口 内 炎 副作用 マネジメント
No. 1
東京都港区西麻布4-17-30 〒106-8618
適正使用に関するお願い
アフィニトール®(以下、本剤)は、腫瘍の増殖、成長及び血管新生の調節因子である mTOR*を持続的に阻害することにより抗腫瘍効果を発揮する薬剤です。
*mTOR(mammalian target of rapamycin)、 哺乳類ラパマイシン標的蛋白質
本邦においては、錠5mgが2010年1月に「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」を 効能・効果として製造販売が承認され、2011年12月に「膵神経内分泌腫瘍」の効能・
効果が承認されました。2012年8月には、錠2.5mgの製造販売が承認され、2012年 11月に錠2.5mg・5mgにおいて「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」および「結節性 硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫」、2014年3月に「手術不能又は再発乳癌」の効 能・効果が承認されました。また、分散錠2mg・3mgが2012年12月に「結節性硬化症 に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫」を効能・効果として製造販売が承認されました。
本剤の国内における使用経験は限られており、また、これまで実施された臨床試験に おいては間質性肺疾患(間質性肺炎、肺臓炎、肺浸潤等)、感染症等の重大な副作用も 報告されていることから、使用に際しては十分な注意が必要となります。
また、口内炎の本剤投与群における発現頻度は、腎細胞癌を対象とした第Ⅲ相国際共 同臨床試験(RECORD-1試験)では36.1%、膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ 相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)では64.2%、結節性硬化症又は孤発性リンパ 脈管筋腫症※1に伴う腎血管筋脂肪腫を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試 験)では74.7%、結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相 海外臨床試験(EXIST-1試験)では60.3%、エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2 陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌 患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では64.5%であり、重症 化すると服薬継続の障害になるため、そのマネジメントは非常に重要です。
本冊子は、アフィニトールの投与による口内炎について、発現状況及びその対策につい て解説した副作用マネジメントブックです。本剤の適正使用の一助としてお役立ていただ けますようお願いいたします。
※1: 本剤の効能・効果は「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」であり、孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承 認である。
■臨床試験の副作用の重症度評価は、NCI(NationalCancerInstitute)のCTCAE(CommonTerminology
CriteriaforAdverseEvents)Ver.3.0のグレード分類に準じています。
有害事象共通用語規準v3.0日本語訳JCOG/JSCO版[日本癌治療学会誌9(Suppl.2),1,2004 / JCOGWebサイトhttp://www.jcog.jp/]
目 次
Ⅰ 癌の薬物療法による口内炎
4
主な臨床所見 ...
4
口内炎の発現部位 ...
5
グレードと診察所見・機能/症状 ...
6
口内炎のリスク因子 ...
7
Ⅱ 発現状況・発現時期
8
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌 ...8
膵神経内分泌腫瘍 ...
10
結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 ...
12
手術不能又は再発乳癌...
14
Ⅲ 減量・休薬及び治療
16
減量・休薬基準/治療指針 ...16
治療方法 ...
18
Ⅳ ケースレポート 60代 男性
20
ケース① 60代 男性〈腎細胞癌〉 ...20
ケース② 60代 女性〈転移性乳癌〉 ...
22
Ⅴ セルフケア
24
セルフケアの基本 ...24
口腔ケア(ブラッシング) ...
24
口腔ケア(義歯の扱い) ...
25
口腔ケア(保湿) ...
26
口腔内セルフチェック ...
27
食事に関する注意点 ...
27
Ⅰ 癌の薬物療法による口内炎
主な臨床所見
口内炎を早期発見するためには、患者の自覚的症状を十分に把握すること、及びペン ライト等を用い口腔内を直接観察することが重要です。
自覚的症状
他覚的症状
厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル:抗がん剤による口内炎(平成21年5月)
[http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1l09.pdf]より引用
口腔内の接触痛・出血・ 冷温水痛 口腔乾燥
