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NF κB阻害剤DHMEQはHMGB1を抑制することによりマウス膵島移植後早期グラフト傷害を抑制する

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Academic year: 2018

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学 位 論 文 審 査 の 概 要

博士の専攻分野の名称 博士(医 学) 氏 名 藏谷 大輔

主査 教 授 坂本 直哉

審査担当者 副査 教 授 清野 研一郎

副査 准教授 北村 秀光 副査 准教授 森松 組子

学 位 論 文 題 名

NF-κB阻害剤DHMEQはHMGB1を抑制することによりマウス膵島移植後

早期グラフト傷害を抑制する

(DHMEQ, a NF-κB inhibitor, prevents early islet graft damage by suppressing HMGB1 in murine pancreatic islet transplantation)

マウスの同種同系門脈内膵島移植モデルにおいて、レシピエントに175個の膵島を移植 した後、NF-κB阻害剤DHMEQを投与した群では、対照群と比較して有意に血糖正常化 率が改善した。移植 12 時間後の肝内の炎症性サイトカイン mRNA 発現量および血清

HMGB1濃度の上昇は治療群で有意に抑制された。膵島とマクロファージの共培養モデル

において、DHMEQがHMGB1によって刺激されたマクロファージによる膵島の傷害と、 培養上清中のHMGB1 濃度上昇を抑制することを示した。これらの結果は、NF-κB阻害 剤DHMEQ が、HMGB1 によって引き起こされるマクロファージの活性化を制御するこ とにより、膵島グラフトを保護することで、血糖正常化率を改善することを示唆している。

審査にあたり、副査の清野教授から、他の NF-κB 阻害薬との違いなどついて質問があ り、申請者は、生体に投与可能な点と回答した。副査の森松准教授から、膵島移植の生着

率などについて質問があり、現在は5年生着率50%程度と回答した。副査の北村准教授か ら、①同種同系を選択した理由、②本剤のeffectorなどについて質問され、申請者は、① 拒絶反応の影響を排除するため、②主に Kupffer 細胞と回答した。主査の坂本教授から、 ①炎症反応の原因は何か、②Kupffer が活性化する理由などについて質問があり、①傷害 された膵島からのHMGB1放出が発端、②acinar細胞の影響と回答した。

この論文は、DHMEQによるNF-κB阻害という治療戦略が、膵島移植の治療成績向上 のために重要であることを明らかにしたという点において高く評価され、今後の臨床応用 に向けてのさらなる研究が期待される。

審査員一同は、これらの成果を高く評価し、大学院課程における研鑽や取得単位なども

参照

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