海洋構造物 の劣化 とその防除 に関す る研究 ( 第 3 報)
各種塗 料 によ る金属 材料 の腐 食 お よび生物付 着 の防除 につ いて
布施 五郎‑X・田中裕 美*・竹 内孝常※※( Ⅲ)
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緒 言 材料 は この特殊 な海洋 ,海水 とい う自然環 境 ,な ら 海洋 開発 が7
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海洋 開発 を推進 す るため に必要 な構 造物 ,機器材料 になっては じめて その最適 材料の開発 ,選択 が可能 の研究 も重要 な問題 で あ り,ことに海洋 ,海水 とい に在る. またこの場合,海洋 における構造材料 ,棉
う特殊 な自然環 境下 における材料の劣化 に関す る究 械材料 における材料の特性 と してはその機械 的強度, 明は必要欠 くことので きない課題で ある. これ らの 接合方法,腐 食 に対す る抵抗 などが問題 になるが,
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近 畿 大 学 農 学 部 紀 要 第9
号(1976)
現 在 な らび に今後 とも最 も大 きな問題 となるのは海中 とい う厳 しい腐 食環 境 における材料の腐 食で ある.
海水 とい う腐 食環 境 における材料 の腐 食 は海水 の 温度
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溶存 酸素豊,波浪, フジツボ,微生物 などの要因 と材料 の使用状況 によって支配 される1〜 3) a)手爺的要因の影IF
海水 中 における鋼 の腐 食状況 は夏 に最大で あ り, この季節 に孔食の発生 が著 しい. この季節的変化 は 海水 の温度 , フジツボ数,腐 食生成物 中の硫 化物 S
(%)の変化 と一致 し, また硫 酸塩還 元バ クテ リアは 春夏 に多 く, その生体作用 がこの鋼 の腐 食 に影響 を 与 える.
b)
海水汚染度の影響汚染海域 では
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鋼 で3 .
0mm/g程度の腐 食速度 で進 行 し,清浄海域 での最大1.0mm/gと比較 して腐 食 が著 しく進 んで い る.汚染海域で鋼 の腐 食 が著 し い原[削まp H
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で清浄 海域 のp H8. 0‑8. 5
と比較してやや酸性 で あること, な らびに溶存酸 素量 が清 浄海域 の
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に比較 して00 m .5 p p
と低 いために硫 酸塩達 元バ クテ リアが1 0 0 0
倍 も多 く繁殖 し, その生 体作用 が鋼 の腐 食 に大 きな影響 を与 えることは前記 と同様 で あ る. したがって清浄海域 と汚染海域 とで 腐 食生成物 も異 なる.C)
材料の使用状況の影響海水環 境で はその使用状況 によって腐 食作用 を異 にす る.鋼 の使用状況 は干満の影響下 にあって海水 飛沫常 ,干満帯 ,海中帯 にそれぞれ存 在す るもの, 常時一定海面上 に存 在す るもの,常時一定海面下 に 存 在す るもの.海底 に存 在す るもの などに分 けるこ とがで き, それぞれ腐 食状況 を異 に している.干満 の影響 の あるゾー ンにあっては海面上のスプラッシ ュのかかる部分で は海中部分 よ り腐 食速度 が著 しく 大 きい.反対 に平均満潮面 と平均干潮面の問の干満 帯 では腐 食 が著 しく小 さく, か
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塩 が 多 く析 出している.海中帯 で は一般 に腐 食 は顕著 で ことに干 満帯 直下の腐 食が比較的大 きく,海面付近 か ら海面 下1‑2mまではフジツボが多 く付着 している.常 時一定海面上 に存 在す る時 は常 にスプ ラッシュが飛 沫 して, スプラッシュの影響 が大 きい .しか し海面 の スプラッシュの かかる場所 は特定 の部分 に集中 し ているので,比較的小 範囲の部分 が著 しく腐 食す る.
