九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
冷媒の水平平滑管内沸騰・蒸発熱伝達に関する研究
桃木, 悟
九州大学総合理工学研究科熱エネルギーシステム工学専攻
https://doi.org/10.11501/3060379
出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(工学), 課程博士
第4章
純冷媒の沸騰-蒸発熱伝達
4.1
測定結果4.1.1
実験条件および測定結果表4.1(a)および(b)はそれぞれ向流, 並流の場合における実験範囲を示す. 本 実験では冷媒の循環にポンプを用い, 蒸発した冷媒をブラインで 冷却し液化 している. そのフラインの温度が最低-10OCであるために, HCFC22とCFC1 2 については, 実験圧力は通常冷凍機で使用されるよりも高い. また, 従来の
様々な研究の圧力範囲と比較しでも高い.
図4.1はHCFC22およびCFCl14について向流の実験結果の代表例を示す. え は熱源、水温度, Trは冷媒温度の測定値, Tbはエンタルピより求めた冷媒の混合平
均温度, Twiは管壁温度の周方向平均値,Xはクオリティ ,qは熱流束, z/dは加熱長 さを伝熱管内径で無次元化した値である. また, 図の左端および右端の冷媒温
度の測定値はそれぞれそれぞれ試験区間入口および出口の混合室での値であ る. 図(a),(b)は, 冷媒が過冷液で試験区間に入り, 出口では過熱蒸気となる場 合の例である. 図(c)は入口で飽和状態, 出口で過熱蒸気の場合の, 図(d)は入 口で過冷液, 出口で飽和状態の場合の例である. 冷媒の温度は飽和温度 に達
した後, 圧力降下のために下流に向かつてわずかに低下する. 飽和域では測定 値(Tr)と計算値(Tb)はよく一致しているが, クオリティが1に達した後, Tbは 急激に上昇す るのに対し, Trはそれよりかなり 低い値を示している. これは,
過熱蒸気中に未蒸発液滴が含まれていることが原因と考えられる. 熱源水は
表4.1:実験条件 ( a.)向流
|
冷媒1
HCFC221
CFCl141
HFC134a1
CFC121
1圧力
:rvi
Pa1
0.69_ ""' 1.151
0.25 ""' 0.451
0.64 ""' 0.701
0.63 ""' 0.641
質量速度kg/m2s 1
112 ""' 3581
115 ""' 3501
115 ""' 3061
113 ""' 305熱流束
kW /m2 11.9
""' 57.21
1.6 ""' 39.51
2.7 ""' 53.9I
2.6 ""' 36.8熱収支Qr/Qs 1
0.96 ""' 0.991
0.94 ""' 0.981
0.98 ""' 0.991
0.97 "" 0.99(b)並流
|
冷媒1
HCFC221
CFCl14'圧力 MPa
1
0.69 "" 1.151
0.25 "" 0.451
0.64 "" 0.70質量速度kg/ m 2 s I
118 ""' 3 6 31
115 ""' 3 3 31
115 "" 3 5 0熱流束
kW /
m21
1.9 ""' 75.81
1.9 "" 53.71
2.7 "" 85.9熱収支Qr/Qs 1
0.95 ""' 0.991
0.95 "" 1.001
0.97 "" 0.99冷媒と逆向き に流れるために, 飽和域においては冷媒の下流に行くほど熱源 水と冷媒の温度差が大きくなる. したがって?電気加熱による一様熱流束下で の実験とは異なりクオリティの増加にともない熱流束も 増加する. また, 飽和 域における管壁温度は, 下流に向かつて若干上昇し, クオリティが1になる直 前でドライアウトのために急激に上昇し熱源水温度に近づく.
図4.2は並流の場合の伊!を示す. 熱源水と冷媒の流れ方向が同じであるため,
冷媒の下流に行くほど熱源水と冷媒の温度差が小さくなる. したがってクオリ ティが増加すると熱流束は減少する. また, 出口における冷媒の過熱度は向流 の場合と比べると極めて小さい. 管壁温度は, 飽和域では最初は低下するが,
ドライアウト後は上昇し熱源水温度iこ近づく. また, 向流の場合と同様, 飽和 域 (0くZくりにおける冷媒温度の測定値Trと推算値Tbはよく 一致している.
図4.3(a)(b)はクオリティに対する伝熱管外表面温度の管周方向分布の変化 を示す. 図(a)は冷媒流量が 比較的大きい2 90kg/m2sの場合, 図(b)は小さい
60 60
Nε\三一戸
。ー
1.0 0.5
〉く。 o ...J 0.0
2 3 4 5 6 7 8 9 101112
Secti
onNumber
1 2 3 4 5 6 7x100
z/d
(a)HCFC22,入口:過冷液?出口:過熱蒸気
。
8 60
7
CFC 11 4
,counter flow P =0.45 MPo
G =299 kg/(m�s)
Gs=185 kg/(mセ)
Ts
Nε\三一戸
。』
20寸1 .0
0.5
〉く•
•
q
••
o
...J0.0
34 5 6 789101112
Secti
onNumber
o 1 2 -3 4 5 6 7x100
z/d
(b)CFCl14,入口:過冷液?出口:過熱蒸気
60 60
10
HCFC22
,counter flow P =1.13 MPa
G =288 kg/(m:の
Gs==21 0 kg/(mセ)
Nε\〉〉一戸
50
仁_)
40
ド30 。『
20 20
11.0
><
•
0.5
。 0.0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112
0Secti
onNumber
o 1 2 .3 4 5 6 7x100
z/d
(c)HCFC22,入口:飽和状態?出口:過熱蒸気
60 HCFC22
,counter flow
P ==1.14 MPa G ==290 kg/(m:s)
Gs=214 kg/(mLs)
ヒア
20
11.0 0.5
〉くq
•• •
。 o
...J0.0
3 45678 9 10 1112
Secti
onNumber
o 1 2 3 4 5 6 7x100
z/d
(d)HCFC22,入口:過冷液?出口:飽和状態、
60 60 HCFC22, parallel flo P =1.15 MPa
G =289 kgj(m:s)
Gs=211 kgj(mな)
Nε\〉〉av
。一
20 l1.0 0.5
〉く• •
•
• •
。
o J0.0
2 3 4 5 6 7 8 9 101112
Secti
onNumber
o 1 2 3 4 5 6 7x100
z/d
(a)HCFC22
8 6 0
7
CFC114, parallel flo P=0.46 MPa
G =301 kg/(mら)
Gs=183 kgj(mセ)
Nε\三一戸
亡ア
20 l1 .0
0.5
〉く• •
• •
。
0.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10111
Secti
onNumber
o 1 2 3 4 5 6 7x100
z/d
(b)CFCl14
図4.2:測定結果の代表例 (並流)
118kg/m2sの場合 である. 図においてTw1は頂部, 底部, 左右側部局所における 伝熱管外表面温度の測定値であり, Twmはその平均値である. 横軸のfは次ず で定義される平衡クオリティである.
