骨髄体外 組 織培 養法 に よ る再生 不良性 貧血 に関す る研 究
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(2) 1410. 宇. り得 られ た 骨 髄 穿 刺 液0.5ccを, 液 を 入 れ た ス ピ ツGlasに 遠 心 沈 澱 器 に か け,遠. 治. 也. 10ccのGey氏. 投 入 し て 低 速 に て5分. 沈 後,上. 鉄. 清 を 捨 て て,小. 間 ピペ. ッ トに て 沈 澱 物 を 吸 取 り葡 萄 糖 を 含 ま ぬ タ イ ロ ー ド 氏I,Ⅱ. 液 各3ccを. 分 注 した小 試 験 管 の液 中 に充 分. 混 和 し た 後 側 室 の 無 いWarburgのBottleに2cc 宛 を 分 注 す る.こ 38℃. のBotheをWarburgの. 恒温槽. 中 で 振 盪 培 養 を 行 つ た.. 2). 赤 血 球 数 と血色 素量 に 就 い て培 養 直 前及 び培. 養 後3, 6, 9時 間 目 に 観 察 を 行 つ た. イ). 赤 血 球 数:. Warburg恒. 温槽 で振 盪 中 の細. 胞 浮 游 液 を滅 菌 した赤 血 球 数 測 定 用 メ ランヂ ュー ル に 吸 い ハ イ エ ム 氏 液 に 混 じて ビ ユ ル カ ー 計 算 盤 で 型. 短 時 間 とな る様 に努 力 した が約10分 を 要 した.. 通 り計 算 し た. ロ). 骨 髄 血 色 素 量:. 液22.0ccと. 蒸 溜 水3ccを. を4倍. 本 に 分 注 す る.次. 混 和 した 燐 酸. 加 え 計4ccと. に 稀 釈 し た も の4ccを. す る.. 小 試 験 管2. にWarburgのBottleか. らピペ. ッ トで 時 計 皿 に 血 球 浮 游 液 を 約1.5cc宛. 採 取 し血. 健 康人 骨 髄 組 織液 体 培 養. 健 康人 壮 年 男 子8名,女. 子2名 に就 いて夫 々胸骨. 穿 刺 を行 い,其 の穿 刺 につ い て上 述 の 如 く液体培養 を行 い培 養 後経 過 を追 つ て 赤 血球 数 及 び血 色素量を 測定 し,夫 々の増 加率 を求 め た. 赤 血 球数:. で メ ラン ヂ. ェ ロ チ ァ ン カ リ液. が 培 養直 前 の 赤 血 球 数 は勿 論 各例 不同 の ため各 々の. 5分 間 遠 沈 を 行. 増 減 百 分 率 を求 めて 第2表 に示 し,夫 々の平均増減. に フ ェ ロ チ ァ ン カ リを 加 え た 時 間 か ら10分 後. 率 を第1図 に示 した.培 養3時 間 に於 いて は赤血球は. 1滴 宛 を 加 え2000〜3000回,回 い,之. 実 験 成 績. 全例 の赤 血 球 数 の推 移 は第2表 に示 す通 りである. 採 取 し, A液 内 に 吹 き 込 み2〜3回A液 に20%フ. 第1節. 第1項. 色 素 量 測 定 用 メ ラ ン ヂ ュ ー ル で 規 定 目 盛0.2cc迄. ュ ー ル 内 を 洗 滌 す る.之. 第3章. ル 第 一 燐 酸 カ リ溶. 第 二 燐 酸 ソー ダ3ccを. 緩 衡 液1ccに (A液)之. 1/15モ. に5%チ. ァ ン カ カ リ,. 転,. 1滴 宛 を 加 え,更. に2分. 後に. 培 養 前 の値 よ り増 加 し最 高21%,よ. り最低1%,平. 強 ア ン モ ニ ァ 液, 1滴 を 加 え て10分 以 内 にBeckman. 均10.3%の. 増 加 を示 した.次 いで 培養6時 間値では. 分 光 光 度 計 に か け てA液. 最 高23%よ. り最 低0%,平. の み 含 む 試験 管 内 容 を対 照. 均13.1%の 増 加 を示 し又,. と し て 各3, 6, 9時 間 目 の 血 色 素 量 の 増 加 率 を 検 討 し. 9時 間 値 に於 い て は最 高23%よ. た.分. %の 増 加 を 認 め た.以 上 要 す るに赤 血球 数 は培養前. 光 光 度 計 は 波 長540mμ. に は 第1表. を 用 い た.亦,培. 第1表. を 用い血 色素 量換 算 養 開 始 迄 は 出来 る限 り. り最 低3%,平. 均11. に 比 し3, 6, 9時 間 と僅 か な が ら増 加 の傾 向 を認めた. 第2項. 血 色 素 量:. 全 例 の 血 色 素 量 の推 移 は第3表 に示 す通 りである が,培 養 直 前 の 血 色 素 量 は各例 不同 で あ る事 は赤血 第1図. 健 康 人 赤血 球 数 増 加率(平 均).
