解 説
渋 谷 文 庫 に み るデ ィー ゼ ル 機 関 ね じ り振 動 ダ ンパ の
開 発 経 過*
福 留 理 夫** 1.ま え が き 渋 谷 文 庫 調 査 委 員 会 の 活 動 に基 づ く軸 系 関 係 の 調 査 結 果 につ いて の前 回 紹 介 の 内容 は1),目 録 に あ る文 献 の 中 か ら選 定 した 軸 系 技 術 に 関 す る主 要 文 献 の 内 容 紹 介 と解 説 そ して 考 察 を述 べ た もの で あ る. 対 象 の 主 要 文 献 の 構 成 は,旧 海 軍 作 成 の 技 術 資 料,旧 海 軍 以 外 の 作 成 に よ る技 術 資 料(国 内 外) に 分 け られ,前 者 に つ い て は,推 進 器 設 計,軸 系 ね じ り振 動 対 策 に重 点 を お き,後 者 に つ い て は, 第 二 次 大 戦 終 了後 か ら1960年 頃 まで に収 集 され た 国 内 外 文 献 で あ っ た. 今 回 の 発表 は,上 記 の 旧海 軍 資料 の 中 か ら,旧 海 軍 の デ ィー ゼル機 関ね じ り振 動 対 策,特 に,ダ ンパ (防 止 装 置)の 開 発 に 至 る経 過 に 注 目 し,広 式 防 止 装 置 に至 る各段 階 での 構 造 特徴 を国 内 外 の 関連 技 術 の動 向 と共 に調 査 し考 察 を加 えた もの で あ る. 2.防 止 装 置 に 至 る 開 発 経 過 旧 海 軍 の ね じ り振 動 に 対 す る本 格 的 な取 組 み は, 1925年(大 正14年)の 伊1潜 水 艦 軸 系 の性 能 試験 中 に発 生 した 事故 か ら始 まっ た と記 録 され て い る. 伊1潜 水艦 の主 機 は,ラ 式2号3000馬 力4サ イ ク ル 単 動10シ リ ン ダ390rpm2基2軸 で構 成 され,軸 系 に 推 進 用 電 動 機 な ど を 直 結 して い る た めII節5 次 の ね じ り振 動 が240∼320rpmの 間 に 存 在 した. 推 進 用 電 動機 を同 一 軸 に 配 置 す る他 の 潜 水 艦 軸 系 の 振 幅 曲 線 か ら想 定 して,ノ ー ドの 一 つ は,主 機 後 部 勢 車 付 近 に あ り,5次 の場 合 の 各 シ リ ンダの 起 振 ベ ク トル は ほ と ん ど相 殺 され る こ と無 く同 一 方 向 に加 算 され るの で,起 振 力 は 大 きい. ラ式3000馬 力 機 関 を搭 載 した潜 水 艦 は,伊1か ら始 ま り,伊2,3,61,4,62,64,5の 順 で,複 数 の 造 船 所 お よ び 工 厰 で8隻 が 竣 工 した.伊64は,1930年 (昭 和5年),伊5は1932年(昭 和7年)の 竣 工 と記 録 され て い る. 本 機 関 を 主機 とす る 軸 系 が,当 然,対 策 の 主 た る 対 象 と な り,そ の 後 他 の 機 種 用 も含 め て 次 の よ うに 開 発 が進 め られ た. (1)ザ 式 緩 和装 置 1928年(昭 和3年)に,MAN社 ザ ン ドナ ー 技 師 が川 崎 造 船 所 滞 在 中 に,伊4用 と して 計 画 し製 造 した もの が,旧 海 軍 か 最 初 に 採 用 した ダ ンパ/ザ 式I型 で あ り,緩 和 装 置 と称 した. 1932年(昭 和7年)に 同 艦 に装 備 され た が, 1934年(昭 和9年)に 後 述 の艦 本 式 回 避 装 置 III型 に換 装,そ して1940年(昭 和15年)に 広 式 防 止 装 置 に換 装 され た.構 造 複 雑 で 耐 久 力 に乏 し く性 能 は や や 良 い 程 度 と記 録 さ れ て い る.現 存 の 図 か ら判 断 す る と,ば ね が 存 在 し な い 粘 性 減 衰 の み の フ ー ドダ ンパ に 分 類 され る もの と思 わ れ る.