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(1)

電磁波工学

柴田幸司

7 回 電磁波の伝搬特性Ⅰ

(直接波、反射波、回折波、散乱波)

講義ノート

(2)

本章の意義

・空間に放射された電磁波は、地面や山岳などで①反射、②回折、③散乱され ながら受信点に届くが、電波の到達距離は周波数により異なり、商業的にも 重要な特性となる。

・特に近年、携帯電話や地上デジタルさらには WiMAX など低・高速で移動し ながらのデジタル通信が多く使用されており、地面や山・ビルなどでの電波 の振る舞いの計算は回線設計にとって大きな意味を持つ。

・本章では、その性質について視覚的および数学的に考える。

(3)

自由空間の伝搬損失

P i

入力電力

d

d 離れた点での電力密度

4 d 2

P d P i

 

4 d 2

P d P i

 

入力電力

球の表面積

P

P

d

G

G

r d

t

r G P G

P

 

 4

2

受信断面積

受信機での受信電力は

送信アンテナ利得 受信アンテナ利得

r i

t G

d G P

 

 

 4 4

2 2

i t

r G P

d   G  

 

 

2

4

となる。

2

4 

 

  Loss d

は電力到達率であり、

損失としては分母と分 子が反転して

dB

では

2 10

log 4

10 

 

 

d

Loss [dB]

れを自由空間伝となり、こ

搬損失と呼ぶ

(損失が + だから分子分母が逆)

波源から

d[m]

離れたあ る点で観測される電力

ガウスの法則と同じ考え方

電力到達率(

d

が大

きくなると小さくなる) 波長で規格化

f

c

アンテナ利得が

0dBi

の場合にお けるd 離れた点での電力密度

電力は距 離の

2

に反比例

電力到達率(

d

が大きくなると小さくなる)

球の表面積

送信アンテナ利得

(4)

P o

d

2

4 

 

 

SN:10dB (SSB)

   

. W Z

P r V r

50 10 25

0 6 2

0

2   

Yaesu FT1000MP

 

 

  

 

 

0

2

log 4

10 P

L d

 36000Km -205.5

2 0

4 d P d P

 

1. 遠距離通信における伝搬損失

P i A

 4

 2

A d A

P d 1 P i 2 4 

 4

4

2 2 0

1 d

P dP

アンテナの開口面積

12GHz

430MHz 100Km 1GHz

-125 -132

5GHz -146

[w/m 2 ]

P 0 d

:

アンテナの放射電力

P 0

P i

A

d

50

Ω

P 0 =1W

の時、自由 空間伝搬損失 距離

d

の点における

電力密度

[dB]

ここで、受信機の必要最小電力

v r

0.25 μ V の時には、電力としては

受信機

v r

d P d1 [Bw]

P d1 > P r

となり、通信の条件として

P 0 =1[w]

の時には通信が可能となる。

よってこれを

dB

で表すと

この条件なら通信可能

なので

10 log 10 Pr   149 dBw

100Km

100Km

(5)

A m

2 2 0 2

2 0 2

0

16 4

4

4 d

D P D

d A P

d

P mw m   

2 2 0 2

16

4 d

D P

P i d

 

 

 

50 -242.4

430 -261.0 -268.4 1000

D d

2

2 

 

  D A

m

となる。ここでA

m

月の表面積であり 地球

h P 0

380000Km d

D 3476Km 0.07 h

2

16 2 

 

 

d T pr D

 

2 . EME の伝搬損失

0 2

16 2 P

d D

 

 

 

P i [ dBw ]

一例として

P 0 =1[W]

の場合における 受信電力P

i

P i : 受信点の電力

を得る。

なる関係がある。また、

P 0

は送信電力である。これ に対して、月の反射係数を考慮した受信電力

P i

となる。ここで、ηは月の反射係数となるから

EMEにおける電力到達率は

を得る。

月による伝搬損失を含めた受信電力を

P m

と置くと

f[MHz]

π r 2

となるから、 dB では

i

i P

P  10  log 10 [dBw]

(6)

: -243.6~ -241.3 dB :月までの往復の伝搬損失 : 1000W [30dBw] :

送信電力

:

送信アンテナの利得

(8ele

×

4)

