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排気ガスに暴露される車道土砂の環境汚染の危険性

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Academic year: 2022

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(1)Ⅶ-23. 第37回土木学会関東支部技術研究発表会. 排気ガスに暴露される車道土砂の環境汚染の危険性 ~車道土・排気煤煙の含有元素成分組成の評価~ 防衛大学校理工学研究科. 学生会員 ○宮﨑 徳明. 防衛大学校. 正会員. 山口 晴幸. 1.はじめに 写真-1 のような車道側辺に集積・残積している土砂を『車道土』と定義する。 車道土は常時、車両排気ガスの直接的な照射に暴露されている。また残積中に は路面を流下する降水・雑排水等からの汚染物質の影響に曝されている。排気 ガスからの煤塵や車体・路面磨耗物質の粉塵など車両走行と密接に関連する汚 染物質が沈着した車道土の微細土粒子の大気への巻上げ・飛散や、車道土や路 面を洗う降水・雑排水等の河川・海等の水域への流出によって、健康被害や自 然環境への影響が疑念視される。しかしその実態についてはほとんど明らかに されていない。 車道土の主要土砂成分は、地層の風食・飛散による土壌・その粉塵や運搬・ 洗掘された流入土砂、車体からの離脱・落散等による付着土砂や粉塵、車道(路 面)・車体(タイヤ)からの剥離・磨耗物質と考えられるが、車道側辺に集積・残. 写真-1 残積する車道土. 積する性質上、車両排気ガスからの煤塵の影響も見逃せない。こういった主要 土砂成分ではない物質を介して、車道土に有害物 質が含有・沈着するものと考えられる 1)。. 2―1. ここでは車道土が含有する有害元素成分を明ら. 国 16 2―2. 横浜市金沢区. かにし、車道土と車両煤煙の含有する有害元素成. 2―3 2―4. 分量の比較により、車道土に潜む有害性を示した。 2.調査範囲と分析方法. 鎌倉市. 2―6. 3―4 3―2 3―5 3―3. 2―7 2―8. 逗子市. 首都圏近郊の神奈川県三浦半島地域で主要な国 道・県道において、交通量の多い調査ルートを 8. 調査ルート②. 2―5. 5―3 5―4. 3―1. 5―5. 5―7 5―8 1―18 1―17 1―16 1―15 4―1 1―14 県 208 調査ルート① 4―2 1―13 4―3 4―4 県 209 4―5 1―12 1―5 4―6 1―11 1―6 1―3 4―7 1―8 1―2 4―8 1―4 1―10 4―9 1―1 1―7 1―9 8―1 4―10 4―11 8―2 8―3 4―12 調査ルート④ 8―6 4―13 8―4 8―7 横須賀市 8―5 県 209 8―8 4―14 県 26. 6―1. 5―6. 6―2. 5―9 5―10. 6―3. 区間設定し、2007 年 10 月~2008 年 10 月にかけて、. 6―4 6―5 葉山町 6―6. ほぼ数百m間隔で総計 98 サンプルの車道土を採取. 6―7 6―8. した(図-1)。ちなみに 8 区間の調査ルートは、三浦. 6―9. 調査ルート⑥. 市、横須賀市、逗子市、葉山町、鎌倉市、横浜市. 調査ルート⑤. 5―2. JR 横須賀線 調査ルート③. 東京湾. 5―1. 京浜急行線. 6―10 6―11. 国 134. 6―12. 4―8. 市. の 5 市 1 町に亘っており、ほぼ三浦半島の全域に. 相模湾. 6―15 7―1. 及んでいる。調査地域で最も交通量の激しい車線. 8―9 8―10 8―11. 4―15. 6―13 6―14. 4―16 4―17 4―18 4―19. 調査ルート⑧. 県 210. 7―2. は、横須賀・横浜・東京を結ぶ東京湾岸沿いを走. 7―3 7―4. 国 134. 7―5. 国 134. 7―6. る国道 16 号線で、調査ルート①の一部、調査ルー. 7―7 7―8. 調査ルート⑦. ト②、調査ルート⑤の区間がこれに対応している。. 0. 三浦市. 車道土の含有元素成分については、蛍光X線回. 3km. 7―9 7―10. 県 26 7―11. 折法により分析した。すなわち、採取した車道土 のサンプルを 24 時間風乾後、ふるい分けした粒径 が 2mm以下のサンプルをミルで粉砕し、波長分散 キーワード 連絡先. 7―12. 城ヶ島. 図-1 神奈川県三浦半島地域での車道土調査ルートと採取地点. 車道土、車両排気煤煙、有害元素、国道・県道、蛍光X線回折法. 〒239-8686 神奈川県横須賀市走水 1-10-20 防衛大学校. TEL046-841-3810(内線 3513) E-mail:[email protected].

(2) Ⅶ-23. 第37回土木学会関東支部技術研究発表会. 型蛍光X線分析装置(LAB CENTER XRF-1500;島津 製)により測定した。 3.車道土の含有元素成分組成 図-2 には蛍光X線回折法により求めた車道土の含 有元素成分組成(質量%表示)を示している。この結果 は、各調査ルートにおける車道土の平均値を、主要成 分元素と微量成分元素(含有質量%が 1%未満の元素 成分)とに区分して表示している。主要成分元素は、O と C を除くと、Si、Ca、Al、Fe の 4 元素成分で、これ らの成分元素は、通常、土粒子を構成する主要な成分. (a) 各調査ルートでの平均主要元素含有量(質量%:1%以上). 元素となっている。ここで着目すべきは、通常土粒子 には含有されない元素成分が混入していることである。 次に、車両排気煤煙(写真-2)をガードレールから採 取し、車道土と同様に分析、比較したものが図-3 であ る。車両排気煤煙の成分組成の特徴としては、車道土 に比べ C の含有割合が高い。微量元素に注目すると、 全体の微量元素が占める割合は車道土に比べ 5 倍以上 高い。中でも車道土では微量元素であった S は 2.56% で、車道土の約 21 倍と顕著であった。これは C が高 いことも踏まえれば、化石燃料の燃焼に由来すると考 えられる。また、煤煙からは有害な Zn、Cu、Mn、Cr. (b) 各調査ルートでの平均微量元素含有量(質量%:1%未満). 図-2 車道土の含有元素成分組成. の重金属元素が検出された。 4.おわりに. 車道土の構成物質として、通常の土粒子には見られない元素成分が混入して おり、一つには車両排気煤煙の影響が考えられる。しかし、煤煙が全ての原因 ではなく、他にも大気中からの乾性降下物質や車道路面上に残存する微細な破 片物質の影響も考えられる。ただし各有害元素成分の由来を特定することは難 しい。少なくとも車道土が一種の‘溜め池’的な役割を果たし、有害物質を我々 の生活環境中に留めていることを、本分析結果は示唆している。. 写真-2 ガードレールに付着 した車両排気煤煙. (a) 全車道土サンプルの平均元素成分組成. (b) 車両排気煤煙の含有元素成分組成. 図-3 車道土と車両煤煙の含有元素成分組成の比較. 参考文献 1) 宮﨑徳明・小林昴平・末安竜士・山口晴幸:車道土の環境汚染物質の評価、第 6 回地盤工学会関東支部発表会講 演集、pp.491-496、平成 21 年 11 月.

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