* }ìb
-
h1sa.tz flmat-fEIsat
(4 . 1 )
なお, 図には参考のためにTwmおよび冷媒の混合平均温度Tbをそれぞれ破線お よび一点鎖線で示しである. いずれの図においても, 矢印で示したデータを
境に局所の管壁温度と周平均管壁温度の差(Tw1 -Twm)のクオリティに対する傾 向が変化している. 図4.4は図4.3に示したデータをScottら[51]によって修正さ れたBaker線図上iこプロットした図である. 図中の(,ゅはそれぞれ次式で定義さ れる無次元数である.
ぐ= [(と) (ヰ)] (4.2)
ゅ= 平 [ (ヰ�) (午f] (4.3)
添字のaHおよびwaterはそれぞれ大気圧200Cの空気, 水を意味している.σwater
は空気ー水系の表面張力である. 図4.4において, クオリティが大きくなると横 軸の値は小さくなる. また, 矢印で示したデータは図4.3に矢印で示したデー タと対応しており, これらの点はス ラグ流領域と環状流あるいは波状流領域 との境界付近にある. したがって, その付近で流動様式が変化していると考え られる. これより クオリティが大きいデータは, 図4.3に示すように高流量の
場合には管周方向の温度分布がかなり 小さいので, 液膜が管内壁面全体を覆っ ている環状流であると推測される. 一方, 低流量の場合には, 全体的に管頂部 の温度が高いために管の上部が乾いていると考えられ, 蒸気と液が上下二層 となって流れる層状流であると推測される.
にー〉。
ε 三 ← n (』 .ト
80
60
40 70
50
•
//ム
TWI-TWm
• Top
ムR-side マし-side[J Bottom
+1.0
+0.5
三ε
ト一 トー三
。
仁JO
30 20
一.-Tb 10
一一一ーTWm
-0.5
ハUにJ
x* 1.0
。 0.5 -1.0
(
a)
G ==290kg/m2s
にJ
O
E PP ト h (叫 .←
80
30 20 70 60 50 40 conuter flow
G= 118 kg/m2s
P= 1.14 MPa
TWI-TWm
・Top
ムR-side マし-side[J Bottom
•
•
HCFC22
一.-
Tb 一一一一TWm +1.0
+0.5
三ε
ト一
三
トー
-0.5
。
くJ。
団
10
団
1.5 。
×本 1.0
。 0.5 -1.0
(b)
G ==118kg/m2s
図4.3:管周方向壁温分布
HCFC22
counter flow
Run G kg/m2s
,P MPa
290 1.14 OJun281
<)
OJun252 1.1 4
どh 118
BUBBLE OR FROTH ANNULAR
勺/」ハU
411
久J、
101
�
〉くにコ
ωN「と\σぷ
STRATIFIED
103 102
( 1 - x ) Cw / x
100
d100 10-1
図4.4:修正Ba,ker線図
4.1.2 従来の式との比較
図4.5(a)�( d)は, 向流の場合における従来の整理式との比較を示す. 図(a),(b),(c)
および(d)は, それぞれHCFC22,CFC12, H FC134a, CFC12の代表例である. 実線 は吉田ら[70]の式(1.27)�(1.30), 点線はJungら[25][26]の式(1. 31) � ( 1. 34) , 一点鎖線は Dembiら[12]の式(1.14), 破線はDharら[13]の式(1.16 )から求めた値を示す. いずれ の冷媒の場合でも, クオリティが大きくなるとともに熱伝達係数の測定値は増 加している. 比較した整理式の中では , 吉田らの式が4種類全ての冷媒に対し て実験値と比較的よく一致している. Dharらの式はCFCl14とCFC12に対して 高めの値を, Dembiらの式はHCFC22に対しては低めの値, CFCl14に対しては 高めの値を示す. Jungらの式は全ての冷媒において測定値より最大50%程低い 値を示す. 図には示していないが, この他にもShah[52]の式 , Gungor- \Vinterton[21]
の式, Rhee-Young[46]の式との比較も行ったが, いずれも測定値よりかなり低い 値を示した.
図4.6(a)rv(c) は並流 の 場合の比較 を示す図(a),(b) および (c) は, それぞれ HCFC22,CFC12, H FC134aの代表例である. 熱伝達係数の測定値は, クオリティ zが増加すると一旦減少し, xが約0.5 より 大きいところでは増加する. これ は以下の理由によると考えられる. 並流の場合にはクオリティの増加とともに 熱流束が減少するので, 核沸騰の影響が大きい低クオリティ域では熱伝達係 数が減少する. ところが, 核沸騰の影響が完全に抑制された高クオリティ域で は, 液膜厚さの減少および流速の増大により強制対流による熱伝達係数が ク オリティとともに増大すると考えられる. これに対して吉田らの式による熱伝 達係数は単調に減少する傾向 を示しており, 低クオリティ域では4種類全ての 冷媒に対して実験値と比較的よく一致しているが, 高クオリティ域では実験値 より かなり低くなる. Dharらの式は核沸騰域に対する式であるが, 低クオ リ ティ域でもCFCl14の場合に計算値の方が実験値より 高い. Dembiらの式は強
制対流支配域に対する式であるが, やはり高クオリティ域でも全体的に高い値 を示す. Jungらの式は, 測定値と同じ傾向を示しているが, いずれの冷媒の場 合lこも計算値の方が実験値よりもかなり低い .
