九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
重力変動観測による地下流体モニタリングに関する 研究
西島, 潤
九州大学工学地球資源システム
https://doi.org/10.11501/3150835
出版情報:Kyushu University, 1998, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
第 4 章火山地域における重力変動観測および解析例
一大分県九重火山における重力変動観測一
4 . 1
概 要火山地域においては、火山活動に伴うマグマの移動、火山の噴気地域地下に 存在する地下流体の状態変化、地殻の上下変動等により地表における重力値の 変化が生じることが考えられる。
そこで、このような火山活動に伴う重力変動を検出するために、重力変動観 測が多くの火山地域において行われている。特に伊豆大島における重力変動(小 泉他, 1988)では、時間分解能の高い議論が可能となり、火山地域における重力 変動観測の有効性が認められた。最近では雲仙火山噴火に伴う重力変動とマグ マの運動の検討(植木他 1995)において、重力変動に地下水位変化が影響して いる可能性が明らかにされた。
九州中北部の九重火山群を構成する火山体の一つ星生山の北東斜面に位置す る活動的な噴気地域である九重硫黄山は 1995年 10月11日に噴火活動を開始し、
噴火後 3年以上経過した 1998年 12月現在でも依然として水蒸気噴出活動は続 いている。本地域では、重力変動観測を噴火後、月に約 1回の頻度で、行ってき た。ここでは検出された重力変動の原因について検討を行い、また噴火口周辺 の地下水流動を明らかにして噴火過程の解明を試みた。
4.2地質構造
本地域の地質構造及び火山活動は、江原 (1998)で次のように考えられてい
る。火山活動の開始は今から 20~30 万年前からと考えられているが、大規模な
火砕流の噴出は今から、約 14万年前、約8万年前、約4万年前に起きたと考え られる。おそらく、最後の火砕流噴出後、地下に存在しているマグマはゆっく りとした冷却過程に入ったのではないかと考えられる。九重火山下の熱構造解
析の結果からは、冷却開始当時は溶融マグマの上面深度は 3~4km 深であったが、
現在では固化が進行し、溶融部分はさらに深くなり、7km深程度ではないかと 考えられる。それを裏付けるように、九重火山下の 5km以深には地震波の減衰
ゾーンが存在する。
上述した大規模な火砕流噴出後は溶岩ドームを形成する活動が発生している。
今から 1万 5000年前からはおよそ 1000年に
1
度の割合で主として溶岩ドーム を形成する活動があった。溶岩を始めとする火山噴出物の噴出量は 1000年あた り、 0.7km3といわれ、実はこの値は同期間の雲仙火山の活動よりも 1桁大きい。17世紀半ば以降、火山活動の発生が古文書などから知られているが、いずれも 水蒸気爆発あるいは噴煙活動の活発化のようなもので、マグマを噴出すること
はなかった。
117
4 . 3
観測図4‑1に本地域の重力変動観測点の配置図を示す。図4‑1において、 1995年10月 の噴火によってできた新火口域を赤の楕円で示している。
力測定の基準点は、測定コースの中ほどに位置する独立標高点(PEAK)を用 いている。通常、基準点は測定対象地域からもっとも離れた地点に選ばれるべ きであるが、本地域の場合、山麓では地下水の利用がなされており、基準点と しては不適切であると考えられるため、山腹の独立標高点を基準とした。測定 は、長者原に置いた観測点を基点にして、往きと帰りにそれぞれ1回ずつ測定を 行う往復測定法で行った。
また、本研究で使用した重力計(CG‑3)の問題点としてドリフトレートが大きい ことがあげられるが、特に本地域では、車、徒歩などの運搬方法の違いによっ てドリフトレートが変化し、測定精度の悪化を招くという問題が観測初期に生
じた。この問題を解決するために、本地域での観測は、山麓に位置する長者原 にある観測点(BM1)からすべての観測点を徒歩による移動で行った。このことに より、測定精度を向上することができた。
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図4‑1九重硫黄山地域重力変動観測点配置図
4.4観 測 結 果
