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分担研究報告書

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Academic year: 2022

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分担研究報告書 

 

油症患者における口腔乾燥症に関する研究   

研究分担者    川崎  五郎  長崎大学大学院医歯薬学総合研究科  准教授   

研究要旨  油症の歯科検診において口腔乾燥症を訴える患者はしばしば認めら れる。しかしながら、実際には口腔乾燥があまり認められないにもかかわらず、

口腔乾燥感を訴える場合もみられる。そこで、今回、口腔乾燥状態を客観的に調 べるため口腔水分計を用いて研究を行った。長崎県地区における油症の認定者と 未認定者を対象に、歯科検診時に任意に選んだ患者について測定し検討を行っ た。今回の結果では、測定値は 23.1 から 31.2 とばらつきはみられたが、平均値 に関しては地域間や認定者未認定者間に有意な差は認められなかった。 

  A.研究目的     

油症患者における口腔領域の症状のうち のひとつとして口腔乾燥症があげられる。現 在でも、検診時口腔乾燥を訴える患者は少 なくないが、主観的な症状も含まれ、実際に 口腔内の乾燥がおきているか否かは不明で ある。本研究では、口腔水分計を用いて口 腔内を測定することにより、油症患者の口腔 乾燥の程度を測定することを目的として研究 を行った。 

 

B.研究方法     

  平成 26 年度長崎地区における油症検診 において、通常の歯科検診時、ランダムに 選んだ患者のうち同意の得られた患者で 測定を行った。測定は、口腔水分計ムーカ スを用い、各人において 3 回測定を行い、

その平均値をデータとして用いた。測定は、

舌尖部から 10mm の舌背部分で行った。 

(倫理面への配慮) 

  本研究の解析結果においては、個人が特 定できるようなデータは存在しない。 

 

C.研究結果   

  対象者は、平成 26 年度長崎県油症検診 で歯科検診を行った患者のうち、長崎地区 31 名、五島玉之浦地区 39 名、五島奈留地

区 27 名の計 97 名であった。対象者全員の 値は 23.1 から 31.2 に分布しており、その 平均値は 28.2 であった。地区別では、長 崎地区 28.3、玉之浦 28.1、奈留 28.5 で地 区別での有意差はみられなかった。また、

性別では男性 28.6 女性 27.9 と男女間の差 はみられなかった。油症の認定および未認 定別では、認定者が 65 名で未認定者が 32 名であった。測定値は認定者 28.1、未認 定者 28.3 であった。口腔乾燥感を訴える 患者は、認定者に多くみられる傾向があっ たが、実際の口腔内の湿潤度の計測では有 意差はみられなかった。 

   

D.考察 

油症発症当時から、歯科口腔外科的主訴 の一つとして口腔乾燥症があげられてい る。これまで我々は、マウスを用いた実験 で、PCB 投与したマウスにおいて特に耳下 腺における形態変化および生化学的な変 化を認めた。そしてこれらの結果から、油 症患者の唾液腺でも何らかの形態的なら びに機能的変化がおこり、それが口腔乾燥 症の症状に影響を及ぼしている可能性が あることを示唆した。一方、一般の歯科治 療時において唾液の流出が十分であるに もかかわらず口腔乾燥感を訴える患者も

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しばしばみられる。そこで、今回は、油症 患者において実際に口腔乾燥がおきてい るのか否かを、口腔内の湿潤状態を測定す ることによって口腔乾燥症に関する客観 的なデータをみる研究を行った。今回の結 果からは、口腔乾燥に関し、地域的な差は みられず、また、油症患者においても認定 および未認定の患者間に有意差は認めら れなかった。今回の結果からは、認定者と 未認定者の間での比較であるため十分な 検討はできていないものの、差がでなかっ た原因として、油症発生から時間がたって いるため唾液腺の機能が回復しているこ と、基礎的疾患との関係についての検討が 不十分であったこと、測定した患者数が少 なかった、などが考えられた。 

今後は、油症地区での一般の患者での計 測結果との比較検討、PCB 血中濃度との関 係、油症患者における複数年度での計測、

糖尿病などの全身疾患との関わりなどに ついても検討していく予定である。 

 

E.結論 

油症患者における口腔乾燥症を客観的に 評価するために口腔水分計ムーカスを用 いて検討をおこなった。認定患者に口腔乾 燥を訴える人は多い傾向にあったが、実際 の測定結果では、認定者と未認定者間に口 腔乾燥に関する有意な差はみられなかっ た。 

 

F.研究発表  学会発表 

なし   

G.知的財産権の出願・登録状況 

(予定を含む。)  なし 

 

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