す なわち海面付近 では腐 食速度 が小 さいが,海面 か ら若干敗 れたスプラッシュ影響部分 が腐 食速度大 と なる.常時一定海面下 の海中での鋼 の腐 食は比較的 少 な く,海 中生物 と くにフジツボ等 は海面下 1‑3 mで よ く繁殖 し, この範囲で は貝類 の影響 が大 きい.
海底 では光 や波の影響 は少 な く,泥砂 , プ ランク ト ン,微生物 などによる影響 を考慮 しか ナればならな
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つ ぎにこれ らの海水 における金属 材料の防食法 と して は,耐食金属 材料 の開発,金属 材料の表面処理, 電気防食,腐 食抑 制剤 による防食 などの方法 が考 え
られ る.耐食金属 材料 の開発 は勿論重要 な問題で 多 くの
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neselが市販 されている.例 えばフラte ンス潮流発電所での実施 テス トの結果で は ランナー 材料 として1 7 ‑4p H
鋼 がす ぐれていると指摘 されてい る4㌧と くに海 水中での点食抵抗 を増すためにCu
,Mo
などを添加 した1‑4 2. 7 ‑ 5 u C ‑15 .Mo
のよ う な鋼種 が適 材で あると している.海水淡水化装置 に はCu ・ Ni
合 金 がすで に広 く使用 されている. また発 電所 の復水器管用にCu
・Sn・Al合 金 が使 用 されるな ど種 々の耐食合金 が開発 されて いる. チ タン合金 は 耐海水性 が他 の金属 材料 に比べて抜群にす ぐれている がフジツボ など貝類 の付着 が大で,鉄 などの10‑100 倍 に達 し, かつ異 常 に成長す るといわれ る. しか しこれ らの問題 は金属 工学の分野で あ り,著者の専 門 外で あるので本研究 で は市販 の海水耐 食材料数種 に つ いて その耐 食性 の比較 に とどまり,防食法 に関 し ては表面処理即 ち塗料 による防食,防汚 につ いて究 明す ることと した. また海洋 開発用材料 と しての
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使用 に当 っての問題 点,貝類 などの生物付着 お よび生物劣化 につ いて も同時 に実験5 ・6 )
をすすめた.防食,防汚 を目的 とす る表面処理 には金属皮膜 , 無機非金属皮膜,有機物皮膜 ,拡散浸透屑 の形成 な ど考 えられ るがその中で有機物皮膜 は金属体 を有機 材料で被覆 し,材料 を防食保護 す る方法で あるが, 有機材料 と しては合成高分子材料 か ら成 り立つ塗料 や被覆材 が一般 に多 く用 い られ る. ことに塗料 はそ の施 工上最 も簡 易 な方法で あ り, しかも効果的 な処 理 で ある. また海水防食,防汚 に関 して船底塗料 と して長 い歴 史 と実律 があ り, これ らの点 を参考 に研 究 を進 め ることと した.
防食塗料 には金属 の腐 食の原因 となる水,酸 素の 透過 を妨 げ るビヒクルの機能 とこれ らの水,酸素 が 通過 した場 合 にはいわゆる防錆顔 料の機能 によって 金属 面 を化学的 に防錆 しよ うとす る 2つのね らいが ある. この 2つの 目的のために各種 の ビヒクル と各 種 の防錆顔 料の組合せ によって調製 され る. ビヒク ル と して用 い られ る有機樹脂 は一般 に常温乾燥型の ものでボイル油, アルキ ッ ド樹脂,塩化 ビニル樹脂, 塩化 ゴム,エポキ シ樹脂, ウレタン樹脂 などが使用
され,防錆顔 料 と して鉛系顔 料 や クロム酸塩系 の も
布施 ・田中 ・竹 内 :海洋構造物 の劣化 とその防除 に関 す る研究 (第 3報)
のが添加 され る.