15 (XNE
ハU 〉\〉〉〉→
む
15
ミζ
令、』
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HCFC22
b �.
counter flow ふ
G = 290 kg/(m匂ず
λP=1.14MPG / / O 入 。ふv
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a)
HCFC22CFC114 counter flow
G
=299 kg/(m2s)
P
=0.45 MPa
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× (b)
CFCl14図4.5:従来の式との比較(向流)
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ハU (〉一Nε〉\〉〉〉一
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(c) HFC134a
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CFC12
counter flow
G
=305 kg/(m2s)
P
=0.63 MPa
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× (d) CFC12
図4.5:測定結果の代表例(向流)
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parallel flow
",,�/O< G = 289 kgj(m2s)
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× (b) CFC114
図4.6:従来の式との比較(並流)
P寸
X
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二ギ
HFC134a parallel flow
0',ハ \九 G = 300 kgj(m2s)
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× (c) HFC134a
図4.6:測定結果の代表例(並流)
4.2 熱伝達係数の整理式
本節では実験データの整理を試みる. なお, 気液が上下に分離して流れる分 離流域における熱伝達係数の予測には熱伝達係数の周方向分布を考慮する必 要があり169l, 管内面が全て液で覆われている環状流域と分けて考える必要カい ある. したがって, 本研究では主に環状流域におけるデータを対象とし, 局所 の管壁温度の測定値より判断して, 次に示す範囲のデータの整理を行った.
- 質量速度G三200kg/m2s
- クオリティx >
0.2
ここではChen[9]の方法に基づいて, 全熱流束が核沸騰による熱流東と二相強 制対流による熱流束の和で表されると考える. したがって, 熱伝達係数αは次 式で表される.
α = αcv +αnb αcv = Fα10 αnb
=Sαpb
( 4.4) (4.5) ( 4.6)
ここに, αcvは 強制対流による熱伝達係数, αnbは核沸騰による熱伝達係数であ る.αloは液だけが管を満たして流れた場合の対流熱伝達係数であり, 係数Fは 液単相の場合に対する液の速度の増大を示すReynolds number factorと呼ばれ るパラメータである. また, αpbはプール核沸騰の整理式より求められる熱伝 達係数であり, Sはプール沸騰に比べて強制対流沸騰の場合に有効過熱度が減 少することを示すsuppression faιtorと呼ばれるパラメータである.
4.2.1 強制対流による熱伝達係数αcv
第3章での検討の結果,液単相の熱伝達は式(3.5 )により平均偏差(MD)7%で 整理できた. したがって,液のみが管を満たして流れる場合の熱伝達係数は次 式で求められる.
α10ニo
刊か
叫89PTI04(4.7)
ここにRe1。は液のみが管内を満たして流れる場合のレイノルズ数であり,式 (1.2)で求められる.
従来の研究[9][25]によると強制対流蒸発域の熱伝達係数はαcv/α10 = j(l/ X1川で 整理できる. そこで, 全ての純冷媒について本実験結果をα/α10とl/Xttの関係 で示したのが図4.7である. 図(a)は向流の場合,図(b)は並流の場合である.
向流の実験結果は, クオリティが大きい場合すなわちl/Xttが大きい場合にも データがばらついている. これは,前述したように,向流の場合にはzの増加
とともにqが増加するために核沸騰の影響が抑制されないためであると考え られる. これに対して並流の場合には,l/Xtt > 8ではデータが熱流束の値に かかわらずほぼ一つの曲線でまとめられる. この領域のデータは,核沸騰の
影響が完全に抑制された強制対流支配域にあると考えられる. なお,図4.7に はFに関する吉田らの式(1.27)を破線で,Jungらの式(1.31)を点線で示してい る. 強制対流支配域にあると考えられる測定値は,いずれの式より もかなり 高い値を示している.
ChenによるとFは(Retp/&10 )0.8で定義されるReynolds number factorである. し たがって, fhp=F1/08/ん10をDittus-Boelterの式に代入すると,αcv = F α10とい
う関係が導かれる. しかし,本研究では液単相の熱伝達係数を式(4.7)で求め ているので, 上式で定義されたFを用いるとαcv= FO.89/0.8 α10となる. Chenと同 様にDittus-Boelterの式に基づいてFを決定した吉田らおよびJungらによる値 を(0.89/0.8)乗して実験値と比較した結果を図4.8に示す. 強制対流支配域で
F Yoshido F
Jung100
05 \ 。
10
αlo=O.0116Relo 0.89PrO.4入/di
100
counter flow 1/Xtt
10( a)向流の場合
�
/ 泌 / も。ρ/
dfJ/
d/ ./ ー
ヂ耕三 ; nvedive
♂vo r 0./ l I evopordior1
rol"'1;ハn
/
い v ョ ・ 一/ /
メチ
/
1じよー
F Yoshido
nv
n u,d ri
o hw
o
10
O一。 \ 。
αlo=O.0116Relo 0.89 PrO.4入/di
100
parallel flow 1/Xtt
(b)向流の場合
図4.7:α/α10 とl/Xttの関係
偽/ ぷ-/
、/ c戸 F
VA c h iYoshida 1"'11"'10.89/0
I. 8
, .
