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鹿児島県山川地域

山川地域は2つの地域に分類できる。 一つの地域は観測地域の南部であり、も う一つの地域は観測地域南部以外の地域であるc

観測地域南部の重力経時変化については、季節的な変化をしており、この地域 の浅層地下水位の変化と相関が高い。また、浅層地下水位の変化から推定した 力値と比較してみても、良い相関がみられるので、南部地域の重力変動は浅 地下水位の変化を反映したものであると考えられる。南部地域は生産・還元 地域にかかっているが、重力変動観測を開始したのが生産・還元が始まって 2 年程度経過していることや、浅層地下水と貯留層の聞に水理的な連結が薄いこ

とから短期間における深部での生産・還元の直接的な影響は大きくないと考え られる。

南部以外の観測点については、地下水位の変化に関係なく 97年8月の観測ま では、あまり変化がないかやや増加傾向にある。その後の 97年 12月の観測で は減少傾向に転じている。この原因としては、この地域の断層構造によって作 られた複雑な地下構造の影響によって、深部で複雑な水の流れがあり、その周 期が 1年よりももっと長い周期になっていることが考えられる。

大分県九重火山(硫黄山)

1995年10月に水蒸気爆発を起こした大分県南西部にある九重火山(硫黄山)で の重力変動観測では,硫黄山における地下流体(主に水)の質量移動と考えられる 重力変動が観測された.そして,噴火後の質量変動の経時変化から地下流体の 流動が次第に新たな平衡状態に向うプロセスすなわち火山活動が安定化してい

くプロセスが明らかになった.

福岡市元岡地域

地下水利用地域である福岡市元岡地区での重力変動観測では、ほかの地域に 比べ重力変動量は小さい(最大 70μgal)が,有意な重力変動が観測された。観 測された重力経時変化と地下水位観測井の水位経時変化との問にはよい対応が 見られた。また,本地域の地下水位変化量から推定される重力変動と実際に観 測された重力変動の比較を行った結果,地下水帯水層の孔隙率を 20%としたと きに両者に良い一致が見られ,観測された重力変動は,地下水位変化によるも のとしてほぼ説明できることが明らかになった.このことから,本地域におい て繰り返し重力測定を行うことにより,地下水位変化のモニタリングが可能に なることが明らかになった.

以上述べた九州内 6ヶ所での観測結果から各地域に共通する現象をについて 考察を行った結果,いずれの地域においても数 10"‑'数 100 μgalの有意な重力 変動が観測され,この変動の中には,標高変化などによる重力変動も一部に含 まれるものの,大部分が地下の流体移動に起因することが明らかになった.す なわち,適切な観測と解析を行うことによって重力変動観測により地下流体の

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モニタリングが可能であることが明らかになった。

本手法の適用対象は、これまで述べてきた地熱貯留層のモニタリングや火山 活動のモニタリングなどのほかに、

‑温泉地域汲み上げ量のモニタリング

‑地下水汚染の影響範囲の特定など、環境問題への適用 .石油・天然ガスの生産量のモニタリング

‑農業用水のモニタリング

への適用が期待できると考えられる。

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謝辞

この論文を執筆するに当たり、九州大学大学院工学研究科地球資源システム 工学専攻江原幸雄教授、同地球資源システム工学専攻福田道博教授、同附属環 境システム科学研究センター神野健二教授にはご指導を頂き、厚く御礼申し上 げます。また、本研究を通して様々な御意見を頂きました九州大学大学院工学 研究科地球資源システム工学専攻藤光康宏助教授、茂木 透助手、測定の際や その他様々な面で協力して頂きました、地球熱システム学研究室の大学院生、

学部4年生の皆さんに深い感謝の意を表します。

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