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米国著作権登録ビジネス調査報告書 別冊

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平成 16 年度日本自転車振興会補助事業 デジタルコンテンツの真正性認証に関する調査研究

米国著作権登録ビジネス調査報告書 別冊

平成17年 3 月

財団法人 デジタルコンテンツ協会

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米国著作権登録ビジネス調査報告書 目次

1.はじめに ··· 1 1.1.訪問先と調査目的··· 1 1.2.調査結果概要··· 1

2.U.S.コピーライト・オフィス··· 3 2.1.業務見学 ··· 3 2.1.1.申請物の受付··· 3 2.1.2.申請物の仕分け··· 4 2.1.3.申請物の審査··· 5 2.2.オンライン登録··· 10 2.2.1.CORDSの処理プロセス ··· 11 2.2.2.CORDSの特徴 ··· 11 2.2.3.コピーライト・オフィスのシステム再構築··· 12 2.2.4.将来の電子申請··· 12 2.2.5.CORDSの課題 ··· 13 2.3.今後の課題··· 13 2.4.著作権登録の概要··· 14 2.4.1.申請書類の種類··· 14 2.4.2.コピーライト・オフィスの人員構成··· 15 2.4.3.裁判での利用··· 15 2.4.4.登録手数料··· 16 2.4.5.著作物の保管期間··· 18 2.5.その他のコピーライト・オフィスの役割··· 18 2.5.1.著作権者が不明な著作物(Orphan work) ··· 18 2.5.2.コピーライト・アウェアネス週間··· 19 2.5.3.Webのスペイン語表記 ··· 19 *参考資料1.U.S.コピーライト・オフィスの歴史と概要··· 21 *参考資料2.運営資金状況··· 24

3.ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント社··· 25 3.1.SPEにおける著作権登録業務 ··· 25 3.2.著作権登録の重要性とコピーライト・オフィスの活用 ··· 26 3.3.著作権登録作業について··· 27 3.4.デジタルコンテンツの登録作業··· 27 3.5.電子申請システムについて··· 28 *参考資料:コンピュータ・プログラムの登録手続き関連書類 ··· 30

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4.グリーンバーグ・トローリグ法律事務所··· 31 4.1.グリーンバーグ・トローリグ法律事務所概要··· 31 4.2.著作権登録について··· 32 4.3.法律事務所での登録業務代行··· 34 4.4.登録著作物のメンテナンス··· 35 4.5.コピーライト・オフィスとのその他の関わり··· 36

5.スタンフォード大学ロースクール ローレンス・レッシグ教授 ··· 37 5.1.クリエイティブ・コモンズとコンテンツ真正性··· 38 5.2.フリーコンテンツの商業コンテンツへの影響··· 38 5.3.初等教育における著作権教育··· 39 5.4.今後の日本での登録システムについて··· 39 5.5.著作権が複雑な著作物の利用··· 40 5.6.U.S.コピーライト・オフィスのオンライン登録システムについて ··· 41 5.7.登録システム実現への課題··· 41

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1.はじめに

米国の著作権ビジネスは GDP の約5%を占め、米国経済の主要基盤産業の1つとなって いる。デジタルコンテンツ真正性認証の視点でこの著作権ビジネスを支える米国特有の著 作権登録制度(媒体に固定された著作物の登録を申請要件とする著作権登録制度)を分析 し、日本の著作権ビジネス活性化のヒントを探るため、コンテンツ関連企業、米国著作権 登録機関などを訪問調査し、現状の米国における登録システムの特徴、運用状況、課題等 の洗い出しを行なった。

1.1.訪問先と調査目的

訪問先は、米国の著作権登録機関である U.S.コピーライト・オフィス(U.S. Copyright Office)、実際に著作権登録を行っているコンテンツホルダーとしてソニー・ピクチャー ズ・エンターテインメン社(Sony Pictures Entertainment)、著作権登録代行業務を行って いるグリーンバーグ・トローリグ法律事務所(Greenberg Traurig LLP)、著作物の新しい活 用方法を提唱しているスタンフォード大学法学部ローレンス・レッシグ教授(Mr. Lawrence Lessig, Professor of Law, Stanford Law School)である。コピーライト・オフィスとそ の利用者には、著作物の納付を伴う著作権登録の実態、現状の問題点などについて伺った。

レッシグ教授には、フリーコンテンツ(自由な利用や共有による新しい価値観をもつコン テンツ)のクリエイティブな作品の利用の幅を広げようという「クリエイティブ・コモン ズ」(Creative Commons)の提唱者として、商用利用とは少し異なるフリー・カルチャー的 視点から、著作権登録制度やコンテンツ真正性についての意見交換を行った。

1.2.調査結果概要

日本の著作権登録制度と比較して、米国の著作権登録制度は、利用者側の視点でコンテ ンツの真正性(真正性の定義のうち、コンテンツと著作者との結合を示す)を主張する当 たり前の仕組みとして運用され、年間約 60 万件、ほとんどすべての商業コンテンツや個人 作品の多くが登録されている。著作権侵害を受けて提訴する場合には、コピーライト・オ フィスに著作権登録していることが暗黙の前提となっており、発行後 5 年以内の早期に登 録を済ませた著作物については著作権の有効性が推定されるほか、発行後 3 ヶ月以内か著 作権侵害行為以前に登録がなされていた場合には法廷賠償及び弁護士費用の請求が可能に なるなど、著作権登録への法的インセンティブが付与されている。

登録される著作物は文芸作品、映像、音楽、ゲーム、コンピュータ・ソフトウェア、CAD、

絵画や彫刻などの芸術作品まで多岐に渡っている。例えば、ゲームソフトの場合、ゲーム 本体だけでなくパッケージ、解説書、付録のフィギアなども一括して登録する。また、絵 画や彫刻作品など 1 点しかないもの、形状が大きいものについては写真による登録も認め られている。また、日本のアニメ作品なども幾つかは登録されていることも判った。コピ ーライト・オフォスは議会図書館への著作物の義務的納付制度や郊外倉庫での保管機能と リンクし、500 名以上が働く巨大組織となっている。

著作権登録は、申請書、著作物またはその複製物 2 部、登録手数料を揃えて、コピーラ イト・オフィスに提出すればよい。通常は、郵便やフェデックス等で送付されることが多 いが、制作コストが膨大な映画作品等は、紛失や盗難を避けるために、専門の業者が劇場

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公開初日に直接コピーライト・オフィスに 35mm フィルムを持ち込むようにしている。コピ ーライト・オフィスでは、申請されたものが著作物に該当するか(申請されたものが工業 製品であると判断されれば著作物として登録できない)、申請書と著作物の内容が合ってい るか、申請書の内容に不備がないかなどの形式的な審査を行う。過去の登録済コンテンツ や類似の登録済コンテンツと比較して、本当にそのコンテンツがオリジナルなものである かどうかの判断は行わない。ただし、テープや CD の場合には記録されたものすべてを再生 して確認するために手間がかかり、中には再生不可として再提出を求めるものもある。ま た、ペーパーでの申請のため、記載不備や記載漏れなどもあり、手続き途中段階の書類が かなりあるのが目に付いた。通常の手続きによる申請の場合、約 3 ヶ月後ぐらいで著作物 登録番号が記載された認証書が送られてくる。

