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寒冷地における鋼橋の腐食形態

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Academic year: 2022

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(1)平成27年度. A-52. 土木学会北海道支部. 論文報告集. 第72号. 寒冷地における鋼橋の腐食形態 Corrosion form of steel bridges in cold climates 寒地土木研究所 正 寒地土木研究所 正 シビテック 正 四電技術コンサルタント ○正. 1.はじめに 鋼橋における腐食傾向について、国総研資料第 294 号 (平成 18 年 1 月)『鋼道路橋の局部腐食に関する調査 研究』の中で、「支間中央よりも支点部で腐食が卓越す る傾向がある」という報告がある。この資料は直轄国道 (300 橋弱)の点検データをまとめたものであり、北海 道のような寒冷地においても同様の傾向が得られるのか どうか不明である。そこで、北海道開発局管内の橋梁点 検結果を用いて、北海道内の鋼橋の腐食状況について分 析を行い、国総研データとの比較検討を行った。また、 気象条件(腐食環境)の影響についても検討した。 2.調査方法 北海道開発局管内の橋梁点検結果は平成 11 年からデ ータとして記録されているが、その記録様式は平成 18 年頃から統一されるようになり、本研究では平成 18 年 度から平成 25 年度の定期点検結果を分析対象とした。 アーチ橋など特殊形式の橋梁および耐候性鋼は除外し、 橋梁点検結果から最終的に約 1200 橋を抽出した。 (1)橋梁腐食発生率 本研究では大小さまざまな橋梁を取り扱う事になるが、 点検結果には橋梁の各部材に対して要素番号と損傷状況 が記録されており、橋梁の長さによって損傷の位置関係 が異なる。そのため、橋梁の長さに依存しない橋梁の損 傷位置として無次元化する必要があった。橋軸方向に 1 スパンを 5 つの区間に分類し、「端支点、1/4 支間、支 間中央、3/4 支間、端支点」とした。橋軸直角方向には 「中桁、外桁」の 2 つに分類した。 5 つに分類 した区間に腐 食の損傷があ るかどうかを 判別し、「腐 食発生率」と して次のよう に定義し、集 計した。 図-1 橋梁長さの区間分け(無次元化) 橋梁腐食発生率(%) =. 腐食損傷区間数 全区間. × 100. 全区間 = 全スパン数 × 5. 員 員 員 員. 佐藤 京 角間 恒 大藪宏文 三浦正純. (Takashi Satou) (Kou Kakuma) (Hirofumi Oyabu) (Masazumi Miura). (2)気象環境調査 道内のアメダスデータを収集し、気象環境の違いが橋 梁の腐食発生状況にどのような影響を与えているかにつ いて検討を行った。 気象データ収集は道内すべてのアメダスデータポイン トを対象とし、気温,湿度,降水量,日照時間,風速の 5 項目について月平均値(平年値)を収集し、年間平均、 夏季平均、冬季平均をそれぞれ求めた。 3.調査結果 (1)橋梁の腐食発生形態の特徴 橋梁の1径間を 5 区間に分割した場合の、各区間にお ける腐食発生径間数を図-2 に示す。また、各橋梁での 腐食発生形態を 4 つに区分して集約した結果を図-3 に 示す。 特徴として、端支点での腐食の発生が明らかに多い。 支間部のみ腐食している橋梁は 2%程度ときわめて少な く、支間部が腐食している橋梁は端支点も腐食の損傷が あるといえる。これらの傾向は国総研の報告と一致して おり、地域差のない鋼橋全体の特徴と判断できる。 支間のみ 腐食 2.1% 橋梁端部 支間両方 腐食 46.4%. 図-2 区間毎の腐食径間数. 腐食なし 20.1%. 橋梁端部 のみ腐食 31.4%. 図-3 腐食形態別橋梁比率. 各橋梁の腐食形態を図-3 と同様に4つに区分し、地 図上にプロットしたものを図-4 に示す。 端部のみ腐食している橋梁は内陸に集中しているのに 対し、端部支間両方腐食している橋梁は海岸線近くに多 い傾向が見られる。 海岸線近くは飛来塩分の影響により、橋梁全体で腐食 が進行するのに対し、内陸部では風通しの良い支間部の 腐食は進行せず、湿潤環境となりやすい端部のみ腐食が 顕在化する傾向にあるものと推定される。.

(2) 平成27年度. 土木学会北海道支部. 図-4 腐食形態で区分 した橋梁の分布. (2)橋梁の腐食発生率 各橋梁を腐食発生率で区分し、地図上にプロットした ものを図-5 に示す。 腐食発生率が低い橋梁は内陸と道東に多いのに対し、 腐食発生率が高い橋梁は沿岸部や道南に多い事がわかる。 また、札幌から道北と道東に向かう主要道路も腐食発生 率が高い。これらは地域的な腐食傾向であるといえ、後 述する気象環境の影響を強く受けていると考えられる。. 論文報告集. 第72号. (3)気象環境と橋梁腐食の関係 収集した気象データは、各測定地点のデータを地図上 にプロットした。気温の分布図を図-7 に、降水量の分 布を図-8 に示す。橋梁の腐食発生率分布(図-5)との対 比から、以下のような特徴が認められる。 平均気温の高い西地区に腐食発生率の高い橋梁が多い 傾向が認められるものの、内陸で気温は低いが腐食発生 率が高い路線がある。 年間平均降水量の高い地域と、橋梁腐食発生率の高い 地域が比較的良く一致しており、旭川から浜頓別の区間、 羊蹄山周辺において橋梁腐食発生率の高い橋梁が集中し ているのは、冬季の降水量が多いことが一つの要因であ ると考えられる。. 図.8 平均降水量分布図. 図-7 気温分布. 図-5 腐食発生率で区分 した橋梁の分布. 各橋梁において伸縮装置のある区間のみを対象として 腐食発生率を求め、地図上にプロットしたものを図-6 に示す。 伸縮装置下腐食発生率の高い橋梁の分布は道内全域に 分散しており、図-5 のような局在化は認められない。 伸縮装置付近の腐食に関しては、地域性がないことがわ かる。従って、漏水など伸縮装置そのものが原因となる 腐食が発生していると考えられる。. 図-6 伸縮装置下の腐食発生率 で区分した橋梁の分布. 図-8 降水量分布. 4.まとめ ・支点での腐食の発生が顕著であり、支間部のみ腐食 している橋梁は極めて少ない。これらの傾向は国総 研の報告と一致しており、地域差のない鋼橋腐食の 特徴と言える。 ・海岸線近くは飛来塩分の影響により、橋梁全体で腐 食が進行するのに対し、内陸部では風通しの良い支 間部の腐食は進行せず、湿潤環境となりやすい端部 のみ腐食が顕在化する傾向にある。 ・降水量が多い地域と、腐食発生率の高い橋梁の分布 とは比較的よく一致しており、気象要因のうち降水 量が腐食に与える影響が大きいことが示唆された。.

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