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日本国政府は 日米安全保障条約や日米地位協定 特別協定等に基づき 日本国の安全に寄与するなどのために 日本国政府の負担の下 日本国内の施設等をアメリカ合衆国政府 ( 在日米軍 ) に対して提供するなどしている また 在沖縄駐留米軍に関する沖縄県民の負担を軽減することを目的としたSACO 最終報告に基

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会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書

日米軍関係経費の執行状況等について」

平 成 3 0 年 4 月

(2)

日本国政府は、日米安全保障条約や日米地位協定、特別協定等に基づき、日本国の安全 に寄与するなどのために、日本国政府の負担の下、日本国内の施設等をアメリカ合衆国政 府(在日米軍)に対して提供するなどしている。 また、在沖縄駐留米軍に関する沖縄県民の負担を軽減することを目的としたSACO最 終報告に基づくSACO事業が平成8年度補正予算から実施されるとともに、ロードマッ プ等に基づく普天間飛行場代替施設の建設やグアム移転事業等の在日米軍再編事業が平成 18年度補正予算から実施されている。 そして、日本国政府は、提供施設等として国有財産を無償で在日米軍に使用させるとと もに、これらの在日米軍の駐留及び再編等に関して毎年度多額の在日米軍関係経費を負担 しており、その予算額は、平成26年度以降毎年度増加している。 本報告書は、以上のような状況を踏まえて、在日米軍関係経費の執行状況等について検 査を行い、その状況を取りまとめたことから、会計検査院法(昭和22年法律第73号)第30 条の2の規定に基づき、会計検査院長から衆議院議長、参議院議長及び内閣総理大臣に対 して報告するものである。 平 成 3 0 年 4 月 会 計 検 査 院

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 検査の背景 1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) 在日米軍の駐留に関する概要 1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ア 在日米軍の駐留に関する枠組み 1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ イ 在日米軍関係経費の概要 3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) 施設等の提供及び提供施設等の返還 6 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ア 在日米軍の配置状況 6 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ イ 施設等の提供までの手続 7 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ウ 提供施設等に係る返還の手続 9 ・・・・・・・・・・・・・・・ (3) SACO最終報告等及び在日米軍再編の概要 10 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ア SACO最終報告による合意内容 10 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ イ ロードマップによる合意内容 11 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ウ グアム協定等による合意内容 13 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ エ 統合計画による合意内容 14 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 検査の観点、着眼点、対象及び方法 15 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) 検査の観点及び着眼点 15 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) 検査の対象及び方法 16 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 検査の状況 16 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) 在日米軍関係経費の決算の状況 16 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ア 在日米軍の駐留に関連する経費 18 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ イ SACO関係経費 24 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ウ 米軍再編関係経費 27 ・・ ・・ エ 在日米軍関係経費に含まれていない提供施設等の整備に要した経費 31 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ オ 防衛省関係予算以外の経費等 32 (2) 提供施設等に係る土地等の状況並びに受渡し及び返還に伴う国有財産の提 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 供や関係経費の支出の状況 33 ・・・・・・・・・・・・・・・・ ア 提供施設等に係る土地及び賃借料の状況 33 イ 提供施設等に係る土地等の受渡し及び返還に伴う国有財産の提供や関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 経費の支出の状況 35

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3) 在日米軍駐留経費負担の支払 39 ・・・・・・・・・・・・・・・ ア 提供施設等別の駐留軍等労働者数等の推移 39 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ イ 労務費の支払の状況 40 ・・・・・・・・ (4) SACO関係経費及び米軍再編関係経費に関する事業の実施 41 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ア SACO関係経費に関する事業の実施 41 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ イ 米軍再編関係経費に関する事業の実施 43 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 所見 49 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) 検査の状況の概要 49 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ア 在日米軍関係経費の決算の状況 50 イ 提供施設等に係る土地等の状況並びに受渡し及び返還に伴う国有財産の ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 提供や関係経費の支出の状況 51 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ウ 在日米軍駐留経費負担の支払 51 ・・・・・・・ エ SACO関係経費及び米軍再編関係経費に関する事業の実施 52 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) 所見 54 ア 提供施設等に係る土地等の状況並びに受渡し及び返還に伴う国有財産の ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 提供や関係経費の支出について 54 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ イ 在日米軍駐留経費負担の支払について 55 ・・・ ウ SACO関係経費及び米軍再編関係経費に関する事業の実施について 55 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 別表 57 ・本文及び図表中の数値は、原則として、表示単位未満を切り捨てているため、図表 中の数値を集計しても計が一致しないものがある。

