膜を得 ることは 難 しい。 CdTe(100)/GaAs(100)ヘ テロ成長では ,界 面付近で GaAs 8個 に CdTe 7個 が配列す ることにより 14%の 格子定数差のほとんどが緩和され ,残 った0.3%の 格子不整合が膜厚の増加 と共 に徐々に緩和されることを明 らかにしている。また ,10μ  m以 上の厚膜でも ,基 板 との熱膨張係数 の 差による残留歪が存在することを明 らかにしている。 GaAs(100)基 板上への CdTe(111)B成 長で は ,作 製される薄膜は双晶となり ,GaAs(100)面 を 〔

010〕

方向に

2・

傾けた基板上へは双晶のな い単結晶薄膜が得 られることを明 らかにした。 GaAs(100)ジ ャス ト基板上へ作製 した薄膜では

,

X線 ロッキングカープの半値幅に膜厚依存性はほとんど現れず ,膜 厚が増加 しても ,双 晶構造による 複雑な格子歪が残 ることを示 した。オフ基板上へ作製 した単結晶薄膜では ,双 晶構造 は現れず ,良 質 な CdTe薄 膜を得 ることができることを示 した。 HgCdTeは (111)方 向に成長 したとき Hgを 膜中ヘ 取 り込み易いので ,GaAs(100)オ フ基板上へ成長 したこの CdTe(111)B膜 は HgCdTeの バ ッファ 層 として極めて有効である。オフ基板上の CdTe(111)B薄 膜は GaAs(100)面 に対 し約

0。

傾斜 しており ,GaAsと CdTeの 原子層ステップの高さが‐致するように成長するモデルを提案 し説明 し ている。

第 3章 では ,比 較的容易に良質な大型基板の得 られるサファイア (0001)面 上 への CdTe成 長 に関 する研究が述べ られている。基板 としては ,CdTeと の格子定数差を考慮 し ,(1010)方 向へ

2.7°

傾 斜させた基板を用いている。この基板上へ作製 した薄膜では ,基 板 との格子定数差による格子歪は

1

μ m以 上の膜厚ではほとんど緩和 され ,熱 膨張係数の差による格子歪のみが残ることを明 らかに して いる。

HWE法 で作製 したこれらの薄膜は ,MBEや MOCVD法 等で作製され ,報 告されているものと 1同

程度に優れてお り ,HWE法 による CdTe薄 膜作製の有用性を示 している。また。本研究では CdTe

(111)基 板上への CdTeホ モ成長

(第

4章 )も 試みてお り ,双 晶の無い良好な CdTe膜 の成長に初め

(5)

て成功 している。良質な薄膜の成長には基板表面の Te組 成比が大きく影響 していることを提案 して いる。

第 5章 では ,GaAs基 板上へ作製 した CdTeバ ッファ層上への HgCdTe薄 膜成長 と評価に関 し述べ ている。HttCdTe薄 膜の作製用装置 として ,水 銀溜を真空装置外に設置 し ,CdTe,Tё 及び Hgを 蒸 発させて作製する HWE装 置 を開発 し ,HgTe及 HgCdTeの 作製 に成功 している。薄膜は GaAs (100)基 板上へ作製 した CdTe(100)お よび CdTo(111)B上 へ成長させた 8X線 の半値幅としては

,

(400)ま たは (333)ピ ークにおいて

0.1°

程度のものが得 られた。電気特性で もキ ャリヤ濃度

1

016cm 3程

度で液体窒素温度での移動度が 50000cr/Ves程 度のものが得 られている。これらの特性は

,

現在の処 ,他 の方法で作製され報告されているデータと比べ劣っているが ,今 後の装置上の改良 ,成

長条件の最適化により更に良質な薄膜が得 られるようになると思われる。

第 6章 では ,膜 中の転位数あるいは歪緩和量は ,そ の場所での歪量に比例するというモデルを提案 し ,本 研究で明 らかにした CdTe/GaAsヘ テロ接合中の歪緩和や Znse/GaAs,InAs/GaAs等 他 のヘテロ接合系にも適応させ分析を加えている。

以上 ,本 論文は HWE法 による CdTO及 び HgCdTe薄 膜作製の最初の系統的研究をまとめたもので

あり ,膜 中の格子歪及び歪緩和を分析 し ,大 きな格子不整合を持つヘテロ接合での成長機構 と歪緩和

に関 しても ,い くつかの提案を行っている。これ らの研究は ,こ の材料分野の研究のみでなく ,今 日

広 く興味をもたれている格子定数の異なる材料間のヘテロ接合の研究へ も有用な研究成果を提供 して

いる。よって ,本 論文は博士論文として十分価値があるものと認定する。

参照

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