平成 23 年 8 月 25 日 独立行政法人国民生活センター
2010 年度の PIO-NET にみる消費生活相談の概要
この概要は、国民生活センターと消費生活センターを結ぶ「全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO-NET:パイオネット)」によって収集した 2010 年度 の消費生活相談情報をまとめたものである(対象データは、2011 年 5 月末日までに国民生活センターに登録された苦情相談)。 当該情報の詳細については、「消費生活年報 2011」(2011 年 10 月発行予定)に掲載する予定である。主な特徴
① 消費生活相談情報の総件数は減少するも、架空請求以外の相談は、2004 年度以降初めて増加。
② 東日本大震災関連の相談も約 9,000 件寄せられた。
③ 70 歳以上の相談の割合が大きくなり、相談の高齢化がさらに進む。
④「公社債」
「ファンド型投資商品」
「株」などの投資商品に関する相談が増加。
⑤「アダルト情報サイト」のトラブルが各年代に広がる。
⑥ 地上デジタル放送への移行に伴い、関連する相談も増加。
⑦「取引」
「安全・品質」ともに、情報通信に関連する相談が主流に。
⑧「店舗外販売」の件数が増加、とくに「電話勧誘販売」が件数・割合ともに増加。
⑨ 契約・購入金額、既支払金額ともに総額が増加、投資商品の影響か。既支払金額は、過去最高に。
報道発表資料1.相談件数等 (1)相談件数は約 90 万件、架空請求以外の相談は増加 図 1 は、消費生活相談の年度別総件数の推移を示したものである。2010 年度に全国の消費生活センターが受け付け、PIO-NET に登録された消費生活相談情報の総件数は 887,972 件であり、架空請求に関する相談が多かった 2004 年度以降、2010 年度に至るまで減少を続けている。一方、架空請求を除く相談件数は、2004 年度以降初めて増加 した。 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災以後、震災に関連する相談は 3 月 31 日までで 8,864 件寄せられている。この期間における主な相談は、ガソリンや食料品に代 表される物資不足や、計画停電による電気に関するものである。 図 1 消費生活相談の年度別総件数の推移 9.9 88.8 90.2 23.4 15.2 65.6 41.5 21.8 17.1 16.6 15.2 19.1 4.9 46.7 8.9 13.3 16.5 27.4 35.1 40.1 54.7 87.4 151.0 192.0 130.2 111.2 105.0 95.0 2.3 6.1 48.3 7.6 12.5 17.8 26.7 67.6 1.7 1.5 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
万件
架空請求 架空請求以外(2)70 歳以上の割合が大きくなり、契約当事者の高齢化が進む 図 2 は、契約当事者の年代を年度別に示したものである。 ・2010 年度では、30 歳代が最多で 16.8%であった。次いで 40 歳代が 16.1%、70 歳以上が 15.4%と続く。 ・20 歳代までの割合は減少している一方、70 歳以上の割合が増加傾向にあり、両者の全体に占める割合が初めて逆転した。高齢化の進展に伴い、相談も高齢化傾向にあ る。 図 2 年度別にみた契約当事者年代別割合
3.0
3.1
3.7
3.7
3.9
6.4
5.9
4.1
2.9
10.6
12.1
13.4
15.4
15.3
16.3
20.7
26.7
22.5
22.3
16.8
18.5
19.6
20.8
19.7
19.5
25.5
25.3
22.6
21.7
16.1
16.5
16.6
16.9
14.9
15.0
17.2
13.9
14.3
14.9
13.2
13.3
13.7
14.0
14.4
13.0
11.5
9.6
11.8
12.5
13.8
12.7
11.9
10.2
11.0
12.4
6.8
6.4
8.4
8.8
15.4
13.6
12.2
10.4
12.1
10.7
6.7
6.6
8.8
