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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

安静時における胸郭形状の特徴が胸郭可動性と呼吸機能に及ぼす影響

掲載雑誌名

理学療法科学 第33巻 第3号 2018年 掲載予定

専攻名 生理系生理学 (生体調節機能学分野) 氏名 平山哲郎

内容要旨 [目的]

適切な換気の維持には胸郭が適切に機能することが重要であるが, 肋 骨配列の悪化によって生じる胸郭形状の変化により低下しうる. 安静呼 気位の胸郭形状にみられる左右非対称性を理解することは, 各個人の状 態を適切に把握し, 効率的な呼吸運動を再建するために重要である. 本研 究では胸郭形状を3次元画像解析装置で測定し, 胸郭形状の左右非対称性 が胸郭可動性, 呼吸機能に与える影響について検討した.

[対象と方法]

対象は呼吸器疾患や脊柱疾患, 胸部疾患の既往がない健常成人男性 20 名とした. 年齢は 25.1±3.3 歳, 身長は 172.8±7.0cm, 体重は 65.9±

8.5kg であった. 本研究は文京学院大学大学院倫理委員会で承認され, 被

験者に対して研究の目的と内容を十分に説明し計測を行った. 深呼吸時 における胸郭形状, 胸郭可動性, 呼吸機能を計測した. 3 次元画像解析装 置 (QM-3000, Topcon Technohous社) を用いて上部および下部胸郭水平 断面図をそれぞれ作成した. 胸郭中心線より左右水平断面積を算出し, 安 静呼気位における断面積比を左右で比較検討した. また, 剣状突起レベル の胸郭周囲径を算出し, 胸郭拡張率を計算した. 呼吸機能検査には電子式 診断用スパイロメータ (AS-507, ミナト医科学社) を用いた. それぞれの 値は予測式を用いて対標準値を計算した. 統計学的解析は安静呼気位に おける上部および下部胸郭断面積比を左右で対応のあるt検定を用いてそ れぞれ比較した. 上部および下部胸郭断面積左右比 (右/左), 胸郭拡張率, 呼吸機能との関係には, それぞれ Pearson の積率相関係数を用い検討し た. 解析には統計ソフトウェア (SPSS18J, IBM 社) を使用し, それぞれ

危険率5%未満を有意とした.

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[結果]

安静呼気位における胸郭断面積比の左右比較では上部胸郭で左側が有 意に大きく (p<0.01), 下部胸郭では右側が有意に大きかった (p<0.01).

安静呼気位における上部胸郭断面積左右比が増大している例で胸郭拡張 率が増大する高い正の相関関係を示した. また, 下部胸郭断面積左右比が 増大している例で胸郭拡張率が減少する高い負の相関関係を示した. 胸 郭拡張率が増大している例で%VC, %FEV1.0, %IC, %ERV が増加する正 の相関関係を示した. 安静呼気位における上部胸郭断面積左右比が増大 している例で%VC, %FEV1.0, %IC が増加する正の相関関係を示した. ま た, 下部胸郭断面積左右比が増大している例では%VC, %FEV1.0, %ERV が減少する負の相関関係を示した.

[考察]

今回は3次元画像解析装置, 呼吸機能検査装置を用いて呼吸運動におけ る胸郭形状, 胸郭可動性, 呼吸機能の関係性を検討した. 安静呼気位にお ける胸郭形状の特徴として, 上部胸郭レベルで左側と比較し右側肋骨の 前方回旋位, 下部胸郭レベルで右側と比較し左側肋骨の前方回旋位を示 す特徴的な左右非対称性パターンが存在していることが示唆された. ま た, 胸郭可動性, 呼吸機能との関係において, 胸郭形状における左右非対 称性の程度は呼吸時の機能的な活動に影響を及ぼすことが考えられ, 胸 郭可動性や呼吸機能に反映したものと考える.

参照

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