9 5
物付着 および腐 食 との関係 を明 らかに し,効果的 な 塗装処理法 を究 明せん とす るもので ある. しか しこ 海洋構造物 の保護塗膜 として,とくに重要 な性 質は
耐水性 と防食性 にす ぐれていること,海中生物 の付着 の方法では塗料の経年変化や防汚薬剤 の流失 などに ない しその付着 による絹傷 を可能 な限 り減少 させ る よ り永久防食,防汚の効果 を期待す ることは困難 で, ことで ある.耐水性 と防食性 は塗料 ビヒクル,顔料 電気防食 を併用 した り,再塗装 した りなどによって を適 当 に組合せす ることによ りかな り改善 されるが, その対策 を考 えることも必要で ある.
海中生物 に対す る塗料の防除作用 が重要 な影響 を与
Ⅲ
実 験 方 法 える7.防除作用 には従来 よ り船底塗料 と してHgS。系 化 合 物 の入 った塗 料 を使用 8)して生物 の付着
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耐海水鋼 および塗料処理鋼 の腐 食試験 および有機
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を減少 させ る努 力がは らわれてお り, さらに新 しい スズ化合物 を中心 と した防汚塗料の防汚試験 は近畿 低 毒性 の防除薬剤 が合成 され,種 々の溶出能 をもっ 大学水産研究所浦神実験所の海域で行 なった. と く
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汚薬剤 ,種 々の溶出能 をもった有機樹脂 を用 いて生 設置 し,試験 を行 なった .
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究 によって得 られた基礎 資料 9)を基 に して新 しい防 テス トで あ り,つ ぎの三つの異 なった海洋環 境下 に
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環境 における腐 食特性 を考慮 し,i細 防汚薬剤 の研 る腐 食作用 および防食,防汚効果 を対象 とす る基礎
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に今回の試験 は海洋 における海水鋼 の使用状況 によ た ビヒクル●が開発 されて いる.本研究 は上記の海水
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近 畿 大 学 農 学 部 紀 要 第 9号 (1976)(1)常時海水 につ か る部 分 ヒ素化合物 1T‑67,銅 化合物 pCP鋼塩 , オ レイ
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〉干満帯 の部分 ン酸鋼 ,亜 ヒ酸鋼 ,亜 酸化 銅 を使 用 した.Table4は塗 (3)常時 海面上 にある部分 装 条件 を示 す もので供試板 の大 きさは10×20cmで あ (1x2)につ いては防汚塗料 を中心 に(3)につ いて は防 る.大気暴露試験 用 す なわ ち常時海 面上 の試験板 の 食塗料 を中心 に実施 した.基材鋼 と しては関西電 力 塗料 名,塗装仕様 ,塗装条件 はそれぞれTable5,6, 火 力発電所取水 口 に用 い られ る耐 海水鋼 を用 い,塗 7に示 され る.料製造,塗装技術 につ いては東亜 ペ イ ン ト株式会社 試験 開始 は昭和46年10月5日で,以下写 真 によっ 研究部 の指導 をいただ き,一部 製 品の捷 供 をいただ て実験場 所 ,試験棟 設置 方法 を示 す.す なわ ち試験 いて調製 ,塗装 を行 なった.Tablelは海 中および干満 棟 は異 なった海洋環 境 下の三つ の ゾー ンに設置 され 帯試験用の塗料名と記号 を示 し,Table2は その塗装仕 たので あるが,海中浸凍試験 は海 中 に常時 全面浸沸 樵 ,Table3は防汚
塗
料の防汚剤の成分 表 を示すもので, され るよ う,海面下1.5mに浸 漬 した(Photos.1,2).防汚薬剤 と して有機 スズ化合物 ,TBT‑F,有機 干 満帯浸凍試験 は干 満現象 に伴 って 1日 4回海面 が
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づ いて表示 した. また1ケ月 と2ケ月では付着物 電 丑 と腐 食面税 による腐 食度 も測定 した.4 2
常 時 ).