(3) 骨髄 体外組織培養法 による再生 不良性貧血に関す る研究 第2表. 健 康 人赤 血 球 数推 移 及 び 増 加 率(%). 第3表. 健 康 人 血色 素 量 推 移 及 び増 加 率(%). 球 と同 一 で あ り,同 様 に百 分率 を以 つ て 培養 後 の推 移 を 窺つ た.即 ち各 々の 百 分 率 は第3表. に示 す如 く. で,培 養3時 間 に於 い て は血 色 素量 は最 高9%,最 低0%,平. 均3%の. は最 高9%,最. 増 加 を 示 し,又6時. 低0.8%,平. 均3.6%の. 次 いで9時 間 に於 いて は最 高9%,最. 第1項. 1411. 赤血 球数(第4表). I型:(主. と して 骨髄 内血 球 抑 留 型). 本 型 に属 す る4例 に就 いて 時 間 を追 つ て観 察 す る. 間 に 於 いて. に,第4表(A)に. 示 す 通 り培養 直 前 の赤 血 球 数 は勿. 増 加 を示 した.. 論 各例 不 同 で あ る ため,各. 低0%,平. 同 じ く第4表(A)に. 均. 3.6%の 増 加 を示 した. 以上 要 す るに血 色 素 量 は 培養 前 に比 し3時 間 目 に. 図 に示 した.3時 4%の. 々の増 減百 分 率 を求 め て. 示 し,夫 々 の平 均 増 減 率 を第2 間 に 於 い て は菅 谷 例5%,河. 増 加 を示 し,渡 辺例0.7%. ,佐 藤 例9%の. 於 い て梢 々増加 を示 し,以 後6, 9時 間共 に3時 間 値. 少 を示 し,結 局 全 例 で は平 均0.7%の. と略 々平 行 した 増 加率 を示 した.. 又, 6時 間 に於 い て は4例 共 に最 高7%,最. 第2節. 再 生 不良 性 貧 血 骨髄 組織 液 体 培 養. 本症 患者14例 に就 い て病 型 別 に夫 々赤 血 球 数及 び 血 色素 量 を時 間 を追 つ て 測定 し,夫 々増 減 量 を求 め た,. 上例 減. 減 少 を 示 した. 低10%,. 平 均13.5%の. 減 少 を示 し, 9時 間 に て は最 高21%,. 最低35%,平. 均27%の. 減 少 を示 した.. 以 上3時 間値 に於 い て は培養 前 と 有 意 の差 な き も 6時 間値,. 9時 間 値 と漸次 減 少 を示 した..
(4) 1412. 宇. 第4表(A). 赤 血 球 数 推 移 及 び 増 加 率(%). 赤血 球 増 加 率(再 不 貧 血 各 型)平 均 値. (主 と して成 熟 抑 制,生 成 障 碍,混. 合) 本症 に属 す る7例 に就 いて 時 間を 追 つ て 観 察 す る に 第4表(B)に. 示 す 如 く3時 間 値 に於 い て藤 原 例 を. 除 いて 最 低5%,最. 高41%,平. 也. 赤 血 球 数 推 移 及 び 増 加 率(%). 第4表(C). Ⅱ〜IV型:. 鉄. 赤 血 球 数 推 移 及 び 増 加 率(%). 第4表(B). 第2図. 治. 均15%の. 減 少 を示 し. 第3図. I型. Ⅱ〜IV型. V型. 血 色考 増加 率(再 不 貧血 各 型)平 均値.
