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既設人孔へのシールド斜め到 達の計画および設計

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Academic year: 2021

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西松建設技報 VOL.44

既設人孔へのシールド斜め到 達の計画および設計

齋藤 勇樹 宗澤 敦郎**

Yuki Saito Atsuro Munezawa 齊藤 一男** 金子 博己**

Kazuo Saito Hiroki Kaneko

1.はじめに

本工事は,新潟市の仕上がり内径φ2600の雨水バイパ ス幹線のシールド工事であり,既設人孔へ斜め到達する 計画であった.当該位置の地盤は,新潟の崩壊性の高い 砂地盤であり,到達時に既設人孔内に出水すると,周辺 の地盤が崩壊するリスクが高かった.本稿は,この到達 時のリスク対策として,既設人孔内に構築する仮設受入 れ室の設計および計画について報告する.

2.工事概要

工 事 名:坂井輪排水区坂井輪雨水1号幹線下水道工事 発 注 者:新潟市

工事場所:新潟市西区坂井他地内

工  期:平成29年3月9日〜令和2年7月31日 工事内容:複合式シールド工法(外径φ3,080 mm)

  仕上がり内径φ2,600 mm,L=2,036 m 3.地質概要

シールド機到達深さの地盤は,図―1に示すように,均 等係数Uc=3と粒径の揃った砂地盤であり,到達時に出 水すると,地山が崩壊する可能性があった.

4.既設人孔へのシールド機到達時の課題

⑴ 崩壊性地盤での鏡切りによる到達

当初設計では,図―1に示すように既設人孔のFFU部 材部分を直接切削にて到達する計画であった.しかし,シ ールドトンネルと干渉する支障物が工事入手後に確認さ れ,縦断線形を変更し,到達深さが設計よりも765 mm 下方になったため,写真―1に示すように切削不可能な 鋼材部分へシールド機が到達することになった.そのた め,直接切削による到達が不可能となり,崩壊性地盤で 鏡切りによる到達になったことから,止水性確保が課題 であった.

⑵ 既設人孔への斜め到達

図―2に示すように既設人孔へ斜め到達であること,

資材投入孔が既設人孔のマンホールのφ900であること から,エントランスパッキンの設置が困難であり,この 点からも止水性確保が課題であった.

5.到達方法の検討

⑴ 止水性を確保した到達

シールド到達前に人孔内からシールド到達断面の SMW芯材を撤去することとなったため,止水性を確保 することが重要であった.到達方法の変更に伴い,当初 設計では薬液注入工法であった到達防護を図―2に示す ように高圧噴射撹拌工法(CJG)+薬液注入工法に設計変 更し,確実に止水ゾーンを形成することとした.また,人 孔内に仮設の受入れ室を構築し,受入れ室内を流動化処 理土で充填した中に,シールド機を到達することとした.

その後,シールド機よりシールド機外周に裏込め材を二 次注入することで止水性を確保することとした.

写真 ― 1 切削範囲の変更 図 ― 1 到達部地盤および到達高さ

**

土木設計部設計二課 関東土木(支)坂井(出)

原設計切削範囲

変更後切削範囲

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西松建設技報 VOL.44

2 既設人孔へのシールド斜め到達の計画および設計

⑵ 既設人孔内での施工

既設人孔内には,供用中のバイパス幹線があり,受入 れ室の上部には中床版,下部にはインバート,支保工を 設置する人孔側壁には,下流幹線φ4000の開口部がある.

そのため,受入れ室の鉛直鋼材は,図―2に示すように,

インバートコンクリートを一部撤去することで設置し,

支保工は,側壁開口部を避けるように配置する計画とし た.また,受入れ室を構築する鋼材は,既設人孔のマン ホール(φ900)から投入可能であるH鋼および鉄板で 計画した.人孔内での施工性を確認するため,図―3に 示すような3Dモデルを作成し,施工手順等を事前に確 認した.

⑶ 受入れ室の構造

受入れ室は,鉛直鋼材(H350)のフランジに厚さ9 mm の鉄板を溶接することで,前面と側面に止水壁を構築し,

その中を流動化処理土で埋戻した後に,上部より鉄板お よびH鋼で蓋をする構造である.鉄板の継ぎ目には,止 水性向上のためコーキングを施した.

受入れ室の既設人孔への固定は,人孔底版および側壁 にアンカー固定した鉄板に,鉛直鋼材および支保工を溶 接固定した.

設計荷重は,裏込め注入圧200 kN/m2とし,水圧より も大きな裏込め注入圧が作用しても耐えうる構造とした.

また,到達時期が台風時期であったことから,上部既設 管路より雨水が流入する可能性があった.そのため,支 保工の設計では,これまでの雨水の流量記録から算出し た流水圧を考慮した.

6.施工結果

到達時の施工状況を写真―2に示す.シールド機が所 定の位置に到達後,受入れ室の上面,前面,側面につけ たバルブより,シールド機周囲まで削孔し,湧水の有無 を確認した.湧水が有ったため,シールド機より二次注 入にて止水を行った.さらに,受入れ室撤去に合わせて 順次止水鉄板をシールド機鋼殻に溶接した.これらの止 水対策により,出水することなく無事到達工を完了した.

写真 ― 2 施工状況写真

支保工 シールド 受入れ室

到達位置

7.おわりに

複雑な到達工のため,事前に3Dモデルを用いて施工 方法を検証し,詳細な計画を行ったことで,崩壊性の高 い地盤において安全に施工することができた.本報告が 今後の類似施工の参考になれば幸いである.

図 ― 3 3D モデル

図 ― 2 地盤改良範囲および受入れ室概要図

中床版

中床版 受入れ室

人 孔 側 壁 人孔側壁

支保工 鉛

直 鋼 材

人孔 側壁 受入れ室

支保工

止 水 鉄 板

止水鉄板

鉛 直 鋼 材

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