4 , 3
上に置かれる干満帯に設置 した(Ph toos.布施 ・田中 ・竹 内 :海洋構造物 の劣化 とその防除 に関す る研究 (第3報)
上下 することによ り,満潮時 に海中,干潮時 に海面
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㊧△飛沫 している場所 に,南向 き
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度 の傾斜 で設置 した Ph ・5).観察 は2
ケ月ごとに肉眼的 に行 か 、5 3 -
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海面上 にある大気暴露試験 は海岸 のスプ ラッシュが ほ とんど付 いてい ない わず かに付 いてい る かな り付 いてい る ,
塗膜 劣化 に関 しては 日本塗料検査協会の 「塗膜 の評 密 に付 いている
価基準」 に準 じて評価 し,付着物 は下記の基準 に基 かな り生長 した ものが密 に付 いている
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66 近 畿 大 学 農 学 部 紀 要 第9号 (19 76)
Ⅲ
実験結果 と考察 す る立体的 な構 造,つ ま り被覆現象 がみ られた.‑ 1‑
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T 4は3 6 1, ,2 2,4ケ月後 における海 干満帯 の付着生物相の変遷 もまた海中帯 と同様 な 中浸漬試験 の結果で あ り,塗膜 の劣化状況,付着生 傾 向 を示 したが,Fi 4,g. Phoot.7に示 したように, 海 中浸溝試験 棟 に比べて付着生物相 の種類 および量 物状 況を示すものである.T bal9e‑1‑4は干満帯浸
漬試験の結果 を ‑1 は大気暴露試験 の結
果 を示 す. また海中浸湊 と干満帯浸溝 につ いては劣 試験板の表裏 を比較 した場 合,付着生物 は裏面 に多 2
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, は少 な く,付着生物 のほ とん どがフジツボで あった.
化 の変遷状況 をPh
漬試験板 の表面 とは海 に向 かった面 を さし,裏面は 岸 に近 い面 をさしている.
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oos.6,7で示 した,なお干満帯浸 少多 くみ られた. また防汚剤 の試験 区では このゾー ンの試験棟 は端 か ら付着 が始 まり,海中帯 で は全面 的 に付着 が進行 し, その付着状態 を異 に した.
浸溝試験 は観察時 に付着物 を取 り除 くことな く浸 試験 に供 した防汚薬剤 は優 秀 をものはその効果 を 溝 を続 けたが,付着生物 の著 しく多い試験板 lポ洞査 2年間持続 す ることがで きた. また海洋環 境 におい
が困難で あった. このため.海中浸漬試験 において ては防絹 塗料のみで は腐 食 を防 ぐことが困難で あ り.
2
1ケ月経過 した試験棟 の一部 を取 りはず し,試験板
の防汚効果 を調べ る目的で,付着 フ ジツボ数 と直径 まない塗膜 は海洋汚損生物 によ り劣化 され,防錆塗 および植物 の付着割合 を詳 しく調べ, さらにすべて 料の効果 は著 しく低下 され る.一般 に高 い防汚損性 の塗膜 を除 き,塗膜 の劣化 と防錆 塗料の効果 によっ をもつ試験板 は初期 に付着 す るヌタが少 ないか, ま て左右 され ると思 われ る試験板 の腐 食度 (錆 面積) たは非常 に薄 い層 を作 るのみで あった. この ことは 防汚薬剤 の必要性 を示唆 した.つ ま り防汚薬剤 を含
について調べた.結果 はFigs.1‑3に示 される.また 汚損 の園子 と しての ヌ タの影響 を示唆 している. こ 4
2
( の ヌ タが有毒物 質 を含 む塗料の上 に形成 された場 合, 浸漬試験 を終 了 ケ月) した海中帯 および干満帯
のすべての試験板 につ いて も同様 に付着物重量 と腐 この厚 さが適 当に薄 い場合 には毒物 の貯蔵層 と して
ける防汚剤 を含 まない試験 区で明 らかなよ うに,最
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浸漬試験 における付着生物相 は経時 的 に変化す る
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が, その変遷 を概略 的 にみ ると,海中浸漬試験 にお
初 の付着物 は有機,無機 の懸濁物質 を主体 と したヌ タで あった. その後,種 々付着生物 の幼生,藻頬 な どの微細 引 寸着物 が密生 し, さらに時 間の経過 に伴 い.コケムシ頬B as ,ホヤ類As
フジツボ頬B asppなどがみ られた. こ 6で示 され る.
