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一時保護所職員の語りからみるキャリアに関する一考察 -2名の職員のライフストーリーをもとに- [ PDF

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Academic year: 2021

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1.論文の構成 序章 第1 節 今日の児童相談所 第2 節 一時保護所について 第3 節 一時保護所における課題 第1 章 本研究の目的と方法 第1 節 研究背景と本研究の目的 第2 節 先行研究の検討 第3 節 研究の方法と調査対象 第2 章 2 名の職員へのインタビューの結果 第1 節 A 氏のインタビュー結果 第2 節 B 氏のインタビュー結果 第3 章 2 名の職員のライフストーリー 第1 節 分析の手続き 第2 節 A 氏のライフストーリー 第3 節 B 氏のライフストーリー 第4 章 語りからみる一時保護所職員のキャリア 第1 節 一時保護所における子どもへの指導 第2 節 一時保護所における職員間の連携 第3 節 一時保護所における相談課との関係 終章 第1 節 総合考察 第2 節 今後の課題 2.論文の梗概 序章 今日、ニュース等で虐待という言葉をよく聞くように なったこともあり、児童相談所の存在が以前よりも認知 されるようになってきたのではないだろうか。児童相談 所とは、各都道府県や政令指定都市に設置されている行 政機関であり、児童虐待や非行等といった何かしらの問 題を抱えている子どもに対して、援助活動等を行ってい る。それらの一環として、児童相談所は問題を抱えた子 どもたちを一時保護する機能を有しており、そのための 施設が一時保護所である。一時保護所は、被虐待児、非 行児、発達障害児等、様々な問題を抱えた子どもを受け 入れ、そこから家庭へ返したり専門機関へつなげたりし ていくため、救急病棟に例えられる。そこは被虐待児に とってのシェルターとなり、また非行児にとっては反省、 立ち直りの場となり、またある子どもにとっては生活リ ズムの改善の場となる等、入所してくる子どもたちそれ ぞれにとって重要な役割を担っている場所である。 しかし安部(2007)は、一時保護所は①集団が安定し ない、②さまざまな子どもの混在、③安全保障と自由の 制限、④被害児童と加害児童の混在、⑤子どもが不安定、 という「構造的課題」を抱えていると指摘している。ま た、これらの課題の他にも,近年では一時保護所におけ る子どもの学習に関する問題も指摘されており、課題は 山積している。そしてこれらの課題に加え、児童福祉司 の多忙化によるケースワークの効率低下や、児童福祉施 設の満床化によって一時保護の長期化等も起きており、 これらの問題をさらに深刻なものにしている。 近年の相談件数の増加傾向を踏まえると、一時保護所 は今後もこうした課題と向き合い続けなければならない ことが予測される。そのため、一時保護所の職員には高 い専門性が求められるが、職員の不足により、多くの一 時保護所では非常勤職員や学生のアルバイトでなんとか 不足に対応しようとしている現実がある。そういった問 題意識より、本研究では、一時保護所の職員に焦点を当 てたい。 第 1 章 本研究の目的と方法 序章で述べたように、一時保護所では入所児童の混合 処遇や自由の制限といった構造的な課題がある上に、特 に人口の多い都会では一時保護期間の長期化傾向も見ら れる。そうしたことから、子どもたちは非常にストレス の溜まる生活を送っており、結果として子どもたちが不 安定になり、職員への反抗や子ども間でのトラブル等、 対応困難場面が生じている。 このように、一時保護所における職員の子どもへの関 わりは、困難な点が多いように思われるが、山屋(2009) の報告では、子どもたちが職員に大切にされていると感 じているという調査結果も報告されている。また大原・ 鈴木(2014)は、一時保護所職員の支援が、入所中の問 題行動の低下等の子どもの行動変化につながることを示 している。このように、一時保護所では課題が山積して