8.7
10.6
10.2
9.4
8.7
8.9
9.2
5.2
5.6
7.6
8.2
3.4
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
年度
%
20歳未満
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
70歳以上
不明
0 20 40 60 80 100
(注)構成比は各年度の総件数を 100 として算出した値である。2.商品・役務ごとにみた相談の状況 (1)2010 年度の商品・役務の特徴 表 1 は、2010 年度に変化の大きかった商品・役務の上位 15 位までを示したものである。 1)増加の目立つ商品・役務等 ①アダルト情報サイト 2009 年度も相談は多かったものの、2010 年度は前年度よりさらに約 3 万件増加した。有料であるという認識がないまま、サイトを見ていくと、登録となり料金を請求された という相談が大半である。パソコンを起動するたびに料金請求の画面が表示され、対処に困って相談してくるケースも多い。 ②公社債、ファンド型投資商品、株 「公社債」「ファンド型投資商品」「株」は、件数だけでなく、対前年度比も大きく増加している。複数の業者が登場し、A社が「B社の社債を買ってくれれば、高く買い取 る」などと勧誘し、B社との契約をさせる劇場型の勧誘の手口についての相談が目立つ。 ③その他金融関連サービス 日本の金融機関では取り扱いがなく、換金性に乏しいなじみのない外国の通貨(イラクディナール、スーダンポンド等)を「将来価値があがる」等と勧誘され契約してしま ったという相談が相次いだ。 ④インターネット接続回線 「利用料金が安くなる」「ADSLから光回線に切り替えないか」といった電話勧誘による光回線の契約についての相談が増加した。 ⑤放送サービス 地上波のデジタル放送化に伴い、デジタル放送を見るためのケーブルテレビに関する相談や、衛星放送などの相談が増加した。 ⑥石油、飲料 東日本大震災で、ガソリンの品不足に関する相談が急増した。また、放射性物質による水の汚染の不安から、ミネラルウォーター等が品不足となり相談が増加した。 ⑦鮮魚 かに等の電話勧誘販売が引き続き増加している。 ⑧テレビ 地上波のデジタル放送化に伴うテレビの買い替えの影響で、相談件数が増加した。商品の品質に関する相談や、接客対応についての相談などが多い。 2)減少の目立つ商品・役務等 「商品一般」「デジタルコンテンツその他」は架空請求の相談が減少したことによる。特定保健用食品の許可を得ていた食用油の製造・販売を 2009 年 9 月に製造業者が停止 した影響で 2009 年度に相談件数が激増した「油脂」は、2010 年度は大幅に減少した。「サラ金・フリーローン」も 2009 年度に引き続き、減少している。
表 1 2010 年度に増加・減少が目立った商品・役務等 増加が目立った商品・役務等 減少が目立った商品・役務等 順 位 商品・役務等 2009年度 2010年度 差 対前年度比 順 位 商品・役務等 2009年度 2010年度 差 対前年度比 1 アダルト情報サイト 55,237 85,190 29,953 1.54 1 商品一般 45,698 26,060 -19,638 0.57 2 公社債 1,675 6,659 4,984 3.98 2 デジタルコンテンツその他 51,470 32,291 -19,179 0.63 3 ファンド型投資商品 2,988 6,957 3,969 2.33 3 出会い系サイト 33,474 28,228 -5,246 0.84 4 インターネット接続回線 8,975 12,534 3,559 1.40 4 油脂 5,473 287 -5,186 0.05 5 株 7,533 10,168 2,635 1.35 5 サラ金・フリーローン 93,156 88,968 -4,188 0.96 6 放送サービス 9,453 11,470 2,017 1.21 6 エステティックサービス 10,518 7,766 -2,752 0.74 7 その他金融関連サービス 6,415 8,080 1,665 1.26 7 賃貸アパート・マンション 39,359 