(5) 骨 髄 体 外 組織 培 養 法 に よ る再 生 不 良性 貧 血 に 関 す る研 究 6時 間 値 に 於 いて は 最高41%,最. 低4%,平. 均22%. の 減 少 を示 し9時 間 値 に於 いて は最 低8%,最 %,平. 9時 間 値 は他 の6例. 増 加 を示 したが,. 6時 間. と同様 減 少の 一途 を辿 つ た. (第4表(B)). V型:. 増 加を 示 した.又9時. は4例 共 に最 低6%,最. 高12%,平. (汎骨髄 癆 型). 示 す 如 く, 3時 間値 にて 最低34%,. %,平. 均9.7%の. 31%,最. 全 例 で は平 均3%の. 最 低35%,最. 高52%,平. 中1例(横. 減 少 を示 し, 9時. 高75%,平. 均69%と 著 明 な. る低下 を示 した.. 均14%の. 減 少 を 示 して 居 るた め. 減 少 を示 し た. 6時 間値 は7例. 田 例)を 除 いて 最 高31%,最. 以上 要 す る に3時 間値 は個 々 に よ り不 定 で 一定 の. 血 色素 量. 傾 向 を 認 め難 いが, 6時 間値,. 本 型 に 属す る4例 に就 いて 時 間 を 追 つて 観 察 を す. の 傾 向 を示 した.. 示 す 通 りで あ るが,培 養 直 前 の 血. 色 素 量 は各 例 共 不 同で あ る事 は赤 血 球数 と同 一 で あ つ て 同 様 に百 分 率 を 以つ て 比 較 を行 つ た.3時 は4例 中1例(河 上 例)を 除 いて 最 低6%,最 平 均3.3%の 6%,最. 間値 高13%,. 減 少 を 示 し,河 上例 のみ は12%の 増 加. を示 した.6時. 間 目 に於 いて も河 上例 を 除 いて 最 低. 高16%,平. 低12%,平. 均1356の 減 少を 示 した. 9時 間 値 は最 高32%,最 低 9%,平 均19.5%を 示 し全例 とも減 少 を 示 した.. I型. る に第5表‑(A)に. 低8. 増 加 を示 した が,他 の4例 は最 高. 低0%,平. 均41%の 減 少を 示 し, 6時 間値 にて は 均42%の. 示 す 如 く3時 間 値 は7例. 本,藤 井,久 保例)は 最 高13%,最. 最 高47%,平. 第2項. 減少を. 本 型 に 属す る7例 に就 い て 時 間 を追 つ て 其 の推 移. 中3例(成. 本症 に属 す る4例 に就 い て 時 間 を追 つ て観 察 す る. 間値 にて は最 低63%,最. 均14%の. Ⅱ〜IV型. を 観 察す る に第5表.(B)に. に第4表(C)に. 間 目 に於 い て. 示 した.. 均39%の 減 少 を 示 した,. 尚藤 原 例 は3時 間3%の 値,. 高47. に於 て は6%の. 1413. 均6.5%の. 減 少 を示 し,河 上 例. 第5表(A). 第5表(B). 9時 間値 は漸 次 減 少. V型 本 型 に 属 す る例 に就 い て 時 間 を追 つて 其 の 推 移 を 観 察 す るに,第5表(C)に 高47%,最. 低34%,平. 示 す 如 く, 3時 間値 は最 均41%と. た. 6時 間値 は最 高52%,最. 中 等 度 の減 少 を示 し. 低35%,平. 明 に減 少 し, 9時 間値 は最 高75%,最 69%と 更 に著 明 な 減 少 を示 し た.. 血 色 素量 推移 及 び 増加 率(%). 血 色素 量 推 移 及 び増 加 率(%). I型. Ⅱ〜IV型. 均42%と 低63%,平. 著 均.