(図1) 図1ザ 式1型 緩 和装 置 概 念 図 *原 稿 受 付 平 成12年9月20日 第64回 学術 講演 会(平 成12年5月16日) **正 会 員 株式 会 社 ア イ ・イ ー ・エ ム(江 東 区 豊 洲2-1-1)36 渋 谷 文庫 にみ るデ ィーゼ ル機 関 ね じ り振 動 ダンパ の 開 発経 過 そ の 後,ザ ン ドナ ー技 師 は,歯 車 型 ラジ ア ル 波 形 式/ザ 式II型 を 開 発 し,後 者 を1932 年(昭 和7年)伊3,5に 装 備 した. II型 は,外 輪 に 設 け た 内 歯 歯 車 の よ うな波 形 形 状 に よ り,半 径 方 向 に 放 射 状 に配 置 さ れ た ば ね 内 蔵 の コ マ付 減 衰 機 構 に 変 位 を 与 え る構 造 で あ り,1型 に比 べ て 構 造 の 複 雑 さは か な り改 善 され た. (2)旧 海 軍 回 避 装 置 ・防 止 装 置 旧 海 軍 自 身 が 最 初 に取 組 ん だ の は,主 機 軸 前 端 に 可 撓 駆 動 され る は ず み 車 を 装 備 し, この はず み 車 を 可撓 駆 動 す る か 軸 に 固 着 す るか に よ り軸 系 に2種 の振 動 系 を 与 え,使 用 回 転 速 度 に よ り,ど ち ら か を選 択 す る こ と に よ り大 きな 振 動 ピ ー ク を 回 避 す る構 想 に 基 づ い て 製 作 され た もの で あ り,回 避 装 置 と呼 ばれ た. 艦 本 式 回避 装 置I型 は,1929年(昭 和4年) に製 造,1930年(昭 和5年)伊64,61,62に 装 備 され た. 軸 とはず み 車 の相 対 角変 位 を 前後 方 向 に配 置 す るば ね を介 して 伝 え る もの で あ った.原 理 は違 う もの の ザ 式1型 の機 構 が応 用 され た. 構 造 上 の 欠 陥 が あ り各 部 が 焼 損 し実 用 不 能 と な り,II型 に換 装,そ して そ の 後III型 に 換 装 され た. II型 は1型 の 構 造 の 片 面 を省 略 した よ り簡 単 な構 造 と し た が,や は り基 本 的 に は 同 じ 欠 陥 を有 し実 用 化 は成 功 しな か っ た. III型 は,1932年(昭 和7年)伊66(主 機: ズ式3号3000馬 力2サ イ クル 単 動8シ リン ダ 300rpm2基2軸)用 と して 製 造,効 果 は不 良 図2艦 本 式III型回避 装置 概 念 図 で あ っ た が,1934年(昭 和9年)伊68(主 機:1号8型4500馬 力2サ イ クル 複 動8シ リン ダ350rpm2基2軸)に 装 備 した結 果,脱 状 態 で 良 く,嵌 脱 装 置 を除 去 して 防 止 装 置 と し て使 用 した. 後 述 す る 呉 式 と構 造 原 理 は 同 じ だ が,油 圧 筒 を 中心 板 に つ けた と こ ろが 違 う.「 ヴ ィ ッ ゴ ・カエ ル 」 式 の初 期 の 構 造 を真 似 た と 記 され て い る.(図2) 伊1,2は,1933年(昭 和8年)にIII型 が装 備 され,後 日緩 和 作 動 方式 に変 更 され た. IV型 は,1935年(昭 和10年)三 神 型 防 止 装 置 の 構 造 を取 入 れ て 改 造 し た も の で あ り, III型 に 比 べ て 構 造 が 複 雑 に な っ た が,ば ね を強 く した 結 果,脱 状 態 で の 振 動 緩 和 の 効 果 が 増 した.(図3) 呉 式 回避 装 置 は,1931年(昭 和6年)伊65 (主 機:ズ 式3号)に 装 備 し,性 能 耐 久 力 共 に優 れ て い る こ と が確 認 され た.原 理 構 造 と も海 軍 独 特 の 装 置 とな り,回 避 装 置 の 完 成 を見 た. 防 止装 置 と して の 機 能 に つ い て も,1933年 (昭和8年)呉 式 回避 装 置の 陸 上 試 験 の際 に実 験 し,そ の 原 理 が有効 で あ るこ とを確 認 した. 広 式 防 止 装 置 は,最 初 か ら ダ ン パ/防 止 装 置 と して 計 画 し 開 発 さ れ た も の で あ り, 1938年(昭 利13年)に 完 成 した.従 来 の 装 置 に 比 して 性 能 ・耐 久 力 が 向 上 した.構 造 簡 単 そ して 取 扱 が 容 易 と な り,容 積,重 量 が小 さ くな り製 造 費 が 軽 減 され た, 1941年(昭 和16年)時 点 で,ラ 式2号 を 主 図3艦 本 式IV型 組 立 図