37,333 -2,026 0.95 8 石油 1,561 3,197 1,636 2.05 8 移動通信サービス 13,745 12,069 -1,676 0.88 9 鮮魚 3,326 4,862 1,536 1.46 9 内職・副業その他 4,466 3,042 -1,424 0.68 10 テレビ 3,798 5,169 1,371 1.36 10 他の不動産貸借 3,557 2,157 -1,400 0.61 11 アクセサリー 6,608 7,926 1,318 1.20 11 ふとん類 7,918 6,623 -1,295 0.84 12 飲料 2,959 3,736 777 1.26 12 生命保険 11,402 10,120 -1,282 0.89 13 修理サービス 10,461 11,172 711 1.07 13 宝くじ 6,058 4,791 -1,267 0.79 14 集合住宅その他 1,963 2,656 693 1.35 14 リースサービス 6,021 4,791 -1,230 0.80 15 電気 1,159 1,798 639 1.55 15 教養娯楽・資格教材 3,484 2,357 -1,127 0.68
(2)「運輸・通信サービス」は件数・割合ともに増加、上位の相談の傾向に変化も 表 2 は商品・役務別分類ごとにみた上位 10 位についての件数と構成比を、今年度、前年度と 10 年前の 2001 年度とを比較した。 ・「運輸・通信サービス」は、「アダルト情報サイト」に関する相談の影響で、件数・割合ともに増加した。また、地上デジタル放送への移行に関する相談も増加した。 ・2001 年度に 7 位であった「被服品」は、「着物」や「アクセサリー」に関する相談の減少により、順位を下げた(2010 年度は、27,441 件で 11 位)。 ・分譲マンションや電気温水器などの住宅設備の相談を含む、「土地・建物・設備」が上位になっている。 表 2 上位商品・役務別分類の相談件数・構成比の推移 2001年度 2009年度 2010年度 順位 商品・役務別分類 件数 割合(%) 商品・役務別分類 件数 割合(%) 商品・役務別分類 件数 割合(%) 1 運輸・通信サービス 99,191 (15.1) 運輸・通信サービス 191,384 (21.2) 運輸・通信サービス 200,239 (22.6) 2 教養娯楽品 91,928 (14.0) 金融・保険サービス 151,932 (16.8) 金融・保険サービス 159,979 (18.0) 3 金融・保険サービス 68,743 (10.5) 教養娯楽品 71,643 (7.9) 教養娯楽品 71,854 (8.1) 4 住居品 53,144 (8.1) レンタル・リース・貸借 57,118 (6.3) レンタル・リース・貸借 52,330 (5.9) 5 教養・娯楽サービス 44,464 (6.8) 商品一般 45,698 (5.1) 住居品 37,916 (4.3) 6 レンタル・リース・貸借 32,594 (5.0) 住居品 39,537 (4.4) 食料品 36,853 (4.2) 7 被服品 31,466 (4.8) 食料品 39,326 (4.4) 他の役務 35,110 (4.0) 8 保健衛生品 28,808 (4.4) 教養・娯楽サービス 35,520 (3.9) 土地・建物・設備 34,882 (3.9) 9 食料品 26,028 (4.0) 土地・建物・設備 34,379 (3.8) 教養・娯楽サービス 33,466 (3.8) 10 内職・副業・ねずみ講 22,480 (3.4) 他の役務 32,852 (3.6) 保健・福祉サービス 29,256 (3.3) (注)表中の構成比は年度別総件数を 100 として算出した値である。なお、表中の「内職・副業・ねずみ講」は、2001 年度当時は、「内職・副業・相場」という分類名であり、「商品 相場」に関する相談を含んでいるが、2009 年度以降は、商品相場に関する相談は、「金融・保険サービス」に移設し、「内職・副業・ねずみ講」と分類名称を変更した。そのため、 ここでは、新しい分類名称としている。「金融・保険サービス」については、2001 年度と 2009 年度以降の時系列の比較はできない。 