=30+19-241.3=-192.3 dB

とすれば、受信点に到達した電力は

: 19 dB : 19 dB

=-192.3 +19+20=-153.3 dB

となる。さらに、受信機の入力電力は

となる。一方、

FT1000MP

の受信感度

(IC756PRO

Ⅱも同等

)

-149dB

であり、デジタル信号 処理(

WSJT

)による換算利得は

-20dB

であるから、受信機の実効感度

P i

:

受信アンテナの利得

(8ele

×

4)

=149-20=-169dB

となり、結局

-153.3 dB >-169 dB

つまり 受信機の入力電力

>

受信機の実効感度となり、

受信可能であることが分かった。

L m P 0

G t

G r

8ele. 2

×

2

20dB

:ローノイズアンプの利得

IC-756 PRO

IC-PW1 1KW

リニアアンプ

GRA- 6020

ローノイズアンプ

3. EME の回線設計

P i

=P

0 +G t

L m

G A

P i

P i2

P i1 +G r

G A

(7)

4. 自由空間の伝搬

1

1

0 j r

P e

r

EE V/m

電界は距離に反比例して減衰

振動項

電界強度

Im

E p

)[

V/m

E 0 ・・・初期電界

 

 2

(伝搬定数:一周期を

波長で規格化した値)

Ep

は複素数

電界強度

Ep

|[

V/m

4.53331

8.652979 Im Ep r1( ( ))

3

0.1 r1

0 1 2 3

10 0 10 3.375914

7.033171 Re Ep r1( ( ))

3

0.1 r1

0 1 2 3

10 5 0 5

電界強度

Re

E p

)[

V/m

E p ・・・複素数として伝搬

10

0.333333 Ep r1( )

3

0.1 r1

0 1 2 3

0 5 10

絶対値をとると → 距離に反比例 放射源

r 1

振動しながら減衰

+

方向への伝搬の場合には-が付く

以上のように電力が球の表面積に反比例することが分かったが、実際には電波は 波動として振舞う。そこで、波動方程式の解である exp 項を追加してλ /4 πを省略す れば

を得る。

λ

/4

πは省略

E

0

E

p

電力は距離の

2

乗に反比例

(8)

酸素吸収損失を含んだ

60GHz

における伝搬損失

トラ技 pp.151-152, 2009-6

水蒸気・酸素分子による減衰定数の周波数特性

電力密度とポインティングベクトル

S n

太陽光パネル

S dS

P E H

通過電力

EとHの積なので距離の2乗に反比例

(9)

6. 地面による反射

P

地面による反射でも、入射角と反射角は 等しい (スネルの法則 , θ i =θ

大地が完全導体なら、反射係数はΓ = -1

Q

θ

i

θ

r

反射により

波の振幅が反転

5. 光線近似の導入

周波数∞(波長≒ 0 )を仮定すれば、光(電磁波)は直進する。

実際の通信では、この大地による影響を無視することができない。これを考慮し た受信点における電界強度は厳密には先の式により計算できる。しかしながら、

この程度の複雑な計算はコンピュータを用いないと煩雑であり、電卓などで簡易に 計算するには不向きである。そこで、この近似式を導出してみる。

なお、この様な近似式の導出は電卓が無い時代には重要な作業であった。

地面による反射の考慮

(10)

7. 地面による反射の実際

P

送信 アンテナ

h 1

h 2

Q

r 2

d

図の様な導体大地上 h 1 [ m ]の高さにある点 P に 長さ l の半波長ダイポールアンテナを水平に配置 時の距離 d 離れた高さ h 2 [ m ]の点 Q での電界強度

(直接波+反射波)は、 h 1 ,h 2 が d に対して非常に小 さい場合には直接波を用いて (1) 式で表される。

 

 

 

d

h sin h

E

E P 2 1 2

2 

1

1

' 0 j r

P e

r

EE

[ V/m ]

[ V/m ]

 

 2

, 

  l I E 60

' 0 [ V/m ]

となる。但し、 l は アンテナ長 [m] であり、 I はアンテナの基部電流[ A ]である。

ここで、 P から Q へ直接受信される電界は

であり、伝搬定数および P 点で の初期電界 E 0 ’はダイポール アンテナからの放射界として

距離に反比例して減衰 垂直方向

無指向性

・・・ (1) r 1

E 0

E p

直接波

E

直接波

(11)