申請者から見れば、1 件あたりの登録費用 30 ドルは高いとはいえないが、それでも費用 と手間をかけて登録を行うのは、コンテンツの財産的価値を保護するためと不正行為の抑 止や法廷で争う場合の正当な権利保有者証明を行なうことであり、商業コンテンツだけで なく、個人で制作した音楽コンテンツなどまでもが数多く申請され、著作権登録制度を活 用する層の厚みに驚かされた。登録は個人でも行えるが、著作権登録を代行する法律事務 所も数多くあり、手続きの代行や、コンサルティング、例えばコンテンツを放送やインタ ーネット等で公開する前に登録することを勧めるなども行っている。

電子申請の試みは 90 年代後半から進めているが、当時のホストを中核にしたシステム構 成のため、利用できる端末やデータの扱いに制限あり、大手出版、大手レコード会社の一 部がテキストと音楽著作物をテスト的に登録するに留まっている。現状のシステム仕様で は PKI をベースにセキュアネットワークを構築し、PDF、MP3、HTML を 1 ファイル単位で受 け付ける仕組みになっている。テスト運用による評価では、申請受付から認証書発行まで のプロセスを25%-30%効率化でき、認証書発行までの期間が 1/3 程度まで短縮化で きることが判った。ただし、個人も含めた広い層で利用できるようにするためには、Web 登録、決済システムとの連動、大容量のコンテンツ登録などに課題があり、2006 年を目標 に新システムへの刷新を進めている。

登録された著作権情報を検索するには3つの方法がある。1978 年以前の古い登録情報は、

直接コピーライト・オフィスを訪問し、カード棚から該当情報を探り出さなければならな い。78 年以降に申請された情報は、ホストシステムのデータベースに登録されているため、

コピーライト・オフィスにある専用検索端末あるいは Web 上から検索することができる。

ただし、更新ミス、2 重登録、未更新情報などの課題がある。著作権登録時の申請情報は 公開を前提にした内容のため、映画などの職業著作物(work made for hire)の場合、個別 の権利情報や細かい権利関係などの記載はなく、申請代表者しか判らないため、詳細な権 利関係を調べるには別の手立てが必要となる。また、未公開の著作物もあるため著作物自 体の公開は行われていない。

運用上の課題はあるものの、著作物そのものを登録する制度として深く浸透している。

また、デジタル・ネットワーク社会に向けた取り組みも着実に進められ、主要基盤産業を 支える仕組みとして機能していることが判った。真正性認証の視点で、デジタルコンテン ツ特有の脅威からのリスク軽減に向けた取組みとして参考とすべき多くの知見が得られた。

平成17年3月

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2.U.S. コピーライト・オフィス

U.S. Copyright Office, Library of Congress http://www.copyright.gov/

101 Independence Avenue, S.E., Washington, DC 20559 2005 年 2 月 25 日訪問

米国の著作権登録機関である U.S.コピーライト・オフィス(U.S. Copyright Office)を 訪問し、登録業務を中心に各部門を見学すると共に、電子登録や現状の登録業務、現状及 び今後の課題等について、著作権技術室チーフであるマイケル・バーク氏、戦略企画マネ ージャーのウィリアム・P・コリンズ氏、著作権情報部門の主管であるピーター・ヴァンケ ヴィッチ氏、同部門のデイビット・フェルナンデス-バレル氏に話を伺った。

2.1.業務見学

登録業務を中心に申請物の受付から登録証明書の発行まで、手順に従って事務所内での 作業状況を見学した。

2.1.1.申請物の受付

コピーライト・オフィスに送付されてくる全ての郵便物等を受け取る部門。2001 年 10 月の炭素菌郵送事件以降、受領した郵便物の検査を厳しくするため、新たにX線での検査 を行うようになった。そのため受領部門まで郵便物が届くのに時間がかかるようになった。

現在、35 名程の人員で、受領した郵便物等を開封し、内容物の確認と記録を行っている。

この受領部門では、1 日当たり約 1,000 通の送付物を受領しており、その内 60%が新規の 著作権登録申請、30%が米国議会図書館への義務的納付物、残りが著作権の移転等に関す る文書となっている。1 日に1人平均 180 通以上の受領物を処理している。

著作権登録が完了した場合、コピーライト・オフィスで申請物を受領した日から著作権 が有効になるが、この日付は X 線での検査前に実際に申請物がコピーライト・オフィスに 届いた日になる。

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送付されてくる申請物は一旦、別の場所でX線検査等をした後、コピーライト・オフィス に持ち込まれる。

2.1.2.申請物の仕分け

受領した申請物を文学作品などの著作物(Literary works)、ビジュアル・アートの著作 物、パフォーミング・アートの著作物に分類する。各々申請物毎に送付されてきたものを まとめて、次の審査部門に送る。

開封後の申請物 開封後、申請書、登録手数料、納付物の 3 点が揃っているかどうか確認する。

受領した内容物を確認し、記録する。 一番上が登録料の小切手、その下に申請 書類、更に著作物 2 部のコピーが見える。

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著作物のうち特に出版された本については、2 冊の納付物のうち1冊が米国議会図書館 へ納付される制度になっているため、米国議会図書館の納付物となるものとそうでないも のを再分類する部署がある。この納付制度は、議会図書館が特にアメリカ人作家の著作物 を収集するためのもので、コピーライト・オフィスがこの納付物の収集業務を行っている。

納付物の対象となるのは、書籍、定期刊行物、コンピュータ関連の著作物、映画、音楽、

レコード、地図、印刷物、脚本等。2003 年度は年間 100 万部近い著作物を収集し、議会図 書館に送っている。

議会図書館納付用に別途分類。納付物の対象となるのは、書籍、定期刊行物、コンピュー タ関連の著作物、映画、音楽、レコード、地図、印刷物、脚本等。

コピーライト・オフィスと議会図書館は 議会図書館の閲覧室 地下道でつながっている。地下道には

コピーライト・オフィスから図書館に

送られる本が運ばれるベルトコンベアがある。

2.1.3.申請物の審査

送付されてきたものをさらに仕分けし、各々の申請に必要な提出物(申請書等の書類、

納付物、登録手数料)が揃っているかどうか確認する。不足している物は、申請者に送り 返す。審査部門で年間平均 300,000 件の申請物を受領している。

審査部門は、文学作品などの著作物(Literary works)、ビジュアル・アートの著作物、

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パフォーミング・アートの著作物に分かれている。文学作品などの著作物の部署に 20~25 名、ビジュアル・アートの著作物の部署に 20 名程度、パフォーミング・アートの著作物の 部署に 40 名程度の審査官がいる。

1)文学作品などの著作物

文学作品などの著作物には、フィクション、ノンフィクション、原稿、詩歌等が含まれ、

出版されたものだけでなく、未出版のものも申請の対象となる。スピーチやカタログ、パ ンフレット、広告のコピー、ゲームやデータベース、コンピュータ・プログラム等も含ま れるが、演劇、ドラマ、映画の脚本等はパフォーミング・アートに含まれるため、この分 類には含まれない。

文学作品などの著作物審査部門で、何らかの不足があって送り返された申請 関連物の保管棚。大体 1 年以内の日付であったが、中には 2 年以上前のものも あった。

2)ビジュアル・アート(VA)

ビジュアル・アートの著作物には、写真、CD、ポスター、絵画、コミック本等が含まれ る。絵画の納付物はコピーで構わない。創作性のある著作物であるかどうかを審査するの が難しく、工業製品とみなされれば著作権ではなくトレードマーク等の別の登録となる。