本調査地域の各観測点の経時変化図を図4‑2,4‑3 に示す。図4‑2を見ると、新火 口域から約3km離れた長者原に近い山麓側地域と、新火口に近い山頂側地域との 2タイプに分けることができる。特に山頂側地域の観測点では、経時変化の傾向 が似ており、噴火活動の影響を受けていると考えられるため、ここでは山頂側 地域の観測点について議論する。この地域の観測点にはHOKO孔生、 IW1、IW2、 IW3、IW4、IW5、IW6が挙げられるが、この7点の経時変化の傾向は、 全体的に 似ていて山麓側地域の観測点の重力変動とは異なる。この地域の経時変化の傾
向とは i1995年10月の噴火直後に急激に重力値が増加し、次は逆に急激に減少 し、それから緩やかな減少が続き、 1996年6月頃からゆっくりと増加に転じてい る」というものである。
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図4‑2重力経H寺変化 (BMI‑IW4)
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1997/1 刈4‑3重力経時変化(IW5,IW6)
本地域の経時変化をもとに観測された重力の経時変化を以下に示す 4つの時 期に分けることができる。それぞれの時期の重力変動量の空間分布図を図 4‑4"'"' 4‑7に示す。
1995年 10月 14日"'"'1995年 10月 19日
この時期は、全ての観測点で、他の時期にみられないほどの急激な増加がみら れる。変動量については 5日間というごく短い期間に大きな所で約 70!‑!gal増加
している。
1995年 10月中旬"'"'1996年 1月
この時期は、全体的に重力が急激に減少している。 IW4、IW5、IW6について はこの期間の途中で設置したので観測回数が少ないため、この傾向を捉え難い。
これをみると新火口域を中心として重力の変化率が大きく、 IW3では約‑90μgal といった大きな変動が確認され、離れるに従い小さくなっている。
1996年 2月"'"'1996年 5月
この時期は、全体的に重力が緩やかに減少している。この変動分布は前時期 とよく似ており新火口域中心であるが、重力変化率は格段に小さくなっている。
1996年 6月"'"'1996年 10月
この時期は、全体的に重力が増加しているもののその変化率はあまり大きく なく、緩やかである。この変化の中心は、新火口地域周辺ではあるものの東方 の北千里付近にあるものと推定される。
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図4‑51995年10月19日から1996年l月までの重力変動量の空間分布図 (単位はμgal)
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州 4‑71996年6月から1996年10月までの重力変動量の空間分布図 (単位はμgal)
125
4.5考察
4.5.1観測点の標高変化
本地域では、 GPS観測および光波辺長測量 (EDM)が行われており(京都大学 理学部火山研究施設,私信)、 1995年11月17日から1996年10月9日までの標高変 化は、 全体的に沈降しており、最も変化の大きい部分で約8cmであり、基準点に おいても約3cm沈降しているので、重力鉛直勾配を0.3086mgal!mとすると約15 μgal増加したことになる。しかし重力変動の経時変化図をみても、単調な重力増 加傾向は示しておらず、本地域において観測された重力変動のうち標高変化の 影響はあまり大きくないと考えられる。
4.5.2マグマの移動
地下に存在するマグマの上昇または下降に伴って、地殻内部の質量が変化し地 上での重力も変動すると考えられる。一般にマグマの移動は地震の発生を伴う
ことが多いので、 1日当たりの地震発生回数のデータが参考になる。九重硫黄山 地域の地震発生回数(京都大学理学部火山研究施設, 1996)を図4‑8に示す。この 却によると、 1日の地震の回数が噴火後には、ほとんど変化していない。また、
時々、群発地震が起きているが、それによって影響を受けて、著しく重力値が 変動ところは見られない。これらのことにより、噴火後マグマが移動したとは 考えにくく、本地域の重力変動がマグマの移動に起因したものであるとはいい
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硫黄山地域における1日あたりの地震発生回数 (京都大学理学部阿蘇火山研究施設)