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役立つ ため に防汚効果の増大 に功 があ り,反対 に厚 い場 合 には毒物 の溶出 を抑制 し, その効果 をそこな い, しかも幼生 の付着 の要因 となるとも考 えられ る.
干満帯 の場 合, ヌ タの形成 はほ とん どみ られな く, 汚損生物 の付着 は遅 れ,防汚薬剤 の効 力は長期間持 続 したが,海水, スプ ラッシュ.波浪,光,酸素 な どの作用 によ り塗膜 が劣化 され, その効 力は塗膜 と しての性質,つ まり耐候性 に影響 されることが大で あった. また干満帯 におけるフジツボは径 が小 さい が,年間 を通 じて生息 して いるの に対 し.海中帯 の hoo.t 6
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れらの汚損動植物は季節的な消長 を示 し で
み られ るよ うに,春季 には藻類 が大部分 を占め、春 場 合 は付着後死骸 となっ た もの が多 くみ られ, 2年 季 か ら夏季 にはフジツボ, コケム シ,セルプラ 目からの付着 は被覆現象 による例 が多 く観察 された.
この よ うに千滴帯 と海中帯 はフ ジツボの付着状態 も .
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重要で あるが,干満帯 では さらに塗膜 の安定性 が重 i Lcuosusなど付着生
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物 の種類 および付着宜 が多 くみ られた.夏 季 か ら秋 要 な因子 となって くる.
季 には これ らの 多 くは離脱 し,秋季 の後半 には再 び 防汚薬剤 の効果は付着状況 のみ な らず フ ジツボ頬, フジツボ.セルプラ. イガイ類 などが付着 のほ とん 植 物 性 付 着 物 お よび全付 着 物 を数量的 に図示 して
Fi .,4).これより判定 した.防汚効果の大なる どを占めた. この ことは 2年間 を通 じて観察 され,
汚損生物相 および付着期 は毎年はば一定 し,年周期 薬剤 はフジツボ に対 しては亜酸化銅5%配合の 0 AF で変化 したが,丈夫 な殻 をもつ フジツボなどは秋季 10, AF9も効果 があったが. この ものは植物性付 に水温 が低下 し始 めて も群塊 をつ くって生存 した. 着物 に対 しては効 果 は少 な く,両者 に効果的薬剤 は
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AF に,一部 は塗膜 内 に侵 入 して付着 す るため,著 しい 5)で あ り,つ いで鋼化合物 と してオ レイ ン酸鋼 を 塗膜 劣化 を起 こ した. また1年間以上浸漬 した場 合 配合 した薬剤 (AF 4)で あった.全付着物 の乾燥 重量 はその主体 がフジツボ量であるのでFi よりみ
有機 スズ,有機 ヒ素 および PCP鋼塩 の配合 とくにフ ジツボは年間 を通 じて多数付着 す ると同時
は石灰 質の殻 をもつ個 体 または群 体の死骸 を支柱 と
布施 ・田中 ・竹 内 :海洋構造物 の劣化 とその防除 に関す る研究 (第3報) 67
た効果的薬剤 は AF5,AF4および AFIO,AF 9で ある. しかも海中浸汝で は有機 スズ配合型 よ り 亜酸化銅配合型 が 24ケ月後では効果的 な結果 を示 し た.一般 に防汚塗料 に要求 され る条件 は,( 1)対象生 物 に最 も有効 な毒物 を使用 す ること
,( 2)
塗膜 の中 に 毒物 を保持 し必要量 だ け海水中 に放 出 さす ことによ り,で きるだ け有効期 間 を長 くさせ ること ,(3)海水 か ら被塗装物 を保護 す る性能 (塗膜 の性能) をもつ ことをどで ある 10‑1カが,流失 の多い海中浸演で 24 ケ月後 に有機 スズ型 が 50%配合 の亜 酸化銅型 よ り劣 ったのは (2)の条件 にやや欠 けた もの と考 える.有機 スズ化合物 (トリプチルチ ンフマ レー ト) は単独使 用で も防汚効 果 を示 す が, オ レイ ン酸鋼 ,PCP鋼 塩 などの鋼化合物 との併用 によ り効 力は増大す る.トリフ ●テルスズ化合物 の防藻効果 は比 較的少 か ゝが, 有機銅化合物 .有機 ヒ素化合物 によって この点の改 良 が可能で あ り, と くに有機 ヒ素化合物 は効果的で あった. この化合物 は比較的魚 毒性 の小 さな化合物 で あるが, しか し塗装 をどの さいの人間 に対す る安 全性 に問題 がある. また トリブチ ルスズ化合物 の毒 性 にも問題 が残 されているが.比 較的低 毒性 の トリ フェニルスズ化合物 を使用 す ることによ り解決で き ると考 える. しかも トリフェニル系 は殺菌 力は トリ ブチル系 よ り劣 るが,比較的防藻効果 もあ り,有機 鋼化合物 との併 用 によって高 い防汚効果 が望 め るも の と考 える.