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事 例 一 覧

[施設等が国有提供施設等所在市町村助成交付金の算定の対象となっていな かったもの] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <事例1> 36 [提供施設等として本来の使用目的が失われているもの(国有財産)] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <事例2> 39 [提供施設等として本来の使用目的が失われているもの(民公有地)] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <事例3> 39

参 考 事 例 一 覧

[地方防衛局が在日米軍、沖縄県、関係市町村等とのそれぞれの協議を経て、 提供施設等が返還されたもの] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <参考事例> 38

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在日米軍関係経費の執行状況等について 検 査 対 象 防衛省内部部局、8防衛局、独立行政法人駐留軍等労働者労務 管理機構 在日米軍関係経 在日米軍の駐留に関連する経費、沖縄に関する特別行動委員会 費の概要 最終報告に盛り込まれた措置の実施に必要な経費及び在日米軍 の兵力構成見直し等に関する政府の取組の実施に必要な経費の うち地元の負担軽減に資する措置に係る経費 在日米軍関係経 2兆7462億円(平成23年度~28年度) 費の支出済歳出 額 提供施設等の土 2億6434万㎡(平成28年度末) 地の面積 上記のうち国有 1億1460万㎡ 財産の土地の面 積 上記に係る国有 2兆0240億円 財産台帳価格 1 検査の背景 (1) 在日米軍の駐留に関する概要 ア 在日米軍の駐留に関する枠組み (ア) 在日米軍が使用する施設等の提供 日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊(以下「合衆国軍隊」といい、日本国に 駐留する合衆国軍隊を「在日米軍」という。)は、「日本国とアメリカ合衆国と の間の相互協力及び安全保障条約」(昭和35年条約第6号。以下「日米安全保障条 約」という。)に基づき、日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平 和及び安全の維持に寄与するために、日本国における施設及び区域(以下、これ らを合わせて「施設等」という。)を使用することを許されることとなっている。 個々の施設等の提供及び返還に関する協定については、日本国政府及びアメリ カ合衆国政府(以下「合衆国政府」といい、日本国政府と合衆国政府とを合わせ

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て「日米両政府」という。)が、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及 び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の 地位に関する協定」(昭和35年条約第7号。以下「日米地位協定」という。)第2 条第1項(a)の規定に基づき、日米両政府の相互間の協議を行う機関である合同 委員会(以下「日米合同委員会」という。)における合意を経て締結することと なっている。日米合同委員会には、必要な補助機関及び事務機関を設けることと なっており、補助機関には施設の提供に関する機関(以下「施設分科委員会」と いう。)等が設置されている。 上記の協定に基づき日本国政府が合衆国政府に提供している施設等(以下「提 供施設等」という。)のほか、日米地位協定第2条第4項(b)の規定に基づき、 日本国政府が管理する施設について、在日米軍が一定の期間を限って使用するこ とができることとなっている。 また、日米両政府は、日米地位協定第2条第2項の規定に基づき、日米両政府の いずれか一方の要請があるときは、個々の提供施設等に関する協定を再検討しな ければならず、日米両政府の合意により、提供施設等を日本国政府に返還すべき こと又は新たに施設等を合衆国政府に提供することができることとなっている。 これらの制度の下で、平成28年度末現在の提供施設等の土地の面積は、2億643 4万余㎡となっており、このうち国有財産は1億1460万余㎡と43%を占めている。 (イ) 在日米軍等が必要とする労務の提供 在日米軍は、提供施設等において在日米軍に所属して事務、施設管理、通訳等 に従事する従業員や、在日米軍の構成員、家族等の利用に供するために提供施設 等に設置される売店、食堂等(以下、これらを合わせて「諸機関」という。)に おいて販売等に従事する従業員(以下、これらの従業員を合わせて「駐留軍等労 働者」という。)を必要としている。 日米地位協定第12条第4項の規定によれば、在日米軍及び諸機関の労務の需要は、 日本国政府の援助を得て充足されることとされており、日本国政府(防衛省)と 合衆国政府(在日米軍)との間で、職種の別に基本労務契約、船員契約及び諸機 関労務協約の3種類の労務提供契約が締結されている。これらの労務提供契約に基 づき、日本国政府は、駐留軍等労働者を雇用している。 駐留軍等労働者の勤務条件については、「日本国との平和条約の効力の発生及