126
図4‑8九
4.5.3重力変動から推定される質量変化
:g] 4-4~4・7 を見ると噴火後の一定期間は重力変動は新火口域を中心に分布し ている。噴火以降、新火口からは大量の水蒸気が噴気として大気中に放出され つつけ、周辺の浅層地下水にも何らかの影響を与えていると考えられる。この ことから今回観測された重力変動は質量変動に起因するところが大きいと考え られる。
山頂側地域に存在する HOKORA、IW1、IW2、IW3、IW4、IW5、IW6につい てはそれぞれの経時変化が同じような傾向であり、以下の 4 つの期間に分ける
ことができる。
1995 年 10 月 14 日 ~1995 年 10 月 19
この期間は噴火数日後であるが、ここでは大きな重力増加がみられ、新火 域に近辺が最も増加している。これは噴火により噴火口周辺の地下水が噴気水 蒸気として大量に放出され、その周辺の地下水が急激に不足し、それを補う作 用としてその周辺地域から大量の水が供給され、一時的に重力が増加したと考
えられる。
1995 年 10 月中旬 ~1996 年 1 月
この期間には急激な重力減少がみられ、最も減少率の大きい観測点は新火口 周辺の IW3で ‑1.03μgal/dayである。変動分布は、新火口域を中心に楕円状に広 がっている。この現象は大量の火山ガスが地下から供給され、新火口周辺の地 水を加熱し蒸気化させ、大気中に噴気として放出した結果であると考えられ る。また、火山ガスの分析(平林他 1996)によると、噴火当初火山ガスに大量 に地下水の混入があったが、次第にその割合が減少してきたという推定もこの 現象を裏付けるものの 1つとなっている。
1996 年 2 月 ~1996 年 5 月
この期間は非常に緩やかな重力減少がみられ、その変動分布は以前と同じよ うに新火口中心といえる。このことは地下深部から供給される高温火山ガスに よる火口周辺の地下水の気化、大気中への放出は依然として継続されているが、
若干活動も落ち着き、次第に地下水流動系内の流体活動により水収支のバラン スを保ち始めていることを示していると考えられる。
1996 年 6 月 ~1996 年 10 月
この期間は緩やかな重力増加傾向がみられる。前期間の傾向と一転した現象 が起き出したのには、前期間と異なるある要因が影響を与えているからである と考えられる。その要因とは 6月からの急激な降水量の増加が挙げられる。前 期間は、流動系内の水収支バランスが保たれつつある状態であったと考えられ たが、この期間は、降水の地下浸透量が増加し、浅層地下水位の上昇につなが
り、重力値が増加したのではないかと考えられる。
127
次に、前述の 4つの期間における地下水の変化量について論じる。本研究で測 定したのは重力値であり、この重力変動より未知の質量変動量を以下に示すガ ウスの定理を用いることにより算出する。
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一方水蒸気放出量は、最大噴気直径による水蒸気放出量測定法(神宮司・江 原, 1996)によって算出し、この方法によって見積もられた水蒸気放出量のうち、
火山ガスの化学分析の結果(平林,私信)から約 30%がマグマ性、残り 70%が 天水起源であると推定されている。
以上各時期ごとの推定結果を表4‑1に示す。水蒸気放出量は、噴火後2""'3ヶ 月は非常に多かったが、それ以降はその半分以下と減少しており、噴火活動が 弱まったことを示している。 1996年2月から 1996年5月までの期間は水蒸気放 出量と周りの地域からの供給量との差が他の時期に比べて最も少ない。これは 大気中に放出される地下水の量と周りの地域からの供給量とが平衡状態に近づ きつつあると考えられる。周りの地域からの供給量は 1996年 6月から 1996年 10月までの期間に最も多く、火口周辺の地下水量の欠損を補うように降水によ
り周囲から地下水が補給されたと考えられる。
表 4‑1各時期の水蒸気放出量と質量変化量
1995年10月中旬 1996年2月 1996年6月
"‑' 1996年1月 "‑' 1996年5月 "‑' 1996年10月 水蒸気放出量 82000 18000 28000
天水起源 57400 12600 19600
マグマ起源 24600 5400 8400 重力変動より算出
された質量変化量 ‑48000 ‑5800 +3300 但 し 、 各 数 値 の 単 位 はt/dayである。