(6) 1414. 宇. 第5表(C). 第4章. 治. 鉄. 也. 血 色 素 量 推移 及 び増 加 率(%). V型. 共 に次 第 に 崩壊 す る ことが先 づ考 え られ る.次 に増 総 括 並 び に考 按. 加 を来 た す 源 と して は,骨 髄 内 に含 まれ て い る赤芽. 再生 不 良性 貧 血 患者 偶髄 を 教 室 久米 田,岩 崎 の 考. 球 が 成 熟 して 成 熟赤 血球 にな る こ とが 充 分考 え られ,. 按 せ る液 体 培 養 法 に て培 養 し,赤 血球 数 及 び 血 色 素. 又 赤 芽 球 の分 裂 増 殖 の可 能 性 も,も とよ りあ る.即. 量 の測 定 を行 つ た結 果を 総 括 す れ ば次 の 如 くな る.. ち健 康 人 骨髄 の 場合 に若 干 の 増加 を 認 め た ことは こ. 先 づ 対 照 と して健 康人 骨髄 の液 体 培 養 で は培養 開 始 後,3時. 間 目で 血 色素 量 は培養 前 の値 よ り3%増. の 増 減2つ の要 因の 差 と して赤 芽 球 よ りの成熟赤 血. 加 し,其 の後6時 間, 9時 間 後 も略 々同 じ値 を維 持. 球 形 成 が既 存 の赤 血 球 の 崩壊 を陵 駕 した ため であ り, 一 方 ,再 生 不 良性 貧 血 患 者 骨髄 で は逆 に崩壊 の方が. した.一 方 赤 血 球数 は培 養 後3時 間 目で 培養 前 の値. 赤 血 球 の 形成 よ り も相 対 的 に 激 しい事 を示 して いる.. よ り10.3%増 量 し,其 の 後, 6時 間 及 び9時 間後 で. 然 るに,本 症 患 者 赤 血球 の脆 弱 性 の 有無 に関 して長. は夫 々増 量 の傾 向 を 示 した.. 谷 川32)は,溶. 再 生 不 良 性貧 血患 者 骨髄 の液 体 培 養 で は先 づ赤 血. Aehby33)の. 血 指 数 が 正 常 範 囲 に有 る事,更 に. 方 法 に よ り 輸 血 血 球 の 寿 命 を観察 し健.. 球 数 に就 い て み れば,骨 髄 の変 化 の 最 も軽 い 骨髄 内. 康 人 血球 と 比較 して 何 等 差 が な い こ とか ら結 論 とし. 血 球抑 留型(I型)で. は培養3時 間 後,培 養 前 の値. て,本 症 で は体 内 に於 け る赤 血球 の 脆弱 性 はな く,. 少 し,以 後 時 間 を追 つ て 益 々減 少. 又,溶 血 昂進 の 事 実 はな い と述 べ て い る.こ の点を. に比 し平 均7%減 の 傾 向 を示 し,9時. 間 目で は培 養 前 の 値 に 比 し27%. 考 慮 に 入 れて 私 の 成 績 を 考 え れば,恐. ら く赤 芽球か. 減 少 した.成 熟 障碍 型(Ⅱ 型)生 成 障 碍 型(Ⅲ 型). ら成 熟 赤 血球 が 作 られ るの が 不充 分 な ため,か かる. 及 び 混 合 型(Ⅳ 型)で はI型 に比 しいつ れ も僅 か乍. 減 少 を 示 した もの と推 測 され る.. ら減少 率 が 大 で あつ た.一 方,汎 骨髄 癆 型(Ⅴ 型) は高 度 に減 少 を 示 し, I型 の 約3倍 の 減 少 を 示 した. 次 いで 血 色 素 量 の変 動 を 見 るに, I型,. Ⅱ〜Ⅳ 型,. こ こで本 症 骨 髄 の 病 理 解剖 に於 け る赤 芽球 系細胞 に つ いて 平 福18)は 次 の如 く述 べ て い る. 本症 の赤 芽 球 は大 小 不 同 で核 に特 有 な分 芽を生ず. Ⅴ型 の い つ れ も培 養 後3時 間 目 にす で に減 少 の傾 向. るの が特 徴 的で あ る と し,こ れ は赤 芽球 の成熟 障碍. を 示 し,健 康人 対 照 と は逆 に益 々時 間 の経 過 と共 に. を 意味 す る もの で あ ろ うと述 べ て い る.か か る所見. 減 少 したが,各 型 の 間で は Ⅴ型 を 除 いて は赤 血 球 数. は赤 芽 球 の 増 殖 が 認 め ら れ る 再 生 不 良性 貧血の. に認 め られ た程 の 有 意 の差 は示 さな かつ た.. Erythroblastenmak型. 以 上 要 す るに赤 血 球数 は健 康人 で は 培養 後3, 6, 9. と 称 す る もの に於 いて特に. 著 明 で あ る ので,か か る型が 如何 に有核 細胞 数が多. 時 間 で 略 々 同様 で 培養 前 に比 し増 加 を 示 す が,再 生. く,一 見赤 芽球 系のHyperplasieの. 如 く見 えても,. 