学芸且課穏でのキャリア教育と派生する課題
学芸員課程でのキャリア教育と派生する課題
一フィールド調査と企画展「樽職人玉ノ丼芳雄のキャリアと技」
をめぐる大学生の意識調査より-
法政大学キャリアデザイン学部助教授金山喜昭
「キャリアデザイン」のように「キャリア」を冠 する学部や学科が設置され、既存の学部でも「キ ャリア関迎科・[1」の開講や、学内にキャリアセン ターが設置されるなど、キャリア教育やその支援 体制が急速に広がりつつある(3)。
そこで本稿は、大学で開講している資格科目の 一つである、学芸員課程とキャリア教育との関連 性について、本学の学芸員課程で実施した「博物 館実習」の具体的な事例から明らかにし、そこか ら派生する学芸員養成の課題について述べるもの とする。
はじめに
近年、若年無業者、フリーターの増加、若年者 の就業時早期離職の増加など、若年者に関する就 業のあり方が問題となっている。
その要因としては、文部科学省の「キャリア教 育の推進に関する総合的調査研究協力者会議」の 報告書(1)(主査:渡辺三枝子筑波大学教授)によ れば、「若者の勤労観、職業観の未熟さ、職業人 としての基礎的資質・能力の低下等」が指摘され、
また厚生労働省の「キャリア形成を支援する労働 市場政策研究会」報告書(2)によれば、「社会が複 雑化し、職住分離した環境の中で、職業意識や自 分の適職イメージが描きにくくなっている上、豊 かな社会の中で正規職員として働くことのインセ ンティブが弱まっている」などがあげられている。
それらの改善のためにはキャリア教育の推進が 要請されるようになっているのだが、先述の渡辺 三枝子らの定義によれば、キャリアを「個々の人 が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の連 鎖及びその過程における自己と働くこととの関係 付けや価値付けの累積」とし、「一人一人のキャ リア発達を支援し、それぞれにふさわしいキャリ アを形成していくために必要な意欲・態度や能力 を育てる教育」をキャリア教育と定義している。
要するに、「一人一人の勤労観、職業観を育てる 教育」となる。
こうした動向は、小・中・高等学校ばかりでな く、大学でも本学部(キャリアデザイン学部)の
1,学芸員課程の現状
現在、学芸員となる資格を有する者の大半は、
大学において文部科学省令で定める博物館に関す る科目の単位を修得している。その科目のうち博 物館に直接|』Uわるものはい博物館概論(2単位)、
博物館経営論(1単位)、博物館資料論(2単位)、
博物館情報論(1単位)、博物館実習(3単位)
が最低限の単位数である。現在、学芸員課程を開 講する大学(平成18年4月1日現在)は287校 (国立60、公立19、私立208)となっている。その 多くは最低限の単位にとどまるが、本学(法政大 学)では2コマ分の博物館実習を上乗せして、教 育の充実化につとめている。
全国の大学で開講する学芸且課程関連の授業の 多くは、講義形式により専門的な知識を習得する ことに重きがおかれ、実務的な技能を習得する機 会は少ないのが現状といえる。実務的技能の習得
117
{よ博物館実習がそれに該当するが、その多くは 3.4年生の時に学内外の博物館での館務実習を あてることが多い。
2.2006年度の博物館実習
本学の実習関連科目は、博物館実習I.Ⅱ.Ⅲ (各2単位)となっている。今回は、キャリア教 育について検討するために、実習Iと実習Ⅲでは、
フィールド調査、資料整理、報告書や映像記録の 作成、展覧会の準備・開催をした。それらは学芸 員の実務として基礎的な作業の全工程を実地に体
験するものである。
(1)実習生の構成
実習Iは24名(2.3年生)。通年授業。実習 mは館務実習であるが、学内の館務実習(101]
間)を選択した6名(3.4年生)と、学外博物 館で館務実習した学生(45名)中、規定日数(10 日間)を充足しなかった学生18名(3.4年生及 び大学院生:3~5日)である。その役割分担は 次の通りである。
実習I学生(24名):調査・整理・報告書作成・
展示キャプションづくり
表1玉ノ井芳雄氏の略歴
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118
西暦 和暦 年齢 出来事
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学芸且課程でのキャリア教育と派Lこする課題 実習Ⅲ学生(学内実習生前期4名:調査/後期
2名:展覧会準備)
(学外実習生18名後期:展覧会準備)
査としての職人技術の記録化だけにとどまらず、
一人の職人のキャリア研究という観点からもその 成果を期待することができた。
(2)野田の樽職人と玉ノ井芳雄氏
調査は、千葉県野田市の樽職人玉ノゾド芳雄氏の 製樽技術の映像記録と関連道具の実測・写真撮影 や記録、及び玉ノ井氏のキャリアヒストリー(表
l)の聞き取りである。
野111は全国有数の醤油産地であり、昭和初期ま では容器としての樽生産は盛行していた。戦時中 は軍事物資にもなり、その生産は国策会社の樽工 場(野田製樽会社)が行い、多くの町樽屋が廃業 に追い込まれた。さらに昭和30年以降は瓶容器に とって代り、その後もプラスチック容器の普及に より、樽の需要は衰退の一途を辿ることになる。
昭和40年にキッコーマン株式会社が町樽屋と取引 を解消したことにより、野田の樽屋はほとんど消 滅した。大正期には100軒を超えた樽屋は、現在 玉ノ井氏を残すのみとなっている。玉ノ井氏には 後継者がおらず、よって野田の製樽技術は玉ノ井 氏の代で失われることになる。
玉ノ井氏のキャリアは、需要のなくなった樽に 代わり、その技術を応用してワサビ容器づくりを 受注して仕事を確保したり、独自のアイディアに よる製品開発(醤油さし、花器、樽太鼓など)に より時代の変化に適応してきた。調査は、民俗調
(3)実習の主な経過(図1)
・ガイダンス(2006年4月15日)実習I学生、大 学にて
ガイダンスと関連資料の配布。ゼミ長・副ゼミ 長の選出。班分け(キャリアヒストリー取材班、
映像記録班、道具・作業場実測班、記録班、
報告書編集係)
・事前学習(4月22日)実習I学生、大学にて 関連図書「野田の樽職人」の学習成果の評価。
各種調査機材・器具の使用法の確認。作業場実 測の段取りの確認。
・調査1日目(4月29日)実習I学生、野田市玉 ノ丼氏宅
玉ノ井氏による樽製作の実演(昔ながらの製法 を再現)。映像記録班による撮影。各自はフィ ールドノートにメモをとる。キャリアヒストリ ー取材班による玉ノ井氏への聞き取り調査。記 録班は調査記録の作成。
・調査2日目(4月30日)実習I学生、野田市玉 ノ井氏宅
道具・作業場実測班による実測c映像班による 撮影。道具の使用法や由来などについて玉ノ井 氏から随時説明を受ける。記録班は調査記録の 図1企画展までの作業工程図
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9
事前学習 調査1日 2日
日日日345資料整理 企画展展示案 報告書作成 企画展解説文作成 樽職人見学会 資料借用 企画展準備 企画展開催
実習I学生 ■■■