3.相談内容別の上位商品は 10 年で変動 表 3 は、より詳細な商品・役務について件数の多いものを、表 4 は、相談内容別にみた上位商品の推移を今年度と、前年度及び 2001 年度を示したものである。 ・「取引」に関する相談(「契約・解約」と「販売方法」のいずれかが問題となっているもの)を商品別にみると、2010 年度では情報通信関連の商品が上位を占めている。 2001 年度は、「資格講座」や「教養娯楽教材」「ふとん類」が上位にあるが、近年では、それらの相談は件数が減少し、インターネットに関連した相談(「アダルト情 報サイト」「デジタルコンテンツその他」「出会い系サイト」「インターネット接続回線」)が件数・割合ともに増加した。 ・「安全・品質」に関する相談(「安全・衛生」と「品質・機能・役務品質」のいずれかが問題となっているもの)は、2001 年度の 1 位であった「クリーニング」が 2010 年度には半数近くに減少している一方、「賃貸アパート・マンション」は倍増している。また、「携帯電話」や「パソコン」などの情報通信関連機器の相談も件数が増 加している。
表 3 上位商品・役務別分類の相談件数・構成比の推移 表 4 相談内容別にみた上位商品の推移 取 引 安 全・品 質 2001 年度 件数 割合(%) 2010 年度 件数 割合(%) 2001 年度 件数 割合 (%) 2010 年度 件数 割合 (%) 全 体 528,396 (100.0) 全 体 756,336 (100.0) 全 体 86,884 (100.0) 全 体 124,197 (100.0) 順 位 商品・役務等 順位 商品・役務等 順 位 商品・役務等 順 位 商品・役務等 1 電話情報サービス 48,354 (9.2) 1 アダルト情報サイト 84,850 (11.2) 1 クリーニング 8,205 (9.4) 1 四輪自動車 5,590 (4.5) 2 サラ金・フリーローン 40,095 (7.6) 2 サラ金・フリーローン 83,379 (11.0) 2 自動車 5,848 (6.7) 2 賃貸アパート・マンション 5,339 (4.3) 3 資格講座 20,879 (4.0) 3 賃貸アパート・マンション 31,832 (4.2) 3 健康食品 2,728 (3.1) 3 クリーニング 4,790 (3.9) 4 教養娯楽教材 18,844 (3.6) 4 デジタルコンテンツその他 31,301 (4.1) 4 修理サービス 2,500 (2.9) 4 修理サービス 4,266 (3.4) 5 商品一般 17,105 (3.2) 5 出会い系サイト 27,889 (3.7) 5 賃貸アパート・マンション 2,187 (2.5) 5 携帯電話 3,048 (2.5) 6 賃貸アパート・マンション 16,171 (3.1) 6 商品一般 23,212 (3.1) 6 新築工事 1,870 (2.2) 6 新築工事 2,312 (1.9) 7 ふとん類 14,967 (2.8) 7 四輪自動車 12,381 (1.6) 7 パソコン 1,822 (2.1) 7 テレビ 2,198 (1.8) 8 国際電話 13,992 (2.6) 8 新聞 12,226 (1.6) 8 化粧品類 1,655 (1.9) 8 パソコン 2,183 (1.8) 9 健康食品 12,771 (2.4) 9 インターネット接続回線 11,973 (1.6) 9 戸建住宅 1,429 (1.6) 9 戸建住宅 2,139 (1.7) 10 アクセサリー 11,648 (2.2) 10 健康食品 11,425 (1.5) 10 飲料 1,208 (1.4) 10 健康食品 2,030 (1.6) 2001年度 2009年度 2010年度 順 位 商品・役務等 件数 割合(%) 商品・役務等 件数 割合(%) 商品・役務等 件数 割合(%) 1 電話情報サービス 50,599 (8.1) サラ金・フリーローン 93,156 (10.3) サラ金・フリーローン 88,968 (10.0) 2 サラ金・フリーローン 44,347 (7.1) アダルト情報サイト 55,237 (6.1) アダルト情報サイト 