口腔粘膜の腫脹 開口障害
咀嚼障害 嚥下障害 味覚障害
口腔粘膜の発赤 紅 斑
びらん アフタ
潰 瘍 偽 膜 出 血
※悪化すると発熱、口腔分泌物過多、口臭がみられる。
口内炎の発現部位
薬物療法に伴う口内炎は、可動粘膜*1に発症します。一方、可動性のない角化粘膜*2 には、薬物療法に伴う口内炎は発症しません。
*1 可動粘膜:口腔粘膜の軟らかく動きのある粘膜(口唇裏面、頬粘膜、舌腹、舌側縁、軟口蓋等)
*2 角化粘膜:舌背(可動性はあるが角化粘膜に分類)、歯肉、硬口蓋等
Ⅰ 癌の薬物療法による口内炎
癌薬物療法における口内炎の発症部位
患者によるセルフケアでは、以下の点を指導してください。
大田洋二郎:がん治療による口腔粘膜炎–口のトラブルに備える静岡県立がんセンター発行パンフレットより引用
唇の裏 口角から頬粘膜 舌側縁部から舌腹
● 図に示した発現部位を注意して観察する。
● 粘膜の変化(紅斑、潰瘍、出血等)をみつけたら 主治医や看護師、薬剤師に連絡する。
グレードと診察所見・機能/症状
CTCAE Ver4.0にもとづく「口腔粘膜炎」のグレード分類と所見・機能/症状を下記に 示します。
「口腔粘膜炎」のグレード分類(CTCAE Ver4.0)
グレード
1
グレード2
グレード3
グレード4
診察所見
症状がない、または
軽度の症状がある 中等度の疼痛 高度の疼痛 生命を脅かす
機能
/
症状治療を要さない 経口摂取に支障がな い;食事の変更を要 する
経口摂取に支障があ
る 緊急処置を要する
※「診察所見」の口腔内写真は、経験的な知見から認められる臨床症状を、グレードに合わせて独自に追記した。
有害事象共通用語規準v4.0日本語訳JCOG版[JCOGWebサイトhttp://www.jcog.jp]より引用・改変
グレード
1
グレード2
グレード3
グレード4
その他の症状
口腔粘膜の浮腫状
ピリピリ、チクチク変化 とした感じ
喉の違和感
潰瘍部分のジーン とする痛み
固形物嚥下時の軽 度の痛み
潰瘍部の刺すよう な強い痛み
唾液も飲み込めな いほどの嚥下時の 痛み
鎮痛剤の効果がな い強い痛み
全身的な発熱で敗 血症の危険性
※ 「その他の症状」は、経験的な知見から認められる臨床症状を、CTCAE Ver4.0「口腔粘膜炎」のグレードに合わせて独自に追記 した。
※ 咽喉の症状は、粘膜炎が咽頭粘膜に発現した場合の症状を示している。
口内炎のリスク因子
以下に示すような因子を持つ患者では、口内炎の発現するリスクが高いと考えられます。
口腔衛生状態不良
免疫能の低下
放射線治療の併用(頭頸部)
喫 煙
栄養状態の不良
う
歯 歯周病 舌
ぜったい苔が多い 義歯不適合 歯磨きや含嗽ができない(できていない)
高齢者 副腎皮質ホルモン 剤の使用 糖尿病等
放射線による直接的な粘膜障害 唾液分泌の抑制による口腔乾燥
ニコチンによる影響:
口腔粘膜血管の収縮
(口腔粘膜の血流量低下)生体の免疫機構への影響
(白血球、マクロファージの機能低下)喫煙による歯石形成の促進:
(嫌気性菌の増加をきたす環境が作りだされると
考えられる)
厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル:抗がん剤による口内炎(平成21年5月)
[http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1l09.pdf]より一部引用
Ⅰ 癌の薬物療法による口内炎
Ⅱ 発現状況・発現時期
発現頻度
アフィニトールの投与により、口内炎、口腔内潰瘍等があらわれることがあります。症状は従来 型の抗癌剤による口内炎と異なり、アフタ性口内炎に似た症状が出ることが確認されています。
腎細胞癌を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)では、口内炎は本剤投 与群で99例(36.1%)に認められました。また、グレード3/4は9例(3.3%)に認められました。
RECORD-1試験
全症例(n=274、日本人n=15を含む) 例数(%)
副作用 全グレード グレード3/4 口内炎 99 (36.1) 9 (3.3)
アフタ性口内炎 25 (9.1) 0 口腔内潰瘍形成 4 (1.5) 0 舌潰瘍 3 (1.1) 0
国内症例(n=15) 例数(%)
副作用 全グレード グレード3/4 口内炎 9 (60.0) 0 アフタ性口内炎 1 (6.7) 0 舌潰瘍 2 (13.3) 0
進行性胃癌対象国内第Ⅱ相臨床試験(n=53)
例数(%)
副作用 全グレード グレード3/4 口内炎 38(71.7) 3(5.7)
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
RECORD-1試験、 進行性胃癌対象国内第Ⅱ相臨床試験
1-28
(%)
29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-(日)
70 60 50 40 30 20 10 0
発現率
発現日
RECORD-1試験
[腎細胞癌](n=274、日本人n=15を含む)
第Ⅱ相国内臨床試験
[進行性胃癌](n=53)
29.9%
(82例)
66.0%
(35例)
7.7%
(21例)5.7%
(3例) 1.5%
(4例)0% 1.1%
(3例)0% 0.7%
(2例)0% 0.7%
(2例)0% 0.7%
(2例)0% 1-7
(%)
8-14 15-21 22-28 (日)
4035 3025 2015 105 0
発現率
発現日
投与後
1-28
日の詳細8.8%
(24例)
11.3%
(6例)
13.9%
(38例)
35.8%
(19例)
5.8%
(16例)
11.3%
(6例) 1.5%
(4例)
7.5%
(4例)
RECORD-1試験の国内症例(n=15)