証明

P

送信 アンテナ

h 1

h 2

Q

r 1

r 2

d

P

まず、 P 点からの放射状の送信波に対して、 Q 点 までの光路は 2 つしか存在しないことに留意する。

大地による反射について、図に示す通りアンテ ナの影像 P’ を考え、これから r 2 離れた点 Q の電 界強度は、大地による反射係数を R とおけば

r 2

2

2

' 0

' P e j r

r E

E R

距離に反比例して減衰

[ V/m ]

であるから、 Q 点での合成電界は直接波と反射波の和として

2 1

2 0 1

0 '

' P ' j r j r

P

Q e

r E e R

r E E

E

E      [ V/m ]

となる。ここで、大地を全反射と考えれば R= -1 なので h 1

r 1

(12)

 

 

  

 

 

 

2

1 1 1

2 1

2 1

1 1 2 1

0 2

1 0 2

0 1

0 1 1 1 1 j r

r j

r j r

j r

j r

j r

j r

j e

e e r r e r

' r E r e

r e '

E r e

' e E

r '

E

 

[ V/m ]

ここで、

2 1

r

r

1

2 r

r  を求めることを考えると、

ピタコラスの定理より

2 1 2 1 2 2

1 2

2

1 ( ) 1



 



 

 

 

 

d

h d h

h h

d r

となり、 (2) 式に r 1 および r 2 を代 入すれば、 Q 点における受信 電界強度 E が計算できる。

2 1 2 2 2 1

2 1

2

2 ( ) 1



 



 

 

 

  

d

h d h

h h

d r

E p だから

・・・ (2) となる。

 

 

 

 

 

 

j r j j r r j r e j ( r r ) r

e r ' r E e

e r e r

' r

E

1 2 1

1 2 1

2 1 0

1 2

1 1

0 1 1

1 1

 

 

 

 

P e j ( r r ) r

E r

2 1

2

1 1

1

1

1 j r r e

 

これを掛けると

を前に出せる

h 2 -h 1 h 2 +h 1

d

(13)

しかしながら、題意より h 1 ≪ d 、 h 2 ≪ d であるから

1

2 1

2  

 

 

d h h

, 1

2 2

1  

 

  d

h

h となり、与式は



 



 

 

 

 

2 1 2

1 2

1 1

d h d h

r ,



 



 

 

 

  

2 2 1

2 2

1 1

d h d h

r

と近似できる。

a>>b の時に a b a b 2

 1

なる近似より

2 1 2

2 1 2 1 2

2 1 1

1 

 

 

 

 



 

 

 

 

d

h h

d h

h と置くことができるから

理由

(14)



 



 

 

 

 

 

 



 

 

 

  

2 1 2

2 2 1

1

2 2

1 1 2

1 1

d h d h

d h d h

r r



 



 

 

 

 

 

 

 



 



 

 

 

 

 

 

 

2 1 2

2 1 2

2 2

2 2

2 1 2

1 2

2 2

2 d

h d

h h d

h d

d h d

h h d

h d

となる。

これより、近似した r 1 および r 2 を用いれば r 2 -r 1

2 1 2

2 2 1

2

2 

 

 

 

 

  

d

h h

d d d

h h

d d

d h h d

h h d

h

h 1 21 2  2 1 2

(15)

Q 点の電界は

また h 1 ≪ d 、 h 2 ≪ d なる条件より 1

2 1  r

r と考えると

 

 

 

 

 

 

P j r r P j h d h

Q e E e

r E r

E

2 1 1

2

2 2 )

( 2

1 1

1

 

となる。ここで、

d h D 2 2 h 1 2

  とおくと、与式は

 

2 2

2 2

2 2

2

2 1

1 D

D j j

j D j D

j D D P

j j D

jD j D

P jD

P

e e

e e e

E e

e e

e E

e

E

 

  

 

 

 

 

  

と変形できる。

2 2

2 2

2

2 2

2

j D j D

j D

P j D

j D j D

P je

j e E e

e e

e

E

 

 

 

 

 

 

 

 

2

より

j D

jD

eを分子に持ってい くため分子・分母に

-jD/2

をかける。

(16)

ここで、オイラーの

公式より e j  cos   j sin 

 

 cos j sin

e j

-

e 2 j sin

e j j

より j

e e j j sin 2

 

となるので 与式は

2 2

2 2

2 2 2 2

j D P

j D j D

j D

P

Q D je

sin E

j je e E e

E

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 2

2 2 2 D

sin E

D je sin E

E P

j D

P Q

絶対値をはずすと 実部のみが残る

 

 

 

 

 

 

d

h sin h

d E h sin h

E E

E Q P P

1 2 2 1 2

2 2 2

2

2 1 [ V/m ] を得る。

となる。さらに これの絶対値 をとれば

となり、これに

さきの d

h D 2 2 h 1 2

 

を代入すれば

(17)

9 9

8

10 3 10

99792 .