85,190 (9.6) 3 資格講座 21,344 (3.4) デジタルコンテンツその他 51,470 (5.7) 賃貸アパート・マンション 37,333 (4.2) 4 賃貸アパート・マンション 19,976 (3.2) 商品一般 45,698 (5.1) デジタルコンテンツその他 32,291 (3.6) 5 教養娯楽教材 19,160 (3.1) 賃貸アパート・マンション 39,359 (4.4) 出会い系サイト 28,228 (3.2) 6 商品一般 18,639 (3.0) 出会い系サイト 33,474 (3.7) 商品一般 26,060 (2.9) 7 ふとん類 15,673 (2.5) 相談その他 16,213 (1.8) 相談その他 16,660 (1.9) 8 国際電話 15,031 (2.4) 四輪自動車 15,758 (1.7) 四輪自動車 15,326 (1.7) 9 健康食品 14,292 (2.3) 移動通信サービス 13,745 (1.5) インターネット接続回線 12,534 (1.4) 10 自動車 12,908 (2.1) 健康食品 13,165 (1.5) 新聞 12,453 (1.4)
4.「電話勧誘販売」が件数・割合ともに増加傾向 表 5 は、販売購入形態別にみた年度別推移である。 ・販売購入形態が「店舗購入」である相談は 2001 年度 196,725 件であり、近年、増加傾向にあるものの、2010 年度はやや減少した。 ・店舗外販売全体の相談件数は増加している。なかでも、「電話勧誘販売」が相談件数・割合ともに近年増加している。 ・「電話勧誘販売」では、「株」「インターネット接続回線」「公社債」などの特定商取引法の適用除外となる商品・役務に関するものが上位を占めている。 ・マルチ取引は、事業者の逮捕・摘発や行政処分によって年々相談件数は減少している。 表 5 販売購入形態別の推移 店 舗 外 販 売 年度別 総件数 店舗購入 訪問販売 通信販売 マルチ取引 電話勧誘販売 ネガティブ・ オプション その他 無店舗販売 合 計 形 態 年 度 上段:件数 下段:構成比(%) 655,899 196,725 154,742 130,482 18,803 73,893 4,397 10,182 392,499 2001 (100.0) (30.0) (23.6) (19.9) (2.9) (11.3) (0.7) (1.6) (59.8) 901,832 329,157 97,828 249,290 15,781 49,569 2,553 9,590 424,611 2009 (100.0) (36.5) (10.8) (27.6) (1.7) (5.5) (0.3) (1.1) (47.1) 887,972 321,360 97,765 241,334 11,504 63,447 2,869 9,740 426,659 2010 (100.0) (36.2) (11.0) (27.2) (1.3) (7.1) (0.3) (1.1) (48.0) (注 1)表中の構成比( )は年度別総件数を 100 として算出した値である。 (注 2)「店舗外販売」とは、販売購入形態のうち「店舗購入」と「不明・無関係」を除いた、「訪問販売」「通信販売」「マルチ取引」「電話勧誘販売」「ネガティブ・オプション」、「その他無 店舗販売」の形態。 (注 3)「訪問販売」には、「家庭訪販」「アポイントメントセールス」「SF商法」「キャッチセールス」などが含まれる。
5.契約・購入金額、既支払金額ともに合計額が増加、投資商品の影響か 図 3 に、契約・購入金額と既支払金額の年度別推移を示した。2010 年度の相談における契約・購入金額を合計すると約 6,985 億円で、2009 年度より 6.4%増加した。既支 払金額の合計は約 2,429 億円で、2009 年度より 20.2%と大幅に増加し、過去最高となった。 相談総件数が減少傾向にある中で、契約・購入金額、既支払金額ともに増加しているが、これは「公社債」「ファンド型投資商品」「株」といった平均契約金額が高額な投 資商品に関する相談件数の増加の影響と考えられる。 