実習】11学生(前期〉 ■■■
実習111学生(後期) ■■■■■■
樽作りを実演をする玉ノ井芳雄氏 作業場を実測する
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王ノ井氏に説明を受けながら調査をする
噺愚作トノの実演たが 調査結果の整理作業
企画展準備風景 企画展風景
120
学芸員課程でのキャリア教育と派生する課題 25日以降、企画展タイトルを「樽職人玉ノ井芳 雄のキャリアと技」に決定する。ポスター・チ ラシ制作班、看板・展示キャプション制作班に よる作業。デザイン関係はフォトショップ使用、
キャプションはエクセル使用。
・企m展の展示設営(11月1日~4日)実習Ⅲ
(後期)学生、大学 展示レイアウト作業。
・企画展開催(11月7日~12月6日)
実習生、会場に配置。
3.研究の目的と方法 (1)目的
学芸員資格課程は、これまで学芸員になるため の資格要件として必要なものとみなされ、それは
「職業教育」としての知識や技能の習得を目指し てきた。しかし、現状のように学部教育で位置づ けていることや、近年のキャリア教育の必要性と の兼ね合いからみると、学生個々人のアイデンテ ィティの形成や生き方の幅を広げることなどを含 めてキャリア教育の一環として位置づけた方がふ さわしいと考えられる。
そこで今回、フィールドワークなどの実習を実 施し、実施後に学生たちの反応や評価を通じて、
キャリア教育の可能性の検討を行ったので以下に 述べる。あわせて今後の学芸員養成や派生する課 題についても述べる。
作成。
・調査3日目(6月13日)実習Ⅲ(前期)学生、
野田市玉ノ井氏宅
玉ノ井さんの紹介。道具の実測。
・調査4日目(6月14日)実習Ⅲ(前期)学生、
野田市玉ノ井氏宅 道具の実測c
・調査5日目(6月22日)実習Ⅲ(前期)学生、
野田市内見学
町樽屋の分布図(大正年間)をもとに市内見学。
長命寺太子堂調査(樽職人関係絵馬・信仰用具 など)
・整理作業(5月13日~9月23日)実習I学生、
大学にて
各班ごとに作業。実測班は記録の打ち込み、デ ータ化。映像班は写真選別、ビデオ編集(ナレ ーション・BGMを入れてCDR化)、内容の取り
まとめ。取材班は聞き取りした録音テープおこ し。記録班は調査記録の取りまとめ。この間、
6月15日~21日に実習Ⅲ学生は学内にて実測の まとめ作業など。
・報告書の編集・制作(9月23日~10月l41El)実 習I学生、大学にて
各班ごとにまとめた原稿を、「調査報告編」と
「調査記録編」の2冊の報告轡にまとめる。
・企画展の展示案作成(7月15日))実習I学生、
大学にて
班ごとに、企画展の展示ストーリー案を検討、
発表。
・企画展の展示解説文の作成(9月23日~30日)
実習I学生、大学にて
展示ストーリーの再検討と各コーナーの解説文 を作成。
・企画展のための野田市見学会・借用資料・搬出
(10月24)実習Ⅲ(後期)学生、野田市 玉ノ井氏紹介。野田市郷土博物館に展示中の樽 関係道具を見学。企画展の借用資料の搬出。展 示レイアウトの検討。
・企画展準備(10月25日~31日)実習Ⅲ(後期)
学生、大学
(2)方法
①対象者
法政大学各学部生の実習I受講生は24名(2年 生22名、3年生2名)。
実習Ⅲ受講生24名(3年生8名、4年生12名、
大学院生2名、科目等履修生2名)
②方法
・質問用紙によるアンケート方式(実習I・実習
Ⅲ)。
質問項目は5段階評価で回答(5:大いにそ うである4:多少そうである3:普通 2:あまりそうでない1:全くそうでない)
121
・感想文(実習I) する期待度をあげる。事前にシラバスで周知して
いたものに対して(図2)のように「多少期待
していた」者が股も多かった。具体的には、(図3)の学習活動にプラスや(図4)の生き方や考 え方にプラスでは「大いにそうなった」者が最も 多く、(図5)の展覧会を見た充実感と(図6)
の全体的なやりがい感では「多少そうである」が 岐多であるが、やりがい感では「大いにそうであ
る」とも大差ないことから、当初の期待度を上回 る結果となった。次に、その結果を個別にみたい (表2)。学習活動にとってプラスでは、大多数の者が
4.結果(1)実習に対する実習I学生の意識
今回の実習は試行的なものであったが、その教 育的効果は大きなものであった。実習I学生は大 部分が2年生(2年生22名、3年生2名)であ り、ほぼ全工程に従事したことから最も高い教育 的効果を得ることができた。アンケート調査は19 名から回答を得た。
まず、質問紙によるアンケート調査は企画展開 催後の11月18日に行った。最初は今回の実習に対
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図2実習I学生の実習/、の期待
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図3実習I学生の学習活動'ことってプラス
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図4実習I学生の生き方や考え方など(ニプラス 図5実習I学生の充実感〈展覧会を見て)
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2 3 4 5図6実習I学生のやりがし、感
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学芸員課程でのキャリア教育と派生する課題
表2実習I学生の意識調査(大いに:5,大体:4、不明:3、あまりならなかった:2、全く:1)
123 通し番号
本実習を期 待していま
したか
学習活動にと
ってプラス その理由 生き方や考え方
などにプラス その理由 充実感 やI)がい その具体例 その他の感想
3 5
学科や一般教養では 知ることができなか ったことを体験する ことができたから。
2
もう少し包括的、
体系的な頂査など の仕方うすれぱよ かつたと思う
4 3 人にやってもらっ たことも多かった
時間が開いたせいか 感想が浮かんできま せん
2 4 5
普段の授業ではうけ られないような体験 ができ、多くの人に 出会い、大きな自悟 につながった。
5
様々なものの見方 ができるようにな った含一つのもの について歴史を考 えたUじっくり考 えるよい習慣がつ いた◎
5 5
初めてのフイール ドワークだったの でとても思い出に 残った。一つのこ とに対して長いス パンでしっかトノと 取I)組めたことが よかった。成果が 目に見える形にな ったときに感動し た。
この実習を樫に 友人ができた。
そしてますます 博物館に興味を もつようになっ た。
3 2 3
固函な体験やグルー プワークを通しての 作業を通しての受謂 生が仲良くなるのは 良い
3
玉ノ丼さんに触れ たことは非常なプ ラス体験になった と思う。
4 3 特に思い淳かばな し、
知らない世界を知る ことは純粋に楽しか つた
4 4 5
博物館の仕事に対す るビジョンがはっき 0)した。
4
教師を目指して教 職を中心にしてい たが、それだけで はないことがわか った
5 4
自分も関わること のできたこの実習 が展覧会にまでこ ぎつけたこと