不 良 性 貧 血 患者 で はい つ れ も培 養3時 間 後既 に減 少. これ は 骨髄 の他 の部 位 で造 血巣 の 容 積 が全体 として. の 傾 向 を示 し,時 間 の経 過 と共 に益 々減 少 し,然 も. 減 少 した た め代 償 的 に再 生現 象 と して 起つ た ものと. 減 少 の 度 はI型 で最 も軽 くⅤ 型で 最 も高 度 で あつ た,. 考 え るべ きで はな い と云 い,こ れ は赤 芽 球系 の成熟. 血 色 素 量 は健 康 人 で は培 養 後 増 加 の一 途 を辿 る も本. 障 碍 に基 くと こ ろ の 見 掛上 のHyperplasieに. 症 患 者例 で は培 養 後 減 少 しⅤ型 に於 い て 特 に著 明 な. な い と推 論 して い る.こ の 解 釈 は私 の 実 験成績によ. 減 少 を 認 め た.. り一層,明. 飜 つ て 人骨 髄 の 液 体 培養 に於 て 液 体 メヂ ュー ム中. 過ぎ. 白 に裏 付 け され た と云 え よ う.即 ち私の. 分 類 したI型 で は有 核 細 胞数 多 く,赤 芽球 系はむし. で の 赤 血球 数 の 変 動 に関 与 す る要 因 を挙 げ る と,最. ろ 増 加 を示 したが 培 養 上 は決 して赤 血 球数 の増加を. 初 培 養 を開 始 した 時 に既 に あ る成 熟 赤 血球 が 時 間 と. も た ら さず 健 康 人 よ り も遙 に低 い値 を 示 し,明 らか.
(7) 骨髄 体外 組 織 培養 法 に よ る再 生 不 良 性 貧 血 に関 す る研 究. 1415. に赤 芽球 系 に成 熟 障 碍 の 存 す る こ とを示 した.然 し. 即 ち当然 なが ら本 症 骨 髄 の 血 色 素 の 形成 不 全は 赤. て Ⅱ〜Ⅳ 型 の 如 く赤 芽 球 系 の低 形 成 を示 す もの は 勿. 血 球 形成 不 全 と相 関 々係 を 有 す る もので あ る事 を 示. 論, I型 よ り赤 血 球 数 減 少著 明 で あつ た し,又 Ⅴ型. して い る.要 す る に本 症 で は 赤 血球 形成 障 碍 に 伴つ. の如 き無 形 成の 例 で は極 度 の 赤 血球 数 低 下 を 示 した. て血 色 素 の 形成 障 碍 が あ り,培 地 メ ヂ ュー ム中 の 血. の は当然 で,こ の場合 は既 存 の 成熟 赤 血 球 は崩壊 す. 色 素 量 は 新 た に形 成 され るよ り も分 解 され る方 が 多. るの みで,そ れ を補 う赤 芽球 よ りの赤 血 球 は形成 は. い と云 う結 果 を 示 した.. 全 く期 待 されな い もので あ る. 第5章. 骨 髄 機能 を代 謝 の面 よ り 検討 した教 室 西 内28)の. 結. 論. ワール ブル グ検 圧 計 に よ る本 症 患者 骨.髄穿刺 液 の 呼. 再 生 不良 性 貧 血 患 者 の骨 髄 組 織 を 教 室 久米 田,岩. 吸値 測 定 の結 果 は, I型 で は軽 度 に Ⅱ〜 Ⅳ型 で は 中. 崎 の 改 良 した液 体 培養 法 を 用 いて 培養 し,赤 血 球 数. 等度 に, Ⅴ型 で は高 度 に低下 を認 め て い るが 呼 吸 は. 及 び 血色 素 量 の 変 動 を 測定 して 健 康 人の それ と比 較. 赤 血 球 系細 胞 と密接 な関 係 が あ る こ とよ り私 の 成 績. 検 討 し,次 に述 べ る如 き結 果 を 得 た.. と照 合 して 興 味 が あ る.. 1). 再 生 不 良 性 貧 血 患者 骨髄 の液 体 培 養 で は赤 血. 更 に前 編 で 述 べ た白 血球 系細 胞 の 増生 及 び 機能 の. 球 数及 び血 色 素 量 は培 養 後3時 間 目に既 に培 養 前 の. 面 で病 型別 に可成 り特 異 性が あつ た が,こ れ は以上. 値 よ り減 少 し,以 後漸 次 低 下 の 傾 向 を示 した.対 照. の赤 血球 系 造 血 に関 して 各病 型 別 に 見 られた 程度 の. の健 康 人 で は 培養 後3時 間 目に前 の値 よ り夫 々増 加. 差 とほ ぼ同 じ傾 向で あ り,こ こで赤 ・白 両 血球 系 を. し,其 の 後 も終 始 同様 に増 加 の傾 向 を示 した.. 総 括 して み れば,要 す る に本 症 の臨 床 的 分類 と して I〜 Ⅴ型 に分つ ことが 同時 に本 症 の骨髄 機 能 ,即 ち. 数 減 少 の 度 はI型 で 最 も軽 くⅡ 〜Ⅳ 型 が これ に次 ぎ,. 赤 血球 造 血及 び 白血 球系 造 血 の 状態 を 如 実 に表 わ し. Ⅴ型 が 最 も高 度 で あつ た.一 方,血 色 素 量 の減 少 の. て い る と云 え よ う.. 