図 3 年度別にみた契約・購入金額及び既支払金額の推移 (注)図中の金額は、合計金額では 1 億円未満を、平均金額では 1 万円未満を四捨五入した値である。平均金額は、金額が不明な相談を除き、0 円を含む全ての相談の算術平均である。 【相談全体での合計金額】 6,139 5,759 6,532 6,533 6,883 7,308 6,563 6,985 1,146 1,198 1,288 1,385 1,841 1,804 1,962 2,074 2,021 2,429 4,641 5,447 - 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 年度 (単位:億円) 契約・購入金額 既支払金額 【相談全体での平均金額】 73 72 109 124 133 158 147 154 46 36 23 24 37 42 47 55 55 66 116 99 -50 100 150 200 (単位:万円)
6.主な問題商法 表 6 は、2010 年度の相談件数の上位 15 位までの販売方法・手口について、主な商品・役務と相談の特徴等を示したものである。 ・「インターネット通販」「ワンクリック請求」などでは「アダルト情報サイト」「出会い系サイト」が主な商品であり、契約当事者は 20 歳代~40 歳代の給与生活者が多い。 ・「電話勧誘販売」では、「株」や「公社債」等の金融商品のほか、「インターネット接続回線」や「鮮魚」に関する相談が多い。 ・「被害にあった人を勧誘(二次被害)」や「利殖商法」が増加した背景には、「株」等の投資商品に関する相談が増加しているからである。 表 6 上位販売方法・手口別にみた相談の特徴(2010 年度) 主な商品・役務 (括弧内の数値は各項目計に占める割合) 20歳代~40歳代 給与生活者 10歳代~60歳代 給与生活者、学生 60歳以上 無職、給与生活者、家事従事者 60歳以上、女性中心 無職、家事従事者、給与生活者 20歳代~40歳代、男性中心 給与生活者 60歳以上 無職 30歳以上の各年代 無職、給与生活者 30歳代~40歳代、女性中心 給与生活者、家事従事者 70歳以上、女性中心 無職 20歳代~60歳代、女性中心 給与生活者 20歳以上、女性中心 給与生活者、無職、家事従事者 40歳以上 無職 60歳以上、女性中心 無職、家事従事者 60歳以上、女性中心 無職、家事従事者、給与生活者 20歳代~40歳代、男性中心 給与生活者 かたり商法 (身分詐称) 相談の特徴等 1 インターネット通販 116,480 ①アダルト情報サイト(53.4%)、②出会い系サイト(16.4%)、③デジタルコン テンツその他(15.4%)、④商品一般(0.7%)、⑤婦人洋服(0.6%) 無料だと思いアダルト情報サイトなどに登録したところ料金を請求された相談や、利用した覚えのないサイト利用料を請求された相談などが多い。 順 位 販売方法・手口 件数 契約当事者の特徴 有料情報サイトの利用中やネットサーフィンをしている際に何かしらのボタンをクリックし、料金を請求されるケースが多い。未成 年者からの相談も多い。 3 電話勧誘販売 53,627 ①株(9.5%)、②インターネット接続回線(8.1%)、③公社債(6.9%)、④鮮魚 (6.2%)、⑤分譲マンション(5.6%) 消費者が要請していないにもかかわらず、業者が電話により消費者を勧誘するケースがほとんどである。強引な勧誘や、虚偽説明、 説明不足などの問題がみられる。 2 ワンクリック請求 69,871 ①アダルト情報サイト(88.9%)、②デジタルコンテンツその他(6.6%)、③出会い系サイト(4.1%)、④インターネット通信関連サービス(0.1%)、⑤移動通 信サービス(0.1%) 消費者が要請していないにもかかわらず、業者が家庭訪問し消費者を勧誘するケースがほとんどである。強引な勧誘や長時間に及ぶ 勧誘など、問題が多い。 5 無料商法 33,517 ①アダルト情報サイト(43.3%)、②出会い系サイト(12.9%)、③デジタルコンテンツその他(8.4%)、④インターネット接続回線(3.1%)、⑤エステティック サービス(2.3%) 「無料」をうたったサイトを利用したところ、利用料を請求された相談などが多い。