血管造影室への入室方法の検討
一病棟・中央放射線部看護師へアンケートを行ってー
中央放射線部
O堀 田 佳 代 大 野 広 美
[1.はじめに】
当院では、血管造影検査を受ける患者のほぼ 全員がベッド入室である。これは、平成
17年 頃まで血管造影検査を受ける患者に前投薬が 施行されていたためである。現在では、前投薬 は行なわれておらず
4ベッド入室の必要性は低 いと思われる。近年、多くの病院の手術室でも 独歩・車椅子入室が増えてきている傾向にある。
また、ベッドでの出室の場合看護師
2人もしく は、看護師と助手といった
2人の人員が必要と される。そのため、患者の入室方法を独歩・車 椅子入室とすれば病棟看護師
1人で出室でき るため病棟の負担も軽減されるのではないか と考えた。
[ rr
.研究方法
11.調査期間
1)
独歩・車椅子入室のお知らせ
平成
21年
7月
2日に紙面で各病棟へ配布し た。内容は、独歩・車椅子入室の対象患者とし て「点滴・パノレーンの有無に関わらず、階段を 使い検査台への移動が可能な方」に限定した。
「入室時はワンピース型 L Lサイズの寝衣と パンツを着用(小柄な方は Lサイズでも可、独 歩入室はパジャマで、も可)とし、階段を使用し て検査台にあがって頂き、検査台の上で寝衣を はずして病棟看護師へお返しします。
Jとした。
また、「患者入室後、ベッドメーキングを行い、
30
分以内に中放入り口前廊下にベッドを運ん でおいて下さい。
jとした。補足として、「患者 のA D L や病状・希望にそって、独歩や車椅子
植 木 奈 美 枝 山中委豆美
入室でも結構です。患者の意向やスタッフの業 務の都合なども柔軟に対応させて頂きます。」
とした。
2)
入室方法についての調査
平成
21年
7月
3日 平成
21年
8月
28日
3)アンケート調査
平成
21年
10月
26日 平成
21年
11月
6日
2.入室方法についての調査
実際の入室方法の種類を、その日の検査室 の担当看護師がワークシートに記載し検査 終了後ベッド上安静が必要でベッド退室と なる患者の人数を集計した。
(ミエログラフィ・神経ブロック・緊急の血 管・非血管造影検査は除く)
3.
アンケート調査
質問紙調査、留置回答記述方式で、行った。
<アンケート①>
平成
19年度の血管・非血管造影検査の件 数が多かった
C5、
C6、
B5、
B6、
B7病棟看 護師
130名(師長を除く)
<アンケート②>
血管・非血管造影検査に関わる中央放射線 科放看護師
17名
<倫理的配慮>
研究目的及び研究協力は、個人の自由意志で あること、参加しないことによる不利益は
ないことを理解し、同意が得られたうえで行 った。調査内容は、無記名で行い、個人が特 定されないようにプライパシーに配慮した。
[ill.
結果}
‑136‑
病棟アンケート回収率は
67% (87名)であ った。そのうち、「独歩・車椅子入室をしたこ とがありますか。
Jについては、「はし、
J31%(27
名)、「し
1いえJ
69% (60名)で、あった。
独歩・車椅子入室をした良い点(複数回答可) は「出室に対して、準備そのものに必要な時聞 が短縮できる。
J16名、「病室を出てから準備 室に到着するまでの時間が短縮できる。
J16名 で、あった。(図1)
J
、
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図 , 独 歩 ・ 車 椅 子 入 室 互 の 良 い 点 〈 複 数 回 答 〉
実際の患者の
A D Lは電子カノレテ上で、患者 の移送方法を確認すると杖歩行を除く独歩が
74%でしたが、検査室への独歩・車椅子入室 が
16%と少なかった。(図
2)脳 祖 歩h酒匡槽子凶ベッド
車 置 白 幡 適 古 措
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図2.患 者 の 移 送 方 法 と 実 際 の 検 査 室 入 室 方 法
独歩・車椅子入室をした悪い点(複数回答可) は独歩・車椅子入室後「新たにベッドを降ろす 手聞が増えた。 J
23名 、
f30分以内にベッドを 降ろす時間の余裕がない。
J13名で、あった。
( 図
3)民u n υ
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2 2
・ ・
1
5 0 人 ベッドを降ろす
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図3 独 歩 ・ 車 椅 子 入 室 の 悪 し 、 点 〈 複 数 回 答 〉
独歩・車椅子入室をしたことがない理由(複 数回答可)は独歩・車椅子入室後「新たにベッ
ドを降ろす手聞が増えると思った。
J35名 、
f30分以内にベッドを降ろす時間の余裕がないと 思った。
J28名で、あった。(図
4)40 35 3。
25 2。
15 10
s o
人
図4.独 歩 ・ 車 栂 子 入 室 を し た こ と が な い 理 由 { 複 数 回 答 }
独歩・車椅子入室方法についてわからなかっ た点(複数回答可)は「病衣の種類について」
11
名、「病衣の着方について
J12名、「下着に ついて
J16名であった。(表
1)表1.車椅子・独歩入室で不明な点は何か
病衣だけでははだけるのではないか
病 衣 の 種 頭 セパレート型?前開き型?' 11人
どの病衣を選択するのか?