F.J.,nn 0.89/0.8
J u n 9 '
convecti ve evoporoti on reg.lon
o h旬 。
100
10
。 一む\ む
α10==0.0116仇10 0.89 PrO. 4入/di
porollel flow
100
1/Xtt
図4.8:吉田ら, JungらによるFの(0.89/0.8)乗と測定値の比較
は, 式と実験値との一致は良好である. どちらの式もほとんど同じ値を示す が, x→Oの場合にJungらの式ではF→0.6873となるのに対して, 吉田らの式 ではF→1となり, αcvが液単相の対流熱伝達係数と等しくなる. したがって,
Fは吉田らの式から求めることにする.
以上より得られたαcvを以下に示す.
αcv
=0叶かん?fv
."... ... ) - kー に- � <...
,
んtp
&10
F
4.2.2 核沸騰による熱伝達係数αnb
4.2.2.1 核沸騰熱伝達の表し方
F1/0.8 & 10
G(l-x)di
μl 1+2Xtt-0.88(4.8)
( 4.9) (4.10)
(4.11 )
全熱流束qは, 強制対流による熱流束をqcv,核沸騰による熱流束をqnbとす ると
q
=qcv
+qnb ( 4.12)
で表せる.
qnbをプール核沸騰の式から求める場合, 強制対流の影響で境界層が薄くな り有効過熱度が減少する効果を考慮する必要がある. そこで, 有効過熱度ムTe と実際の過熱度ムTの比をS, 全熱流束に対する核沸騰の熱流束の比をIてと定 義する.
S 三 K 二
ム,Te ムT
qnb
q
(4.13)
(4.14)
プール沸騰熱伝達係数αpbがαpb == Cqnで表されると, 核沸騰による熱伝達係数 αnbは1{,Sを用いて次のように表せる.
αnb ムムT qnb TL q
rlb
一 ムTムえ
== Sα凶Iq=qnb SC qnb n S C (1( q)n S C 1( n qn
S 1{n αpblq=q ( 4.15)
4.2.2.2
Sの導出
Bennetら[6]は有効過熱度の減少を表すsuppression factor Sを以下のように解析 的に求めた. 壁温一定の場合の管内層流の温度分布の解析解を参考にして,伝 熱面近傍の液膜内の半径方向温度分布 を次式で仮定する.
T (x)一九==
Ceßx( 4.16)
ここに,xは伝熱面からの距離?丸は冷媒の混合平均温度である. x==Oにおける 温度Twと温度勾配(Tb -Tw)/ (入1/αJを境界条件として用いると,式 (4.16)は
時)一九== (丸一山 (午) ( 4.17)
となる. 液膜内の気泡が成長する領域の厚さを6とすると,x==Oから6までの平 均過熱度は
五T1
6 =;弘l行v[F阿内州T穴時削(いω仲X刈寸)ト一-Tb九叩b]ω]μd
==
(九一九) 剖 1 - exp (一千)] (4.18)
である. したがって,
= 剖1 - exp (一千)] (4.19)
となる. 一方, 5は離脱気泡径と同じパラメータで整理できると考えて次のよ
うに表す.
5 = Cd Lα (4.20)
ここに, Lαは次式で定義されるラプラス定数で, Cdは実験定数である.
Lα=I / � σ
g(ρlーん) (4.21)
以上のBennetらの考え方に加えて, 気泡径に対する圧力の影響を考慮して 次のような補正を行う.
5 = C1 Jå1.25 Lα ( 4.22)
ここに, Jåは次式で定義される修正ヤコブ数である.
α
丸、hq一g q
vtd
歳月u 一一向一ん 一ん
( 4.23)
なお, 式(4.22)は[離脱気泡径はJå1.25 Lαに比例するjというCole- Rohsenow[42]
の知見に基づいている.
以上より, 5は次式で求められる.
S
1
� (1 - e-�)
ご
C1 Jâ1.25 Lααcv
入l
( 4.24) (4.25)
ここに, C1は実験結果より求まる未定係数である. なお, 参考のため図4.9にSととの関係を示す.
ハU
し勺 0.5
0
10-2 1 0-1 ハ〉 At--' ハV っ,L
図4.9: Sととの関係
4.2.2.3 ]{の導出
式(4.12)および式(4.14)より Iて 一
LU 'ny c--J/ ny一『tい一
+ 1 一
JK
:
hu
i→,
nU4
1EA
1+αcv/αnb (4.26)
一 さらに, 式(4.15)を代入すると
]{ = 1
1+ αcv ]{nSαpb 1
1+ ηIζ-n ( 4.27)
ここlこ
η=
一一一αcv
Sαpb ( 4.28)
プール沸騰熱伝達係数αpbは, Stephan-A bdelsalamの式(1.33)に基づき
αpb = C2αSA (4.29)
で求めることにする. ここにαSAは式(1.33)で求められる熱伝達係数, C2は実 験定数である. この場合, 熱流束の指数ηは0.745であり, 式(4.27)で表される
lどとηの関係は次式により近似できる.
Iて0.745 一
1
+0.875η+ 0.518η2-0.159η3 + 0.7907η4 αcv
(4.30) (4.31) η = SC2αSA
図4.10はKとηの関係を示す.
図には式(4.30)による計算値を破線で, 式(4.27)
による計算値を点線で示しているが, 両者は完全に重なっている. なお, αpb
を藤田ら[19]の式から求めて同様な方法で整理を試みたが,
Stephan-Abdelsalam
の式を用いた結果の方がよく実験値と一致した.I T
Eq.30 ー
Eq.27 ー
ド
一
ぱラ寸 卜\
o
� 0.5←
ト
一
一
ト
一
ト
ー 咽,
.
ト
一
ト 一
ハV ハU
η 3
図4.10:
]{O.745とηの関係
4.2.2.4 実験定数CI,C2の決定
第4.2.2.1
rv4.2.2.3節を ま とめる
と, 熱伝達 におよぼす核沸騰 の寄与分αnbは次式で与えら れ る .