また、無料エステサービスを受けたところ商品 やコースを契約させられた等の相談もある。 4 家庭訪販 50,803 ①新聞(12.3%)、②ふとん類(6.0%)、③放送サービス(4.5%)、④修理サービス(3.0%)、⑤浄水器(3.0%) 金融商品に関する相談が多く、「儲からない」「返金されない」といった相談のほか、なかには詐欺まがいのものもある。 7 被害にあった人を勧誘(二次被害) 13,394 ①株(20.7%)、②教養娯楽・資格教材(8.9%)、③公社債(8.4%)、④資格講座(7.0%)、⑤ファンド型投資商品(7.0%) 以前契約をした商品・サービスについて「解約してあげる」「損を取り戻してあげる」などと電話で説明し、従前の被害の救済を装い金銭を支払わせるケースが多い。 6 利殖商法 17,911 ①株(22.6%)、②ファンド型投資商品(20.7%)、③公社債(17.9%)、④商品デ リバティブ取引(9.5%)、⑤分譲マンション(7.1%) 健康食品や化粧品に関する相談が多く、「説明されたようには儲からない」などの相談がみられる。 9 次々販売 10,590 ①ふとん類(7.9%)、②株(6.2%)、③公社債(4.9%)、④エステティックサービ ス(4.9%)、⑤健康食品(3.7%) 家庭訪問での契約がきっかけとなることが多い。2010年度はふとんやエステ等の割合が減少し、株に関する相談が増加した。 8 マルチ取引 11,504 ①健康食品(22.9%)、②化粧品(17.0%)、③商品一般(6.9%)、④飲料(5.0%)、⑤ファンド型投資商品(4.1%) 解約・返金に関する相談のほかに、「説明されたようには儲からない」などの相談がみられる。インターネットを介してビジネスを 行うものの相談が目立つ。 11 販売目的隠匿 9,529 ①ふとん類(8.0%)、②商品一般(7.3%)、③アクセサリー(3.9%)、④浄水器 (3.7%)、⑤出会い系サイト(2.9%) 家庭訪販や電話勧誘販売などで多く見られる。 10 サイドビジネス商法 10,472 ①内職・副業その他(14.8%)、②健康食品(14.5%)、③化粧品(11.1%)、④デジタルコンテンツその他(5.2%)、⑤商品一般(5.0%) 解約、返金に関する相談の他には、「お金を振り込んだが連絡がとれなくなった」「商品が届かない」などの相談が多い。 13 当選商法 6,636 ①宝くじ(48.3%)、②出会い系サイト(11.4%)、③デジタルコンテンツその他 (11.3%)、④他の教養・娯楽サービス(9.8%)、⑤アクセサリー(3.1%) 海外宝くじのダイレクトメールに関する相談が多いが、最近では「当選した」というメールが届き、クリックをしたりすると、サイトに登録となり代金を請求される等の相談も目立つ。海外から不審な信書が届いたという相談も見られる。 12 インターネット オークション 4,315 ①四輪自動車(7.6%)、②商品一般(5.1%)、③かばん(4.8%)、④婦人洋服 (4.4%)、⑤デジタルコンテンツその他(4.2%) なかには公的機関をかたるケースもある。料金が高いという相談の他に、「このままでは危ない」と強引に契約をさせられたという 悪質な相談も目立つ。浄水器の相談件数は年々減少傾向。 14 点検商法 5,494 ①浄水器(10.1%)、②ふとん類(9.1%)、③屋根工事(8.5%)、④修理サービス(8.1%)、⑤消火器(6.3%) 15 公的機関等をかたって架空請求をしてくる相談や、リースサービスでは大手電力会社をかたりブレーカーや節電器に関するものが多 い。 ①商品一般(12.2%)、②株(5.9%)、③インターネット接続回線(5.1%)、④公 社債(4.8%)、⑤リースサービス(3.3%) 4,607 (注 1)1 件の相談に複数の販売方法・手口が含まれる場合は、各々に対し 1 件ずつカウントしている。