最初は右も左もわか らず課題も多く大変 だったが、展覧会や 報告香が完成したの を見て、とても充実 した気分になった。
5 4 5
最初はわからないこ とばかトノだったので 下面瘤れると思った こともあった。けれ ど玉ノ丼さんの賭は 予想以上に楽しかっ たし、調べたトノ作っ たりするのは好きな のでやりがいを感じ た。その気持ちが他 の授業にも良い影唇 を与えてくれた気が する、
3
玉ノ井さんの話は 本当に楽しかった し興味深かった。
胴査にもやI)がい を感じた。玉ノ丼 さんのような生き 方、考え方もある のだなと新鮮に感 じたが、それが自 分の生き方、考え 方にプラスになっ たかどうかはわか らない。
4 4
玉ノ井さんのキャ リアヒストリーを 聴いている時や、
迩具の使い方を実 際に説明を受けつ つ、測ったIjスケ ッチするときにや Uがいを感じたり。
整理においては途 中だらけることも あったが、冊子に なった時はやって よかったと思う。
展
分いのなのらまく
たちに観てもるような形でまってうれしにはが訳ん、ちよったつ会ちうながたるまつ〃覧たいでい人えと恩
た他の一般あまl)自やで
。 ともいえつはないたと授業を一緒に受けて いる皆と仲良くなれ たのが良かった。ま た調査中に出会った アイスキャンディー 屋のおじさんや、横 地さんや柏女さんと か色々な人と関われ たのが何よ0J楽しか ったです。
6 4 5
学芸員の仕事がどう いうものか、ある程 度把握でいたから
5
スキルアヅプにつ ながる授梨を他に 受けていなかった から
5 5
出来上がった資料 を見て自分の分担 が反映されている のを実感できたか ら
共同作業でこんなに 大きな事をしたのは 初めてなので大変た めになりました。
7 5 5
玉ノ#さんのキャリ アについてヒアリン グしたこと。玉ノ井 さんの樽作0)の工程 をはじめから見学し、
樽作りの小屋の実測、
長年使っていた遊具 を実際に手に取り見 た感動、ヒラガンナ などに残る指跡、玉 ノ井さんの逝具への 愛猫を感じた。また グループ作業のなか でグループワークが うまくいくようにな った。仲間と作0)あ げていく喜びを感じ ている。グループワ ークを通してお互い を価U、自分の出来 る力を出し合うこと で仲間同士の信頼が 出来ていく。
5
職人気質の中でも 玉ノ弁さんの人柄 に葱かれた。樽作 トノのこだわトノ、仕 事に打ち込む職人 の誇り、弟子の育 成、日夜研究する 努力、時代にあっ たキャリアチェン ジはキャリアデザ インをどうプラン するかであ き方は時代 生きること 時代と自リアをピ
ンゲさせ に老えなリアチェンジも視せ
分うるが るとでのマから
ら・共あキッをキ 生にるヤチ常ャ
ヤ野に入れキャリア パスを作成してい く。自分らしい生 き方、満足する人 生は人を値類しな がら社会の中での 自分の位置を碇聰 しながらポジティ ブに生きることで はないか。
4 5
展覧会までこぎつ けた時には感動し た。成果典2冊の 資料。
124
8 2 4
実際の胴査~展示の 流れがつかめた。細 部を知り実践するこ とができた倉
5
世界が広がった。
新たな視点がもて た。知職を得た国 よい経験をした。
多くの人と知Ij合 えた。
4 4
中気有ったですれ思際・
干なとかれのくさと実た 若うっつらすよるにのっ はよもをえなりゆの示か 業の。問与こよがい展た作みた時、を、とい。U 理るしにUのくこばたや
望だが効たもなるれっも
やはり展示をしたかったC9 3 3
活動はとてもよい勉 強になトノましたがプ ラスになっているの はまだわかI)ません。
3
まだわかりません が展覧会の見方が 少し変ると思いま す
4 4 鋼査にやりがいを 感じた
頂査やその襖の報告 街作成などはとても 大変でしたが楽しか ったです。いい思い 出になりました0
10 4 5 実測のやトリ方が学べ
たのがよかった 4
なんであれやって みればためになる
と思う 4 4
はたたにっと測つしンやた実あ測.きっ が分をし斐たり自の力甲つゃ・も入た恩 いのパたが が実ソとあ
大変だったけどその分いい経験が出来たと思う。11 4 4
博物館ではどのよう な流れで展示にまで 及んでいるのかが知 ることができたs展 示品をどのように棚 に陳列するのかが勉 強になった。
3
これからどんな道 を自分で歩んでい くのかはわからな いけどここで学ん だことがいつか夕 〆になると伯じて います。
4 4
実際に玉ノ井さん の展覧を見て自分 がやってきたこと がここまで立派な ものに仕上がった ことに驚きました。
実習ではNi物館の巫 側を垣間見ることが でき大変ロ、でダメ になることでした。
しかしその分、自分 の勉強時間を削るハ メになったのもまた 事実である。
12 4 5
授業で実際にこうし た活動を行うことで.
仲間内でのコミュニ ケーションのとり方 や役割分担の仕方を.
より現実的に感じ取 ることが出来たのは とても良かったよう に思う。こうしたこ とは学芸貝だけでな く社会全体で必要と されているのだと思 う。この授業を受け てみて、自分の中の 未来像のようなもの が、また形をかえて いて悩みは渡ること はないが、自分自身 のためになってると 確栖はもてる。
5
大学に入る前も後 も通っている絵画 教室の展示を多く 行ってきたが、授 業で知るような専 門的な要素は含ん でいなかった、な ので今後も様々な 展示を見学し、学 んだことを活用し て自分の活動に取 Ij入れて生きたい と思っている。ま た、専門的なもの ばかりに要点をお くのでなく、素人 だからこそ気づく 点や発想も大事に して、双方の意見 をうまく活かせる 展示をおこなって いきたい。
5 5
展示に関しては作 業に参加した訳で はないので、あま 'ノいえないのだが、
展示の提案を班で 考えて、皆で発表 し合った際にはや 'jがいを恩じた。
玉ノ丼さんの映像 を編集して皆に見 てもらったときに も、やトノがいとい うか、責任感のよ うなものを感じた。
これが実習のIであ るということは、ま だまだ学ぶものがあ るということで、こ の先も長いようで短 い大学での生活を悔 いを残さずに学んで いきたい。
13 4 4
どの作業もなかなか 経験できるチャンス は少ないもので非常 にためになったと恩 つり
5
ノアれキん、いばせき・玉リ触のろりなれに起だ ん卜とアとあ々どよ●とさスこりこた日ぶす、こ井上たャなまで必よる のりでにがき努んいを キ|、は起らカな事学 ャに人いこめす形がん
5 5 ず、ただ作業をこ実際に展覧会を見動の作業では具体的に展示がどうな資料咀査・整理活るかイメージできなす感じでしたが、て苦労が報われたと思った◎14 3 5
本当は何のどのよう な経験であってもそ うなはずですが、他 ではできない体験を することができたと 感じたからです。こ ういった自分で動く 学習は大学ならでは だと思いますし、そ うした学習ができて こそ大学に来た意味 があると思うので。
3
まだわかりません。
ただ10年後とか振 ')返った時、「あ のことに影習を受 けたんだな」とも しかしたら思うか もしれないくらい のインパクトはあ 0)ました④
4 4
全部。というよしノ.