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ビジュアル・アートに送られてきたCD ポスター、絵画類

右上の絵画はコピーである。

3)パフォーミング・アート(PA)

パフォーミング・アートの著作物は、大きく音楽関係と映画関係に分けられる。音楽関 係の審査官は 30~35 名で、送付されてきた納付物と申請内容に誤りがないかどうか、内容 を聞きながら確認していた。映画関係の審査官は 10 名程度で、納付物として送られてきた 35mm フィルムを確認する機材も設置されていた。映画関係の審査部署では一日に 100~150 件程度の審査をこなしている。

音楽関係の著作物 音楽は内容を聞きながら申請内容に誤り がないかどうか審査している。

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映画関係の著作物 映像関係の著作物の審査官

35mm フィルム用の機材 35mm フィルムが入っていた運送用ケース

4)登録処理

登録番号を振り、申請物にバーコードを付与する。また、申請書類をスキャニングして 電子ファイル化する作業も行っている。ただし、申請者の中には著作物自体を見せたくな いと考えている人達もいるため、納付物を電子化しての公開は行っていない。申請書類自 体は地下の倉庫で保管されている。

登録証明書の発行もここで行われている。

登録番号を振り、申請物にバーコードを付与する。また、申請書類をスキャニングして 電子ファイル化する。

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左が申請書、右が登録証明書 証明書用のプリンター

5)カタログ化

検索用カード、ウェブのデータを作成する。

1978 年以降の著作権登録情報については、電子化され、コピーライト・オフィスのウェ ブサイト上で閲覧できるが、1870~1977 年の著作権登録情報は、電子化されておらず、紙 のカードのみで保管されている。カード・カタログと呼ばれるこのカードの枚数は、4,500 万枚にもなり、図書館の閲覧カードのような状態で年代ごとに引き出しに入れられ、閲覧 できるようになっている。カードの情報はスコーピオ(SCORPIO)と呼ばれるシステムで検索 できる。しかしながらスコーピオは 30 年前の旧式なシステムであるため、データの構造や フォーマットが古くなってしまっている。最近の検索システムと比較すると、検索時間は それほど変わらないものの、グラフィック・ユーザー・インターフェースがなく、キーボ ード入力による検索しか出来ないため、検索操作がしにくい。

カード・カタログの閲覧室 カード・カタログ

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登録情報の検索システム(スコーピオ) 1978 年以降の記録は、インターネットで 検索可能

6)特別処理

通常、著作権の登録申請から登録証明書が発行されるまで 5 ヶ月程度かかる。そのため、

$580 の特別料金を支払うと早期に登録できるしくみがあり、この場合 2 週間程度で登録 証明書が発行される。米国では著作権侵害訴訟の提起のためには著作権登録が必要となっ ているため、裁判等で登録を急ぐ場合に利用されている。

2.2.オンライン登録

現在コピーライト・オフィスでは、CORDS(Copyright Office Electronic Registration, Recordation and Deposit System)と呼ばれるオンライン登録システムのプロトタイプを試 用中である。現在は、登録部分のみが機能しており、著作権の移動等に伴う記録部分は機 能していない。Mac、Windows、Sun に対応したシステムで、納品物のデータ送付は、現在、

PDF、MP3、HTML の3つの形式で行うことができる。Windows の利用者が一番多いとのこと である。

現在、年間申請数 60 万件の内、4%程度の 2 万 3 千件がオンライン申請されている。そ の内 2 万件は、試験利用に協力しているプロクエスト社(Proquest Company)という IP 関係の企業1社からの申請である。プロクエスト社には、CODRS のフォーマットを渡して 同社のシステムとコピーライト・オフィスのシステムを直接つないでいる。このようなや り方を B2G(Business to Government)と呼んでいる。残りの 3,000 件はソフトウェアを ダウンロードして利用しているクライアントで、BMG、EMI 等の音楽出版社が多い。こうし た音楽出版社では、CORDS を通して MP3 を送付し、議会図書館には音楽 CD を別途送付して いる。利用企業の中でもまだ CORDS を使える利用者が少ないため、登録件数はそれほど多 くない。前出の音楽出版社でも全ての著作物を CORDS で登録しているわけではなく、その 利用は一部に留まっているのが現状である。

現在の CORDS システムは 1996 年に導入されたシステムで、2006 年には刷新される予定 である。

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2.2.1.CORDS の処理プロセス

CORDS での処理には、以下の 5 段階がある。

①手数料徴収

銀行口座などの手数料徴収口座への課金。

②審査・登録

審査官が申請内容と納付物を確認し、問題なければ登録する。

不足しているもの、申請書の抜けている部分や不具合等があれば、E-mail で再提出を促 す。現在、申請されたもののうち 15%程度は何らかの情報が不足している。

③カタログ化

記録の作成。申請書、納付物のコピー画面を見ながら、カタログ・システムの記録デ ータを作成する。カタログ・システムには、申請書からのデータが記録されており、特 に検索時に必要となるタイトルや著作権保有者、ISBN 等の追加情報を加えて記録を作成 する。作成された記録は、COPICS と呼ばれるシステムに保存される。

④検索

スコーピオというシステムで、一般のユーザーもカタログ情報の検索ができる。申請 書の画像イメージも見ることができる。しかしながら著作物自体は公開されていない。

⑤登録証明書の画像送付

登録証明書の書類の画像イメージを著作権申請者に送付。

CORDS(Copyright Office Electronic Registration, Recordation and Deposit System) オンライン登録システムのプロトタイプを試用中。音楽とテキストの著作物のみ利用可。

右の写真は音楽で、MP3 ファイルが添付されている。

2.2.2.CORDS の特徴

CORDS の特徴は、完全にペーパーレスであることである。申請や登録のやりとりは全て e-mail ベースで行われ、紙の書類やハードコピーが発生しない。

また大幅な省力化が図れることも利点のひとつである。現在の登録手数料は$30 である が、実際に紙による申請を登録処理するために、コピーライト・オフィスでは約$40 の費 用がかかっている。そのため、コピーライト・オフィスの予算のうち 61%は著作権申請者 から徴収した登録手数料で賄うことができるが、残りの 39%は別途政府予算から充当され ている。しかし電子申請が実用化されれば、そのコストは紙の場合の 25~40%、金額にし

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て$10~16 しかかからないことがわかっている。キーボードによる入力作業が大幅に削減 でき、さらにひとつの申請に、審査官とカタログ制作担当者の 2 名しか必要でなく、大幅 な人員省力化を図れるためである。処理日数も大幅に短縮され、申請の受付から登録証明 書の発行までに 2~3 週間しかかからなくなり、$580 の手数料を支払う特別処理とあまり 変わらない期間で処理できるようになる。今後、全システムを電子化していけば更なる省 力化が図れることと思われる。

CORDS では、ユーザーの真正性を保証するために PKI(Public Key Infrastructure、公 開鍵暗号方式を利用したセキュリティインフラ)を利用している。しかしながら PKI は使 用費用がかかるため、現在の限られた数のユーザーには有効でも、将来的に利用者が増え た場合にも利用するかどうかはわからない。安価で利用でき、かつ保護性の高いセキュリ ティシステムを検討する必要がある。