―用語の説明― (商品・役務) 用 語 説 明 商品一般 商品の相談であることが明確であるが、分類を特定できない、 または特定する必要のないもの。2010 年度では、身に覚えが なく、債権の内容も不明な請求に関する相談や、商品券など の相談が目立つ。 教養娯楽品 主として教養、事務または娯楽・趣味の目的で使用される商品。パソコン、電話機、音響・映像製品、スポーツ用品など。 運輸・通信 サービス 旅客・貨物運送サービスおよび電話、放送、インターネット 等の通信サービス。 移動通信 サービス 携帯電話サービスやPHSサービス等及びモバイルデータ通 信サービス。 インターネッ ト接続回線 光ファイバーやADSL等の通信回線やプロバイダのサービ ス。 デジタルコン テンツその他 内容を特定できないサイトの利用、オンラインゲームやギャ ンブル情報サイト及びその他の情報サイト(占いサイト、懸 賞サイト等)。 その他金融 関連サービス 金融関連のサービスのうちその他のサービスで、クレジット カードの入退会・会費に関するもの等が含まれる。 ファンド型 投資商品 運用者が資金を集め、運用し、そこから生じる収益等の配当 を出資者に分配するもの。いわゆる集団投資スキーム。 電話情報 サービス 固定電話や携帯電話を利用して、情報を得るサービス(2008 年度で廃止したキーワード)。 教養娯楽教材 ビジネス関連本や自己啓発本など、様々な一般向けの娯楽教 材・教養教材。 (相談内容) 用 語 説 明 安全・衛生 身体等への被害やその危険性に関する相談。 品質・機能・ 役務品質 商品の品質、性能、不具合やサービスの内容・水準等に関す る相談。 接客対応 アフターサービスや販売時の接客態度などに関するもので、消費者の申し出に基づくものも含まれる。 契約・解約 法律行為としての契約や解約に関する相談のうち、契約・解約自体を問題にしている相談。 販売方法 販売手口やセールストーク等に問題がある相談。 (販売方法・手口等) 用 語 説 明 インターネット 通販 オンラインショッピングなど、インターネット等のネットワークを利用して行わ れる取引。ここでは、出会い系サイトなどの有料サイト等のサービスも含めてイ ンターネット通販としている。 ワンクリック 請求 パソコンや携帯電話でアダルトサイトなどにアクセスしたところ、いきなり「登 録ありがとうございます」などと表示され、高額な料金を請求するという商法。 電話勧誘販売 販売業者が消費者宅や職場に電話し、商品やサービスを販売する販売方法。 無料商法 「無料サービス」「無料招待」「無料体験」「無料で閲覧」など「無料」であるこ とを強調して勧誘し、最終的に商品やサービスを購入させる商法。 利殖商法 「値上がり確実」公開株、ファンドなどへの投資や出資を勧誘する商法。 「必ず儲かる」など、利殖になることを強調して、公社債、未 被害にあった人 を勧誘 (二次被害) 一度被害に遭った人を再び勧誘して、二次的な被害を与えること。 マルチ取引 販売組織の加入者が消費者を当該販売組織に加入させることによってマージン が得られる仕組みの取引。これを繰り返すことにより、販売組織がピラミッド式 に拡大していく。 次々販売 一人の消費者に次から次へと契約させる商法。同じ商品又は異なる複数の商品を 次々に契約させるケースや、複数の業者が次々に契約させるケースなどがある。 サイドビジネス 商法 「内職・副業(サイドビジネス)になる」「脱サラできる」などをセールストー クに何らかの契約をさせる商法。 販売目的隠匿 商品やサービスの販売であることを意図的に隠して消費者に近づき、不意打ち的に契約させようとする販売方法。 利殖商法 「値上がり確実」ン取引、未公開株、ファンドなどへの投資や出資を勧誘する商法。 「必ず儲かる」など、利殖になることを強調して、ロコ・ロンド 当選商法 「当選した」「景品が当たった」「あなただけが選ばれた」などと特別な優位性を 強調して消費者に近づき、商品やサービスを販売する商法。 点検商法 「点検に来た」「無料で点検する」などと言って消費者宅に来訪し、「水質に問題 がある」「布団にダニがいる」など事実と異なることを言って商品やサービスを 販売する商法。 かたり商法 (身分詐称) 販売業者が有名企業や、市役所・消費生活センターなどの公的機関、適格消費者 団体の職員、又はその関係者であるかのように思わせて商品やサービスを契約さ せる商法。 ※その他については、国民生活センターホームページ「消費生活相談データベース」の「検索メニュー」から各項目の「項目解説」を参照(http://datafile.kokusen.go.jp/)。
7.情報提供先