αnb = 5 ]{O.745 (C2αSA) ( 4.32)
ここに ,
]
{O.745およびSはそ れ ぞ れ , 式 (4.30)および式 (4.24) より求めら れ る. 以 上より, C1,C2 が 決
ま れ ば熱伝達係数αは式 (4
.4),(4.8),( 4.32)から求めるこ とができる.
図4.11(a
)
および(b)
に, 5 = 1, C2 = 1としたときの 熱伝達係数の測定値と計算 値の比較を そ れ ぞ れ HCFC22およびCFCl14 について示す. HCFC22 の場合, 測 定値は計算値よりも 平均で 20%程度大きい. このように5=1すなわち, 核沸騰 が全く抑制さ れ ないと仮定 しても 熱伝達係数の実験値が 計算値より も大きくなるのは, 平板や円柱外面 のプール核沸騰 の整理式で あるStephan-A bdelsalam の式が , 本実験の核沸騰に対して低い値を与えるためであると考えら れ る. し たがって, Stephan-A bdelsalamの式 に対す る補正係数である C2を変え て測定値 と計算値の比較を行った. 図4.12に C2 = 1.35とした場合の 結果を示す. この 場 合, HCFC22 では測定値と計算値 がほぼ一致した. 一方, CFCl14 では, S = 1 としている ために測定値は計算値よりも低くなる. 以上より, C2はl.35 と仮定 する .
つぎに, 実験値に基づいて C1の値を試行錯誤により求めた結果, C1 = 0.33 X 10-5 が得ら れ た. なお, C2の値をさらに大きくして C1の最適値を求めても予測式の
精度はほとんど変わらなかった. 以上より , C1 = 0.33 X 10-5 , C2 = 1.35 とした.
以上により 得ら れ た熱伝達 係数の整理 式を以 下に ま とめて示す.
α = αcv十αnb
(4.33)
ここに, αCV は次式で求める.
白日 ニ 0.0116Reり叩9九・0.4
l
入d�1)
Rε
tp
=- F1/0.8
_l_" R_l_ lt!o ε&.10 = G(l-x)di
μl F
= 1 +2Xttー0.88
また, αnbは次式で求める.4.2.2.5 考察
α nb =
- ]{O.Ll ,745S α
..JlXpb
]{0.745
_
1 + 0.875η+ 0.518η2 1 _ 0.159η3 + 0.7907η4 η =Sαpb αcv
S i (
1-
e-�)
ç
= 0.
33 X 10-5 Jâ1.
25 Lαす
Lα = Jå =
αpb =
,(pl - Pv)
色CPlT$a P匂hfl包1
.
35 x2
07入一(
一一q一-Pv
PrlO…533 À�T�a t)
。寸 )
0.581
d 入lT$αt ρl
d ニ O.0146ß
V g(P1 g�Pl - Pv 2 σ )
with ß = 35deg( 4.34) ( 4.35) ( 4.36) ( 4.37)
( 4.38)
( 4.39) ( 4.40)
(4.41 )
(4.42) ( 4.43)
( 4.44)
(
4. 4
5)
( 4.46)
管内沸騰・蒸発熱伝達におよぼす核沸騰の寄与αnbを求める際に, ChenはForster
Zuberのプール沸騰熱伝達の予測式 を用いている. この式は, 熱伝達係数が過 熱度ムTで、表されているので, 強制対流沸騰に適用する場合には有効過熱度の 減少を考慮してαnb= Sαpbで核沸騰熱伝達係数が求められる. ただし, ムTを
HCFC22
counter-flow
ハU 〉-Nξ\ラギ 只.u
2
- 丘×凶 NU
RJ 10
2
kW/m2K αCal
(a)
HCFC22CFC114
counter-flow
10
にJ
2
〉一Nε\〉歪 -立心 。
kl〉 10
2
kW/m2K αCal
(b)
CFCl14図4.11:測定値と計算値の比較(S
=1,
C2 =1の場合)
HCFC22 counter - flow
ハU にJ
2
〉-Nε\〉〉ぷ -♀×凶 NU
にJ 10
2
iくW/m2�く αCol.
(a)
HCFC22CFC114
counter-flow
10
只,)
2
〉一Nε\〉〉ぷ -丘× 凶 む ハU 「hJ
2
kW/m2K αCol
(b) CFCl14
図4.12:測定値と計算値の比較(S=
1,C2=1.35の場合)
変数とするために熱流東を与えて熱伝達係数を求めるには繰返し計算が必要 となる. 一方, Gungor-Winterton[21],吉田ら[70]および Jungら[25]はプール沸騰熱
伝達の予測式にそれぞれCooper[10]の式, 藤田ら[19]の式, Stephan-Abdelsalam[57]
の式を用いている. これらの式は熱伝達係数が熱流束で表されており, この 式を強制対流沸騰に適用する際にも彼らはqnbでなく全熱流束qより αpbを求め ている. したがって, suppression factor 5は, Chenの式では式(4.38)と同様に有 効過熱度の減少を表しているのに対し, GungoトWinterton,吉田らおよびJung らの式では式(4.38)の1{n5に相当することになる. このため, 式(4.41)とChen
の式(
1.22)のs,こは熱流束qが含まれていないのに対して, その他の式(1.25),(1.28), (1.32)のs,こは熱流束が変数として含まれていると考えられる. また,
本整理式では全熱流束qを用いて核沸騰熱伝達係数αnbを直接求めるにもかか わらず, 有効過熱度の減少を区別して取り扱っている点が従来の整理式と異な る点である. さらに, 本実験式ではパラメータKを導入しているが, αcvとαnb の比により 全熱流束に対する核沸騰熱流束の割合が変わるということは合理 的であると考えられる. これに対してGungor-Winterton,吉田らおよびJungら の式では, 5がボイリング数&の関数であることにより, αcv/αnbの影響を陰に
含んでいると考えられる.