前後逆にしてベッド出室していますが車椅子
病 衣 由 着 方 はどうなるのか 12人
前後逆に、点滴陪i置さずに?
T字帯使用ですか
下着について ベッド尚室でも下着の着用除良いのでは。 3人
独歩・車椅子の場合は下着をつけていいのか OP.入室は草椅子出室も増えていて出室に 関わるスタップ町人数も減って楽です
そ の 他 下着は着用してもらってます 3人
血管造影室のことも詳しく知りたいです
独歩・車椅子入室はどのようにして決めてい るか。(複数回答可)は「業務上看護師が決め ている。
J34名、「患者と相談して決めている。
J 18名、「患者の
ADLを考えて決めている。」
35
名で、あった。(表
2)遣を2国 入 室 方 法 は ど の よ う に 決 め て い ま す か
業 務 の 都 合 上 、 看 置 聾 留 置 が 決 め て し 、 る 34~人
是主零雪と相量裂して主民めてし、る 1 8 A
患 者 のA Dし を 考 え て 決 め て し 、 る 35̲人
弓:‑0
コ
f也 6.)、舞tt(J;司軍事 1 5 A
「今後も独歩・車椅子入室をしようと思いま すか。」については「はしリ
50% (43名)、「し、
いえ
J32% (28名)、「無回答
J18%( 1
6名)
‑137‑
で、あった。
「はし、」の理由として、「歩ける患者の場合、
ベッドで出室するよりも歩いて行きたいと思 っておられることもあり、患者の思いを尊重で きる。
Jr患者から希望されることがある。
Jrベ ッドよりも患者の負担が軽減される。」等があ った。
[N.
考察】
当初、私たちは入室方法を拡大することによ り、病棟看護師が入室時
2名から
1名となり、
検査入室後 30分以内に助手がベッドを降ろす ことができるため病棟看護師の業務が軽減で きるのではと考えていた。しかし、実際は時間 の短縮になるなど肯定的な意見があった反面、
人手がない為 r30分以内にベッドを降ろせな いJ
r 2度手聞になる」という意見も多く、独 歩・車椅子入室には反映されなかった。このこ とから、ベッドは病棟看護師が降ろしているこ とが多いと思われ、病棟看護師の業務の負担が 一概に軽減されたという結果には至らなかっ た。しかし、中放検査件数の増加、医療機器類 の進歩により検査時間が短縮されてきている ため、ベッドを降ろす時間は 30分以内が望ま
しいと思われる。
病棟アンケート結果より「独歩・車椅子入室 の方法についてわからなかった点はありまし たか。
Jの間いに対し
87名中
42名の意見があ ったこと、「独歩・車椅子入室のお知らせを知 らなかった。
Jと回答された方が
11名いたこと、
ベッド入室時と同様下着の着用なしで病衣を 後ろ前に着て来られた方がいた。このことから、
最初に配布した資料の内容に関して、周知徹底 されていないと思われ今後も入室方法に関す る情報を発信していくことは必須であると考 える。
今回、私たちは入室方法の拡大についてお知 らせする際に詳しい説明を行っていなかった。
当院では、現在前投薬が少なくなってきている 中でベッドでの出室の必要性が低下している
こと、近年の入室方法の傾向、独歩・車椅子入 室の利点等、具体的に病棟へ情報を伝えるべき で、あったと考える。松屋らの研究では、患者か ら歩行入室に対して緊張がほぐれたと聞かれ ており、歩行入室は普段と変わらない行動であ り、視線が同じ高さで看護師とコミュニケーシ ョンが図りやすく、緊張感を緩和させる。 1 ) と述べているように選択肢のーっとして、今後 も独歩・車椅子入室を継続していく。
しかし、独歩・車椅子入室が最善の方法であ るとはいえない。歩行できる患者も当日の体調 や心理面の変化もあり、ベッドを希望される患 者もいるのではないかと推察する。そのため、
患者の声を直接聴き、今後の入室方法を見直し てし、く必要があると考える。
[v.
おわりに】
近年手術窒では、自己選択制という患者が入 室方法を選択する方法を取り入れている施設 もある。こういった現状も病棟にお知らせする と共に為今回明らかになった改善点についても 再度見直しを行い、今後もより良い入室方法に ついて検討を続けて行きたい。
【引用・参考文献]
1)松屋志保他:手術室における歩行入室導入の 効果と今後の課題、第
37回成人看護
I、
P 363'""365、2006.2)
上田和子他:歩行入室が手術室患者に与える 影響、
OPEnursing、
18(6)p 98'"" 100、
2003. 3)梅田圭子他:自己選択による手術室入室方法
の検討、第
37回成人看護
I、
p24'""26、
2006. 4)長沼みづき他:血管造影室の看護師に患者が
もとめているもの、
Yanashi Nursing Vo1.6 NO.1 p23'""26、2007.138