一時保護所職員の語りからみるキャリアに関する一考察

−2 名の職員のライフストーリーをもとに−

キーワード:児童相談所、一時保護所、職員、ライフストーリー、キャリア 所 属 教育システム専攻 氏 名 小林 竜幸

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いるものの、職員の関わりが子どもによい影響を与えて いることも実証されている。 そのような一時保護所職員に関しては、「被虐待児の特 性をよく理解し、行動観察が的確にできる客観性・科学 性と、一方、子どもへの愛着対象としての包容力のある 態度の双方を身につける」(津崎、2007)ことや、集団 になじめない子どもや幅広い年齢の子どもへの対応をし つつ、問題行動が起こらないように安定した雰囲気を維 持すること(鑑、2010)等、いくつかの文献にて、求め られる力量や質、専門性に関して提言がなされている。 しかしながら、これらは提言に終始しているものが多く、 実際の一時保護所職員たちがそれらの力量や質、専門性 をどの程度発揮できているのか、あるいは現時点では全 く実現できていないのか等、職員の実践における実態に ついてはよく分からない。 相談件数が増加傾向にあることを念頭に置くと、今後 一時保護所職員に求められる役割は多様化し、職員に求 められる資質・能力はますます高度なものになってくる ことが考えられるが、上述したような実態を把握できて いなければ、具体的な対策を講じることはできない。こ れらを踏まえると、一時保護所職員の日々の実践につい て、その実態を明らかにすることは急務の課題である。 そこで本研究では一時保護所職員のキャリアに着目し た。本稿では、厚生労働省職業開発局(2002)が「キャ リア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書の中で 記載している定義に則り、一時保護所職員におけるキャ リアを「日々の実践において経験したことないし、その 経験から何を獲得したのかという、実践の全容」とした。 以上を踏まえて、本研究では、一時保護所職員の語り をもとに、そのキャリアについて考察を行い、一時保護 所の職員が日々の実践の中で、どのような経験を積み重 ね、どのような成長をとげ、今の姿に至っているのか、 そのキャリアの特徴を明らかにすることを目的とする。 一時保護所に関する研究は、世間の児童虐待への関心 が高まり始めた近年になるまではあまり取り上げられて おらず、現状では研究が十分に行われているとは言えな い。そのような中職員に関する研究としては、全国の一 時保護所の児童指導員・保育士を対象に意識調査をした 高橋ら(2002)や、一時保護所における援助体制の実態 を明らかにするにあたり、全国の一時保護所を対象に職 員のストレス状況から勤務の現状を整理した村田(2010) の研究があるが、これらは調査をした時点に限定された 結果であり、実態の時間的な経過は排除されている。そ のため、どうしてそのような困難を感じたのか、そして それをどう乗り越えていったのかというような前後の文 脈が切り取られており、一時保護所職員のキャリアとし ての実態を捉えることはできない。また八巻・佐々(2010) は、保育士の役割について考察を行うにあたり、保護児 童に関する一事例を取り上げ、検討をしている。こうし た八巻らの報告では、事例を取り上げることで職員の子 どもとの関わりにおける一部始終を見ることができ、職 員の実践の一部を描写していると捉えられるが、その視 点は子どもへ置かれているため、一時保護所職員の経験 に関する描写はあまりされておらず、職員のキャリアに ついての検討をするには情報が不足している。 以上の先行研究に関する検討を踏まえ、本研究の目的 である職員のキャリアについて考察をしていくには、一 時保護所における職員の経験に関する豊かなデータが必 要であるという研究課題が導き出せた。こうした課題意 識から、本研究では研究方法としてライフストーリーを 採用する。ライフストーリーは、「個人のライフに焦点を あわせてその人自身の経験をもとにした語りから、自己 の生活世界そして社会や文化の諸相や変動を全体的に読 み解こうとする質的研究法の一つ」(桜井、2012、p.6) であり、本研究の課題である一時保護所職員のキャリア に関する豊かな語りを引き出すことができると考える。 本研究では、一時保護所での勤務経験がある児童相談 所職員として、F 県 X 児童相談所から、30 代男性児童福 祉司A 氏と、40 代女性保育士の B 氏を対象として選定 し、ライフストーリー・インタビューを実施した。イン タビューでは、初めにこれまでの職歴を述べてもらった 後、筆者からの「どのようにして、一時保護所で働くよ うになったのですか?」という質問をもとに、おおよそ 時系列に沿ってストーリーを展開させていった。展開に 関しては、語り手の語りを引き出すため、大変だったこ とや、印象に残っている子どもの話等、半構造的に質問