4.3 熱伝達係数の測定値と計算値の比較
図4.13に本実験における熱伝達係数の測定値と整理式による計算値との比 較を示す. HCFC22の場合, 測定値の方が若干高い値を示しているが, 全て の 冷媒の向流, 並流いずれにおいても, 大半のデータが士20%の範囲で計算値と 一致している. 表4.2は熱伝達係数の全データについて測定値と計算値の平 均偏差を示している. 表中のADおよびMDはそれぞれ式(3.6)および(3.7)で 定義した偏差の平均値と偏差の絶対値の平均値である. また, nはデータの
個数である. なお, 参考までに測定値と吉田らの式( 1.27)rv(1.30) J Jungらの 式(1.31
)rv(
1.34)による計算値との平均偏差も示しである. 本整理式は全実験 データを平均偏差12.2%で整理している. CFCl14とその他の冷媒のADの符守 が逆であるのは, 主に, Stephan-Abdelsalamのプール核沸騰熱伝達の整理式が CFC114では低めに予測するのが原因であると考えられる.図4.14(a)および(b)の下図はHCFC22に関する実験結果の代表例 について,
それぞれ向流および並流の場合の熱伝達係数の測定値と整理式による計算値 をクオリティに対して示したものである. また, 上図は全熱伝達係数に占める 核沸騰熱伝達係数の割合(αnb/α)叫および核沸騰熱伝達の低下を示すパラメー タS,
]{O.745のクオリティに対する変化を示している.
いずれも熱伝達係数の測 定値と計算値はよく一致している. 向流の場合にはクオリティが増加しでも核 沸騰による熱伝達係数はαnbは抑圧されず, (αnb/α)calは約0.5 である. これに対 して並流の場合には急激に減少し, x > 0.8では強制対流熱伝達が支配的であ る. 一方, 有効過熱度の減少を示すSはいずれの場合もクオリティの増加とと もに減少するが, その傾向は向流と並流でほぼ等しい. これは式( 4.24)から明らかなようにSが物性値と強制対流熱伝達係数のみ決まり, 熱流東の影響を受 けないからである. これに対して]{O.745は, 向流の場合にはクオリティの増加
とともにやや減少する程度であるのに対し, 並流では急激に小さくなってい る. また,
]{O.745と(αnb/
α)calの変化の様子は非常に似ている. したがって, 全熱 伝達係数に占める核沸騰熱伝達係数の割合(αnb/α)calには, ]{O.745が支配的であ ることがわかる図4.15(a)および(b)はCFC114の場合について図
4.14と同様な例を示す.
この 場合も測定値と計算値はよく一致している. HCFC22と比べると, 向流と並流のいずれの場合にも(αnb/α)calの低下の程度がやや大きく, 5の{直が小さくなっ ているが, その他の傾向はほぼ等しい.
HCFC22
counter-flow
ハU 只,)
2
〉→Nξ\〉〉ぷ - a×凶 NU
10 kW/m2K 5
αCol 2
HCFC22
parallel-flow
10
にJ
2
〉一Nε\〉三
-a×凶 む
10 kW/m2�く
kd
αCal 2
図4.13:熱伝達係数の測定値と 計算値の比較(HC FC22)
CFC114
counter - flow
ハU 民J
2
〉-Nε\〉三 - a 心 。
10 kWjm2K
にJ
αCal.
2
/ / / / / / / / / / /
CFC114
parallel-flow
ハU にJ
2
〉一Nε\〉〉ぷ -丘 × 凶 む
10 kWjm21く
只ゾ
αCol 2
図4.13:熱伝達係数の測定値と 計算値の比較(CFCl14)
HFC134a counter-flow
ハU 「吋〉
2
〉→Nξ\〉〉ぷ 立×凶 。
10 lくW/m2�く
Fh,)
αCal.
2
HFC134a parallel-flow 10
「ヘゾ
2
〉-Nε\〉〉〉一 丘× 凶 NU
10 kW/m2K
にJ
αCal 2
図4.13:熱伝達係数の測定値と 計算値の比較(HFC134a)
CFC12
counter-flow
10
只,〉
2
〉一Nε\〉〉ぷ 立×ω NU
10 kW/m2K 図4.13:熱伝達係数の測定値と計算値の比較(CFC12)
只ゾ
αCal
2
表4.2:測定値(x三0.2)と整理式 の比較
Inl
MD本実験式
AD| 吉田らの式 I
MD ADI Jungらの式 I
MD ADHCFC22 向流 96 15.4 13.9
並流 61 11.1 9.3
all 157 13.8 12.1 CFCl14 向流 52 9.1 -6.2
並流 28 10.1 -0.6
all 80 9.4 -4.2 HFC134a 向流 26 9.1 8.7
並流 37 14.3 14.3
all 63 12.2 12.0
CFC12 向流 4 5.1 2.8
向流 178 12.4 7.1
並流 126 11.8 8.6
全データ 304 12.2 7.7
MD =
_!_
η,.___す |
αexp -αcall
X 100,αcal
22.2 22.1 77.6 77.6
30.4 30.0 68.2 68.2 25.4 25.2 74.0 74.0
13.5 3.2 34.4 34.1
18.6 9.9 37.1 36.7
15.3 5.5 35.3 35.0
6.9 6.3 79.7 79.7
26.7 26.7 63.0 63.0 18.5 18.3 69.9 69.9 3.8 -0.2 66.6 66.6 17.0 13.8 65.0 65.0 26.7 24.6 59.8 59.7 21.0 18.3 62.9 62.8
AD- 1
す
α叫- G'ca� X 100η』ー αcal
1.0
〉九 , 仰 の寸kh.0
、-ーー
‘-同『 “‘ーー
-園周・ ー・- -・旬同岡町・ ・旬開園町園地 ・-ーーー
、ーーー~
----.一一一一-ー一一一一一一~
) り さ \ ( δ υ 。 0.5
(ανα)∞
S KO.745 0
15 � 'HCFC22
counter flow G
=290 kg/m2s
P
=1.14 MPa
仁、4ミζ
ミ 10 3:
二当乙
。
。
。
。
αnb
。
5
_,// / / / / / / /
αcv
。
。 0.2 0.4 0.6
×
0.8
図4.14:熱伝達係数の測定値と計算値のクオリティに対する変化(HCFC22) ( a)向流の場合
1.0
ぱ
寸3 -
、\
一- ーーー卜\ ー・h崎『 ‘・-・・ -ーー-ー ・-同町・・・
。
ミ〈
lí)
二0.5。 /ー\仁〉\むi\ むC コ
f=一-W5 山
\ー/
。
15 HCFC22
parallel flow G
=29 1 kg/m2s
P
=1.15 MPa
三ζ
\ c 1、E
よ
4
Z1当 乙 10
5
。
αnb
/ /
/ /
/ /
。 。 0.2 0.4 0.6
×
0.8
図4.14:熱伝達係数の測定値と計算値のクオリティに対する変化(HCFC22) (b)並流の場合
1.0
ぱ3寸 卜\
o
ミ〈
、、、、、、、
v) にご\ \
、、、 -- 句』、、
--
二0.5
。仁〉
/一\
\。
i\ C コ
(αnb/α)col
。 S
\ーノ
KO.745
。
.
