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(翻訳) サンドラ・ハーッシュ博士との会話 簡単な背景

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Academic year: 2021

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(翻訳) サンドラ・ハーッシュ博士との会話

簡単な背景

Hirsh, Sandra.“Conversation with Dr. Sandra Hirsh: A Brief Background,”

東山  由依(文学部文学科日本文学専修)

 

サンドラ・ハーッシュ博士は,アメリカ合衆国のサンノゼ州立大学情報学研究科の教授で あり研究科長です。彼女は 2017 年 10 月に招へい研究員として立教大学を訪れました。こ の短い文書は、図書館情報学の領域での彼女のキャリアや経験についてのいくつかの観点を 共有するものであり、2017 年 10 月 9 日と 20 日に立教大学で行われた教室内での会話のた めに用意されたものです。 

 

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私は情報専門職になりたいということをいつも思っていたわけではなかったけれど、だか らといってそれよりもよいキャリアというものを想像できません。人々がアクセスし情報に たどりつけるような方法を新しいテクノロジーが広げ始めたちょうどそのころに、私はライ ブラリースクールに行きました。変わりゆく情報の世界で、図書館がリーダーシップの役割 を担う可能性をすぐに感じることができました。これらの新しいテクノロジーを通して、物 理的に図書館の中に入ることすらせずに、人々が情報を利用できることがどんなに役立つこ とかと考えると、わくわくしました。私にとって、これらの発展は真に図書館専門職を変容 させているものでした。私たちはなお変容の時にいます。それは私たちの領域をとても楽し くしているものです。この短い文書は、私のキャリアや背景についていくつかの高度な質問 を取りあげたものです。 

 

どのようにして図書館情報学でのキャリアを決心したか 

私の母、ゲイル・シュラクター(Gail Schlachter)は、いつも私のロールモデルでした。

彼女は尊敬されるライブラリアンであり、図書館の領域でのリーダーとしてキャリアを形成 しながら、私と弟を育てました。最終的に彼女自身で出版社を立ち上げて、それを 30 年以 上、うまく経営していました。彼女は自分のする仕事にいつも情熱的でしたし、実際、それ を愛していました。彼女こそが、私に図書館情報学修士号を取ることを考えるよう勧めた人 でした。彼女は、この学位は私が働けることを確実にするものだと思っていました。また私 に、その学位は、(図書館の外であっても)他のキャリアに応用できるような価値のある技 能を提供するだろうとも言ってくれました。それは正しかったです! 

 

図書館情報学の学位について何に一番価値があると思うか 

図書館情報学の学位において私が最も価値があると思っていることのひとつは、柔軟性で す。かなり多様でおもしろい仕事をすること、常に進化する情報専門職に貢献して参加する こと、そして異なる環境で働くことを可能にするものです。私は図書館情報学の領域で、さ まざまな情報環境を横断して応用可能で有益なものにする核となる信条を見つけました。そ れは利用者や情報要求、情報を組織化し、それらの要求に見合うサービスや設備、システム

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講演会記録 

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を設計することと、情報アクセスに焦点を当てています。例えば、私の学位はとても異なっ た役割を果たすことができました。Microsoft 社の hotmail や Windows  Live のウェブコ ミュニケーションでのユーザー体験の管理職、ヒューレッド・パッカード研究所の情報研究 プログラムの責任者、ミシガン大学化学図書館での化学ライブラリアン、法律事務所での訴 訟専門のライブラリアン、そしてゲティ美術の歴史情報プログラムでの研究コンサルタント などです。可能性は無限です。 

 

企業と図書館で働く環境の違いはなにか 

私のキャリアのなかでは、人生の異なった時期に企業と図書館の両方での勤務を楽しんで きたけれども、どんな環境でも、働くうえでは良い面も悪い面もあります。むしろ問題は、

それぞれの人が何に動機づけられて満足するのかについてです。この問題に対する答えは人 によって違い、同じ人のキャリアでも時によって違うかもしれません。個人的には、広い影 響を与えることができるか、変化を生むことができるか、平等で協力的な環境で働けるか、

自分のしている仕事を楽しめるか、という度合いによって動機づけられています。 

以下、私が複数の環境での職場を見たときのほんの一部の違いについて考えてみましょう。

仕事をする人にとって給与は通常、図書館業界よりも企業のほうが高いです。企業が利益第 一の組織であるのに対し、図書館はよく、利益を求めない使命を重視する組織とされます。