1 2 . 0

10 99792 .

2     

 

c

f [ Hz ]

そこで、 h 1 、 D 、λを初期条件として与え、 h 2 に対する電界強度 E Q [ V/m ]を計算すれ ば、以下の結果を得る。

V/m

但し、 である。

(18)

周波数 200MHz 、アンテナ利得 20dB 、送信電力 1kW のアンテナが平面地上 50m の 高さに設置されている時、 15km 離れた高さ 10m 地点における電界強度[ V/m ]を求 めよ。但し、大気による屈折は無視する。

例題

そこで、

Ga=20[dB]=100

、λ

=1.5[m]

W=1000[W]

を代入すれば

h

a WG

d d

E 30 WG 7

0  

となる。また、直接波の電界強度|E

0

|は、送信アンテナの絶対利得をG

a

、あるいは半波長 アンテナの利得として

G h

とすると、送信電力

W

に対して次式で表される。

まず、先の近似式より、受信点の電界強度は

 

 

 

d

h sin h

E

E 0 2 1 2

2 

0321407 2 0

2 30 1 2 .

d h sin h

d

E WG a  

 

 

 

を得る。

(19)

アンテナ間隔が充分に広く、

h

h

d

h

h

≫λ が成り立つ時、垂直、水平両偏波に対して先の電

界強度の公式は次の様に近似される。

d

h E h

E

 

1 2

0

4 [ V/m ]

・・・

(1)

また、直接波の電界強度|

E 0

|は、送信アン テナの絶対利得をG

a

、あるいは半波長アンテ ナの利得として

G h

とすると、送信電力

W

に対し て次式で表される。

h

a WG

d d

E 30 WG 7

0  

・・・

(2)

よって、

(1)

式に

(2)

式を代入すれば、以下の

公式が導出される。

d

h h d

E WG a

 

1 2 30 4

・・・

(3)

そこで、

Ga=20[dB]

、λ

=1.5[m]

w=1000[W]

を代入すれば

] [

2 . 90 ]

/ [ 032 .

0 V m dB

E  

1

μ

V/m

基準)

を得る。つまり、先の公式とほぼ同じ値となる。

安達三郎、“電磁波工学演習

,

p.141.

ケース 2

(20)

MOBILE HAM, 1990-8 十文字正憲先生

距離が離れ ると強くなる ところがあ

(21)

A B x

H

山岳回折とフレネルゾーン

電波の通路に山岳などの障害物があり、

一部が遮られる場合を簡単にモデル化して、

右図のように伝搬路に垂直な完全吸収体 のナイフエッジによって現すと便利である。

受信点の電界 E B をキルヒホッフ・ホイゲンス の原理によって近似的に算出すると、次の 様に求まる。

   

 

 

 

 

j Cj S

E E

B B

2 1 2

1

0 2

ここで、 E B0 はナイフエッジが存在 しない時の点 B の自由空間電界 強度である。また、 C,S はフレネル 積分であり、次式で表される。

さらに、ωはクリアランス係数と呼 ばれ、次式で与えられる。

  j S   e dx

C  0 j x 2 /

2

・・・

(1)

・・・

(2)

 

 

 

2 1

2

2 1

d d

d

H d

・・・

(3)

安達三郎、“電磁波工学演習

,

pp.145-146.

d 1 d 2

z y

r 1 r 2

P(x,y)

角度小さい

(22)

ここで、線分 AB とナイフエッジの頂点との距離には

(a)H=0 の場合 (b)H<0 の場合 (c)H>0 の場合

1.17065

0.044998 E()

5

5 

5 0 5

0 0.5 1 1.5

0.5

式 (1) および右図により与えられる係数 を一般に回折係数と呼び、回折される 電界強度の割合を定める。また、ω >0 の見通し領域を干渉領域、ω <0 の領 域を回折領域と呼ぶ。