発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169- 発現率(例) 60.0%
(9例) 6.7%
(1例) 0% 0% 0% 0% 6.7%
(1例)
発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28
発現率(例) 26.7%
(4例) 33.3%
(5例) 0% 0%
発現時期
投与開始から28日目までに口内炎等のほとんどが発現していました。
■RECORD-1試験における副作用データは試験中止時(2008年2月)のものです。
■アフィニトールの安全性の評価について
本剤は「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」の効能・効果について、日本人を含む第Ⅲ相国際共同 臨床試験(RECORD-1試験)をもとに承認されました。安全性については、日本人の情報を補完する目 的で、アフィニトールを日本人進行性胃癌患者(国内未承認)に10mg/日投与した第Ⅱ相国内臨床試験の 成績も加えて、安全性プロファイルを検討しました。
アフィニトール+至適支持療法
(n=277)
VEGF受容体チロシンキナーゼ 阻害剤前治療で進行した 転移性の腎細胞癌患者
416例 層別化
●スニチニブ又はソラフェニブ前治療:1 種類又 は 2 種類
●MSKCCリスク分類:低リスク、中リスク、
高リスク
ランダム化
2:1
二重盲検期*1 2006年12月
投与開始 2008年2月
試験中止*4 非盲検期*2
*1 投与期間は固定せず、RECIST で PDを確認するまで、許容できない毒性が認められるまで、死亡又はその他の理由で中止するまで 継続し、1 サイクル 28 日とした。
*2 2008 年 2 月試験中止時までに、プラセボ群に割り付けられた 139 例のうち 109 例(78%)の症例が病勢進行のため、アフィニトール 群にクロスオーバーした。
*3 2007 年10月データカットオフ時点での有効性を評価した。
*4 独立データモニタリング委員会の勧告により、2008 年 2 月試験中止となった。
2007年10月 第2回中間解析*3
プラセボ+至適支持療法
(n=139)
〈アフィニトール群〉
〈プラセボ群〉
PDが確認された症例には 非盲検下にてアフィニトール を投与
RECORD-1試験の詳細については、アフィニトール錠製品情報概要等をご参照ください。
腎細胞癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1)の試験の概要
【試験デザイン】多施設共同、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、並行群間比較試験
【投 与 方 法】アフィニトール群:アフィニトール10mg1日1回、空腹時に連日経口投与
【評 価 項 目】主 要 評 価 項 目:無増悪生存期間(PFS)
副次的評価項目:全生存期間(OS)、奏効率、奏効期間、PRO(FKSI-DRS、EORTC QLQ-C30)
*1: 投与期間は固定せず、RECISTでPDを確認するまで、許容できない毒性が認められるまで、死亡又はその他の理由で中止するま
で継続し、1サイクル28日とした。
*2: 2008年2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78%)の症例が病勢進行のため、アフィニトール
群にクロスオーバーした。
*3: 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した。
*4: 独立データモニタリング委員会の勧告により、2008年2月試験中止となった。
Ⅱ 発現状況・発現時期
発現時期
投与開始から28日目までに口内炎等のほとんどが発現していました。
(%)60
55 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0
発現率
1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365- (日)
発現日 2.9%
(6例) 1.0%
(2例)
1.5%
(3例) 0.5%
(1例)
2.5%
(5例) 0% 0%
55.9%
(114例)
1-7
(%)
8-14 15-21 22-28 (日)
30 25 20 15 10 5 0
発現率
発現日
投与後
1-28
日の詳細16.2%
(33例)
21.1%
(43例)
15.2%
(31例)
3.4%
(7例)
RADIANT-3試験の国内症例(n=23)
発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365- 発現率
(例) 73.9%
(17例) 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0%
RADIANT-3試験
膵神経内分泌腫瘍
発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28
発現率(例) 26.1%
(6例) 34.8%
(8例) 8.7%
(2例) 4.3%
(1例)
発現頻度
膵神経内分泌腫瘍を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)では、
口内炎は本剤投与群で131例(64.2%)に認められ、そのうちグレード3は14例(6.9%)
で、グレード4は認められませんでした。
RADIANT-3試験
全症例(n=204、日本人n=23を含む) 例数(%)
副作用 全グレード グレード3/4 口内炎 108(52.9) 10(4.9)