2.2.3.コピーライト・オフィスのシステム再構築

コピーライト・オフィスでは、1999 年からシステム統合を計画しはじめてた。コピーラ イト・オフィス利用者に、効率的で即効的なサービスを提供できるよう改善するためであ る。そのために情報システムだけでなく、コピーライト・オフィスの業務プロセス自体も 再構築することになった。2000 年には、まず業務プロセスを再構築し、7つのプロセスに 統合して、オフィスのレイアウト変更を行った。この業務プロセスに合わせて情報システ ムの再構築も行っている。

システム再構築の目的は、オンラインでの著作権サービスの利用範囲を増やすこと、著 作権の記録をより早くインターネットで閲覧可能にすること、どのようなサービスの要求 がきているのかということや著作物の現物納付物が作業工程のどこにあるのかをよりよく 把握できるようにすること、ユーザーが自分の申請が今どのような状況になっているのか を見ることができるようにすること、システム統合が可能なこと、市販ソフトウェアをベ ースとした柔軟性のあるシステムであることなどである。

2.2.4.将来の電子申請

2006 年以降刷新される電子申請システムでは、電子政府でも採用されているシーベル・

システムズ社(Siebel Systems)のアプリケーションを利用することになっている。シー ベル・システムズ社が提供するアプリケーションは、e サービスとケース・マネージメン トの機能から成っており、特にケース・マネージメントに優れたシステムである。

システムのパイロット版は 2005 年 8 月に導入予定で、現在一部システムを構築、先週

(2005 年 2 月中旬)稼動を開始した。試験的に 60 件の申請処理を行い、その後、最終的 な変更、調整などを行っている。

CORDS はウェブベースのシステムで、ブラウザーのポータル画面から申請することがで きる。大量の著作権申請を行う大企業などとは、企業側のシステムと CORDS を直接つなぐ ことによって、一度に大量の申請が可能となる予定である。この企業とコピーライト・オ フィスのシステムを直接繋ぐしくみ(B2G)を利用するのは、全登録件数の 10%程度になる と予想されている。電子フォーマットでの著作物納付も可能で、複数のファイルを送るこ とができる。著作物の現物を納付する場合は、別途郵便等で送ることになる。コピーライ

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ト・オフィスや一部出版社などはデジタルでの著作物納付に対応可能であるが、米国議会 図書館では著作物の最良の形は印刷物であると考えているために、現物納付をやめるわけ にはいかないのが現状である。手数料は、財務省が管理する政府機関向け電子金融ポータ ル Pay.gov(www.pay.gov)を通じてクレジットカードで決済できる。申請に際してのやりと りは、e メールを使用する。ウェブのポータル画面から申請状況のチェックが可能である。

議会図書館が選択したものについては電子フォーマットでの著作物納付も可能である。

2.2.5.CORDS の課題

現在 CORDS は、一部の限定されたユーザーだけが利用しており、その処理件数もそれほ ど多くない。現在は、審査官とカタログ化部門の担当者が週 1 回処理している程度である。

今後処理件数が増えるのに伴っていくつかの課題も出てくるものと思われる。

現在明らかになっている課題のひとつとしては、著作物の納付をデジタルで行うように なると、様々なフォーマットが増え、各フォーマットに対応するソフトウェアの管理やそ のデータのバージョン管理などの取り扱いが経済的に非効率的になるということがある。

また、米国議会図書館では、依然として印刷物等の現物による納付が最良と考えているた めに、全てをデジタルでの納付に切り替えるわけにはいかないこともある。

現状、デジタルで納付する場合のデータサイズについて、まだ規定を定めておらず、映 画等の巨大なファイルをデジタルで納付できるかどうか疑問が残る。

2.3.今後の課題

コピーライト・オフィスの使命は、効率的な著作権システムを運営、維持することによ って、創造的な創作活動を促進することである。この使命は、全ての業務にわたって非常 に大事な事である。

この使命を遂行するために、著作権関連の様々な事項について、連邦議会や海外の政府 への責務を果たすことが、コピーライト・オフィスに求められている。最近出てきた大き な課題のひとつはデジタル技術である。インターネットの出現で、著作物の正確なコピー が不正に出回るようになったのは憂慮すべき事態である。今後は、コピーライト・オフィ スの審査官やカタログ化部門のスタッフが、デジタル技術の発達によって著作権の周辺で 何が起こっているのかを理解し、一般の人々への教育を行っていくことが求められている。

ナップスターなどの PtoP(Peer to Peer)のファイル・シェアリングによる泥棒同然の行 為は大きな問題である。また、国際社会での著作権保護も大きな課題のひとつである。こ れは米国の著作権だけでなく、日本やヨーロッパなど全ての国の著作権を保護することを 意味している。

コピーライト・オフィスには 500 人以上の従業員がいるが、最も多くの人員が割かれて いるのが登録業務である。登録業務には、登録、著作権移転の記録、ライセンス業務があ る。ライセンス部門では法律に基づくライセンス料の徴収を行っており、主なものにはテ レビやラジオ放送を伝送するケーブル会社や衛星放送の会社等からのロイヤリティ料があ る。議会図書館への義務的納付制度に基づく著作物の収集なども、コピーライト・オフィ スの役割となっている。全ての出版社は出版から 3 ヶ月以内に 2 冊の本を納付しなければ

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ならない。ここでの課題は、登録作業のスピードアップである。4 年前には、登録に 210 日間かかっていたが、現在では 63 日間まで短縮されている。まだ十分に速いとは言えない が、利用者へのサービスは向上したと言える。短期間で登録できれば、著作権情報を照会 したときに該当する項目が見つかる頻度が高まり、著作権保有者へのコンタクトも取りや すくなる。

2000 年までは、基本的には 40 年前と同じようなやり方を取っていた。いくつものシス テムが入っているために、ひとつにコンピュータに入力した情報をまた別の作業のために 入力するといった無駄もあった。そのため登録作業に長時間かかっており、このまま放っ ておけば、更に悪化することは明白であった。そのため、コピーライト・オフィスではシ ステムの再構築プロジェクトを開始した。このプロジェクトは 2000 年に始まり、6、7年 間かけてできるだけ全てのシステムを電子化する計画である。プロジェクトが完了する 2006 年か 2007 年には、仕事のプロセス、組織、設備が刷新され、通信システムも含めて、

全て電子化される予定である。

もうひとつの大きな課題は広報活動で、多くの人に著作権についての教育を行うことで ある。これまでの教育は受身的なもので、コピーライト・オフィスにやってきて何か質問 する人に対応するといったものであった。しかし、今後はより積極的に、関心のある人の ところにコピーライト・オフィスのスタッフが出向いて行って、著作権に関する理解促進 のためのプログラムを行っていく計画である。2007 年には、30 種類の外部向け教育・普及 プログラムを用意する予定である。これらのプログラムは特に小学生から高校生といった 若い人を対象としたものが多くなるであろう。なぜなら、ファイル・シェアリング問題な どを見れば、若い人はなぜ金を払わずにコンテンツを交換することが違法なのかを理解し ていないことが明らかなためである。また、著作権に関するより深い理解を専門家に促す ための活動として、米国の弁護士会などの招致でカンファレンス等を開催することは既に 実施し始めている。コンテンツの利用者だけではなく、コンテンツを配給している企業も、