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を行った。インタビューは許可を得て録音し、その記録 をもとにトランスクリプトを作成した。 第 2 章 2 名の職員へのインタビューの結果 本章では、A 氏、B 氏のトランスクリプトを話題が変 わったと判断できる部分で区切り、複数の小ストーリー に分けて見出しを加えて発言番号とともにインタビュー の結果として表にまとめた。そして各小ストーリーにつ いての要約を記述したが、ここでは割愛する。 第 3 章 2 名の職員のライフストーリー 本章では、A 氏と B 氏のライフストーリーを読み解く 作業を試みた。まずトランスクリプトをもとにA 氏と B 氏の語りを職歴ごとに分類し、その時期ごとに分析を試 みた。A 氏と B 氏のライフストーリーを読み解くにあた っては、次の2 つの視点を枠組みとして設定した。 ①コア観念は、「ライフストーリー全体のタイトルと もなりうる、語り手を表す象徴的な表現である」(桜井、 2012、p.96)という見地に基づいており、インタビュー の中での語り手の印象的な言葉である。 ②語り手の評価は、桜井の「語り手の態度や感情が出 来事や自分の語りをどのように見ているのかを示すもの である」(p.87)という考えをもとにしており、語り手の 感情や態度を表す言葉である。 A 氏のライフストーリー A 氏は、2012 年 4 月より、Y 児童相談所の一時保護所 で3 年間勤務をした。A 氏は、難しい子が多く、集団が 負の連鎖で崩れている時期を思い出しながら、「一言でう と楽しかったけどまぁ、(・・・)大変な子大変な時期は あったな」と、A氏は一時保護所での勤務が大変だった と振り返った。A 氏は指導にのらず反抗してくる子ども に対して、ただ「指導に乗らせようと」するような関わ りをしたことで失敗をしたが、失敗の経験を経て、「個々 の能力に応じ」て指導の基準を線引きする関わり方を身 につけていった。A氏は、「やりたい放題の子」に関する 出来事が「嫌な思い出」として悪い意味で印象に残って いるが、「そういうのを経験した」ことで、チームとし ての職員の連携に気づくことができた。 一時保護所での経験においてA 氏は、「悪い記憶の方 が残りやすいんかねー?」と、全体的に大変だったこと に関する語りが多くなったが、A 氏は子どもとの関わり において、自分の話が子どもにきちんと伝わっているこ とや、入所から退所の期間、何度か入所をする中で感じ られる「子どもの成長」を嬉しかったこととして記憶し ている。 B 氏のライフストーリー B 氏は、2009 年 4 月より、Y 児童相談所一時保護所に 6 年間務めた。P 施設、AB 学園での勤務を通して、知的 障害児や非行児については関わった経験がある B 氏も、 そういった子どもたちとはまた異なるタイプの一時保護 所の子どもたちについては、関わりが難しいと感じてい た。また、一時保護所ではそれらの幅の広い子どもたち を集団に配慮しながら指導していかなくてはならず、「優 しいだけでもダメ。厳しいだけでもダメ。」と言うように、 B 氏は「どこに焦点を当て」ればよいのか分からず、戸 惑い、やりにくさを感じていたが、経験を重ねていくう ちに、「一人ひとりに焦点を当てんとしょうがない」とい う結論に達した。ただし集団生活においてある程度の規 律は必要なため、日課をこなすことのできない子どもた ちも日課をせざるを得ない時があり、そういった場面で の関わりにおける難しさはあった。ただB 氏は、子ども との関わりも濃く、手のかかる子ほどかわいいと感じて いることも語っている。 一時保護所の一番の役割は子どもの行動観察であるが、 一時保護期間が長期化してくると子どもも落ち着かなく なり、一時保護所の安心や安全を守ることができなくな る。それに加え、お節介焼きや面倒見たがり屋さんとい った保育士の性により、子どもの問題行動が起きた際に は指導までしてしまうB 氏に対し、一時保護所は子ども の「衣食住さえ満足させればいい」という考え方のケー スワーカーもいた。そしてそのような相談課と保護課間 でのずれを感じる中B 氏は、保護課側の事情がなかなか 伝わらず、被害妄想かもしれないが、上級職と中級職の 差から「馬鹿にされてるな」と感じることもあった。 またB 氏は Y 児童相談所で働いている間、子どもに精 神科の薬を大量服薬されるという経験をし、これを「今 までの人生の中で一番の失敗」として振り返っている。 その子どもが死んだら自身も「死のうと思った」という B 氏は、「自分自身で諌めないといけないと思うねどんな に経験を踏んでても」というように、この出来事が一つ の大切な教訓となった。 異動によりB 氏は、2015 年の 4 月からは X 児童相談 所の一時保護所で保育士として務めている。B 氏は、ま だ1 年目であるため、ガンガンいくという本性をある程 度隠しているが、ある子どもに「今優しいけどほんとは 先生怖かろー」と言われたことで、年齢によってにじみ 出てくるオーラみたいなものがあり、若い頃と比較して 自身が変容してきたのではと語っている。そうした中で、