アフタ性口内炎 22(10.8) 1(0.5)
口腔内潰瘍形成 12(5.9) 3(1.5)
舌潰瘍 7(3.4) 0
国内症例(n=23) 例数(%)
副作用 全グレード グレード3/4 口内炎 17(73.9) 0
RADIANT-3試験の詳細については、アフィニトール錠製品情報概要等をご参照ください。
アフィニトール+至適支持療法*3
(n=207)
膵神経内分泌腫瘍患者 410例 層別化●化学療法による前治療の有無
●WHO performance status(PS):0 又は 1、2
ランダム化
1:1
盲検期*1 2007年8月
試験開始 2010年2月
最終解析 非盲検期*2
*1 投与期間は固定せず、RECIST(p.●参照)でPDを確認するまで、許容できない毒性が発現するまで、死亡又はその他の理由で中止するま で連日投与を継続し、1サイクルを28日とした。
WHO PS:p.●参照
*2 2010年2月の最終解析時までに、プラセボ群に割り付けられた203例のうち148例(72.9%)の症例が病勢進行のため、アフィニトール群 にクロスオーバーした。
*3 至適支持療法として、サンドスタチンLAR又は他の持続性ソマトスタチンアナログ製剤の併用も認められていた。
*4 中間解析と最終解析の間隔が短くなることが想定されたため、中間解析は実施されなかった。
中間解析*4
プラセボ+至適支持療法*3
(n=203)
〈アフィニトール群〉
〈プラセボ群〉
PDが確認された症例には 非盲検下にてアフィニトール を投与
膵神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3)の試験の概要
【試験デザイン】多施設共同、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、並行群間比較試験
【投 与 方 法】アフィニトール群:アフィニトール10mg1日1回、空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与
【評 価 項 目】主 要 評 価 項 目:無増悪生存期間(PFS)*
副次的評価項目:全生存期間(OS)、抗腫瘍効果(奏効率、腫瘍縮小効果)、安全性
*ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間
*1: 投与期間は固定せず、RECISTでPDを確認するまで、許容できない毒性が発現するまで、死亡又はその他の理由で中止するまで
連日投与を継続し、1サイクルを28日とした。
*2: 2010年2月の最終解析時までに、プラセボ群に割り付けられた203例のうち148例(72.9%)の症例が病勢進行のため、アフィ
ニトール群にクロスオーバーした。
*3: 至適支持療法として、サンドスタチンLAR又は他の持続性ソマトスタチンアナログ製剤の併用も認められていた。
*4: 中間解析と最終解析の間隔が短くなることが想定されたため、中間解析は実施されなかった。
Ⅱ 発現状況・発現時期
発現時期
口内炎の多くが28日目までに発現していました。
1-28
(%)
29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281-(日)
60 50 40 30 20 10 0
発現率
発現日
EXIST-2試験(n=79)
EXIST-1試験(n=78)
57.0%
(45例)
38.5%
(30例)
11.4%
(9例)9.0%
(7例)1.3%
(1例)
2.6%
(2例)1.3%
(1例)
2.6%
(2例)2.5%
(2例)0% 1.3%
(1例)1.3%
(1例) 0% 0% 0% 3.8%
(3例) 0%1.3%
(1例) 1.3% 0%(1例) 0% 0%
結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫
結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫
発現頻度
結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症※に伴う腎血管筋脂肪腫を対象とした第Ⅲ 相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)、結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験(EXIST-1試験)において、副作用として報告さ れた口内炎のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした。
EXIST-2試験
全症例(n=79、日本人n=7を含む) 例数(%)
副作用 全グレード グレード3/4 口内炎 39(49.4) 1(1.3)
アフタ性口内炎 14(17.7) 2(2.5)
口腔内潰瘍形成 12(15.2) 2(2.5)
歯肉痛 1(1.3) 0 舌炎 1(1.3) 0
国内症例(n=7) 例数(%)
副作用 全グレード グレード3/4 口内炎 5(71.4) 0 アフタ性口内炎 1(14.3) 0
EXIST-1試験(n=78) 例数(%)
副作用 全グレード グレード3/4 口内炎 25(32.1) 6(7.7)
口腔内潰瘍形成 25(32.1) 1(1.3)
口唇潰瘍 1(1.3) 0
※ 本剤の効能・効果は「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」であり、孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認 である。
アフィニトール*110mg/ 日
(n=79、日本人7 例を含む)