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び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施等 に伴い国家公務員法等の一部を改正する等の法律」(昭和27年法律第174号)にお いて、国家公務員及び民間企業の従業員の給与等を考慮して防衛大臣が定めるこ ととなっている。そして、雇用された駐留軍等労働者に係る勤務時間、休暇、給 与等の勤務条件については、労務提供契約において定められている。 また、駐留軍等労働者に係る労働契約の締結、給与の支払等の業務については、 防衛省地方防衛局(以下「地方防衛局」という。)が行い、給与の計算、福利厚 生等の業務については、独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構(以下「機 構」という。)が行っている。 イ 在日米軍関係経費の概要 (ア) 在日米軍関係経費の負担に係る経緯 日米地位協定第24条第1項の規定によれば、日本国において在日米軍を維持する ことに伴う全ての経費は、同条第2項の規定に基づき日本国が負担すべきものを除 くほか、日本国に負担をかけないでアメリカ合衆国(以下「合衆国」という。) が負担することとされている。そして、同項の規定によれば、日本国は、提供施 設等を合衆国に負担をかけないで提供し、かつ、相当の場合には提供施設等の所 有者及び提供者に補償を行うこととされている。 これに基づき、日本国政府は、提供施設等として国有財産を無償で在日米軍に 使用させたり、国有財産以外の提供施設等の所有者及び提供者に対する賃借料を 負担したりしている。「施設の借料」(後出図表2参照。以下、本報告において、 図表2において表示されている各経費を示す場合、かぎ括弧付きで表記する。)は、 この賃借料が大半を占めている経費である。 一方、日米地位協定第24条第1項に基づき、駐留軍等労働者に対して支払う給与 等(以下「労務費」という。)については、昭和52年度までは合衆国政府がその 全額を負担してきた。 その後、日本国政府は、「労務費(福利費等)」(労務費のうち福利費、管理 費、格差給、語学手当及び退職手当の一部)や、「提供施設整備(FIP)」(注1) (合衆国政府に負担をかけないで提供することとされている提供施設等の整備 (Facilities Improvement Program)に係る経費)について自主的に負担するこ ととした。

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また、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に 基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十 四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」(以 下、累次締結された各協定を「特別協定」という。)を締結し、日本国政府は、 (注2) 「労務費(基本給等)」(労務費のうち調整手当等8手当、基本給、地域手当等(注3) の経費)や、在日米軍の駐留に要する「光熱水料等」、訓練移転費について負担(注4) することとなった。これらの「在日米軍駐留経費負担」(日本国政府による在日 米軍の駐留に要する経費の負担)に係る経緯を時系列で示すと、図表1のとおりで ある。 図表1 在日米軍駐留経費負担に係る経緯 年度 経 緯 昭和 40年代後半以降の日本国での物価、賃金の高騰等の影響に伴う労務 53年度 費等の上昇が在日米軍の維持に係る懸案になっていることを勘案し て駐留軍等労働者の雇用の安定を図るために、労務費のうち福利費 及び管理費について、合衆国に負担義務がある経費に該当しないも のとして、自主的に負担することとした。 54年度 上記と同様の理由により、労務費のうち格差給、語学手当及び退職 手当の一部並びに「提供施設整備(FIP)」に係る経費を自主的 に負担することとした。 62年度 急激な円高及び合衆国の財政赤字等の経済情勢が安定的な雇用を損 なうおそれがあることなどに留意して、特別協定の締結(62年6 月)により、労務費のうち調整手当等8手当について2分の1に相当 する額を限度として負担することとした。 63年度 62年の特別協定を改正(63年6月)することにより、調整手当等8手 当の全額を負担することとした。 平成 特別協定の締結(3年4月)により、労務費のうち基本給、地域手当 3年度 等及び「光熱水料等」を負担することとした。 8年度 特別協定の締結(7年12月)により、訓練移転費を負担することと した。 また、日本国政府は、在日米軍の行為等により生ずる障害を防止し又は軽減す るために必要な措置を実施するための「周辺対策」に関する経費を負担するなど してきている。 さらに、日本国政府は、平成8年度補正予算以降、「SACO関係経費」につい て、平成18年度補正予算以降、「米軍再編関係経費」について、それぞれ負担す ることとなった(両経費の内容については、後述1(3)ア及びイ参照)。