そして、この様な回折による伝搬を一 般に山岳回折と呼ぶ。なお、 (1) 式によ る回折電界は測定値と良く一致するこ とが知られている。

右図に (3) にて定義されるωと電界強 度 E B /E B0 との関係の計算例を示す。

H=0の時

直接+回折波として 1よりも大きくなる

H

が大きく なると1に 収束する。

E( ) j 2

1 2

1 2j

0

x e

j 2

x2

 d

 5 4.99 5 j 1

(23)

安達三郎、“電磁波工学演習

,

pp.145-146.

右図に示す様に、送受信点を結ぶ直線距離 TR に対して、側路 TQR が (m-1)/2 波長ないし m/2 波長の光路差を持つ領域を第 m フレネル ゾーンという。この各ゾーンの境界面は回転だ 円面となる。

さらに右図に示す通り、山岳回折において大 地の反射係数を -1 と置けば、受信電界強度は 近似的に次式で与えられる。

d 2

 

 

 

 

 

 

2 0 2 1

0 1 0

2 4 2

d h sin h

d h sin h

E S E

R

R

但し、 E R0 は R 点の自由空間電界強度、 S は 先の式 (1) で与えられた回折係数である。

T d 1 P R

d 1

h 1 h 2

C

h 0

T R

d 2

r 1

Q

第1フレネル

ゾーン

(干渉領域)

第2フレネル ゾーン

(回折領域)

ナイフエッジ回折損失

H

d 1 d 2

r 1 r 2 E QE ' QS V/m ]

S v

  2

1

,

 

 

 

2 1

2 1

d d

d H d

v

回折損失

) ( 2

1

0

1 2

' Q e j r r r

r

E E

 

(伝搬損失)

(24)

これを別の観点から考えてみれば、送信点 A から送信した電波の岳の頂点である C 点間における受診電界強度は先の地面の反射を考慮した受信電界強度である

 

 

 

1 0 1

1 2

2 d

h sin h

E E

PA

d 1 d 2

h 1 h 2

C

h 0

A B

を得る。そして、 C 点で回折係数 S にて進んだ波が再放射されて B 点にて受信される 電界強度は

 

 

 

2 2 0

2 2

2 d

h sin h

E E

PB

であるから、結局これらの積として

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 0 2 1

0 1 2

0 2 1

0 1 0

2 4 2

2 2 2 2

d h sin h

d h sin h

d S h sin h

d S h sin h

E E

となる。

(25)

問題

図において、点 A から発射された超短波帯の電波がナイフエッジの形をした山頂 の点 C で回折して点 B に到達する場合、送信アンテナ高 h 1 および受信アンテナ高 h 2 を それぞれ上下に調整して受信電界強度 E が最大になるようにしたところ、 E は点 A , B 間の自由空間電界強度 E の 1/5 になった。点 C における回折損失 [dB] を求めよ。但 し、大地の反射係数は -1 とし、 d 1 , d 2 ≫ h 1 、 h 2 、 h 0 とする。

d 1 d 2

h 1 h 2

C

h 0

A B

(26)

C

A B

受信点 B での電界強度は、図にお いて ACB, AECB, ACFB, AECFB の4つの経路による電界強度の合 成である。山が無い場合の点 A から B 点まで離れた点での電界強度を E 0 、 4 つの経路を通る電磁波に対す る点 C の平均回折係数を S とすれば、

B 点での電界強度 E は

 

 

 

 

 

 

2 0 2

1 0 1

0

2 4 2

d h sin h

d h sin h

E S

E

 [ V/m ] ・・・ (1)

となる。ここで、題意より、 h 1 および h 2 を調整して E が最大になったとき、式 (1)

2 1

1 0

1  

 

d

h sin h

 2 1

2 0

2  

 

d

h sin h

, となる。

(27)

これより式 (1) は

S E

E  4  0 V/m ・・・ (2)

と簡略化される。さらに題意より 0

5

1 E E  

だから、 (2) 式の E に (3) 式を代入すれば

・・・ (3)

0

0 5

4  ES  1  E 0 . 05 20

1 

S となる。

S は電界強度に関する回折損失だから

02 . 26 )

05 . 0 log(

20    [dB] を得る。

(28)