仕事の安定性は企業よりも図書館業界のほうが高いことが多いです。企業はよく、仕事を再 編成したり優先し直したりし、それが会社の方針に合わない人や団体の解雇につながること もあります。企業では、図書館と比べて、すばやい決断や変化がより多くあります。図書館 は大きな決断の際には、学区、市政府、または大学組織のような親組織を通して機能するこ とが必要です。ときには変化が顧客やコミュニティの要求に合わないことや、新しい構想に 対する資金調達が不十分であることがありますが、どちらの環境にも不満があり得ます。企 業での仕事は情報を私有のものにしておく(情報を確実に企業内にとどめておく)ことが必 要ですが、図書館の仕事は情報の自由なアクセスを提供する(情報を全員に対して公開させ る)ことを目指しているのです。 

 

なぜ図書館情報学の教授になろうと決めたのか 

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で図書館情報学の PhD(博士号)取得に向 けて取り組んでいるときに初めて教授になりたいと思いました。UCLA は博士課程の学生に、

教授の一員になるよう勧めていました。UCLA を卒業後、私はアリゾナ大学で 3 年間教授と して働きました。私は教授でいることが大好きでした。というのも、図書館専門職の次世代 を教え導くことはとても充実していたからです。また重要な研究領域において研究し、理解 を進めることも楽しんでいました。しかし、家庭の事情により、私たちはシリコンバレーに 移ることになり、当時は学問の世界で働き続ける機会はありませんでした。だからそのかわ りに、私はヒューレッド・パッカードの研究所や Microsoft 社、LinkedIn で働きました。

これらの企業で働くことを楽しむいっぽうで、心はいつも、いつか学問の世界に戻ることを 私に語りかけていました。私はそれがいつ、いかにして起こるのかまったくわかりませんで した。学問の世界に戻るためには研究や出版の業績を保ち続けることが必要なことはわかっ ていました。要求の多い企業での仕事で、特に出版活動を評価し奨励してくれないような製 品開発部門で働きながらそれをするというのは困難でした。出版業績を維持するために私が した他の仕事はすべて、サンノゼ州立大学情報学大学院の研究科長に選出されたときに報わ

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れました!シリコンバレー産業で 12 年間働いた後に学問の世界に戻ることは大変でしたが、

この与えてくれた立場が図書館情報学の領域や次世代の情報専門職に広い影響力をもつこ とはとても気に入っています。 

 

企業での経験が図書館情報学(LIS)での仕事にどう活かされるか 

私の仕事経験のすべては価値のある技能と経験を提供してくれました。企業で働くことは、

製品を開発することがどんなに難しいか(例えば利益を増やすことについてのプレッシャー、

利用者体験の設計の難しさ、製品を市場に出す時間の問題)ということと、市場に製品を出 すまでに関わるすべての異なった部署に対する理解を進めてくれました。それらの非営利部 門での仕事は、製品を設計するために必要な異なる段階のすべてを理解することはなく、効 果的に会社で働く人たちと連絡を取り合う方法についてよく理解しているということはあ りません。だからこそ、このような背景をもつことは有益です。企業で働くことで、危機感 や競争力のある市場を理解することもできました。図書館で働く人たちはよく、これらの考 えは彼らの労働環境に関係ないことだと感じますが、実際は事実ではありません。ライブラ リアンは、情報の世界と利用者ニーズの発展の変化についていくために危機や競争の感覚を もつ必要があります。変わらない図書館とライブラリアンは不適切になりつつあります。

 

今日のLISの意味と可能性についてどう思うか 

私は今日の LIS 専門職には広い可能性があると信じています。『今日の情報サービス:入 門』という、2018 年 3 月に出版予定の基礎的な教科書に書いていますように、私たちの領 域ではライブラリアンに広範囲に及ぶ機会があります。今日の情報専門職は、その領域の核 となる信条に加えて、強力なテクノロジーの技能を開発することや、望ましいユーザー体験 をもたらすサービスや設備をつくること、(メーカー・スペースのような)新しい方法でコ ミュニティにかかわること、戦略的計画や変化を生み出す組織になること、データの理解や 管理、図書館を広報して売り込むことが必要です。また彼らには、よきコミュニケーターで あり、変化に対応でき、協働的で、プロジェクトを管理する人であるといった、きちんとし たソフトな技能も必要です。 

LIS の学習を受けた人々が技能を応用する方法はたくさんあります。私たちの学校の卒業 生が最近就いた仕事の職名は、公共図書館のイノベーション・マネージャー、マーケティン グ・プラットフォーム企業の知識インフラライブラリアン、新興企業のデジタル資産管理、

スポーツチームの学芸員、公共図書館の青少年担当のライブラリアン、大手シリコンバレー ハイテク企業のタクソノミーマネージャー、大手ヘルスケア企業での図書館サービスの責任 者、大学図書館での学術コミュニケーションライブラリアンなど、これらはほんのいくつか の例でしかありません! 

詳しくは、以下に挙げたこの短い文書についてさらに詳しく説明した出版物やインタビュ ーをご参照ください。[参考文献リスト等以下は、原文を参照] 

 

参照

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