渋 谷 文庫 にみ るデ ィー ゼル機 関ね じ り振 動 ダ ンパ の 開発 経 過 37 機 とす る伊4を 含 む 各種 艦 船213隻,427台 に装 備 され た. 1939年(昭 和14年)に は 香 取 式 防 止 装 置 が 練 習 巡洋 艦 香 取 用(主 機:22号10型1800馬 力4サ イ クル単 動10シ リン ダ500rpmフ ル カ ン接 手 を介 して 蒸 気 タ ー ビ ン と結 合 計 4000馬 力 ×2軸)と して製 造 され,香 取 その 他 に装 備 され た. デ ィーゼ ル 主 機 側 の 軸 系 は,ラ 式2号 と同 じ く4サ イ クル10シ リ ンダの た め,大 き な1節 5次 の ピー ク が460∼480rpmに 存 在 し,強 力 な対 策 を 必 要 とす る もの で あ っ た が,計 測 記 録 を見 る限 り,満 足 な性 能 が 得 られ て い た もの と思 われ る. そ の 他,水 上 機 母艦 千 代 田 の 補 機 用 と して, 振 子 式 防 止 装 置 が使 用 され た. (3)国 内 外 の 装 置 国 内 で は,1936年(昭 和11年)に,商 船 用 と して,三 菱 長 崎 造 船 所 で 板 ば ね を 使 用 し 表1「 高 崎」 軸 系 の ね じ り固 有 振 動 数 計 算値 注1:数 値 は 文 庫 資 料[15-066]に よ る. 2:[1]防 止 装 置 な し[2]防 止 装 置取 付 固 定 [3]装 置 ば ね 作 動 状 態 [4]装 置 ば ね作 動 状 態II節(主 系 は1節) 注1:記 号 、 単 位 、 数 値 は 文庫 資 料[15-066]に よ る。 2:Vは フル カ ン接 手 を 示す 。 3:等 価 長 さはGJ=1010kg-cm1と して の 換 算値 。 図4「 高崎 」 艦 内軸 系 の構 成 た ダ ンパ が 開 発 実 用 化 され て い る. 国 外 の 例 と して,ド イ ツ海 軍 が潜 水 艦 用 主 機 MAN社M9V40/46軸 系 に採 用 した 鞘 型 ば ね 式 の ダ ンパ が あ り,旧 海 軍 が,独 国技 術 導 入 報 告 書 と して,日 独 の 計 算 条 件 の対 比 と,潜 “841”実艦 に よ る計 測 結 果 をま とめて い る . 構 造 簡 単 で性 能 は 良 好 で あ り,性 能 の 点 に 於 い て 広 式 防 止 装 置 は 遜 色 が な い と評 価 し て い る. この構 造 は,そ の 後SEMTピ ール ス テ ィ ック PC型 機 関 に使 用 され,今 日に至 って い る. 3.広 式 振 動 防 止 装 置 の 開 発 1937年(昭 和12年)呉 厰 造 機 部長 か ら呉 式 防 止 装 置 を更 に改 善 し一 般 に採 用 す る こ との 提 案 が あ り,第5部 長 が 了 承,広 厰 で 製 造 中 の 剣 崎 の 主 機 に装 備 実 験 す る計 画 が立 て られ た.剣 崎 第7機 の 陸 上 試 験 結 果 が 良 く採 用 と決 定 し,続 い て 高 崎 第8 機 用 主機 械 を使 って,従 来 の 回 避 装 置 との 比 較 試 験 が行 わ れ,満 足 な 性 能 が確 認 され た. 一 高 崎 は 給 油 艦 と して 建 造 さ れ,軸 馬 力 合 計 56,000PS4基(11号10型 ×2,12型 ×2)268rpm 1軸 ×2で あ った が,1940年(昭 和15年)に,空 母 に改 造 され,主 機 械 は 蒸 気 ター ビ ンに 換 装 さ れ た.一 高 崎 の 主 機 の 内,試 験 に 使 わ れ た の は 複 動2サ イ クル12シ リ ン ダ356rpmの 方 で あ り,陸 上 試 験 10,000PS水 制 動 機 との 接 続 の 状 態 で行 われ た. 艦 内 軸 系 の 構 成 を 図4に,ね じ り固 有 振 動 数 計 算 結 果 を表1に,試 験 結 果 を図5に 示 す. 図5「 高 崎 」 陸上 試 験 結 果