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(注1) 格差給 在日米軍及び諸機関で勤務する特殊性を理由に、基本給の10 %に相当する額が従業員に支給されていた給与。平成20年度に廃止 され、その後は経過措置として旧格差給特別調整額等が支給されて いる。 (注2) 特別協定 平成3年以降に日米両政府で締結された特別協定の正式名称 は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約 第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地 位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日 本国とアメリカ合衆国との間の協定」 (注3) 調整手当 民間における賃金、物価及び生計費が特に高い地域におい て勤務する従業員に対して、基本給と扶養手当の合計額に、地域に より指定された12%以内の支給率を乗じて支給されていた手当。平 成18年度以降は地域手当 (注4) 訓練移転費 在日米軍が日米合同委員会における日本国政府の要請に 基づき、提供施設等を使用して実施している訓練を、他の提供施設 等又は合衆国の施政下にある領域に変更して実施する場合に追加的 に必要となる経費 (イ) 在日米軍関係経費に係る予算の概要 在日米軍の駐留等に関する経費については、毎年度、防衛省所管一般会計予算 の(組織)防衛本省に、(項)在日米軍等駐留関連諸費、(項)独立行政法人駐 留軍等労働者労務管理機構運営費及び(項)防衛力基盤整備費(平成26年度予算 以前は(項)防衛施設安定運用関連諸費)の3項が計上されている。 そして、防衛省は、平成21年度以降毎年度、在日米軍の駐留等に関する経費に 対する日本国政府の負担を国民に分かりやすく示すことを目的として、経費の構 成を公表している(図表2参照)。この経費の構成においては、上記の3項から (項)防衛力基盤整備費に計上されている自衛隊施設の設置、運用に伴って生ず る経費(以下「自衛隊施設に関連する経費」という。)を除いた経費が示されて いる。そして、これらの経費は、平成29年度当初予算額で、「在日米軍の駐留に 関連する経費」3836億円(うち「在日米軍駐留経費負担」1946億円)、「SAC O関係経費」28億円及び「米軍再編関係経費」2011億円から成っている(以下、 図表2で示されている経費のうち、防衛省所管の毎年度の経費を「在日米軍関係経 費」という。21年度以降の在日米軍関係経費に係る当初予算額の推移については、 別表1参照)。なお、図表2においては、他省庁所管の国有提供施設等所在市町村 助成交付金等の他省庁所管の経費についても示されている。

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図表2 在日米軍関係経費(防衛省資料を基に作成。平成29年度当初予算の例) 注:1 特別協定による負担のうち、訓練移転費は、在日米軍駐留経費負担に含まれるものとS ACO関係経費及び米軍再編関係経費に含まれるものがある。 2 SACO関係経費とは、沖縄県民の負担を軽減するためにSACO最終報告の内容を実 施するための経費、米軍再編関係経費とは、米軍再編事業のうち地元の負担軽減に資する 措置に係る経費である。他方、在日米軍駐留経費負担については、日米安保体制の円滑か つ効果的な運用を確保していることは極めて重要との観点から我が国が自主的な努力を払 ってきたものであり、その性格が異なるため区別して整理している。 3 在日米軍の駐留に関連する経費には、防衛省関係予算のほか、防衛省以外の他省庁分 (基地交付金等:384億円、28年度予算)、提供普通財産借上試算(1,657億円、28年度試 算)がある。 4 四捨五入のため、合計値が合わないことがある。 (2) 施設等の提供及び提供施設等の返還 ア 在日米軍の配置状況 在日米軍は、図表3のとおり、日本国内各地に配置されている。

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図表3 在日米軍の配置(平成28年度末現在) (注) 平成29年版防衛白書を基に作成した。 イ 施設等の提供までの手続 「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施 設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う国有 の財産の管理に関する法律」(昭和27年法律第110号)によれば、日本国政府は、日 三沢飛行場 第35戦闘航空団(C) 三沢航空基地隊(B) 第7/5艦隊哨戒偵察航空群(B) 統合戦術地上ステーション(A) 車力通信所 第10ミサイル防衛分遣隊(A) 経ヶ岬通信所 第14ミサイル防衛中隊(A) 岩国飛行場 第12海兵航空群(D) 佐世保海軍施設 佐世保艦隊基地隊(B) 第7艦隊(B) 厚木飛行場 厚木航空基地隊(B) 第5空母航空団(B) 横須賀海軍施設 在日米海軍司令部 横須賀艦隊基地隊(B) 第7艦隊(B) キャンプ座間 在日米陸軍司令部 第1軍団(前方)(A) 横田飛行場 在日米軍司令部 第5空軍司令部(C) 第374空輸航空団(C) ○凡例 在日米陸軍(A) 在日米海軍(B) 在日米空軍(C) 在日米海兵隊(D) トリイ通信施設 第10支援群(A) 第1特殊部隊群(空挺)第1大隊(A) 嘉手納飛行場 第18航空団(C) 沖縄艦隊基地隊(B) 対哨戒機中隊(B) 第1-1防空砲兵大隊(A) キャンプ瑞慶覧 第1海兵航空団 司令部(D) 牧港補給地区 第3海兵 後方支援群 司令部(D) 嘉手納弾薬庫地区 普天間飛行場 第36海兵航空群(D) ホワイト・ビーチ地区 港湾施設(B) 貯油施設(B) キャンプ・コートニー 第3海兵機動展開部隊司令部 第3海兵師団司令部(D) キャンプ・シュワブ 第4海兵連隊(歩兵)(D) 北部訓練場 キャンプ・ハンセン 第12海兵連隊(砲兵)(D) 第31海兵機動展開隊司令部(D) 伊江島補助飛行場