15 CFC114 counter flow G
=349 kg/m2s
P
=0.45 MPa
ri三 、
ミζa
主
i 10
よ耳ご
。
5
v pu α
/ /
/ /
/ 0 /
。
。 0.2 0.4 0.6
×
0.8
図4.15:熱伝達係数の測定値と計算値のクオリティに対する変化(CFCl14) ( a)向流の場合
1.0
ぱ寸3 卜、
o
ミζ
u) "" . '"
、- 、、~ -ーーニ0.5
。 /ー\仁〉
\むi
\ コ
f =-= �
anb/
a)cal
O
c、、ーー/
。
15 日11 4 lel flow
G
=333 kg/m2s
P
=0.45 MPa
¥こ
Cミ1
5二主当己 10。 5
。
�
/
。
。 0.2 0.4 0.6
×
0.8
図4.15:熱伝達係数の測定値と計算値のクオリティに対する変化(CFC114) (b)並流の場合
4.4 他の研究者の熱伝達係数の測定値と計算値の比較
第1章で述べたように純冷媒の水平平滑管内沸騰・蒸発熱伝達については現 在までに多数の研究が行われている. その中で , 温水 加熱で行われた実験お よび伝熱管内径が本実験に比較的近い実験結果と整理式との比較を行った. 比 較に用いた デ ー タを表4.3に示す.
表4.3:比較に用いた実験 データ
No
研究者名[文献番号] 流体 圧力 質量速度管内径 データ数[MPa] [kg/m2s] [mm]
温水加熱した銅管におけるデータ
11 Khanparaら[29]
CFCl13 0.33 250 rv 520 8.8 11
2 1 Altmanら[2]HCFC22 1.02rv 1.07 280 rv 560 8.7 6
31 Andersonら[3]HCFC22 0.57 310 rv 350 16.9 9
4品橋ら[58]HCFC22 0.56 rv 0.60 390 rv 400 7.9 3
電気加熱した銅管におけるデータ51 Khanparaら[29]
CFCl13 0.33 590 8.8 3
6吉田ら[72]HCFC22 0.59 300 rv 500 11.0 41
7村田ら[35]CFCl14 0.2 200 rv 300 10.3 12
電気加熱したステンレス鋼管におけるデータ8吉田ら[70]
HCFC22 0.59 200 rv 400 10.6 6
91Jungら[26]HCFC22 0.4 rv 0.84 250 rv 520 9.0 24
CFC114 0.26 rv 0.53 260 rv 520 27 HFC152a 0.36 250 '" 530 24 CFC12 0.34 rv 0.35 260 rv 370 12
表4.4は, 表4.3に示す データと本整理式による計算値の平均偏差を示す. 表 中のAD,MDはそれぞれ式(3.6),(3.7)で定義した偏差の平均値, 偏差の絶対値の 平均値である. 本整理式による計算値はいずれの研究者の測定値もよりも高 い値を示している. これは第3章の 結果が示す ように本実験で得られた液単 相の強制対流熱伝達がDittus- Boelterの式より高く, 蒸発熱伝達係数を求める際 に, 式(3.5)で求めているのが主な原因であると考えられる. そこで式(4.34)の
表4.4:他の研究者の測定値と整理式の比較
円寸MD AD I
温水加熱した銅管におけるデータ
Khanparaら CFCl13 11 18.1 -18.1 Altmanら HCFC22 6 11.5 -11.5 Andersonら HCFC22 9 14.3 -14.3
I笥橋ら HCFC22 5 17.3 -17.3 電気加熱した銅管におけるデータ
Khanparaら CFCl13 3 12.9 -2.9
吉田ら HCFC22 41 30.0 -30.0 村田ら CFCl14 12 12.2 -8.9 電気加熱したステンレス鋼管におけるデータ
吉田ら HCFC22
Jungら HCFC22
CFC12 HFC152a
CFC114
MD =
_!_す|αexp - O'call
X 100,η...__ αcal
6 24 12 24 27
13.2 -6.3 21.4 -19.4 19.0 -19.0 25.4 -25.4 20.7 -19.6
. 一 一 一一 冒
AD =二 写 一 、uexp
'-^Cω X 100n ...
ー α c al
代わりに以下に示すDit t us-Boelterの式を用いた計算値との比較を行った .