奥村 - 泰の伝播損失

フリスの自由空間損失は、障害物の無い伝播損失であり、また最も大きな 障害物は大地の影響であるが、放送局のアンテナが見える場合に、簡単に 伝播損失を計算する公式も示した。

しかし、都心部などでは、ビルに囲まれていて放送局のアンテナが全く 見えない場合がある。このような時に使用するのが、奥村 - 泰 ( はた ) の 伝播損失である。下式はエクセルシート等に貼り付けて使用する。

・フリスの自由空間損失 (LOS)

フリス [dB] = 20*LOG(4*PI()*SQRT(DIST^2+(HT-HR)^2)/(300/FREQ))

・奥村 - 泰モデルの伝播損失 ( 都市部 )

奥村泰 [dB] = 69.55+26.16*LOG(FREQ)-13.82*LOG(HT)

-((1.11*LOG(FREQ)-0.7)*HR-(1.56*LOG(FREQ)-0.8))

+(44.9-6.55*LOG(HT))*LOG(DIST/1000)

(29)

・奥村 - 泰モデルの伝播損失 ( 郊外 )

郊外泰 [dB] = 奥村泰 [dB]-2(log(FREQ/28))^2-5.4

・拡張泰モデルの伝播損失 ( 都市部 )

拡張泰 [dB] = 46.3+33.9*LOG(FREQ)-13.82*LOG(HT)

-((1.11*LOG(FREQ)-0.7)*HR-(1.56*LOG(FREQ)-0.8)) +(44.9-6.55*LOG(HT))*LOG(DIST/1000)+CM

FREQ : 周波数 [MHz]

HT : 送信局の高さ [m]

HR : 受信アンテナ高 [m]

DIST : 伝播距離 [m]

CM : 過密度 (0 ~ 3[dB])

このような障害物があるような伝播では、実測と計算とがあまり合わないこと

が多い。しかも、これらは携帯電話の伝播損失の解析用であり、放送では送信

局の高さや伝播距離が携帯電話よりも大きい為、そのあたりも検証が必要であ

る。したがって、この式を使って必要なアンテナ利得を求めるようなことは出来

ないが、数式を用いることで電波伝搬に関する様々な検討が出来るようになる。

(30)

電磁波の散乱

J

(導電電流の発生)

再放射

(散乱波)

導体(金属)

電磁波の金属への入射

導電電流の発生

再放射

http://www.tuat.ac.jp/~uno/

散乱のアニメーション

平面波

数学的な理論→とても難しい

(31)

電磁波の回折

http://www-antenna.pe.titech.ac.jp/~hira/hobby/edu/em/diffraction/index-j.html

回折のアニメーション

壁の裏側に回り込む性質

(32)

光の正体は何?

古典電磁気学 → 光(電磁波)は波動と考える

マクスウエル ・・・ 上記 2 式に変位電流を追加し、電磁波の存在を予言 ファラデー・アンペール ・・・ 静電・磁界に関する実験式を導出

レンツ ・・・ 実験により電磁波の存在を確認

誘導電流

(33)

ヤングの実験

波は合成すると干渉する → 光も干渉すれば波とみなせる

光源

2

つのスリットを抜けた単色の 光は、向こうの壁にどのように

映るか?

スリット

1

スリット2 スリット

1

だけを空けた場合

強度

スリット

1

を通り抜けた波が壁に到達する時、

強度が最も大きくなるところはスリット

1

正面

理由

波は進む距離が長くなると、だんだん強 度が弱くなるから。

つまり、正面ではない所は光路長が長く なり強度も弱くなる

(34)

スリットを2つとも空けた場合

強度 スリット

2

だけを空けた場合

強度

スリット

2

を通り抜けた波が壁に 到達する時、強度が最も大きく

なるところはスリット

2

の正面 理由

スリット

1

の場合と同じ

スリット

1

2

を両方空けた場合、

壁で観測される光の強度は左 図のように複雑になる

→理由は次ページで説明

(35)

強度

時間

強度

時間

強度

時間

強度

時間

同じ場所で、同じ 大きさの波が重 なった場合

,

2倍 の大きさ(振幅)

で振動する(同 相)

同じ場所で、同じ 大きさで向きの 違う波が重なった

場合

,

打ち消しあ い波が立たない

(逆相)

参照

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