38 渋 谷 文 庫 にみ るデ ィーゼル 機 関 ね じ り振 動 ダ ンパ の 開 発経 過 ね じ り振 動 特 性 と して は,使 用 域 中 に1節6次 (主 系)が 存 在 す る.位 相 線 図 と し て は, 1,6,2,4,3,5に対 して8,12,7,11,9,10が180° の逆 位 相 と な るが,ノ ー ド位 置 は 勢 車 付 近 に あ るの で,ベ ク トル の 相 殺 は少 な い. 防 止 装 置 ば ね 系 の 固 有 振 動 数ndと 防 止 装 置 な しの 固有 振 動 数(艦 内)n[1]の 比 は,0.6158と な っ て い る. 広 式 振 動 防 止 装 置 は 減 衰 機 構 を持 つ 動 吸 振 器 で あ る.(図6)軸 端 に十 字 形 の 腕 を有 す る中心 板(1) を 固 定 し,各 腕 の 外 端 か ら ピ ス トン(4)およ び ば ね を介 して はず み 車(2)に弾 性 的 に連 結 させ る.は ず み 車 の該 当部 に は油 圧 シ リ ン ダ が あ っ て前 述 の ピ ス トンお よび ば ね を収 納 して い る.連 結 部 に油 圧 を用 いて 油 圧 の抵 抗 と摩 擦 抵 抗 に よ り減 衰 させ る. ピス トン は ば ね 受 を兼 ね,ま た ば ね は ピス トン に 複 行 程 を与 え る役 目 を兼 ね る.ピ ス トンの 行 程 の 途 中 で ポ ー トを遮 断 し急 に油 圧 を 上 昇 させ て 上 述 の 作 用 を一 層 有 効 にす る. は ず み 車 油 圧 筒 に は 空 気 抜 兼 油 逃 出 弁 を 設 け, こ の 孔 は,ピ ス トン が 行 程 の 中央 に あ る時,半 閉 塞 とな る.逃 出 孔 の 外 部 に は,油 圧 調 整 弁(5)を設 け,油 は 主 軸 中 心 よ り はず み 車 内 部 に導 か れ 満 た す.は ず み 車 内 部 の 油 は,中 心 板 腕 の 先 端 よ り軸 中心 に向 っ て流 れ ク ラ ン ク室 に逃 出 す る. 4.ま と め 1.伊1号 潜 水 艦 軸 系 の 事 故 が発 生 した頃,LEWIS に よ る論 文2)がSNAMEで 発 表 され て い る. TORSIONAL VIBRATION IN THE DIESEL ENGINEの 標 題 で,ね じ り振 動 の 計 算 法 と実 例 が あ り,内 容 の 各 部 は,そ の 後 の 専 門書 に 引 用 され て い る当 時 の集 大 成 の よ う な 論文 で あ る. こ の 論 文 の 中 で,ね じ り振 動 を除 去 ま た は 小 さ くす る方 法 と して 挙 げ て い るの は, (1)ク リテ ィカル ス ピー ドを使 用 域 の 上 また は 下 に移 す. (2)減 衰 機 構 の設 置 また は 質 量 分 布 を変 える. (3)ハ ー モ ニ ックス を変 え る. と し,(2)と して は,ラ ン チ ェ ス タ ダ ン パ (Lanchester damper)が あ る が,小 出 力 用 で あ り,大 形 に は(1)が 安 全 と して い る.そ こで ダ ン パ の 参 考 文 献 と し て 挙 げ て い る の が, LGUMBEL1922の 論 文3)で あ る. この 論 文 に は,1質 量1ば ね の 主 振 動 系 に,減 衰 の あ る動 吸 振 器,減 衰 の な い 動 吸 振 器 お よ び 減 衰 機 構 と質 量 の 組 合 せ を副 振 動 系 とす る3 種 類 の 振 動 系 の 振 幅 計 算 比 較 に加 え て 力 と位 相 の 関 係 を示 して い る.