プロジェクトの一 口として周囲と協 力して活動するこ と目体にやレノがい をかんじました。
とにかく楽しかった,
中身がどうというこ とより、雄かと一緒 に何か-つのことを やっているというこ とが楽しかった、と いうことに今振I)返 って気がつきました《
15 4 4
胸査や資料整理など の作業はただ韻義を うけるだけの授業と は違い、発表や班員 との相談など普段や らないことができて 作業が多く大変だっ たが自分のためにな ったと思う。
4
i人さんの生の戸 P聞くことだけで 'かなりInmな経 iで長い人生を生 てきた人の生き
「を知ることがで
.、またそれを資 1整理し、展示に lわることによ0ノ、
ルノ深く心に残っ lと思う。
4 4
資料整理の段階で は大変さでいっぱ いだったが、妃録 の冊子や展示をや Iノがいを感じた。
作業が多く大変だっ たが、いい勉強にな ったので、教える側 の方も鋼査坦所を決 めたトノ交渉したレノと いろいろ大変だった 思いますが来年度以 降もこのようなやoノ 方で実習をやってば しいと思いました。
学芸員課程でのキャリア教育と派生する課題
分;垂が証rえたも6
ヨ四戸可LF回ロ
ZTT一寸しL畦
かつたように思う」などである。
<学芸員の仕事を体験的に理解する>例えば
「実際の調査~展示の流れがつかめた。細部を 知り実践することができた」などである。
<玉ノ井氏のキャリアから人生を学ぶことがで きた>
<将来の自分のためになったことを実感する>
「この授業を受けてみて、自分の中の未来像の ようなものが、また形をかえていて悩みは減る ことはないが、自分自身のためになったと思う」
「大いにそうである」と回答した。その理由は次 の通りである。
<学内の他の授業にはない特徴がある>授業形 態と内容(モノやヒトを対象にする)(フィー ルドワークと整理・報告書作成・展示)などが 魅力的であった。
<グループワークによる共同作業>により目的 を達成した喜びを感じる。「仲間内でのコミュ ニケーションのとり方や役割分担の仕方を、よ り現実的に感じ取ることが出来たのはとても良
125
17 5 5
玉ノ井さんの生き方 をきき、人生の先輩 のお鱈をきいて、考 え方などが大変ため になトノました.また テープおこしや実測 活動、妃録などの 様々な活動を体験を 通して学びました。
5
臨機応変な考え方 と広い心で相手と 共に生きることの 大切さ、一つのこ とに一生H3命であ る玉ノ弁さんの生 き方は人生に大い にプラスにな↓)ま した◎
5 5
展覧会を作0j上げ ていく過程で、体 験を通して、私も その活動の一部に 参カロでき、実習に ついて学ぶことが 出来たのでやI)が いを感じた。
約半年間、玉ノ丼さ んという、-人の人 物の生き方をおって 実習しましたが、玉 ノ弁さんから、野田 の自然なども実習を 通じて学ぶことがで
きました。
18 0 5
滅多にできない貴虹 な体験ができたと感 じています。玉ノ弁 さんのキャリアから 学ぶことも多かった です。資料整理等も 映像繍集ソフトをつ かえたl)、グループ で物事を進めること の難しさ等、勉強に なOjました。
5
玉ノ弁さんという 最後の醤油樽職人 の方のお鱈をきい て、その柔軟な考 え方や商いプライ ドなど、私のこれ からのキャリアを 考える中で、とて も参考になること ばか1Jでした。キ ャリアモデルとし て取Ij上げられて いる人たちは起業 家や大企業の人な ど会社や現代社会 のシステムでぃわ るゆる勝ち組のよ うな人運が多いけ れど、玉ノ井さん のように特殊なキ ャリアをもつ人や 特に老齢な人達の 飴こそ長いスパン でのキャリアを考 えるのに適切なケ ーススタディ(?)
になるのだろう。
4 4
やはI)映像が出来 上がったときには やってよかったと 思いました。唄査 はとても良い経験 になったし、「や った畷」はあトノま した。
教室の中でずっと授 業をするよりは各段 に沮い内容の授巣だ ったと思います。先 生が始めに言ってい た通ojかなljハード でしたが、やってよ かったと思います。
大変でやめようかと 思ったこともあトノま したが、やめなくて よかったと思います,
でもやっぱI)大変で した。
19 5 3
少なくとも「大学で の授業」でプラスに なったとは苫えない と思う。
4
元々世界遺産や伝 統に興味があった。
実測を通して伝統 というものを体験 することができた。
4 5 実地鯛査のときの 実測、
|;蕊||鑿|||鍵Ⅱ ん入る生方況 で生玉やをは あのノ考知通 後ると盟さ方亭て最くる先丼えるっ の蔵同でん、でも
だャ達実る潔・恩キ分がつ慨た
5 6 1
て事の、すといた職し対た
だつえ知たに(二面に埴のっ品変
などである。
<技能を習得したこと>(聞き取り調査、実測 図作成、パソコン操作、報告書作成W展示技術 など)。
生き方や考え方にプラスでは、学生たちにあえ て自分のキャリアについて内省させてみることに した。結果は、やや均等的な分布を示すが、「大 いにそうである」と回答した者が最多となった。
<ものの見方の幅が広がった>「様々なものの 見方ができるようになった。一つのものについ て歴史を考えたり、じっくり考えるよい習慣が ついた」などである。
<職業についての考え方の幅が広がる>「教師 を目指して教職を中心にしていたが、それだけ でないことがわかった」などである。
<経験したことがいつかはためになる>「これ からどんな道を自分で歩んでいくのかわからな いけどここで学んだことがいつかはダメになる と信じています」「まだわかりません。ただ10 年後とか振り返った時、「あの時に影響を受け たんだな」と、もしかしたら思うかもしれない くらいのインパクトはありました」などである。
ここでも玉ノ井氏の生き方(その人柄、一途な 職人精神、柔軟な生き方、職人の誇りなど)から キャリアを学んだという回答がある。大学では起 業家やビジネスマンの勝ち組の人たちの話を聞く のに比べて、老齢な玉ノ井氏の技を見たり話を聞 いたことが新鮮であったようだ。
展覧会を見た充実感と全体的なやりがい感につ いては、前者は、「大いにそうである」に比べて
「多少そうである」の方が多かった。これは、展
覧会にはあまり大きな関与をしなかったことによ るものと思われる。しかし、全体的には充実感を もったといえる。また後者は実習の全工程に関し たくやりがい感>についての設問であるが、大部 分が肯定している。その理由は次の通りである。<作業そのものを経験したこと>(聞き取り、
