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Some attempts to construct geometric theoriesto represent and explicate physical phenomena

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

Some attempts to construct geometric theories to represent and explicate physical phenomena

畠山, 優太

http://hdl.handle.net/2324/2236039

出版情報:九州大学, 2018, 博士(機能数理学), 課程博士 バージョン:

権利関係:やむを得ない事由により本文ファイル非公開 (3)

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(様式6-2)

氏 名 畠山 優太

論 文 名

Some attempts to construct geometric theories to represent and explicate physical phenomena

(物理現象の記述と解明に動機を得た幾何学的理論構築の試み)

論文調査委員 主 査 九州大学 教授 小磯深幸 副 査 九州大学 教授 勝田篤 副 査 九州大学 准教授 大津幸男 副 査 横浜国立大学 准教授 田中良巳

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

本学位論文では、自然現象の記述と解明に動機を持つ以下の二つの幾何学的な研究を行なってい る。

1. 滑らかな曲線の曲率及び捩率の離散曲率及び離散捩率による近似

例えば自然現象に現れる曲線や曲面を解析する時、得られるデータは通常離散的なものである。

したがって、連続的に見えるものの性質を離散的な情報のみにより表すということは、理論・応用 の両観点から重要である。本研究では、このような観点から、滑らかな空間曲線の曲率と捩率を、

当該曲線上の離散点のデータを用いて近似するということを行なっている。その理由は、空間曲線 は曲率と捩率によりその形が一意的に決定されるからである。

以下、3次元ユークリッド空間内の曲線を考える。順序の付いた点の列を離散曲線と呼ぶ。滑ら かな曲線が弧長により表示(即ち、速さ1であるようなパラメータ表示)されている時、単位接ベ クトルの変化率(加速度ベクトルの大きさ)をこの曲線の曲率という。この定義に鑑み、本論文で は離散曲線の各点での単位接ベクトルを定義し、その変化率(差分)により離散曲線の曲率(離散 曲率と呼ぶ)を定義している。即ち、離散曲線上の各点における離散曲率は、当該の点及びその両 隣の点のデータにより定義される。

滑らかな曲線Cに対し、その上の離散点集合ΓをCの離散化と呼ぶ。Γは離散曲線とみなせる。

本論文では、C の曲率をΓの離散曲率により近似した時の離散化誤差を2通りの方法で評価してい る。第一の方法ではCの曲率の二乗の積分である全平方曲率とΓの離散曲率の二乗の和である全平 方離散曲率の差を評価し、第二の方法ではCの曲率とΓの離散曲率の差をL2ノルムを用いて評価し ている。共に、離散化による曲線Cの分割を細かくしていった時に離散化誤差がどのような速さで 減少するかを厳密に評価した。

また、本論文で、離散曲線の捩れ具合いを表す量(離散捩率と呼ぶ)を、滑らかな曲線の捩率の 定義を自然に離散化することにより定義している。そして、滑らかな曲線Cの捩率とその離散化Γ の離散捩率の差をL2ノルムにより評価した。曲率の場合と同様に、離散化による曲線Cの分割を細 かくしていった時に離散化誤差がどのような速さで減少するかを厳密に評価している。

これらの研究と関連する先行研究との関係については以下の通りである。離散曲線の曲率、捩率 については、様々な観点からの定義が知られているが、滑らかな曲線を近似するという観点から離

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散曲線そのものの曲率と捩率を定義し離散化による誤差を評価するという研究は、まだほとんどな されていなかった。本学位論文で提案した離散化の新しい方法とその妥当性についての評価は、独 創性があり応用性にも富む重要なものである。

2. 螺旋状枠を張る微小液滴の数理モデルの幾何解析

産業界からの要請を動機とした次のような物理実験結果を、横浜国立大学・田中良巳准教授から ご提示いただいた。蒸留水に浸した直径約1.2mm、ピッチ約0.8mm のステンレス製のコイル(螺旋 状ワイヤー)をゆっくりと持ち上げると、コイルの内部に微小な液滴が残留する。物理実験の結果 では、螺旋状ワイヤーを張る微小液滴の形状は液滴の体積に応じて変化する。本博士論文では、こ の液滴の形状を決定する数理モデルの作成と幾何学的な解析を行っている。ワイヤー内の微小液滴 には表面張力のみが作用すると仮定すると、数学的には、微小液滴の表面形状は安定な平均曲率一 定曲面であるとみなすことができる。更に、実験結果から、考察する対象を平均曲率が至る所一定 な螺旋曲面(helicoidal CMC surface)に限定することは自然である。以上の考察に基づき、本学 位論文では、「常螺旋を境界とする安定な平均曲率一定螺旋曲面を求めよ」という数学の課題が研究 された。平均曲率一定曲面の安定性の判定法(M.Koiso, 2002)、対称性の高い平均曲率一定回転面

(Delaunay曲面)の安定性の決定(M.Koiso and B.Palmer, 2017)、Delaunay曲面からhelicoidal CMC surface への等長変形(M.do Carmo and M.Dajczer, 1982)などの先行研究を応用し、楕円積 分を用いて複雑な式で表示されるさまざまな状況を幾何学的な考察と巧みな計算により解析するこ とにより、常螺旋を境界とする安定な(または不安定な)平均曲率一定螺旋曲面の広いクラスを決 定している。鍵となった手法は、Delaunay 曲面の一つであるnodoid の安定領域を安定性を保った まま変形させ、境界が螺旋状ワイヤーとなる為の条件を求めるというものである。任意の平均曲率 一定螺旋曲面は、局所的にはあるDelaunay曲面を等長かつその平均曲率を保つように変形すること によって得られることが知られており、この変形を利用したのである。とりわけ本論文では、曲面 の自己交差と境界の状況を解析し、常螺旋を張る安定な平均曲率一定螺旋曲面を決定した。

一般に、平均曲率一定曲面の安定性を判定することは難しい課題であり、また、与えられた境界 を張る平均曲率一定曲面を具体的に求めることも難しい。本学位論文の研究成果は、これら二つの 困難な課題について、物理学や工学的な応用の観点からも興味深い状況下で解決したというもので あり、理論・応用の両観点から重要なものである。

以上の結果は、幾何学の分野において価値ある業績と認められる。

よって、本研究者は博士(機能数理学)の学位を受ける資格があるものと認める。

参照

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