結節性硬化症又は 孤発性リンパ脈管筋腫症(LAM)※に伴う
腎血管筋脂肪腫(腎AML)患者 118例(日本人10例を含む)
層別化●基礎疾患が結節性硬化症であり、ランダム化時 に酵素誘導作用性の抗てんかん薬(EIAED)を 使用している患者
●基礎疾患が結節性硬化症であり、ランダム化時 に EIAEDを使用していない患者
●基礎疾患が孤発性リンパ脈管筋腫症である患者
ランダム化
2:1
盲検期*2 2009年4月
試験開始 2011年6月
最終解析 非盲検期*3
(n=39、日本人プラセボ3 例を含む)
〈アフィニトール群〉
〈プラセボ群〉
腎 AMLの進行が認められた症例は、
非盲検下にてアフィニトールを 投与
エベロリムス*1(n=78)
・開始用量:4.5mg/m2/日
・トラフ濃度5〜15ng/mLを目標に、投与量を調節 結節性硬化症に伴う
上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)患者 117例
層別化●ランダム化時における抗てんかん薬(EIAED)の 使用の有無
ランダム化
2:1
盲検期*2 2009年8月
試験開始 2011年3月
最終解析 非盲検期*3
(n=39)プラセボ
〈エベロリムス群〉
〈プラセボ群〉
SEGAの進行が認められた症例は、
非盲検下にてエベロリムス を投与
(1) 日本人を含む第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)の概要
【試験デザイン】多施設共同、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、並行群間比較試験
【投 与 方 法】アフィニトール群:アフィニトール10mg1日1回食後すぐに連日投与
【評 価 項 目】主 要 評 価 項 目:腎AMLに対する奏効率
副次的評価項目:腎AML進行までの期間、皮膚病変に対する奏効率 等
(2) 第Ⅲ相海外臨床試験(EXIST-1試験)の概要 〈海外データ〉
【試験デザイン】多施設共同、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、並行群間比較試験
【投 与 方 法】エベロリムス群: エベロリムス又はプラセボを1日1回食後すぐに投与。エベロリムス4.5mg/m2/日を開始用 量とし、トラフ濃度が5〜15ng/mLの範囲になるよう増量した。トラフ濃度の測定はLC- MS/MS 法により行った
【評 価 項 目】主 要 評 価 項 目:SEGAに対する奏効率
副次的評価項目: てんかん発作の頻度のベースラインから24週時点での変化、SEGA進行までの期間、皮膚 病変に対する奏効率 等
*1: 本試験ではアフィニトール錠5mgを使用した。
*2: 投与期間を固定せず、中央画像判定にて腎AMLの進行が認められるまで、又はその他の理由による中止まで継続した。
*3: 2011年6月の最終解析時までに、プラセボ群に割り付けられた39例のうち、病勢進行により盲検投与期間を中止した9例中7例
が非盲検期に移行した。
*1: 本試験では臨床試験錠1mgを使用した。臨床試験錠1mgとアフィニトール分散錠の間で生物学的同等性は示されていない。また、
臨床試験錠1mgとアフィニトール錠の間で生物学的同等性は確認されていない。
*2: 投与期間を固定せず、中央画像判定にてSEGAの進行が認められるまで、又はその他の理由による中止まで継続した。
*3: 2011年3月の最終解析時までに、プラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した6例中5例が
非盲検期に移行した。
Ⅱ 発現状況・発現時期
BOLERO-2試験
手術不能又は再発乳癌
BOLERO-2試験
全症例(n=482、日本人n=71を含む) 例数(%)
副作用 全グレード グレード3/4 口内炎 277(57.5) 38(7.9)
口腔内潰瘍形成 21(4.4) 2(0.4)
アフタ性口内炎 18(3.7) 0 舌痛 5(1.0) 0 舌炎 4(0.8) 0 口唇潰瘍 4(0.8) 0
国内症例(n=71) 例数(%)
副作用 全グレード グレード3/4 口内炎 64(90.1) 7(9.9)
舌炎 3(4.2) 0 口腔内潰瘍形成 1(1.4) 0 舌痛 1(1.4) 0
発現頻度
エストロゲン受容体(estrogen receptor、ER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又 はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ 相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では、口内炎は本剤投与群で311例(64.5%)
に認められました。また、グレード3/4は39例(8.1%)に認められました。
発現時期
口内炎等の発現時期は以下のとおりでした。
1-28
(%)
29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 (日)
60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0
発現率
発現日
51.7%
(249例)
7.3%
(35例) 2.3%
(11例) 0.4%
(2例) 0.2%
(1例) 0.2%
(1例)
0.6%
(3例) 0.6%
(3例)
1.2%
(6例)
225-252 0.0% 0.0%
253-280 281-
(%)
(日)
25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0
発現率
発現日
投与後
1-28
日の詳細1-7 8-14 19.1%