つぎに4つの時期についてそれぞれ質量バランスについて考察する。
1995年 10月14日""'1995年 10月19 128
この期間は噴火が起こった 1995年 10月 11日の3日後からまでの5日間であ る。この噴火直後の急激な重力増加により質量変化を求めることは大変意義あ ることであるが、山頂側地域の観測点が HOKORA、IW1、IW2、IW3の4点し かないので、これらだけで重力変動量分布のコンターマップを描き、ガウスの 定理を用い議論することは困難である。
1995年 10月中旬""'‑'1996年 1月
この期間の重力変動量より見積もった地下質量変化量は‑48000t/dayである。
また最大噴気直径による水蒸気放出量測定法(神宮司・江原 1996)によると、
水蒸気放出量は 82000t/dayと算出されており、火山ガスのうち 7割が天水で 3 割が火山性のもの(平林他, 1996)であると考えられているので、天水起源の地
水の大気への放出量は57400t/dayとなった。
力変動より算出された質量変化量と、最大噴気直径による水蒸気放出量測 定法により算出された天水起源の水蒸気放出量とを比較すると両者は一致せず、
その差の 9400t/dayは周りの地域からの地下水流動や降水による供給と考えるこ とができる。この期間の九重硫黄山の水収支モデ、ルを図 4・9(a)に示す。
1996年 2月'""1996年 5月
同様に、との期間の水蒸気放出量は 18000t/dayであり、そのうちの 3割であ る 5400t/dayが山体深部から常時供給される火山ガスであり、 7割である 12600t/dayが山体下の地下水起源のものである。重力変動より算出された質量変 化量は‑5800t/dayであり、大気へ放出された地下水が 12600t/dayであるので、そ の差である 6800t/dayは降水や地下水流動による周りの地域からの供給と考える ことができる(図 4・9(b))。
1996年 6月'""1996年 10月
同様にして、この期間の水蒸気放出量は28000t/dayであり、そのうち 8,400t/day が山体深部から常時供給される火山ガスであり、 19,600t/dayが山体下の地下水 起源のものである。重力変動より算出された質量変化量は+3300t/dayであり、大 気へ放出された地下水が 19600t/dayであるので、その差である 22900t/dayは降 水や地下水流動による周りの地域からの供給と考えることができる(図 4・9(c))。
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(a) (b) (c) 図4‑9九重硫黄山地域の質量バランスの見積もり
130
4.6まとめ
本研究では九重硫黄山において 1995年 10月の噴火後、精密重力測定を繰り 返し行った。噴火後は、九重硫黄山山頂付近で 20'""'100μgalの有意な重力変動が 観測された。光波辺長測量より見積もられた地盤沈下の影響だけでは、この重 力変動を説明することができない。また、地震発生回数と重力変動との関連に 注目した結果、地下におけるマグマの移動は考えにくいことから、観測された 重力変動は、九重硫黄山の地下流体(主に水)の質量移動を反映している可能 性が高いと考えられる。
そこで、ガウスの定理を用いて、重力変動より地下の質量変化を算出し、ま た、他調査により観測された水蒸気放出量を参考にして、九重硫黄山の水収支 モデルを作成し、考察した。観測された重力変動が九重硫黄山の地下流体(主 に水)の質量移動を反映していることは、定性的に説明がつくことがわかった が、定量的な議論になると、本調査地域には観測井等なく、参考にする地下水 位データに乏しいため、確認はできないのが現状である。
今後は、重力変動観測と伴に、地下水位分布や変動を知ることができるよう な観測、研究も行うべきと考えている。
131
第
5章地下水利用地域における重力変動観測および解析例
一福岡市西区九州大学新キャンパス予定地における重力変動観測一
5.1概要
地下水を生活用水として利用している地域において新たな地下水採取用井戸 が掘削されたり、地形など周辺環境が改変されるような場合、それに伴って新 たな地下水位の変化が予想されるため、地下水位変化を適切にモニタリングす ることは環境維持の観点から非常に重要である。従来はこのモニタリング手法 として、地下水位観測井の水位変化を観測することが行われてきた。しかし、