実測、展示の提案、映像の編集、展示など)。
「玉ノ井さんのキャリアヒストリーを聞いてい る時や、道具の使い方を実際に説明を受けつつ、
測ったりスケッチするときにやりがいを感じ
た」や「実測はやりがいがあった。自分の実測 したものをパソコンに入力したときにやった甲
斐があったと思った」などである。<調査の成果が報告書や展覧会として目に見え る形にまとめたこと>「展覧会までこぎつけた
時には感動した」や「資料調査・整理活動の作
業では具体的に展示がどうなるかイメージでき ず、ただ作業をこなす感じでしたが、実際に展覧会を見て苦労が報われたと思った」などであ
る。
<一つのことについて一定期間にわたりしっか りと取り組んだこと>
<プロジェクトの一員として共同作業をしたこ
と>
なお、学生たちにとって、整理作業は単調・苦
痛で中だるみになったようである。何人もの学生
が記述している。「整理においては途中だらける こともあったが冊子(報告書)になった時はやっ てよかったと思う」や「資料整理の段階では大変 さでいっぱいだったが、記録の冊子や展示にやり がいを感じた」などである。しかし、こうした苦 痛な部分を経過して報告書や展覧会にもっていけ たからこそ、真の充実感や、やりがい感につなが ったのではないかと思う。なお、その他の感想として目立つものは、作業 は大変であったが、報告書や展覧会を作り上げた 経験に喜びを感じている。また共同作業したこと で友人関係が広がったことにも二重の喜びを持っ ている。授業については、「教室の中でずっと授 業をするよりは各段に濃い内容の授業だったと思 います」や「ますます博物館に興味をもつように なった」などのように前向きな感想が多い。
また、このアンケート調査とは別に、展覧会が オープンする直前の11月初旬に、それまでの実習 を振り返り、自由に記述してもらった。(表3)
は、キーワードごとにグルーピングして整理した ものである。多くは先述の回答と重複するが、次 のような新たな回答が含まれている。
<学ぶことの必要性や楽しさを知り、学ぶ意欲を
126
学芸員課程でのキャリア教育と派生する課題 表3実習I学生の感想(文学部は史学科、日本文学科、地理学科、哲学科、心理学科に区別する)
漣った時は蝿
功。(法字笥」
由IF泥C
会~7プーノロ
徴ヨロ
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■尼ヨノー、
D】犀
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127 感動したこと 映像が完成したときやめなくてよかったと思った。(キャリアデザイン学部2年)
企画展の展示を見て予想以上に完成度が高く立派であったこと。(史学科2年)
様々な道具を駆使して樽を作っていく過程を知った。(史学科2年)
道具の一つ一つに玉ノ井さんの思い入れがあった。特に使いすぎて指の跡が付き黒く 変形した道具を見て触った時は驚いた。(史学科2年)
最初は予想できなかったが、企画展示という形で結実したのを目の当たりして新鮮な 驚きにも似た感情を抱く。(史学科2年)
企画展の完成形を見て自分たちの活動が形になったことに感動。(法学部2年)
なかなか覚えられなかった道具や(樽製作の)作業エ程の名称が、整理段階になると 把握できるようになったこと。(哲学科2年)
ある程度準備の整えられた展示室を見たときは感慨深かった。(哲学科2年)
感謝していること パネルの文面考案の際の授業では1回休んでしまい迷惑をかけたが班のメンバーが連 絡をしてくれたおかげで集まり文案が無事に作れたこと。(法学部2年)
良かったと感じたこ と
やってきたことは全てためになる経験だった。途中でやめなくてよかった。(キャリ アデザイン学部2年)
玉ノ弁さんの生き方は考えさせられることが多かった。(人間環境学部2年)
今回の実習では、かなり授業時間外の時間も使ってやってきたのでことだったので、
展示まで完成して本当に良かった。(法学部2年)
学芸員の仕事に自分も携わっているということを実感した。(史学科2年)
当初研究論文のコピーを本を手渡された際、何もここまでという不満があった。しか し後付けで樽に関することを学ぶよりも事前に学習した方がやはり良かったのだと、
いざ作業が始まってみると痛感した。(日本文学科2年)
相手に「伝えるチカラ」を養うためにはまず「受け入れる」ことの大切さがキャリア ヒストリーインタピューではひしひしと感じました。(社会学部2年)
玉ノ井さん宅に行き、樽作りに打ち込んでいる姿や、玉ノ井さんの人柄に触れ、醤油 樽に対する情熱と心の暖かさ。(法学部2年)
(取材班として)玉ノ井さんのキャリアについて疑問に思ったことは何でも尋ねられ たことは良かった。仕事面だけでなく、育ってきた環境や経験、その他趣味や性格も 仕事面に大きく影響していると思います。(法学部2年)
共に調査した人達との間から得られる成果の大きさを知ることができた。(哲学科2 年)
新鮮だったこと 新しい仲間との共同作業や職人の技。(キャリアデザイン学部2年)
玉ノ井さんの作業場で見た道具と、企画展でガラスケースの中に入っている道具との 違いや、私たちが紙面上で考えた展示案と実際の展示との相違を通して、見せ方の童 要性を知った。(史学科2年)
責任感を感じたこと 野田の最後の樽職人である玉ノ井さんの記録を残すという仕事には「大学の授業だか ら別に深くなくても…」という軽い気持ちの反面、「私たちが出来る範囲のことはが んばらなければいけない」という責任感を感じた。(キャリアデザイン学部2年)
楽しかったこと フィールドワーク。(人間環境学部2年)
整理作業は単調で大変だったが、行動を共にした人達と行えた。(人間環境学部2年)
嬉しかったこと デジカメ班として、最初はカメラを向けると嫌がっていた皆が、そのうちに自然体で カメラに向かってくれるようになったこと。(人間環境学部2年)
憧れていた学芸員に-歩近づいた気がした。(キャリアデザイン学部2年)
最終的に展示の形で色々な人たちに伝えられることになったこと。(史学科2年)
調査の成果を報告香以外に展覧会という形で発表できると聞いた時。自分の携わった ことが公のものとして認められる?本当の意味では展覧会が始まってからであろうが?