(92例)
16.6%
(80例)
15-21 11.2%
(54例)
4.8% 23例)
22-28 全症例(n=482、日本人n=71を含む)
国内症例(n=71)
3例 1例
30例 25例
4例 3例
62例
発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28 発現率(例) 42.3%
(30例) 35.2%
(25例) 5.6%
(4例) 4.2%
(3例)
BOLERO-2試験の国内症例(n=71)
発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281- 発現率
(例) 87.3%
(62例) 4.2%
(3例) 0% 0% 0% 1.4%
(1例) 0% 0% 0% 0% 0%
Ⅱ 発現状況・発現時期
BOLERO-2試験の詳細については、アフィニトール錠製品情報概要をご参照ください。
ランダム化
2:1
アフィニトール10mg/日+エキセメスタン25mg/日
(n=485)
二重盲検期*1
プラセボ+エキセメスタン25mg/日*2
(n=239)
〈アフィニトール群〉
〈プラセボ群〉
ER陽性かつHER2陰性で 非ステロイド性アロマターゼ阻害剤に
抵抗性の局所進行性 又は転移性の閉経後乳癌患者
724名 層別化
●内分泌療法に対する感受性の有無
●内臓転移の有無
2009年6月
投与開始 2013年10月
2011年10月 最終解析 中間解析第2回*4 2011年2月
中間解析第1回*3
2011年12月 アップデート
解析*5
2012年7月 中間解析第3回*6
日本人を含む第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要
【試験デザイン】多施設共同、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、並行群間比較試験
【投 与 方 法】アフィニトール群: アフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを、毎日同じ時刻、1日1回食後に連日経口 投与
【評 価 項 目】主 要 評 価 項 目:無増悪生存期間(PFS)*
副次的評価項目: 全生存期間(OS)、奏効率、クリニカルベネフィット率、奏効までの期間及び奏効期間、
ECOG PSの悪化までの期間、PRO(EORTC QLQ-C30)、安全性 等
*ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間
*1: 投与期間は固定せず、治験責任医師が病勢進行を確認するまで、許容できない毒性が発現するまで、又はその他の理由による試
験中止のいずれか早い時点まで継続した。
*2: プラセボ群で病勢進行した場合も、アフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった。
*3: 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価した。OSの群間比較で
有意差がみられなかったため、独立データモニタリング委員会の勧告に従い、盲検化を解除せず試験を継続した。
*4: 2011年10月31日データカットオフ時点で、OSの中止基準に合致しなかったため、独立データモニタリング委員会の勧告に従い、
盲検化を解除せず試験を継続した。
*5: 本解析は事前に計画していなかったが、FDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした。
*6: 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため、独立データモニタリング委員会の
勧告に従い、盲検化を解除せず試験を継続した。
16
アフィニトール 副作用マネジメント 口内炎Ⅲ 減量・休薬及び治療
減量・休薬基準/治療指針
下記フローチャートを参考に症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください。
グレード
1
グレード2
グレード3
グレード4
投与継続再度グレード2 グレード1以下 に回復するまで 本剤を休薬した のち、同じ用量 で本剤の投与 を再開する。
グレード1以下 に回復するまで 本剤を休薬した のち、1日1 回 5mg*1又は半 量*2に減量して 本剤の投与を 再開する。
グレード1以下 に回復するまで 本剤を休薬した のち、1日1 回 5mg*1又は半 量*2に減量して 本剤の投与を 再開する。
局所鎮痛薬の口腔内投与、又はこれとトリアム シノロンなどの局所副腎皮質ホルモン剤の使用 が推奨される。
本剤の投与 を中止する。
用量の変更
グレード
1
グレード2
グレード3
一般的な処置軽快するまで非 アルコール 性 含嗽剤又は食 塩水(0.9%)含 嗽剤を1日数回 使用するなどの
【アフィニトール錠の用法・用量】
腎細胞癌、膵神経内分泌腫瘍、結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合
通常、成人にはエベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
手術不能又は再発乳癌の場合
内分泌療法剤との併用において、通常、成人にはエベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者 の状態により適宜減量する。
結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合
通常、エベロリムスとして3.0mg/m2を1日1回経口投与する。なお、患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する。
