体 育 科
自分にとっての効果的な動き方を明らかにする
子どもは、ルールや用具、場の設定など、その運動がもっ素材の魅力に惹かれ、運動に臨んでいく。
運動する中で子どもは、位置感覚や回転感覚、スピード感などの、動き方そのものから得られる感覚や、
勝利や記録の向上、技の上達などの目に見える運動の成果からの達成感、さらには仲間とともに一つの 目標に向かっていく連帯感など、その運動における楽しさを味わっていく。その運動における楽しさは、
動き方が高まることでより強まるため、子どもは、「もっと上手になりたい。もっと強くなりたい」と、
自らの動き方を高めようとその運動に没頭していく。
子どもは、その子が今までに動き方を高めてきた取り組み方で、この運動での動き方も高めようとし ていく。今までの運動経験を生かしていく子。いろいろな動き方を試す中で手応えを感じた動き方を取 り入れていく子。自分がよいと思った動き方をひたすらくり返していく子。動き方を細かく分け、その 細分化ざれた動き方に目を向けていく子。子どもは、見方・感じ方・考え方が表出したその子の取り組 み方で動き方を高めようとしていく。
しかし、運動を続けていくうちに、子どもは、技能的な問題や勝敗などから、それまで感じてきた楽 しさを強く感じられなくなってくる。楽しさを強く感じられなくなった子どもは、自らの動き方を高め ようとさまざまな動き方を探っていく中で、友達の動き方や会話、教師の助言などから、教材の本質
(その教材におけるセオリー)に触れていく。そして、動き方の高まりにつながる手がかりを得ようと教 材の本質に沿った動き方を試していく。しかし、子どもは、教材の本質に沿った動き方を試してはみる
ものの、形だけを真似していても、それは、その子の動き方とはなっていかない。それは、今までやっ てきた動き方とは遵うその動き方に、技能の高まりにつながりそうだというよさを感じていることに違 和感を覚えてしまうからだ。
教師は、そんな子どもに、教材の本質と向き合うように関わる。そうすることが、その子にとってこ れまで自分がやってきたこの運動における動き方に対する考えと教材の本質との間のずれを顕在化させ ることになるからだ。教材の本質と向き合った子どもは、立ち止まり、これまで自分がやってきたこの 運動における動き方と教材の本質に沿った動き方とを照らし合わせ、動き方を吟味していく。
動き方を吟味していく中で、子どもは、これまでの自分の取り組み方をふり返っていく。子どもが、
これまでの自分の取り組み方をふり返ることは、そこに表れる自分の見方・感じ方・考え方を問うてい くことである。子どもは、より楽しさを感じるために見方・感じ方・考え方が表出した自分の取り組み 方で動き方を高めようとしてきたものの、そう取り組みきれていなかったことで教材の本質を取り込め
ていない自分に気づく。そんな子どもは、改めて自分の取り組み方で取り組み、自分はこれからどうし ていくのかと動き方を考えていく。教材の本質を取り込み、自分が踏み出した新たな動き方の高まりを 実感した時、その動き方は、その子にとっての効果的な動き方(その子がより楽しさを感じられる動き 方)になる。
子どもは、より楽しさを感じようと取り組み続ける中で、自分の見方・感じ方・考え方を問い、教材 の本質を取り込んだ上で自分にとっての効果的な動き方を明らかにする。これが、体育科における学び である。
そんな子は、これから出会う運動においても、より確かになったその子の取り組み方で自らを高めよ
うとしていく。
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