誇らしくもあった。(哲学科2年)
魅力的だったこと 玉ノ井さんに触れたこと。(人間環境学部2年)
VI 唖TI寿干頃f両刃
職人D〕才吉、
田中央容器lの前を遥
罰職人の歴鈩の最祷‘ 合邦、子6
128
気がついたこと 一連の作業を通じて、展示をするためには多大な労力を要すること、自分の専門外の
分野を学ぶ機会が非常に豊富であること、さらに学ぶことが改めて楽しいと思った。
(地理学科2年)
展示物の置き方、パネルの文案など、今まで自分が見えていなかった学芸員の大変さ
を知ることができた。(法学部2年)一言に調査といっても、その後のことを後になって編集する(DVD)ことはかなり
の労力をともなうこと。(地理学科2年)「樽」を理解するにも時代背景や当時の社会をよく知っていなければならないことを 改めてしトノました。自分の勉強不足や知識不足が身にしみました。(社会学部2年)
玉ノ井さんについて の「人生」に関わる 感想
その生き方やターニングポイントが聞けて人生を学んだ。(キャリアデザイン学部2
年)
長く生きた人は色々な時を見て、色々なことを乗トノ越えてきたと思う。(キャリアデ ザイン学部2年)
「年寄0ノの話は聞くべきだ」と思った。(キャリアデザイン学部2年)
これからの私の人生を支える沢山の手の一つになると思う。(キャリアデザイン学部
2年)
展示場にある道具に残された傷の一つ一つから玉ノ井さんがいかにして醤油樽をつく トノ、伝統を守り、現代に至っているかを感じました。(法学部2年)
人の生き方について
学んだこと 玉ノ井氏は「私は人に恵まれていた」とおっしゃる。このことはその職人気質やキャ
リア、人柄がそのようにさせたのである。キャリアは人によって作られる。キャリア 支援に関する仕事をしている私は玉ノ井氏から多くのことを学び知恵を頂けた。(キ
ヤリアデザイン学部3年)
自分の生き方にとっ てプラスになったこ と
今回の経験はこれから色々な場面で役に立つだろうと思つ。 (史学科2年)
玉ノ井さんのキャリアヒストリーの中には「頑固一筋で職人人生を通してきたけど、
時代のニーズを読んだり、知人との関わりを大事にした」という話がでてきました。
あの時、私は余裕がもてていませんでしたが、しかしそのことに気づけたことが自分
の中での成長だと思います。(社学部2年)校外に出て野田という地において実習を行ったことは、今後の自分の人生にも影響を
残すほどの充実した出来事だったと思います。(史学科2年)実際に企画展を催せることは自信にもつながる様に思います。(法学部2年)
残念だったこと 班員の3人が途中でやめてしまったこと○
(玉ノ井さんへの)聞き取り調査をもっと租極的にやればよかった。(史学科2年)
辛かった.大変だっ
たこと 映像編集が地味であった。(キャリアデザイン学部2年)
DVDの編集作業で、何時間もあるテープを15分にまとめる編集作業は苦労した。(法
学部2年)
DVD編集では辛い思いをいた。(地理学科2年)
展示キャプションづく0)は600字に制約で、いかに玉ノ井さんのキャリアを理解して
いただき、また功綱や樽作トノ以外の活躍などを織り込むかに非常に苦労しました。(法 学部2年)限られた展示スペースにどのように展示するか。自分たちの伝えたいことをどうやつ
て盛り込むかなど展示をつくりあげることがどんなに大変かを思い知らされた。(哲
学科2年)
悔しかったこと 自分で調査した道具についての記録であいまいなところがあったこと。仕方がないの
で映像班や取材班の映像を見せてもらいデータを打ち込んだ。(史学科2年)
実習が契機となり社 会や文化の関心につ ながったこと
職人の技のすばらしさ、意気込み、日本人の心。(キャリアデザイン学部3年)
玉ノ井さんで野田の樽職人がいなくなってしまうことは、調査前に知らされていたこ
とだが、実際に調査をして、玉ノ井さんの話を聞いて、そのことがとても残念で梅し
<思えた。玉ノ井さんの「遅すぎた」という言葉が強く耳に残った。(史学科2年)
玉ノ井さん宅に行く途中、最近廃業した「野田中央容器」の前を通ったが、その存在
は樽職人の歴史の最後の頼}」ない線のようなものであったと思うが、今やその線まで
学芸且課程でのキャリア教育と派生する課題
=IZKU
]+81
計は少なUi
DiUtの。毛'百Iの庁0 ubII-
持つ>「自分の専門外の分野を学ぶ機会が非常に 豊富であること、さらに学ぶことが改めて楽しい と思った」や「樽を理解するにも時代背景や当時 の社会をよく知っていなければならないことを改 めて知りました。自分の勉強不足や知識不足が身 にしみました」というものである。
<班員が途中で挫折したことが残念であった>実 習の途中で欠席するようになった。調査や整理の 辛さに耐えられなくなったか、不適応であること
を自覚したのかは不明である。
<反省点>として、自分で調査した道具の記録が あいまいであったこと。
<実体験によって社会問題を理解する>「玉ノ井
ざんで野田の樽職人がいなくなってしまうこと は、調査前に知らされていたことだが、実際に調 査をして、玉ノ井さんの話を聞いて、そのことが とても残念に思えた」などである。
(2)実習I学生と実習Ⅲ学生との相違点
実習Ⅲ学生は、多くは学外博物館での実務実習 を経験して、その不足の日数を学内の実習で補う ことになっている。全期間の10日間を学内実習し た者は、前期4名、後期2名、不足分を実習した 者は18名である。アンケートの一覧は(表4)の 通りである。アンケート調盃は、そのうち15名から回答を得た。
表4実習Ⅲ(後期)学生の意識調査(大いに:5、大体:4,不明:3、あまりならなかった:2,全く:1,未記載:0)
実習前 と後で 何か自 分が変 ったと 思える ことが ありま すか?
