九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
コンクリートの劣化環境
濵田, 秀則
九州大学大学院工学研究院社会基盤部門
http://hdl.handle.net/2324/4791813
出版情報:
バージョン:
権利関係:
コンクリートの劣化環境
九州大学大学院 工学研究院 社会基盤部門
九州大学大学院 工学府 土木工学専攻 九州大学 工学部 土木工学科
濵田 秀則
環境(条件)とは
「系」に対して「環境」が及ぼす影響
系と環境の境界を明確にすることが重要
境界 コンクリート 環境
コンクリート外部の 環境条件 (メゾ環境) 波浪・海風
境界における環境作用 (ミクロ環境)
気象条件(マクロ環境)
に関するデータベース 気温・湿度
海洋構造物の環境の分類
コンクリート内部 における現象
2004年10月8日
環境の定義 ー異なる考え方ー
環境条件の評価とは?
1 耐久性設計における外力としての評価、作用としての定量化。(技術的)
2 純粋に・・・どのような環境において劣化(鋼材の腐食)が早く・速く進むのか?
という疑問に対する回答。(学術的)
早く
→
潜伏期の終わりが早い 速く→
進展期以降の腐食が速い3
A地域とB地域とどちらが厳しい環境ですか? というような質問への回答
(専門外からの興味)
1986 年
港湾技術研究所で塩害の研究を始めたときからすでに話題と なっていました。
当時は・・・ 桟橋上部コンクリート工の塩害が研究課題となっ ていました。
塩害に関する環境条件評価に関する研究
桟橋の塩害劣化の事例
供用期間がわずか 20 年
1986 年時点における塩害に関する研究の状況
塩化物イオン量の影響 (関先生ほか)
かぶりの影響 (関先生ほか)
コンクリートの強度(水セメント比)の影響 (関先生ほか)
電気化学理論の応用 (大即先生)
・ どこの港で劣化が進んでいるか?
・ 港の中のどこで劣化が進んでいるか?
・ 桟橋の中のどの部分が劣化が進んでいるか?
という議論がありました・・・
・ 全国一律の規準でよいのか? ・・・ という議論もありました。
環境条件の評価の方法
1 実構造物の調査と解析に基づく方法 2 実環境に供試体を暴露する方法
3 実験室レベルで精密にコントロールされた環境で 供試体の劣化試験を行う方法
(4)既存の多くの研究成果を収集し、データの再整理
およびその解析を行う方法
Steel bar (Φ9mm)
Cl
-100mm
50mm
50mm
結論: 波浪の影響がきわめて大きい!
小型供試体の暴露試験
暴露試験を全国に
展開してみました
得られた結論
腐食速度が大きくなる条件
海中部・干満部
→
海水中の塩分濃度が小さい 干満部・飛沫部→
気温が低い(東北・北海道)飛沫部
→
湿度が高く・風速が大きい(波浪が厳しい)
潜伏期間が短くなる条件(
塩分浸透が速くなる条件
)海中部・干満部・飛沫部
→
気温が低い(北海道・東北)→ 風速が大きい(波浪が厳しい)
海中部
→
海水の塩分濃度が小さい 飛沫部→
海水の塩分濃度が大きい平成10年6月(1998年)
学位論文となりました。
桟橋の劣化実態調査
桟橋の劣化度の分布状況の一例
V III
V V V V V V V
V
V
V V
V
V V
V
V V V V
V
V V
V
V
V
V V V
V V
V V
V V
V
V V
V V V V
V V
V
V
V V III III
III
III III
III III
III
III
III
III III III III
IV IV IV
IV IV
IV
IV IV
IV
II II
II II
II II
II
II
II
II II
II
II II
I I
I
I I
I
I I
I
I I
V
II
II
V V
V V V V
V IV IV IV IV
IV
IV IV IV IV IV IV
III
III III
III
III
III
III V
V V
V
V
V V
V V V
V
V V
V
V
V V
V
V
V V
V V
V V V V
IV IV
IV
IV
IV III
IV IV
IV
IV IV
V V
V V
V V
V IV
II
II
sea side
land side
0 I II III IV V
x x x x x
1 - x 1 - x 1 - x 1 - x 1 - x 1 - x
マルコフ連鎖モデルの適用
遷移率を支配する要因 ー海面からの高さー
y = 0.15e
-0.60xy = 0.15e
-1.43x0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0
Slab Beam
海面(満潮位)からの高さ
(m)
遷移率
波浪の影響を、別の表現で表したことになります!!