著作権を持っているだけでそれが保護されると考えてはならない。一般のユーザーは PtoP 等を利用して無料でコンテンツをダウンロードすることで得すると考えているので、企業 側は何らかの効果的な方策を取り、そういった不法な利用をやめさせなければならない。

その方法はひとりひとりのユーザーを裁判に訴えるというようなことではなく、公衆の利 益となるようなシステムでなければならない。例えばレコード会社が廉価なダウンロー ド・サービスを行うようになったこともその一例といえる。

もうひとつの課題は、内部的な人員管理である。米国連邦政府にとっても、資産である 人員をいかに管理していくかということは大切なことである。より良い人材を集め、適切 な仕事を与え、仕事を続けさせることは重要である。また、全従業員に、コピー・ライトオ フィスや著作権に関する今後の方針や目標を理解させ、彼らが経済的にも文化的にも重要 な仕事をしているということを認識させることは非常に重要であると考えている。

2.4.著作権登録の概要 2.4.1.申請書類の種類

著作権登録用のフォームは 9 種類ある。

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(1)フォーム PA

出版済み、または未出版のパフォーミング・アート用の申請書類。

ミュージカル、演劇、パントマイム、振り付け、映画、その他の映像音声による 著作物に使用。

(2)フォーム SE

継続的に発行済み、または発行する予定の定期刊行物用の申請書類。

定期刊行物、新聞、雑誌、会報、アニュアル、ジャーナル等に使用。

(3)フォーム SR

出版済み、または未出版のレコード用の申請書類。

(4)フォーム TX

出版済み、または未出版の脚本以外の文学的著作物用の申請書類。

(5)フォーム VA

出版済み、または未出版のビジュアル・アート用の申請書類。

絵画、グラフィック、彫刻、建築などの著作物に使用。

(6)フォーム G/DN

日刊新聞や会報を 1 ヶ月単位で登録するための申請書類。

(7)ショート・フォーム SE 及び SE/グループ 条件により使用できるフォーム SE。

(8)ショート・フォーム TX, PA, VA 簡易版の申請書類。

(9)フォーム GATT 及び GATT/グループ

1944 年のウルグアイ・ラウンドに基づく特別な申請書類。

基本的にはこれらの申請書に記入して、$30 の登録手数料と著作物(またはそのコピー など)と共にコピーライト・オフィスに送付する。著作物納付は、出版されたものであれ ば 2 部、出版されていないものであれば 1 部必要となる。コピーライト・オフィスで上記 3 点が揃った提出物を受領した日付が、著作権が確立する日付となる。

著作権で保護される著作物は、可視的媒体に固定されていなければならず、またオリジ ナリティがあることが必要である。名前やタイトル、アイデアは著作物とは認められない。

名前やタイトルは、色々な人が同じようなものを使用する場合が多いため認めていない。

2.4.2.コピーライト・オフィスの人員構成

コピーライト・オフィスには、530 人が働いている。その内訳の主なものは、受領・処 理部門に 120 名、審査部門に 80 名、カタログ化部門に 60 名、法務関係に 20 名、広報部門 に 50 名、その他メリーランドの倉庫等にもスタッフがいる。

2.4.3.裁判での利用

著作権侵害で裁判を起こす場合には、著作権登録をしている必要があるため、登録証明 書の発行が必要となる。ベルヌ条約加盟国の外国著作物については、登録していなくても 提訴できるが、著作物が最初に米国で発行された場合、著作者が米国人の場合には登録し

(20)

ていなければ提訴できない。登録証明書の発行には 1、2 ヶ月かかるが、別途料金を支払う 特別手続きを取れば早期に発行されるようになっている。

2.4.4.登録手数料

登録手数料は、議会で決められる。現在の料金は以下の料金表の通りである。

著作権登録料金表 2002 年 2 月 1 日から有効

●基本登録(Basic Registrations)

フォーム TX またはショート・フォーム TX(文学的著作物用)

(Form TX or Short Form TX)

$30

フォーム VA またはショート・フォーム VA (ビジュアル・アート用)

(Form VA or Short Form VA)

$30

フォーム PA またはショート・フォーム PA (パフォーミング・アート用)

(Form PA or Short Form PA)

$30

フォーム SE またはショート・フォーム SE (定期刊行物用)

(Form SE or Short Form SE)

$30

フォーム SR (レコード用)

(Form SR)

$30

フォーム GATT (1944 年のウルグアイ・ラウンドに基づく特別な申請用)

(Form GATT)

$30

フォーム GR/CP (フォーム VA,PA,TX の添付書類。追加費用は不要。)

(Form GR/CP)

不要

●更新登録(Renewal Registrations)

1978 年 1 月 1 日より前に出版、もしくは登録された著作物用。

フォーム RE (Form RE) $30

フォーム RE への追加事項 (Addendum to Form RE) $60

●グループ登録(Group Registrations) 申請へのグループでの登録

フォーム SE/グループ(定期刊行物)

(Form SE/Group (serials))

1 刊行物につき$15 最低額 $45 フォーム G/DN(日刊新聞、会報)

(Form G/DN (daily newspapers and newsletters))

$55

フォーム GATT/GRP (1944 年ウルグアイ・ラウンド特別申請用)

(Form GATT/GRP (restored works))

1 申請につき$15 最低額 $45

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●補正登録(Supplementary Registrations) 登録完了後の訂正、変更の登録

フォーム CA (Form CA) $100

●その他の登録

フォーム D-VH ボートハルのデザイン用)

(Form D-VH (vessel hulls))

$140

フォーム MW (コンピュータ・マスクワーク用)

(Form MW (mask works))

$75

●登録に関する特別業務(オプションサービス)

条件付登録特別処理。一定の条件の下に迅速な登録処理を行う。

特別処理費(1 申請につき)

(Special handling fee)

$580 同じ納付物を利用した追加申請(特別処理ではない)費用(1申請につき) $50

●登録に関連するその他の費用

出版済みの納付著作物の著作権有効な全期間に渡る保管 $425

安全な試験的処理 $60 / 時間

抗議費用(以前登録を拒否された申請用)

初回抗議

グループ登録に関する追加申請(申請毎に)

$200

$20 2 回目の抗議

グループ登録に関する追加申請(申請毎に)

$500

$20

●著作権を取得した著作物に関する書類の記録 権利その他書類の譲渡の公的記録。

1 タイトルだけの書類の記録

追加タイトル(10 タイトル毎に)

$80

$20 1 タイトルだけの NIE*の記録

追加タイトル(10 タイトル毎に)

$30 / 時間

$1

書類の記録に関する特別処理 $330

*NIE: Notice of Intent to Enforce. 1944 年のウルグアイラウンド協定で、著作権を回 復された一連の著作物。

●著作権を取得した著作物の照会と目録作成

公的記録からのレポート作成準備 $75 / 時間

短時間での照会と目録作成追加料金 $250 / 時間

(22)

●コピーライト・オフィスの記録の複製準備

コピーライト・オフィスの記録の保管場所検索、回収、複製作業。

コピーライト・オフィスの記録の保管場所捜索、回収 $80 / 時間

追加での登録証明 $30 / 時間

コピーライト・オフィスの記録であることの証明 $80 / 時間

コピーライト・オフィスの記録の閲覧 無料

複製料金 形式と量により変動

(最低料金は定めず)