つ ぎに防食効果 につ いて検討 す ると ,12ケ月間海 中浸淡後 における試験板の腐食度は Fig.3に示 される よ うに効果的塗料 はD3,D6,D7,D8,DIO, E3,E4,E9で あ り ,24ケ月浸潰後 で は Fig.5の よ うに D3,D6,D7,D8,E4で ある. また 24ケ月後の干満帯浸漬試験 の試験棟 の腐 食度 は E4,
E7,E8,E9が小 さな値 を示 し,効 果的で あっ た.一般 的 に海中浸溝 ではやや D塗料 が効果 が大 き いの に対 し,干満帯 では
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塗料 が明 らかに防錆効 果 が大で違 った結果 を示 した. これ らの結果は先 に述 べ た防汚蛸効果 と一致 せず相関性 を示 さなかった.ただ し E4塗料のみ海中浸溝 において も干満帯浸溝 において も, また防汚効果,防食効果の いず れにも 俸 秀 な結果 を示 した.防食効 果は塗膜 の劣化状態 と 密接 な関係 にあ り,防汚効果 が大 きくて も塗膜 の変 化 (膨 れ,剥 れ, その他 の変化) が進 んで い る塗料 は腐 食度 が大 きく示 されている.防汚薬剤 の混入の ため塗膜 の状態 が悪 くな り,劣化 が進 み錦 面棟 が多 くなることがあ り,反対 にフジツボ頬 や藻類 の被覆 現象 が腐 食 を保護 す ることもあ り,上記の結果 が示
されたもの と思 われ,塗料 の調製 にはこの点の考慮 が必要で ある.今回の実験 では防食効果 を錆 面積 の みで判定 したが, その腐 食の深 さや,腐 食 による重 量減少率 なども加 えて判 定す る必要 がある.
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冗, は防汚 塗料 を塗装せず,防錆塗料 のみの試験棟 で各種防錆 塗料の防食効果 が示 され る. これ らの試験板 は防汚 剤 が含 まれないため 3ケ月後 には既 に付着生物 が全 面 に被穣 していた. そのため防食性 も防汚剤 混入塗 料 よ り劣 るが,被覆現象 が腐 食 を保護 す ることもあ り想像 していたよ りその差 が小 さく, かな りの防食 効果 を示 す もの があった.防食効果の大 きな防錆塗 料ば E ‑ 0と K2で あ り,前者 はエポキ シ樹脂防錆塗 料で.後者 はエポキ シ樹脂防錆塗料 にさらにタール エポキ シ樹脂防錆 塗料 を塗装 した もので ある.結果 には示 さなかったが,耐海水鋼 の海中浸湊 に よる腐 食 につ いて も試験 した. その結果,供試耐海 水鋼 のマ リナ ‑KN,マ リン G, CR‑ 4いずれ も 12ケ月浸演で は腐 食は全 くみ られ なかった. とくに 後の二者は表面上の わず かな変化 もな く効果的で あ った. したがって耐海水鋼 と塗料 との併 用 によって 腐 食の問題 は解決で きるもの と考 えられ る.