そ して 当 時 特 許 に な っ て い る 各 種 ダ ンパ な どの 事 例 紹 介 を 含 む も の で あ っ た. 以 上 が ザ ン ドナ ー技 師 が 川 崎 造 船 所 で ザ式1 号 の 開 発 に 取 組 ん だ頃 の 状 況 を示 す 例 で あ る が,こ の 時 期 は,関 係 者 に は ダ ンパ の ア イ デ ア と有 効 性 の期 待 は あ っ た が,実 用 機 と して は ま だ未 熟 な段 階 に あっ た もの と思 わ れ る. 図6広 式 防止 装 置 組 立 図
渋 谷 文庫 にみ る デ ィーゼル機 関 ね じ り振 動 ダ ンパ の開 発 経 過 39 2.旧 海 軍 は まず 回 避 装 置 か ら手 掛 け て い る が, 呉 式 回 避 装 置 の段 階 か ら,ザ 式 構 造 の 模 倣 か ら脱 して コ イル ば ね を 円 周 方 向 に 配 置 す る構 造 に 変 更 し,そ の 後 の 安 定 技 術 の 元 とな っ た. 3.回 避 装 置 操 作/嵌 脱 の 内,脱 状 態 で ま た は 中 間 段 階 で,減 衰 効 果 が あ る こ とが わ か り,ダ ンパ/緩 和 装 置 ・防 止 装 置 へ と発 展 した様 子 が 関 連 図 中の 注 記 な ど か らも想 定 され る. 緩 和 装 置,防 止 装 置 の 使 い 分 け に つ い て の 定 義 は は っ き り しな い. 4.デ ィー ゼル 機 関 の 増 加 に伴 っ て,ね じ り振 動 の 共 振 の 問題 が 再 度 注 目 され,対 策 の 一 つ で あ る ダ ン パの 開 発 は,世 界 的 に も,国 内 に於 い て も,相 互 に 影 響 し な が ら同 時 進 行 の 形 で 進 み,動 吸 振 器 を 応 用 した ダ ンパ が 完 成 し今 日 に 至 っ て い る. 5.厳 しい ね じり振 動 特 性 を持 つ ラ式2号 の 対 応 に 最 初 に遭 遇 した 旧 海 軍 で は,そ の 後 増 加 して い っ た各 種 デ ィー ゼ ル 機 関 軸 系 の 対 策 も含 め て,複 数 の 工 厰 が 関 係 し,多 くの 技 術 者 が 設 計 ・製 造 に参 加 され た. 初 期 に は,振 動 振 幅 単0.8∼0.go程 度 で 良 し と して い た が,広 式 防 止 装 置 の 採 用 も あ って, 0.3∼0.5。 程 度 また は そ れ以 下 を実 現 で き るよ う に な っ た. さ らに,起 振 力 の 大 き い軸 系 の 対 策(特 に4サ イ クル10シ リン ダ5次)に つ い て,ね じ り振 動 の 禍 根 を立 つ 試 験 を 継 続 して 行 う必 要 が あ る と して,1942年(昭 和17年)構 造,性 能,信 頼 性 の さ らな る 向 上 を ね ら って,既 存 の 各 種 ダ ン パ の 比 較 試 験 が 行 わ れ た記 録 が あ る が, そ の 後 の経 過 は わ か らな い. こ れ らの技 術 は,第 二 次 大 戦 後,村 田 正 之 氏 は じ め 関 係 し た 多 くの 人 々 に よ っ て 内 燃 機 関 業 界 に 伝 承 され,そ の 後 の技 術 向 上 に 貢 献 し た. 文 中 の 主機 要 目は,文 献4)5)によ っ た. 今 回 の 調 査 に 対 す る,石 谷 元 委 員 長,西 川 委 員 長 を初 め 委 員 各 位 の 有 益 な ご 意 見 や ご指 導 に謝 意 を表 しま す. 参 考 文 献 (1) 福 留,舶 機 誌,34-1(平11-1),6
(2) F.M.LEWIS Transactions SNAME Vol.33,1925 (3) L.GUMBEL Z.d V.D.I.S.252 1922 (4) 藤 田 ほ か3名,舶 機 誌,32-1(平9-1),11 (5) 日 本 造 船 学 会,昭 和 造 船 史,付 録 艦 艇 要 目 表 原 書 房 メ ッ セ ー ジ