処理中の物件の保管場所捜索、回収 $100 / 時間

●証明書、書類の短時間処理追加料金

コピーライト・オフィスの記録の保管場所捜索、回収 追加での登録証明

証明書

譲渡その他の記録された書類の複製

その他コピーライト・オフィスの記録の複製

$200 / 時間 左記の作業合計時間 で計算

●その他の料金

登録しない納付物の受領(407 条に基づく納付) $10

オンライン・サービス・プロバイダーの指定 $30

図書館・アーカイブの通知 $50

$20 / 追加タイトル

レコードによる意向通知の記録 $12

口座の当座貸越料金 $100

不渡り口座の補充確認 $35

2.4.5.著作物の保管期間

はっきりと決まっているわけではないが、出版物とパフォーミング・アートについては 大体 10 年間、出版されていないものについては、著作権が有効な期間中、すなわち著作者 の死後 70 年間保管されている。議会図書館でも出版物は保管しているが、出版されていな いものは保管されていない。そのため、コピーライト・オフィスで保管している。出版さ れていないものでも、今後価値が出てくる可能性もある。

2.5.その他のコピーライト・オフィスの役割 2.5.1.著作権者が不明な著作物(Orphan work)

著作権者が不明な著作物に関する問題について調査中である。こうした著作権者が不確 かな著作物は、他のクリエーターや利用者が新たな創造的活動に組み入れたり、多くの人 が利用できるようにしたりすることが困難になっているという懸念がある。そこでコピー

(23)

ライト・オフィスでは、この問題に関心のある団体全てに現在意見を求めている。特にこ うした著作権者が不明な著作物が何か重大な問題を引き起こしているのか、立法や規制、

その他の方策で解決するメリットがあるのか、著作者や著作権者の合理的な利益と対立す ることなく懸案を解決できる方法があるのかというところに関心を持っている。意見は 2005 年 3 月 25 日まで、e-mail、手紙等で受け付けている。

2.5.2.コピーライト・アウェアネス週間

米国著作権協会(Copyright Society of U.S.A.)が主催するコピーライト・アウェアネス 週間に参加する。今年は 3 月 21~25 日の 5 日間開催される。その目的のひとつは学生達に 社会における著作権の大切さを教育することであることから、学生等をコピーライト・オ フィスに招き、オリエンテーションやワークショップ等を行うことになっている。

2.5.3.Web のスペイン語表記

スペイン語を母国語とする人口が増えているため、コピーライト・オフィスの Web サイ トには、著作権に関わる基本的な事項をスペイン語で表記しているページがある。

電子申請について語るマイケル・バーク氏 コピーライト・オフィスの課題について 著作権技術室(Copyright Technology Office) 語るウィリアム・P・コリンズ氏

チーフ 戦略企画(Policy and Planning Program) マネージャー

(24)

著作権登録業務について語るピーター・ 著作権登録業務について語るデイビッド・

ヴァンケヴィッチ氏 フェルナンデス-バレル氏

著作権情報部門(Copyright Information 著作権情報部門(Copyright Information Section)主管 Section)

(25)

*参考資料1.U.S. コピーライト・オフィスの歴史と概要 http://www.copyright.gov/

United States Copyright Office, A Brief History and Overview より抜粋。

アメリカ合衆国憲法第 1 条 8 項

連邦議会は、科学と有用な芸術を進歩させるため、一定期間著作者や発明者にそれぞれの 著作物や発見に対する独占的な権利を保障する。

著作権(Copyright)とは

アメリカの法律では、著作者はその知的創造物の利益を一定期間享受できることが原則で ある。著作権とは合衆国憲法で保障された「原作者/発明者の独創的な仕事」を保護する形 式である。この中には、文学、戯曲、ミュージカル、建築、地図、舞踏、パントマイム、

絵画、彫刻、映像音声などの創造物が含まれている。「Copyright」は文字通りコピーする 権利であるが、徐々に法律で著作者がその作品を守るために認められた独占的な権利を意 味するようになっている。著作権者には、複製、販売、ある種の仕事では公演、公開、派 生的著作物の準備をする独占的な権利がある。録音の場合には、デジタル放送等を行う権 利や、他の人に一定の条件の元で同じ劇を上演させる権利がある。著作権保護はアイデア や、手段、過程、スローガン、主義、発見には拡大適用されない。

コピーライト・オフィスの役割

・連邦議会に対する知的財産関連の専門的な支援

-予想される米国著作権法の変化について議会へのアドバイス -著作権法制定草案、報告時の分析と助力、議会のための調査研究

-ベルヌ条約*のような多国間協定との整合性についての議会へのアドバイス

*ベルヌ条約:著作権の国際的な保護を目的に 1886 年スイスのベルンで締結。正式に は、「文学及び芸術作品保護に関するベルヌ条約」

-国務省、米国通通商代表部、特許庁と共に専門家を派遣しての国際的な知財権協定の 交渉。

-著作権法を立案しようとしている国への専門家の派遣。

-国際著作権研究所を通じての、知財権保護に対する世界的な理解と協力の促進。

・著作権法の必要条件を満たす著作権の登録申請を受け、著作権に関わる文書を登録。

-著作権法の条項についての情報提供、登録手続き、コピーライト・オフィスの運営業 務についての説明。

-オフィスの公的記録についての報告。

-著作権使用料の徴収など、法による様々な強制実施許諾条項の適用。

・米国議会図書館と共に、著作権使用料調停委員会*を運営。規定の会議を行い、料率の調 整や著作権料の分配を行う。

*著作権使用料調停委員会(CARP : Copyright Arbitration Royalty Panels):

米国のコピーライト・オフィスが 1998 年 12 月 18 日に提案した、著作権のロイヤリ ティに関するライセンス仲裁制度の名称。

(26)

コピーライト・オフィスの歴史概要

米国内での著作権に関するシステムを確立する法を制定する権力が議会にあることは憲 法に定められている。議会は最初の連邦著作権法を 1790 年 5 月に制定し、最初の作品は 2 週間以内に登録された。元々著作権の申請は合衆国地方裁判所の職員が登録していた。1870 年より後は、著作権の機能は当時の議会図書館員長エインズワース・ランド・スポッフォ ード(Ainsworth Rand Spofford)の監督下にある議会図書館に集中することとなった。コピ ーライト・オフィスは、1897 年に議会図書館の独立した部門となり、ソーバルト・ソルベ レグ(Thorvalt Solbereg)が最初の著作権登録官となった。

今日コピーライト・オフィスは議会図書館の主要業務機関のひとつとなっている。ワシ ントン DC のインディペンデント・アベニュー101 にあるジェームス・マディソン・メモリ アル・ビルの庁舎に、約 500 名の従業員がいる。2001 年度には、601,659 件の著作権とコ ンピュータのマスクワークの申請を登録した。2000 年(暦年)は、著作権者への後納分配 分として、ケーブルテレビ、衛星保有者、オーディオ家庭録音法に基づく強制実施許諾 ファンドで 1 兆 8700 億ドル以上を徴収した。2001 年度現在で、コピーライト・オフィス には 29,732,771 件の登録がある。