度 も同 様 にI型 で 最 も軽 くⅡ〜 Ⅳ型 が これ に次 ぎ,. 次 いで 本症 に於 け る血 色素 形 成 に就 いて 見 るに私. 2). 再 生 不 良性 貧 血 患 者 を病 型別 に見 れ ば 赤 血球. Ⅴ型 が最 も高 度 で あ つ た.. の血 色 素 量 に関 す る実 験成 績 で は健 康人 で は赤 血 球 数 の 増 加 と 同様 に増 量 の傾 向 を 示す が,時 間 の経 過 と共 に赤 血 球 数 は各 々増 加 す るに も拘 わ らず 血 色 素. 擱 筆 す る に 当 り終 始 御 懇 篤 な る御 指 導 と御 校 閲 を. 量 は 一 定 時間 後 は略 々不 変 で あ る.こ の 様 に血 色 素. 賜 りた る 恩師 平 木 教 授 並 び に大 藤 助 教 授 に深 甚 な る. の 増量 はあ る も,赤 血球 数 の増 加 に比べ て著 明 で な い の は,も とよ りメヂ ュー ム内 の 鉄 の不 足 に基 ず く もの と思 わ れ る. さて再 生 不 良性 貧 血 患 者 で は血 色 素 は一 般 に培 養 後減 少 す るが,こ の 際 に も赤 血 球数 に於 い て 見 られ る様 に1型 に於 い て最 も減 少 が少 くⅤ型 に於 いて 最 も著 明 な減 少 が 見 られ た.. 謝 意 を表 す. (本 論 文 の 要 旨は 昭和32年 日本 血 液学 会第19回 総 会 に 於 て発 表 した)..
(8) 1416. 宇. Studies. Part. 2.. on Hypoplastic. Bone-Marrow. 治. 鉄. Anemia. 也. by means. Tissue. Culture. Tissue. Culture. in Fluid. of Bone-Marrow. of Hypoplastic. Anemia. Medium By. Tetsuya. Uji. Department of Internal Medicine Okayama University Medical School (Director: Prof. Kiyoshi Hiraki) By conducting bone-marrow tissue culture of hypoplastic anemia in fluid medium, the method modified by Kumeda and Iwasaki of our department, the author calculated the erythrocyte count and determined the change in the hemoglobin content: and comparing these results with those in normal persons, obtained the following results: 1. In the bone-marrow tissue culture of hypoplastic anemia in the fluid medium, the erythrocyte count and hemoglobin content after three hours' culture already showed values lower than those before the culture; and thereafter tended to decrease gradually. In the case case of the control, normal persons, each of these values after three hours' culture was higher than that before culture, showing a gradual increase thereafter. 2. Looking hypoplastic anemia according to the types of this disease, the degree of decrease in the erythrocyte count was least in Type I, followed by Types II-IV, and it was highest in Type V. Similarly the decrease in the hemoglobin content was least in Type I, followed by Types II-IV and it was highest in Type V..
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