◎口内炎のグレード分類(CTCAE Ver4.0)について ▶ P.6 参照
*1:根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、膵神経内分泌腫瘍、手術不能又は再発乳癌の場合
*2:結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫、結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合
減量・休薬基準/治療指針
下記フローチャートを参考に症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください。
グレード
1
グレード2
グレード3
グレード4
投与継続再度グレード2 グレード1以下 に回復するまで 本剤を休薬した のち、同じ用量 で本剤の投与 を再開する。
グレード1以下 に回復するまで 本剤を休薬した のち、1日1 回 5mg*1又は半 量*2に減量して 本剤の投与を 再開する。
グレード1以下 に回復するまで 本剤を休薬した のち、1日1 回 5mg*1又は半 量*2に減量して 本剤の投与を 再開する。
局所鎮痛薬の口腔内投与、又はこれとトリアム シノロンなどの局所副腎皮質ホルモン剤の使用 が推奨される。
本剤の投与 を中止する。
用量の変更
グレード
1
グレード2
グレード3
一般的な処置軽快するまで非 アルコール 性 含嗽剤又は食 塩水(0.9%)含 嗽剤を1日数回 使用するなどの 保存的な処置 を行う。
【アフィニトール分散錠の用法・用量】
結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫
通常、エベロリムスとして3.0mg/m2を1日1回、用時、水に分散して経口投与する。なお、患者の状態やトラフ 濃度により適宜増減する。
処置の際における注意事項(グレード2~3)
アルコール、過酸化水素、ヨードを含有する薬剤は口腔内潰瘍を悪化させる傾向がある ため、これらの薬剤の使用は避けてください。
真菌感染の診断が下されない限り、抗真菌薬の使用は避けてください。特に、アゾール 系抗真菌薬の全身投与は、アフィニトールの代謝を強力に阻害することによってアフィニ トールの曝露量を増加させることが知られています。真菌感染と診断された場合は、抗真菌薬の局所投与を検討してください。
同様に、ウイルス感染の診断が下されない限り、アシクロビル等の抗ウイルス薬の使用 は避けてください。Ⅲ 減量・休薬及び治療
治療方法
口内炎には確立した治療方法はなく、症状にあわせた対症療法が行われます。
含嗽剤等による保存的処置(口腔ケア)
口腔内を清潔に保つことは、口内炎の重症化や二次感染を避けるうえで有用です。
アフィニトールの投与前より含嗽やブラッシング等の口腔ケアを継続することが重要です。
口内炎の治療として、含嗽剤は、口腔内の保清、保湿及び消炎鎮痛、組織修復を目的 に用いられます。
含嗽は最低1日3回、できれば1日8回(約2時間毎)に行ってください。アルコール、
過酸化水素、ヨードを含有する薬剤は口腔内潰瘍を悪化させる傾向があるため、これらの 薬剤の使用は避けてください。
口内炎が発生すると疼痛によりブラッシングが困難になります。疼痛が強い場合には、
まず局所麻酔薬、消炎鎮痛薬を使用し、重度の疼痛ではオピオイドを組み合わせ、ブラッ シングを継続するよう努めてください。
消炎及び鎮痛薬
軽度から中等度の疼痛には、リドカイン等の局所麻酔薬による含嗽に加え、アセトアミノ フェン又は非ステロイド性抗炎症薬(解熱消炎鎮痛薬:NSAIDs)を使用します。
中等度以上の疼痛で除痛が困難な場合は麻薬系鎮痛薬の使用も検討します。
骨髄抑制等の免疫低下状態では、口腔カンジダ症やウイルス性口内炎の増悪をきたす 場合があるので、副腎皮質ホルモン剤の使用については、漫然と大量あるいは長期間投 与しないよう慎重さが求められます。
粘膜保護
口腔内の乾燥は口内炎の発生や増悪因子と関連があるため、含嗽や保湿剤により保湿 に努めます。
口腔ケア対処例
使用薬剤 使用目的 使用方法
デキサメタゾン軟膏(口腔用軟
膏)1日1〜数回 びらん又は潰瘍を
伴う口内炎 アフィニトールで発症する粘膜炎は、
アフタ性口内炎と同じ病態。
潰瘍面に塗布すると接触痛が軽減す る。
生 理 食 塩 水(NaCl 9gを水
1,000mLに溶解)の含嗽水 口腔ケア介入が困 難な程の重症口内 炎、口腔乾燥
頭頸部領域の放射線化学療法、造 血幹細胞移植時の重症口内炎に対 して1日5回〜8回含嗽する。口内 炎で疼痛が強い場合も、粘膜の刺 激が少なく含嗽できる。
アズレンスルホン酸ナトリウム 水和物として10mgを水又は 微温湯500mLに溶解した含 嗽水(2%重曹水、1日量)
手術周術期の口腔 ケア、咽頭炎、扁 桃炎、口内炎
一般的な軽度の口内炎、粘膜炎に対 して1日5回〜8回含嗽する。粘膜保 護、創部治癒促進作用があるが、消 毒作用はない。
アズレンスルホン酸ナトリウム 水和物として10mg、 グリセ リン60mL、水500mLに溶 解した含嗽水に、リドカイン塩 酸塩(1mL中40mgの液剤) 5mL/10mL/15mLのいずれ かを添加した鎮痛剤入り含嗽 水
口腔内乾燥症、放 射線治療による唾 液分泌減少時の口 腔乾燥
放射線性口内炎、化学療法による口 内炎の疼痛、咽頭炎による嚥下痛に 使う。食事の口内痛は毎食前(直前)
に含嗽する。
1回20mLを口腔内に含みゆっくり 口腔内でぐちゅぐちゅ含嗽を2分間行 う。
非ステロイド系抗炎症薬(消炎
鎮痛シロップなど) 放射線性口内炎、
化学療法による口 内炎の口腔粘膜の 痛み、咽頭炎によ る嚥下痛