コピーライト・オフィスの使命

著作権システムの目的は、常に社会において創造性を促進することであるが、コピーラ イト・オフィスの使命は以下のように増大してきている。

-著作権法の適用

-公的記録作成と管理

申請の登録と書類(関連する強制実施許諾を含む)の記録。

-技術的支援

国会、行政機関への派遣

-公への情報提供

国内外の著作権団体の情報源

-情報源としての役割 国内外の著作権団体向け

-議会図書館の支援

図書館の収集のために可能な納付物の徴収

著作権法の適用

著作権登録官は議会、草案、技術研究の準備、著作権法の適用への助言を行う。登録官 は著作権業務における議会図書館共同館長を兼任する。

登録官と共に、国内著作権計画のための副登録官(Associate Register for National Copyright Programs)が、電子著作権登録、記録、納付システム(CORDS)の開発と実用化を 行っている。

運用長官は、登録官がコピーライト・オフィスの計画、監督を行うのを補助し、以下6 つの組織の運営、管理している。

-受領処理部門

(27)

全ての郵便物を受け取り、発送を行う。著作権料支払いの記録と預かり、受領した全 申請、料金の自動的な中間記録の作成、預かり口座(deposit account)の開設と管理、

申請の著作権登録担当への送付、不完全な申請への対処、全オフィスの通信案件のフ ァイル管理、著作権登録番号の割り当て、登録証明書の作成と発送を行っている。

-審査部門

全ての申請、コピー、レコード盤、その他著作権登録、または更新申請のために提出 された物を審査し、著作権法とコピーライト・オフィスの規定下で受け入れられるか どうかを決定する。手紙や電話で申請者と対話して、申請書の誤りや不十分な部分を 解決する。法的で事実に基づく調査により、著作権法を適用し、審査官や一般の人々 に指針を与えるため、政策と慣行を発展させている。また、1984 年半導体チップ保護 法下のマスクワーク保護に関する申請も審査している。

-カタログ化部門

図書目録解説とコピーライト・オフィスに登録された全著作物の著作権情報、登録さ れていないが著作権法の行使命令により納付された著作物の情報も記録する。このよ うにして登録、納付、譲渡登録、その他の書類の全ての情報が効果的に参照できるよ うになっている。

-情報照会部門

情報公開、著作権に関わる照会業務を行っている。一般の人々からの全ての著作権情 報、質問への回答を行っている。コピーライト・オフィス・フォームと出版物の制作、

配布、コピーライト・オフィスの記録を基にした調査レポートの提供、登録証明とそ の他の法的書類の準備、著作権登録のために提出された著作物の検品、登録のために 提出され、認可された複製物(reproduction)準備、登録された納付物を含む著作権 関連の記録の保管、維持、情報提供を行う。

-ライセンス供与部

強制的、法的なライセンス処理を行う。ケーブルシステムを使った再送信、レコード 盤の制作、流通、非商業的放送に関連する著作物の使用、衛星放送での家庭での視聴 のための再送信、デジタルオーディオ録音装置や媒体の流通などに発行されるライセ ンス、テレビ、ラジオ放送を伝送するケーブル会社や衛星放送会社等からロイヤリテ ィ料を徴収する。徴収されたロイヤリティ料は運営費用を差し引いた残額を、米国債 や利息の出る証券に投資し、後に著作権者に分配されることになっている。

-著作権取得部

1976 年法と米コピーライト・オフィスの規定により、議会図書館の収集に必要な義務 的納付を実行する。この使命と業務のために国家著作権事業の副登録官と取得支援業 務の図書館監督官の元で業務を遂行している。

公的記録の作成と維持

コピーライト・オフィスが維持するアーカイブは、アメリカ文化と歴史的遺産の重要な 記録である。4100 万枚近い個々のカードを含め、著作権カード・カタログは、ジェームス・

マディソン・メモリアル・ビルの保管されており、1870 年から 1977 年までの合衆国にお ける著作権登録のインデックスになっている。著作権カード・カタログは、1977 年より後

(28)

のファイルが自動化されたものも含め、1870 年から現在に至るまで合衆国の著作権登録の インデックスを提供している。合衆国の文芸、音楽、美術、科学の著作物のほとんどと、

海外の多くの著作物がこのファイルに登録されている。これらは検索ツールとして、議会 図書館のメイン・カタログの重要な補足物となっている。

著作権エントリーカタログを含め、著作権カード・カタログを補足するものとして、書 籍形式で発行された 1891 年 7 月 1 日から 1978 年、及び 1979 年から 1982 年の記録のマイ クロフィルムがある。1978 年以降の記録は、インターネットで検索できる。加えて、1790 年から 1870 年の約 150,000 件の著作権登録は、各地方裁判所の書記官の元に記録登録され た。これらのほとんどはコピーライト・オフィスでマイクロフィルムを見ることができる。

*参考資料2:運営資金状況(2003 年度アニュアル・レポートより抜粋)

2003 年度予算 $44,621,031 内訳: BASIC(機関の運営費) $38,470,273 Licensing $3,515,003 CARP:著作権使用料調停委員会 $2,635,755

*Licensing と CARP については、登録料等の使用料を充当。

*BASIC の財源は以下の通り。

商務省の純予算 $9,499,273

使用料の相殺収集分配分 $23,321,000 昨年度予算からの繰越分 $5,650,000 合 計 $38,470,273

(29)

3.ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント社

Sony Pictures Entertainment http://www.sonypictures.com

10202 West Washington Boulevard, Culver City, CA 2005 年 2 月 22 日訪問

大手映画会社のソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント社(以下、SPE)を訪問し、

同社の知的財産権部門(Intellectual Property Department)の上級副社長のジャリッド・

ジャッシム氏、副社長のゲイル・マクドナルド氏、エグゼクティブ・ディレクターのマイ ケル・クレイマー氏、アイリーン・ユージャ氏に、同社における著作権申請業務について 話を伺った。

3.1.SPE における著作権登録業務

SPE における制作物の著作権登録件数は非常に多く、2004 年には、1,000 件以上の作品 の著作権申請と更新処理を行った。この内訳は、映画 40 作品、テレビ番組 320 本(連続ド ラマなどを含む)、シナリオ 45 本、映画やテレビ番組の著作権の更新 350 本、24 点のポス ター、数本の短編映画などとなっている。その他、点数は少ないが、文学作品の更新、ビ デオタイトル、サウンドトラック、サブタイトルなども含まれている。ポスターなどは最 近になって登録を行うようになったとのこと。これは、プロモーション用に用意した非売 品のポスターが盗難にあい、インターネットオークションなどで販売されるようになり、

ポスターなどのプロモーションツールについても著作権を保護する必要が生じてきたため である。

著作権登録のタイミングは、通常制作が完了した時点というのが基本であるが、制作物 の内容によって若干タイミングが異なる。劇場公開映画は、通常劇場公開日に著作権登録 をするようにしている。SPE 社では、著作権登録に必要な申請書類とその映画の 35mm フィ

(30)

ルムを、映画の公開当日に直接コピーライト・オフィス(U.S. Copyright Office)に持ち 込んでいる。これは、郵送などにより、特に劇場公開前の紛失・盗難を避けるためである。

ただし、一部の作品では、配給前に未公開作品として著作権登録をする場合がある。一 方、”King of queens”のようなテレビ番組のシリーズ物の場合には、通常そのシリーズ が放映終了した時点(たいていは 5 月か 6 月頃)に著作権の登録を行う。ただし、購入し たシナリオなどの著作権登録は、番組を制作中の早い段階で行ってしまう。