実習にま じめ に取 り組 みま した か
召の待実へ期
(……|霧
充実感(展覧会を見て)実習日数 やりが
い その他の感
通番l所属|学年l性別 実習内容 その理由 その具体例 想
学外実習では経験で きなかった実際の展 示作業ができたこと。
何年にも及ぶ博物館 関連の学習の総仕上 げが「抑職人」であ ったのだ。それだけ に出来上がった展示 を見たときは厨らし い気持ちになった。
長い時間をかけ て勉強すること の大切さ。経年 による考え方の 変化などを知り、
得がたい経験が 出来た。「大学 で何を勉強した か」と問われれ I日穂や先生の鱈 を聞くだけでは 分からないよう 展示準働
の後半作 業
地理’4 男’3 olol
`I。
3 5
展示ケース 内の展示物 実際に展示作纂をす
るという、学外実習
129
今回の実習によって
学んだこと 「展示の奥深さ」:何気ない道具の冠き方にもその道具のメッセージが学芸員によっ て引き出されることに関心した。(地理学科2年)
(展示の)パネル-枚にしても分量は少なめにとか、あまり漢字は使わない、ルビを ふる、-文を短くするなど様々な配慮が必要だということ。(史学科2年)
展示というものは、常に「人に見られる」ことを意識して作り上げなければならない。
(史学科2年))
<調査には)事前準備やチームワークが非常に重要であること。(史学科2年)
報告書の作成の時も、みんなで文案を考えているといろいろなアイディアが出てきて、
チームカの必要性を強く感じた。(史学科2年)
共同作業の所産。どの班に所属した者たちに共通する気持ちかもしれませんが、全て の班の共同の丘の上に成り立った成果である。キャリアヒストリーに主体的に関わっ た班、作業全体を撮影・編集した映像班、調査記録をまとめた記録班、道具の実測班、
どれがかけても実習は成立し得なかったでしょう。(史学科2年)
絶え果てる一抹の無常観を感じた。(日本文学科2年)
伝統をいかにして語り継いでいくかということは、それは現代、何を求めているかを 把握し、人々と対話をすること、そして自分の職、生き方に誇りを持って、生きてぃ
くことの大切さを学びました。(法学部2年)
1…トト||…昨'。
では出来なかった作典に携わることができたこと目鱗'11鱗
c 示っ面とかま画【pいた瓜か企こわ分企芸てれになのるか部、学っら際わつげ蜜いてにまじ実行一上大かつ当酷悪ばを、りに細わ本ががで召で作か・だはいと外実のをいたこに恩こ学のた展がっで展のる
キャプシ ョン作成、
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4 女’4 成など。 3 51○ 3 OlD|鰍
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|静穏
4151○ 臓的に行えた。管理資料分類、整理に意能力があがった。|翰塞靴 ||蝋
男
4 4
実習日がとび とびだったの で、うまく他 の実習生とか み合わないと ころもあり残 念であった。
だが学外実習 で学んだカッ ターの使い方 や展示綱成の 仕方が生かせ たかと思う。
玉ノ弁さん の人柄、キ ャリアを引 き出せるよ うに仕血喝 を再現しよ うと考えた ことが、飴 し合いも活 発に行われ たように思 い刺激的で あった。
実際に展示を行って いくにつれて「足り ない個報」が浮き彫 Uになった。資料明 査を行った人と.実 際に展示を組み立て る人が異なったので、
引継ぎや意図の伝迎 にズレが生じてしま った。「一口性」の 皿要さを実感したc
孝つ立留とを一みのた路、組でべ進でをえ学の上面うを・後る企る点う今えのて意思
5
'十際
4141○51哲 314
展示物の配画、パネ ルやキャプションの 忍さなど、何もない 所に1から自分たち ですべてを決めて展 示していくことは思 ったり大変であるこ とを知った。また見 やすい展示を心がけ ることが非常に神経 を使う難しい作巣で あることを知った。
これから美術館 に行く時は、た だ作品を眺める だけでなく、ど のように展示さ れているかにも 目を向けるよう にしようと思っ た。
見台気を怠けにさ・につとよたいぶこちじ互をう持感
4
鵤生’。
女’41展示作典 ○ 214 46 4
少ない日数 を飛び飛び で実習した ので、自分 の実習成果 が展示に結 実していっ たのか否か が実感しつ らかった。
学外実習では 経験できなか った展示作り を経験できた ことが良かっ
|騨辮Ⅲ
た。2131○ 313
7 4
cc わシ|祖にいうた事る、敵がた祖ラタの所てもつ仕なて素りじがチス校坦れてかのにっもや感
訪乖献檸聴麩甦礼餉蹄垂丘遙嘘
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協力して地道に作桑を、ねてこそ、蓮やかな展示が出来上がるのだと感じ学んだ。日本
文学 3 5151○ 5 515
8
Ⅱ蕊
樽わたや閥っ験に知経務をの典々・務館人と実物るこ
4
H↑H霧
全面展示をどう進めどこに気をつけるかを学べた。1.「
130
学芸且課程でのキャリア教育と派生する課題
まず実習への期待度であるが、実習I学生に比 べて均等的な分布になっている(図7)。概して 期待度は低くなっている。それは、その多くが既 に他館での実習を経験していること、また希望し て実習するわけではないことに起因しているのだ ろう。しかし、実習後の斎WHiとして、生き方など のプラス(図8)、充実感(図9)、やりがい感 (図10)ではいずれも肯定的に受けとめる者が多 く、予想に反して高い評価となっている。なかで も、充実感については、大半の者が展示準備やそ の設営に関わったことから「大いにそうである」
者が最多となっている。
また全員が、実習の前後で自分自身について
「何かしら変化した」ことを自覚している。その
理由は次の通りである。
・展示作業をしたことがためになった。学外実習 では展示作業ができなかったが、この実習で学 ぶことができた満足感がある。例えば「展示物 の配置、パネルやキャプションの高さなど、何 もない所に一から自分たちですべてを決めて展 示していくことは思ったより大変であることを 知った。また見やすい展示を心がけることが非 常に神経を使う難しい作業であることを知っ た」(科目等履修生)などである。
・共同作業で目的を達成したこと。実習I学生の ように、やはり共同作業に価値を見出している。
展示作業も一人ではできない共同作業の産物で ある。例えば「協力して地道に作業を重ねてこ
131 10 日本
文学 4 女 5 ポスター、
チラシ、
キャプシ ョン作成
3 4 ○
来館者からは分から ない囚方作巣の大変 さを少し理解するこ とができた。
3
就蔵先の仕事と 似ている部分が あったので、今 回の経Wlを生か す車ができると 良いと思った。
4 4
11 国際 文化
4 男 5 石板の殿 作、展示 配固案の 検肘
2 5 ○ 博物館実習の活動 内容について宮 4
チャンスがあ れば学芸且に なってみたい ので、学芸員 の活動を体験 できたことは 良かった。
5 5 宕板の作成 や展示案の 検肘など。
12 史学 3 男 3 王ノ弁さ んに臆を 聞く。キ ャプショ ンつくり
4 4 ○
石板作りではゼロか らものを作る。苦し さ楽しさを学ぶこと ができたと思う。
4
博物館に限らず 作られたものを 見ると、その愈 昧を垣間見よう とするようにな ったから。
5 4
泪板作oノで は自分たち がどう考え るかによっ て出来栄え が異なる。
展覧会を見学 して、この展 覧会に自分も 関わったのか と思うと不思 頗な気分にな りました◎
13 史学 3 男 5 5 4 ○ 0 、 0
14 史学 4 女 10 企画展準
償 3 4 C
それまでになかっ た知賦や技術を薄 られたこと。多く の人とtii力してや っていくことの大 切さ●