αCV =
0.023 (�:)附104 ( 4.47 )
図4.16
(
a)
rv(
d)
は, このようにして求めた計算値と 表4.3に示すデ ー タと本整 理式との比較を示す. また, 表4.5に比較を行った全データと計算値との平均 偏差を示す. HCFC22, CFCl14, CFC12に関する実験デ ータは表4.3に示すように圧力および流量が本実験範囲と異なるに も関わらず, 整理式との一致は良 い. また, 本整理式はH FC152a, CFCl13に対しても良い一致を示している. 全 ての冷媒に対して, 測定値と整理式による予測値はおおむね土20%の範囲で 致している
図4.17 , 4.18, 4.19および4.20の下図は, それぞれ, JungらのHCFC22の実験 結果, JungらのCFCl14の実験結果, 吉田らのHCFC22の実験結果および村田
らのCFCl14の実験結果について熱伝達係数の測定値と本整理式による計算値 をクオリティに対して示した例である. 図には吉田ら[70]の式とJungら[25]の式に よる計算値もそれぞれ一点鎖線, 破線で示しである. また, 上図 は全熱伝達係 数に占める核沸騰熱伝達係数の割合(αpb/α)calと核沸騰熱伝達の低下を示すパ ラメータSおよび1{0.745のクオリティに対する変化を示している. いずれも 熱 伝達係数の測定値と本整理式による計算値との一致は良好である. また, こ れらはすべて一様熱流束の下での実験結果であるが, 本整理式によるとクオ リティの増大とともに(αnb/α)ωは小さくなり, x > 0.8では強制対流熱伝達が支 配的であることを示している.
jJJfベf
.Ifø司艦宮 / ・
<>> Jung et
01.[9] シ 伊 F
一 一 一
・/' /団 7
団二 団/ /団 /
ープ:> '/ プ / ..'
TAnderson et 01.131
;\._<:)\。〆/瓜 団Yoshido
et01.161
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タ対
HCFC22
ハU
5
〉-N ε\ 〉〉ぷ -a心 。
Il
Yosh
i da et01.181
•
Altmon et 01.121
2
T
okahosh
i et01.[ 41
•
10
kW / m2K
只〉
αCal.
2
(a)
HCFC22CFC114
10
只,〉
vJ ε\pp ぷ -a心 。
<>> Jung et
01.191
 Murata et
01.171
2
10
kW / m2�く
只〉
αCal 2
(b)
CFCl14<t Jung et 01.[91
HFC152a
ハU 広J
2
〉-Nξ\〉〉ぷ -aA NU
10
kW/m2K
にJ
αCol 2
(c)
HFC152a<t Jung et 01.191
CFC12
ハU 只,〉
2
〉一Nε\〉〉ぷ 立×凶 。
10
kW/m2K
FAJ
αCol.
2
(d)
CFC12V Khonporo et 01.[ 11 V Khonporo et 01.[51
CFC113
ハU にJ
2
〉一Nε\宅一
a4 0
10 kW/m2�く
にJ
α
Col2
(e)
CFCl13図4.16:他の研究者による熱伝達係数の測定値と計算値(αcvをDittus- Boelterの 式で求めた場合)の比較
表4.5:他の研究者の測定値と整理式(αcvをDit t us-Boel terの式で求めた場合)の 比較
口
間本 } 実 験式 A D
一吉M D一回 一、り 一の 式一山 一h M D
暗一 一、hJ の一 山一式温水加熱した銅管におけるデータ
Khanparaら CFC113 11 8.4 -2.2 15.1 -14.6 7.6 6.3 Altmanら HCFC22 6 7.4 -4.5 13.1 13.1 38.2 38.2 Andersonら HCFC22 9 8.4 6.8 8.7 8.7 26.5 26.5 高橋ら HCFC22 5 7.1 -0.8 16.9 -16.9 19.2 19.2 電気加熱した銅管におけるデータ
Khanparaら CFCl13 3 8.8 -8.8 11.9 -5.2 7.9 7.9 吉田ら HCFC22 41 10.9 -9.9 14.8 -14.8 7.2 -0.8 村田ら CFCl14 12 10.8 6.6 17.3 -17.2 13.4 9.9 電気加熱したステンレス鋼管におけるデータ
吉田ら HCFC22 6 18.3 18.3 11.8 9.5 33.4 33.4 Jungら HCFC22 24 13.9 -4.8 21.9 -17.1 15.6 13.6 CFC12 12 12.2 -7.6 29.8 -29.8 10.1 6.1 HFC152a 24 4.8 4.2 14.2 -14.2 3.5 -1.6 CFCl14 27 6.0 -3.6 19.3 -18.1 10.3 4.5
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図4.18: Jungらの熱伝達係数の測定値と計算値のクオリティに対する変化
(CFCl14)
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図4.19: 吉田らの熱伝達係数の測定値と計算値のクオリティに対する変化
(HCFC22,銅管)
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図4.20: 村田らの熱伝達係数の測定値と計算値のクオリティに対する変化 (CFC114)
4.5 まとめ
本章では純冷媒HCFC22,CFCl14,H FC134aおよびCFC12の水平平滑管内沸騰・
蒸発の実験を行い, 次の結論を得た.
1. 管内沸騰・蒸発の熱伝達係数を強制対流熱伝達係数と核沸騰熱伝達係数の 和で表すChenの考えに基づいて, 環状流の熱伝達係数の測定値を誤差 土20%で整理する式(4.33)rv式(4.46)を提案した.
2. 上記の整理式の式(4.34)の代わりに, Dittus-Boelterの式(4.47)で強制対流 による熱伝達係数を求めると, 本整理式は, 他の研究者のデータをよく
整理する. したがって, 熱交換器の設計にはこの式を推奨する.
3. 本整理式は, 核沸騰による熱伝達係数におよぼす核沸騰熱流束の影響と 有効過熱度の影響をそれぞれ!{,Sというパラメータで別々に求め, かっ Kを強制対流 とプール核沸騰の熱伝達係数の比αcv/sαpbで表す点が従来 の式と異なっている.
4. 本整理式によると, 並流および均一加熱(一様熱流束)の実験では, クオ リティの増加とともに核沸騰が抑制され強制対流 が支配的になるが, 向 流の場合には, クオリティとともに熱流束も増大するため, 高クオリティ
域でも核沸騰が熱伝達におよぼす影響がかなり大きい.