塩害の環境条件評価について ー私案としてー
構造物を以下のように分類して考察する! とよいように思われる。
1.
海洋・港湾構造物(海中部・干満部・飛沫部)1-1
特殊構造として、 桟橋コンクリート上部工 (マルコフ連鎖モデル)1-2
特殊構造物として、 エネルギー施設の水路構造物(取水・放水)2.
海岸(沿岸)構造物波浪の影響を受ける構造物
飛来塩分の影響を受ける構造物
3.
凍結防止剤の影響を受ける構造物(
4.
) 海水で練混ぜた構造物環境の定義 ー異なる考え方ー
打設後初期の段階の鉄筋周囲の環境について
材齢
200
日までの自然電位の回復その後、
5
年までは継続することを確認しています材齢 6 か月までの不動態の状態の回復
注目して下さい
鉄筋とペーストの界面構造の
影響について
モルタルの事前塗布の効果
事前塗布はOPCペースト、 躯体はBBが好結果となる
最適な断面修復の方法について
防食電流による自然電位の回復
PC の特徴 ー暴露試験よりー
PC の特徴 ー暴露試験よりー
黒錆と PC 鋼棒の破断
環境の定義 ー異なる考え方ー
考察の対象に応じて、①と③を使い分けるとよい!
2021年10月14日
九州大学大学院 工学研究院 濵田 秀則
皆様の業務・研究の中で少しでもお役に立てば幸いです
ご清聴ありがとうございました !
この結果の違いの要因は?
→
波浪の影響が一番大きい!表面塩分量の 分布
腐食速度が大きくなる条件
海中部・干満部
→
海水中の塩分濃度が小さい 干満部・飛沫部→
気温が低い(東北・北海道)飛沫部
→
湿度が高く・風速が大きい(波浪が厳しい)
潜伏期間が短くなる条件(
塩分浸透が速くなる条件
)海中部・干満部・飛沫部
→
気温が低い(北海道・東北)→ 風速が大きい(波浪が厳しい)
海中部
→
海水の塩分濃度が小さい 飛沫部→
海水の塩分濃度が大きいLocation of Investigated Ports
18 wharves in 11 ports
Examples of Deterioration Degree Judgment
Crack width is over 3mm Deterioration Degree IV
Many spalling
Deterioration Degree V
Crack with rust exudation
Deterioration Degree III
Concept of “Markov - Chain”
0 I II III IV V
x x x x x
1 - x 1 - x 1 - x 1 - x 1 - x 1 - x
0 1-
x
0 0 0 0 0 1 Ix
1-x
0 0 0 0 0 II = 0x
1-x
0 0 0 0 III 0 0x
1-x
0 0 0 IV 0 0 0x
1-x
0 0 V 0 0 0 0x
1 0t
Part 3
Markov-chain Model Description
Field Investigation Results
--- Deterioration Degree Distribution ---
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0 I II III IV V
Wharf K (10 years) Wharf A (31 years) Wharf J (47 years)
Deterioration degree
Deterioration Degree Distribution
Comparison of Actual Distribution and Calculated Results
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0 I II III IV V
Actual Model
Deterioration Degree
Percentage
Wharf J (Beam)
x : 0.130
Age : 47 years
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0 I II III IV V
Actual Model
Deterioration Degree
Percentage
Wharf K (Slab) x : 0.060 Age : 10 years