4
社会に出てか らも必要なこ とを多く学ぶ ことが出来た ため。
5 4
自分たちの 考えた担々 なことが実 際に形にな って現れて みることが 出来たため。
151文学邸 3 女 10 企雨睡準
佃、受付 5 5 ○
学芸目には雑用や 日々の地逝な作業が 必要ということを聞 きますが、はっきoj とわからなったので、
それが実際に経験で きたことがおおきか ったです。何日間も 地味な工作作集が細 き、つらいこともあ I)ましたが、それが 展示につなが'ノ生き たときの達成感・充 実感を経験でき、展 示品を扱う以外の肝 価が変Ijました。
5
新しい経験はプ ラスになったと 思う。また.モ ノとヒトと関わ る雌しさ、楽し さを知ることが 出来ました。
5 5 日々の作桀 の粗み、ね や、遼旦交 換の際の閥 係をとりも つことなど゜
学内実習全日 参カロは緊弧し ていたのです が、楽しい気 持ちで取0)組 むことが出来 ました。とて も滴足してぃ ます゜
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65 4 32
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2 3 4 5
図7実習Ⅲ学生の実習'、の期待
02345
図8実習Ⅲ学生の生き方や考え方lこプラス
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…
0 0 2 3 4 5
図9実習Ⅲ学生の充実感(展Z苞会を見て)
0
02345
図10実習Ⅲ学生のやりがし、感 そ、華やかな展示が出来上がるのだと感じた」
(日本文学科3年)などである。
また、実習I学生と比べて留意しておくべきこ ととして、生き方や考え方にプラスの影響を及ぼ したかという設問に対する実習Ⅲ学生の結果を見 ておきたい。その評価は実習I学生とほぼ同じよ うに肯定的である。その理由についても、実習I 学生と同じようなものが多い。
<学芸員を体験的に理解する>例えば「実務の 経験や博物館業務に関わる人々を知ったこと」
(文学部4年)、「チャンスがあれば学芸且にな ってみたいので、学芸員の活動を体験できたこ とは良かった」(国際文化・4年)などである。
<ものの見方の幅が広がった>例えば「博物館 に限らず作られたものを見ると、その意1床を垣 間見ようとするようになったから」(史学3年)、
「社会に出てからも必要なことを多く学ぶこと が出来たため」(史学科4年)などである。
しかし、それ以外には次のような回答があった。
「今後の進路を考える上で、一つの企画を組み立 てるうえでの留意点を学べたと思う」(哲学科3
年)や「就職先の仕事と似ている部分があったの で、今回の経験を生かすことができると良いと思 った」(日本文学科4年)である。
実習I学生の中には、このように学芸員以外の 職業に照らし合わせて実習が有効であったという 回答は見られなかった。実習I学生の大半は2年 生なのに比べて、実習Ⅲ学生は3.4年生であり 就職活動がより身近になっているからであろう か。
なお、実習I学生の方が、回答が豊富な内容で ある。それは約半年間にほぼ全工程を実習し様々 な経験をしたことによるからであろう。
5.考察と派生する課題
(1)学芸員課程とキャリア教育との関連性 平成8年4月に文部科学省生涯学習審議会社会 教育分科審議会は、学芸員の資質向上に対応する ために、それまでの博物館関連科目のうち、「博 物館学」(4単位)を「博物館概論」(2単位)、
「博物館経営論」(1単位)、「博物館資料論」(2 単位)、「博物館`情報論」(l単位)の4科目6単
132
鱸 鍵 鍵 鍵 鑿 鍵 灘 灘 鑿
鍵 蝋 鍵
学芸員課程でのキャリア教育と派生する課題 位に改正し、あわせて「博物館実習」(3単位)
はそれまでどおりの単位数とするが、その中に大 学における事前・事後指導のための1単位を含む
ものとした。
それらの多くは講義形式の授業であり、学生は 教員の講義を一方的に聞くだけのものである。博 物館実習の大半は、一定期間(大半は5日~10日 間)に学外の博物館に実習を受け入れてもらって おり、その内容は各博物館に全面的に委任してい るのが現状である。
本学のように、学外の博物館での実習以外にも、
学内実習を実施しているところでは、企画展の立 案や発表、資料カードの作成(実測・写真・調査)、
資料の取り扱い方(掛け軸・軸物など)、梱包作 業、二次資料の製作(拓本・築刻)なども行って いる。また講義以外では、博物館見学会や、臨時 に学芸員を講師として招きその博物館について話 題提供をしていただいている。しかし他大学に比 べれば、博物館関連科目が充実している方である
とはいえ、問題を拭い去ることができない。
なぜならば、これらの授業が全て上滑りのよう になっているのではないかということを危倶して いる。本当に学芸員養成を目指すならば、その基 礎基本だけを習得する必要な科目や時間数が不足
しているからである。
本学の学芸員養成課程のなかで最初に位置する
「博物館学概論」の受講生たちを対象にした意識 調査(4)によれば、学芸員を志望する学生が多い。
68名中、「学芸員になりたい」「そう思わない」の 2者択一式のアンケート調査を行ったところ、希 望する者は59名、そうでない者は9名であった。
希望する者にその理由をたずねると、「博物館や 企画展、美術や歴史、文化財や文化振興に興味関 心がある、自分の専門や輿1床あることを研究して いけそうだから」という意見が大多数である。こ れは当たり前のことだろうが、学芸員の仕事のこ とについてはほとんど理解しておらずイメージだ けが先行している。逆に、希望しない者の理由と しては、「なるには困難だと思う」など消極的な 態度や、態度保留者である。
しかし、いずれの者にも共通していることは、
博物館や学芸員に興味や関心があるということで ある。本当に学芸員を志望するかは、博物館や学 芸員について理解して意思決定しなければ真意は 不明である。
また、私が非常勤講師をつとめるT大学の場合 (2006年10月26日調査)では、「博物館学」(博物 館概論に相当)の最初の授業開始時に受講動機を 自由に記述してもらい、その内容を分類すると
「博物館や学芸員の仕事に興味・関心がある」17 名、「学芸員志望」6名、「専攻分野の幅を広げる」
2名、「希望の職業との関連性」2名で、学芸員 志望者は全体の2割ほどでしかない。あわせて、
授業内容への要望についても書いてもらったとこ ろ、主なものとして、「学芸員の業務内容」、「企 画展のつくり方」、「博物館をよく知りたい」、「地 域博物館の運営に関心」、「国立博物館と地域博物 館の役割の違い」、「博物館の裏方の仕事」、「まち づくりと博物館の役割」、「博物館が社会の中でど のように機能しているか」、「どのようにしたら学 芸員になれるのか」、「地域活性化と博物館」、「博 物館の歴史や現状を体系的に学びたい」、「今博物 館で起こっていること」、「欧米の美術館と日本の 美術館経営の比較」、「文化財の保存と博物館の役 割」、「博物館の制度」などのように多様である。
学芸員としての知識や技能を身に付けたいという よりは、博物館や学芸員の業務に好奇心を持ち知
りたいと表明している。
このようにみると、現在の学芸員養成の問題は 学生の意識の実情を把握せずに、最初から「職業 教育」として専門職の知識や技能の習得や資質の 向上を目指していることである。それは必ずしも 学生たちが求めるものとはなっていない。つまり 制度論のみが先行して実体が伴っていないのであ
る。
もちろん学芸員養成の上で資質の向上をはかる ことの必要性は認めるが、大事なことは、その前 提としてキャリア教育の視点を入れた学芸員課程 を介在させることではないだろうか。そのことを 考える上で、私は今回の実地体験型の実習Iこよっ
133