口内炎が強く、食事の際の粘膜疼痛、
嚥下時痛に有効。食事の15〜30分 前に服用。アズレンスルホン酸ナトリ ウム水和物・グリセリン・リドカイン塩 酸塩の含嗽水と併用するとよい。
※ 注意:シスプラチンを使うレジメ(FP-R)では、
腎機能障害のリスクが増大するのでアセトアミ ノフェンに変更する(1,200mg分3、1日)。
ジメチルイソプロピルアズレン
(300g中0.1g含 有 の 軟 膏 剤)150gとリドカイン塩酸塩
(1mL中20mg含 有のゼリー 剤)1本30mLを混合した軟膏 剤
口唇部、頬粘膜部 の放射線、化学療 法時の粘膜炎
口唇、舌等の口腔粘膜炎患部に直 接塗布する。効果持続時間は10分 から15分と短い。口内炎が限局し、
局所的に使いたい場合に有効。
参考:重篤副作用疾患別対応マニュアル、抗がん剤による口内炎(厚生労働省、平成21年5月)
Ⅲ 減量・休薬及び治療
Ⅳ ケースレポート
患者背景
腎細胞癌診断日 1998/-/-
組織型/細胞型 混合型* 初診時Stage Ⅱ
K P S 100
初診時転移巣 なし
手 術 根治的腎摘除術(1998/2/2)
放射線療法 なし
*1998年当時の腎癌取扱規約に基づく
前治療歴
薬剤 開始日 中止日 最良効果 中止理由
IFN-α 2009/ 6/ 20 2010/ 4/ 4 SD PD ソラフェニブ 2008/ 7/ 8 2008/ 12/ 26 SD ワクチン療法
希望のため VEGFR由来ペプチドワクチン 2010/ 1/ 26* SD
*継続中
口内炎(下唇)
2010/4/5(D1) アフィニトール投与開始
5 (月)
(D1)4/5
5mg 10mg
ʼ10/4 6
4/13(D9) 5/24 回復
(D50)
(D36)5/10
アフィニトール投与量
10mg: 休減薬なしで継続中 (2010年6月現在)
D:day
関連性を疑う有害事象
G1
口内炎(上唇) G2
OTC 口内炎用塗薬
(効果なし) 4/19(D15:外来日) アズレン含嗽液(毎食後含嗽)
トリアムシノロンアセトニド軟膏
症例:近畿大学医学部泌尿器科学教室
ケース① 60代 男性
アフィニトール投与による口内炎(グレード 1) 2010/4/19(day 15)
アフィニトール投与に伴う 口内炎の症状は、右に示 すような殺細胞性抗癌剤 による口腔粘膜炎と異な り、 アフタ性口内炎に似 た症状が出ることが確認 されています。
代謝拮抗剤投与による口腔粘膜炎の症状(グレード2)
参 考
症例:近畿大学医学部泌尿器科学教室
経過の詳細
1998 腎細胞癌指摘。
1998/2/2 根治的腎摘除術施行。
2010/4/5
(day1) アフィニトール10mg/日の投与開始。
2010/4/13
(day9) 口内炎自覚。OTC口内炎用塗薬を用いたが効果得られず。
2010/4/17
(day13) 患部(下唇)に疼痛が現われる。
2010/4/19
(day15) 外来日。口内炎(グレード1)と診断。アフィニトールの投与は継続し、アズレン含嗽液による含嗽 を開始(毎食後)。
2010/5/10
(day36) 口内炎回復。アズレン含嗽液による含嗽は継続。
Ⅳ ケースレポート
経過の詳細
投与開始日 本剤10mg/日+エキセメスタン25mg/日投与開始。
投与9日目 口腔内の違和感を自覚。
投与13日目
(中止日) 口内炎グレード2を確認。経口摂取が困難であったため輸液施行。本剤及びエキセメスタン投与 中止。
投与14日目
(中止翌日) 口内炎グレード3を確認。輸液施行。
投与15日目
(中止2日後) 口内炎グレード3持続。経口摂取が全くできないため、持続的な輸液が必要と判断し、入院。
投与22日目
(中止9日後) 口内炎改善傾向にあり流動食開始。
投与23日目
(中止10日後) 口内炎グレード1に改善を確認。
投与27日目
(中止14日後) 経口摂取量が増えたため、退院可と判断。エキセメスタン25mg/日投与再開。
投与38日目
(中止25日後) 本剤5mg/日にて投与再開。
併用薬:エキセメスタン、バルサルタン、ロスバスタチン、センナ・センナジツ
ケース② 60代 女性
患者背景
性 女性
年 齢 60代
使 用 理 由 転移性乳癌[肺、肝、骨転移]
合 併 症 高血圧症、高脂血症、薬物アレルギー(ピリン系、アルコール、ペンタジン)、
子宮内膜ポリープ、肝嚢胞、腎嚢胞、胆石 1日投与量(投与期間) 10mg(12日間)
5mg(14日間)
備 考 国内臨床試験
Ⅳ ケースレポート
Ⅴ セルフケア
セルフケアの基本
アフィニトールの服薬コンプライアンスを維持するうえで、口内炎のマネジメントは非常 に重要です。また、本剤は外来通院治療が可能な薬剤であるため、治療中の口腔ケアは、
患者さん自身によるセルフケアが主体となります。
ケアの目的は、「疼痛緩和」と「二次感染予防」の2つであり、そのために、口腔内保清、
口腔内保湿、疼痛コントロールの3点が基本となります。
以下、疼痛コントロールを除く、患者さん自身で行うことができるケアについて紹介します。
口腔ケア(ブラッシング)
ブラッシングは口腔ケアの主柱であり、アフィニトールによる治療前より継続するよう指 導してください。
ブラッシングの回数
✔
毎食後、就寝前の1日4回行う。✔
食事をしていなくても、歯垢は歯面に付着するため、1日1回は行う。歯ブラシ、歯磨剤の選択
✔
柄がストレート、ヘッドが小型で、軟毛、超軟毛の動かしやすいブラシを用いる。(粘膜に触れず、歯牙のみを磨くことができる。)
✔
通常のブラシの届きにくい奥歯等の清掃や、悪心、開口障害がある場合には、シングル タフトブラシが有用である。✔
歯磨剤は、メントールやアルコールを含有しない低刺激性のものがよい。洗口剤を用いる 場合も同様に低刺激性で、保湿効果のあるものを選択する。ヘッドが小型のブラシ(右) シングルタフトブラシ