この方法では、広域的な地下水の変動を捉えるために、多数の水位観測井を必 要としたり、観測井の水位が局所的な変化を示す場合があり、水位変動の解釈 に混乱を来すなどの問題があった。このような地域において空間的に密な重力 変動観測を繰り返し行うことによって、地下水位の変化を面的に捉えることが 可能になってきた (Torge,1989,福田ほか,1996)。
重力変動と地下水位変化との関係を明瞭にするためには、対象地域内に、ある 程度の数の水位観測井が必要であるが、このような条件を満たす地域として、
九州大学移転予定地である福岡市西部の元岡地域が挙げられる。本地域では、
1995年3月より 11本の坑井で地下水位の観測が行われており、地下水位変化と 重力変動の関係を研究するには格好のフィールドとなっている。
また新キャンパス造成によって引き起こされる可能性がある地下水流動系の 変化による周辺地下水への影響のモニタリングは重要な課題となっている。そ のためには、キャンパス移転前から背景的な地下水位変化を把握することが必 要となる。
5.2地質構造
九州大学新キャンパス予定地およびその周辺地域は、福岡市の西端に位置す る(図 5・1)。新キャンパス予定地は、福岡市の元岡、桑原地区(約 243ヘクタ ール)、志摩町の桜井、馬場地区(約30ヘクタール)及び前原市の泊地区(約 1 ヘクタール)の合計 275ヘクタールで、九州大学の現在の敷地の約 5倍に相、11 する広大な丘陵地である。
132
本地域は、地質的に大きく
3
つに区分され、北部の桑原地区丘陵地に変成岩 類 (三郡変成岩)が、中・南部の元岡地区丘陵地に花岡岩類(糸島花園閃緑岩) が分布し、低地部にはこれらを基盤として沖積層を主体とする未固結堆積物が 分布している(図子2)。三郡変成岩は緑色片岩や泥質片岩を主体とし、花園岩 類の貫入によって一部熱変成作用を受けている。糸島花闘閃緑岩は後期白亜紀 に貫入したものであり、岩質は含輝石角閃黒雲母花園閃緑岩で、片状構造がみ られる。対象地域内では風化が進み、表層部は全域にわたってマサ化が著しい。沖積層は、上記の変成岩や花闘閃緑岩を基盤として低地部に堆積しており、粘
、シルト、砂などの未固結な堆積物からなっている。沖積層の下には洪積層 と考えられる砂質な未固結堆積物が薄く存在している(福岡市大学移転対策 局 1996)。
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図5‑2冗岡地域地質図. 134
5.3観測
本地域では、 1994年7月に重力変動観測を開始し、1997年 12月までに 11但
の観測を行った。観測は、前原市高田にある一等水準点3201を基準とし、大学 移転予定地の中央部から東部にかけて現在20点の観測点を設けた(図 5・3)。
図5‑3元岡地域重力変動観測点配置図
5.4観測結果
図5‑4"'‑'5‑6に本地域の重力経時変化を示す。1994年 7月から 1997年 12月ま で約 3年間の聞に本地域で観測された重力変動は、最大で約 80μgalであり、比 較的標高の高い丘陵地にある観測点では変動量が大きく 、平地部ではあまり変 動が見られない。
重力経時変化のパターンに注目すると、次の 3つのタイプに分類され(図5・7)、 それぞれ次の地域に分布している.
A 東部の丘陵地 (観測点M6,M7)
B西部の丘陵地 (観測点M10,M11, M12, M13, M14, M15, M16, M21, M9) C平野部 (観測点M17,M18, M19, M20)
まず、
A
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のグ、ノレーフ。に属する丘陵地については、 観測開始当初全体的に変 動幅が大きいが、 1996年以降変動幅が小さくなる傾向が見られる。春の終わり に重力値が最低になり、秋に最大となる季節変化を示しているという点で両地135
変化が見られるという点でAのグループと異なっている。
一方、 Cのグループに属する平野部については、これまで述べてきた丘陵地に 比べて重力変動幅は小さい。また、東部の平野については、 1995年以降増加す る経年変化が見られる。
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図5‑4重力経時変化図 (MI‑MI0)
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