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自身の役割について、後輩を育てていく等、年を重ねて いくことで求められている役割は変わってきていると感 じている。また、X 児童相談所の一時保護所では、男女 の生活が分けられていない。子ども同士が恋愛をしてし まうと、なぜ一時保護されているのかといった自身の問 題について、子どもたちが向き合わなくなってしまうた め、「非常にやりにくい」とB 氏は感じている。またこ のような混合処遇では、加害、被害で入所している子ど もが同じ空間で生活をする場面もあるため、B 氏は「も う無っっ茶苦っ茶、人権団体に訴えてやりたいよね」と 苦言を呈している。 またB 氏によると、現在職員の指導が一枚岩となって おらず、手のかかる子どもはいないが、一時保護所内は 「ひっちゃかめっちゃか」な状態でとても苦労している。 これを踏まえて、一時保護所に来る子どもは、どこから も受け入れられていないようなエリート中のエリート であると言うB 氏は、児童相談所は「そういう子でも受 けれます、見れます」というプライドが必要であると考 えており、正職員の役割として、腹をくくっておかなけ ればならないと語っている。 第 4 章 語りからみる一時保護所職員のキャリア 本章では、前章にて読み解いたA 氏と B 氏のライフス トーリーより、両者の共通事項として、子どもへの指導、 職員間の連携、相談課との関係、の3 点を視点として考 察を試みた結果、以下の特徴が明らかとなった。 第1 に、一時保護所職員はそれぞれの子どもの個性に 応じた指導を実践しながらも、一方で集団内の秩序の維 持を志向していることが明らかになった。この点につい ては、一時保護所内には様々な理由で入所している子ど もが混在しているため、それぞれの子どもに対する指導 の基準のバランスおよび適切性は、失敗等の経験を重ね ながら経験的に獲得されていることが語られた。 第2 に、一時保護所職員は職員間の連携の重要性を認 識していることが明らかになった。第1 の結果とも関わ るが、例えばそれぞれの子どもに対する指導の基準が職 員間で異なった場合、子どもがその点を指摘して集団内 の統率が取れなくなることがある。また、様々な問題を 抱えている子どもがいるため、職員によっても問題の特 性によって得手不得手が存在する。そうしたことを考慮 すると、職員全体が「一枚岩」になることが重要であり、 結果として多様な職員同士の関係が相互作用してそれぞ れの職員の成長に影響を及ぼしうることが確認された。 第3 に、一時保護所職員は担当部署間の関係性につい て課題意識を感じていることが明らかになった。この点 については、一時保護所の保護課では行動観察を行うこ とのみ求められており、子どもたちに対する指導につい ては本来の役割を越えている。しかしながら、保護課に 勤める職員の当事者感覚としては、日ごろから子どもた ちに関わっている保護課の職員が行う子どもへのケアも 重要な役割を担っているが、相談課のケースワーカーか らは、なかなかそのことを理解してもらえない。そうい った保護課と相談課の「風通しの悪さ」が課題であり、 異なる部署間の連携が求められているということがわか った。 終章 本研究では、A 氏と B 氏のライフストーリーを読み解 き、その結果をもとに一時保護所職員のキャリアに関し て考察を試みた。その結果、一時保護所職員のキャリア の特徴として、子どもへの指導、一時保護所職員間の連 携、相談課との関係性における課題の3 点が明らかとな った。しかし、同時に今後の課題として以下の点が挙げ られる。 第1 に、本研究では、A 氏と B 氏の 2 名にライフスト ーリー・インタビューを実施したが、どちらも1 回のイ ンタビューに留まっていることから、A 氏、B 氏それぞ れに対し、複数回のインタビューを重ねることで、より 多様な語りが展開されることが考えられ、2 名のライフ ストーリーもより厚みのあるものになると考えられる。 第2 に、本研究では、一時保護所職員のキャリアの特 徴を明らかにするにあたって、A 氏と B 氏の語りに見ら れる共通点をのみを明らかにするに留まった。しかしA 氏とB 氏は、児童指導員と保育士という職種の違いがあ るため、それぞれの一時保護所職員としての働き方には 差異があるのではないかと思われる。したがって今後は、 それぞれの職種による個々の具体的なキャリアを描き出 す必要があるのではないだろうか。 3.主要参考文献 ○ 安部計彦(2009)『一時保護所の子どもと支援』明 石書店 ○ 桜井厚(2012)『ライフストーリー論』弘文社 ○ 桜井厚・石川良子編(2015)『ライフストーリー研 究に何ができるか 対話的構築主義の批判的継承』新 曜社

参照

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