大気暴露試廉 で は,供試板 が海岸 よ り数 mLか離 れていない位置 にセ ッ トされ,荒天時 には海水の飛 沫 がかかる悪条件 に さらされたにもかかわ らず.
2
年の暴露期 間 を経過 して もほ とん どの ものは異状 を きた さず.耐候性 ,防食性 がす ぐれ,実用性 がある とみ られ る.
防食性 に関す る結果 は
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にみ られ るよ うに,供試板 のすべて に発錦 は認 め られない.塗膜 の膨 れや剥 れの点で若干異 常 を きた した ものが 2‑3片 あるのみで,大部分 はす ぐれた防食性 を示 している.本試験 のため に選択 した各塗料 ない し, 塗装仕様 によって海上構 造物 の防食 は十分達成で き るで あろ う. ただ一部 にパ ネル固定用の ネジ穴 か ら の錆 の流 れが認 め られたが, それはアルキ ッ ド系錆 止塗料 とアルキ ッ ド系上塗塗料 を組合せた場合 に限 られている. この系 は一般陸上部では好成横 を納 め 多用 されてい るが.海岸域 で はやは り他 の いわゆる 重防食 を主眼 と した仕様 の方 が好適 といえよ う .
耐候性 は上 塗塗料 と塗装系 と しての各塗料の組合 せの適否 によ り左右 され るが, ここで は塗膜 の光沢 の変化 ない しチ ョーキ ングと膨 れ,剥 れ, クラック などの異 常の発生の面 か らチ ェ ック した.本試験 に 用 いた塗装系 においては 2, 3を除 きほぼ満足 すべ き結果 が得 られた.す なわ ち,光沢 やチ ョーキ ング
近 畿 大 学 農 学 部 紀 要 第 9号 (1976) 8
6
ることを利用 して
につ いては上塗塗料 の性質 がその まま反映 され,最 lfc 塗料 として タンク外 良 は塩 化 ゴム系,塩化 ビニル系 で,光 沢はほ とん ど 面の塗装 に用 いるなどの使 い方 が行 なわれている.
低 下 していない.つ いでMIO,中油型 フ タル酸樹脂 他方組合せ と しての塗装系 の面で は塩 化 ゴム系,
樹脂塗料 は暴露 6ケ月頃 よ り光沢低下 が始 まってい が,上塗塗 装 を施 さない系 の耐候性 が劣 る以外,他 l i
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塩 化 ビニル系同志の組合せ に不適 当 なものがあった 塗料 が良 いが,長 油型 フタル敢樹脂塗料 とエ ポキシ
る. の系 はすべて好成練 で あった.塩 化 ゴム,塩化 ビニ
エポキ シ樹脂塗料 は さらにチ ョーキ ングを起 こす ル樹脂 は耐候性 ,耐食性 がす ぐれているため,上塗 塗料のほか防錆塗料 ビヒクル と して も利用 され, 多 が, この塗料 は他 の点です ぐれた性質 を発拝 してい
くの実練 をもってい る. ここで は錦止塗料 として, る.つ まり, このチ ョーキ ング性 によ り塗膜 表面 が
少 しずつ消耗 し,常 に新 しい塗膜 が表 に出 ること, 両者 とも 2種類,上塗塗料 と して,塩 化 ゴム糸 3種 , 2
チ ョーキ ングによ り塗膜 に付着 した汚染物 が流 され 塩 化 ビニル系 種 を侠試 したが, それぞれ,配合面
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布施 ・田中 ・竹 内 :海洋構造物 の劣化 とその防除 に関 す る研究 (第3報 ) 73
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74 近 畿 大 学 農 学 部 紀 要 第 9号 ( 1976)
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布施 ・田中 ・竹内 :海洋構造物の劣化 とその防除 に関す る研究 (第 a報) 75
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76 近 畿 大 学 農 学 部 紀 要 第 9号 (1976) T8l 0 o血geuto pnlyw ahrn etb●1・F u rsls f aeb etei gts
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