著作権登録のためにコピーライト・オフィスに支払う費用は 1 件あたり$30 で、大して 高額ではないが、申請処理にかかる経費などを加えると、年間 1,000 件に及ぶ著作権登録 を行う同社では、全コストはかなりの額となる。登録にかかる経費については、一旦 SPE の全体経費より支払われるが、最終的には登録を行った各著作物の制作コストとして振替 えられる。著作物の性格上、各著作物の制作コストとして割り振ることが出来ない場合が 生じることがある。その場合は知的財産権部門の経費として処理を行うことがあるが、こ のようなケースはそう多くはない。

SPE では、すべての制作物を著作権登録するわけではないが、映画とテレビ番組は基本 的にはすべて著作権処理を行っている。テレビ番組については、クイズ番組と毎日放映さ れるトークショー以外は、通常、各回の放送分ごとに登録を行っている。毎日放映される トークショーでは、通常一回のシリーズ(Season)で数回の放映分のみを登録している。

すべての放映分を登録しない理由は、放映分すべてをそれぞれ登録していくと、登録コス トが高くなってしまい、かつ登録にかかる事務処理負荷が大きくなってしまうためである。

3.2.著作権登録の重要性とコピーライト・オフィスの活用

コピーライト・オフィスへの著作権登録は、著作権の証明書と登録された関連書類によ って、著作物に関する権利を確定するために重要な役割を持っている。SPE のようなエン ターテイメント企業にとって、コピーライト・オフィスに著作権を登録する理由は次の 2 つがあるという。一つは、コンテンツの財産としての価値を保護するためである。もう一 つは、著作権侵害が発生し、法廷で争う必要が生じた場合に、その著作物の権利を証明す るためである。米国では、著作権侵害について提訴する場合には、コピーライト・オフィ スに該当する著作権を登録しておく必要があるため、制作後は直ちに著作権登録を済ませ ておくべきである。そのために、SPE では、多くの制作物の著作権登録において、直接コ ピーライト・オフィスに著作権申請書類と実際の著作物を持ちこみ、通常よりも処理手続 きが早く行われる申請処理方法(Expedited Certification)をとっている。郵送による提 出と通常手続きでは著作権登録証明書が発行されるまでに 3 ヶ月から 6 ヶ月かかる が、”Expedited Certification”では、申請後 2 週間以内に証明書を受け取ることができ る。”Expedited Certification”の費用は$500(5 万 5 千円)程度(厳密には$580、6 万 8 千円)である。映画やテレビ番組の著作権侵害は、米国以外の他国で発生するケースも 多くあるが、諸外国の裁判所でも、米国のコピーライト・オフィスでの登録証明が、著作 権の証明として受領される場合が多い。

SPE の知的財産権部門では、登録作業や様々な情報収集のために、コピーライト・オフ ィスの登録情報に毎日アクセスしている。また、SPE では、シナリオや原作などの権利を

(31)

購入して映画やドラマの制作を行う場合、必ず著作権関連の調査会社トンプソン&トンプ ソン社(Thompson & Thompson)を通して、購入予定のシナリオや原作の著作権調査レポー トを手に入れるようにしている。トンプソン&トンプソン社では、コピーライト・オフィ スの登録とその関連書類を調査し、SPE が購入しようとしている作品についての、より詳 細な法的状態を報告している。

コピーライト・オフィスが提供する情報は公共性を持った法的な記録であるが、その登 録情報の利用目的としては、競合他社が行っている制作プロジェクトの情報を収集するた めに役立つ場合もあるだろう。

3.3.著作権登録作業について

SPE では、自社で保有する著作権登録業務を、社外の法律事務所などには依頼せずに、

すべて自社の知的財産権部門で行っている。同社の知的財産権部門には 2 人の弁護士がい る(SPE 全体では、100 名の弁護士を保有)。

コピーライト・オフィスの登録システムについては、改善すべき部分が多くあると感じ ている。例えば、登録申請書類は複雑であり、申請書類に記載する情報の一部はほとんど 利用されないような情報も含まれているため、より分かりやすいものに改善していく必要 があると思われる。また、著作権が分割された場合の分割率など必要とされる情報が全て コピーライト・オフィスのフォームに含まれているわけではない。こうした著作権保有の 比率や合意事項などの必要な情報は記入されるべきだろう。さらに、買収等による会社名 の変更に伴う大量の著作権の移転などは自動的に反映されると便利だと思う。

ただし、現在の登録費用である一件あたり$30 は、手続きの内容や重要性からすると、

とても低価格に押さえられていると思っている。1999 年に$30 に値上げされたが、それま では$20 で、物価の上昇と比較してもあまり大きな値上げではなかった。

前述のように、映画などは持込みによる著作権登録申請を行っているが、登録の申請を 郵送で行う場合は、一般郵便は使わず、郵送物のトラッキングが可能な宅急便を利用して いる。通常は、最も早い翌日着の配送サービスを利用している。

3.4.デジタルコンテンツの登録作業

デジタルコンテンツの登録実績は少ないが、2003 年にプラネットサイド(PlanetSide)と いうオンラインゲームを登録したことがある。コンピュータ・プログラムの登録の場合は、

サーキュラー61(Circular61)と呼ばれる規定に従って登録することになる。ゲームのパッ ケージに入っているものは、様々な説明書からマニュアルまで全て納付する。コンピュー タ・プログラムの場合は、秘密事項がなければソースコードの一部と著作権主張を表示す る部分をプリントアウトして添付する。しかし多くの場合は秘密事項が含まれているため、

その場合は秘密事項の部分を除いたり、ソースコードではなく実行形式のデータを添付し たりすることができる。

(32)

ゲームの登録ではパッケージに含まれるもの全てを送付する

3.5.電子申請システムについて

現在、コピーライト・オフィスでは、電子申請システムのプロトタイプを試験的に運用 しているが、SPE の知的財産権部門では今のところこれを利用したことはない。以前、同 社の音楽部門(Music Department)で電子申請システムを利用しようとしたが、結局使用 しなかった。現在の電子申請システムでは、楽曲を MP3 ファイルにして添付する仕様にな っており、何百曲にもなる多数の楽曲を MP3 ファイルで添付して送付するのは、手間がか かるためである。

今後映画のコンテンツについても電子申請が可能になったとしても、映画をオンライン で送るのは、海賊版やハッカーの問題を考えると安全とは言えないので利用するのは難し いだろう。納付物の形態がどのようになるかはまだ不明であるが、映画の場合は 35mm フィ ルムのプリント費用が高額になることもあって、本来 2 本必要な義務的納付物の数が 1 本 で構わないとされている現状の免除措置が維持されるかなども問題になってくると思われ る。

コピーライト・オフィスでは、2006 年末までに新たな電子申請システムを一般に提供す ると発表している。SPE でも、電子申請システムが、現在の申請プロセスや、一部に提供 されているプロトタイプシステムと比べて、申請手続きがより分かりやすく、早く処理が 可能となるユーザーフレンドリーなシステムなのであれば、積極的に利用していきたいと 考えている。また、現在のプロトタイプシステムでは、音楽とテキストの作品しか登録で きないが、2006 年に稼動する新システムで、映像などより広い範囲の作品の登録が電子的 に可能になることを期待している。

(33)

左から、ゲイル・マクドナルド副社長、ジャリッド・ジャッシム上級副社長、

アイリーン・ユージャ氏、マイケル・クレイマー エグゼクティブ・ディレクター

ミーティング風景

映画やTV番組の小物などが展示された SPE ロビー

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