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米地位協定を実施するために国有の財産である施設等を在日米軍の用に供する必要 があるときは、無償で当該施設等の使用を許すことができるとされている。 また、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基 づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴 う土地等の使用等に関する特別措置法」(昭和27年法律第140号)によれば、在日米 軍の用に供するため民有地及び公有地(以下、これらを合わせて「民公有地」とい う。)等を必要とする場合において、当該民公有地等を在日米軍の用に供すること が適正かつ合理的であるときは、使用又は収用することができることとされている。 そして、施設等を在日米軍の用に供するために、日米両政府は、日米合同委員会 において施設等に係る工事の実施を合意(以下、この合意を「工事の実施に係る合 意」という。)することとなっており、その後の施設等の在日米軍への受渡しまで の手続は次のとおり行われている。 (ア) 施設等が国有財産の場合 国有財産法(昭和23年法律第73号)等によれば、国有財産は、国の事務、事業 等の用に供することなどを目的とした行政財産と行政財産以外の普通財産に分類 することとされている。 提供施設等は、国の事務、事業等の用に供するものではないことから、原則と して国有財産のうち普通財産に分類されるが、行政財産に近い性格を有するもの とされている。 そして、合衆国政府に対する国有財産の提供等に関する手続については、「在 日合衆国軍隊の用に供する国有財産の取扱について」(平成13年財理第1322号) 等により、おおむね次のとおり行うものとされている。すなわち、施設等の工事 の実施に係る合意を経た後に、地方防衛局が当該施設等に係る工事を発注し、当 該施設等の工事完了後、当該施設等を提供することについて現地の在日米軍と合 意が整った後、地方防衛局から防衛省内部部局に対する上申を経て、当該施設等 の合衆国政府への提供について、日米合同委員会において合意(以下、この合意 を「施設等の提供のための合意」という。)することとされている。 施設等の提供のための合意の後、日本国政府は、合衆国政府と施設等の提供に 係る協定を締結し、同協定の締結後、防衛省地方防衛局長及び地方防衛支局長 (長崎防衛支局長を除く。以下、これらを合わせて「地方防衛局長等」とい

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う。)が財務省財務局長(以下「財務局長」という。)に対して施設等の引継ぎ を行う。地方防衛局長等は、当該施設等について、在日米軍のための使用の承認 を財務局に申請し、財務局長の承認を得ることとされている。また、他省が所管 する国有財産についても、地方防衛局長等は、在日米軍のための使用の承認を当 該財産を所管する部局等に申請することなどとされている。そして、上記の施設 等に係る財産の異動及び現況を常に明らかにし、財産管理の適正を期さなければ ならないことなどとされている。 (イ) 施設等が民公有地等の場合 在日米軍の用に供する民公有地等については、「駐留軍の用に供する土地等の 買収等の手続に関する訓令」(平成19年防衛省訓令第98号)によれば、①買収を 条件として提供に応じたものに係る土地等の提供を決定したとき、②将来返還と なった場合においても、防衛施設等の国の施設として活用が可能な土地等で買収 することが妥当であると認められるときなどの場合は、地方防衛局長等が当該民 公有地等を買収することとされているが、それ以外の場合は、借り上げることと されている。 そして、賃貸借契約の締結後、提供施設等として在日米軍の用に供されること となっている。 ウ 提供施設等に係る返還の手続 (ア) 提供施設等に係る返還の合意までの手続 日米地位協定第2条等の規定によれば、日本国政府が施設分科委員会に対して提 供施設等の返還を要請した後、合衆国政府が提案する返還条件に係る調整や施設 分科委員会から付託を受けた日米合同委員会において返還の合意(以下「提供施 設等に係る返還の合意」という。)が行われることとされている。なお、当該提 供施設等が民公有地等の場合は、所有者等から返還申請書の提出を受けた上で提 供施設等の返還を要請することとなっている。 (イ) 提供施設等に係る返還の合意後の措置 「駐留軍から返還された民公有土地等の引渡し等に関する訓令」(平成19年防 衛省訓令第75号)によれば、日米合同委員会において提供施設等に係る返還の合 意が行われたときは、地方防衛局が、当該民公有地等の土壌汚染の蓋然性及び実 弾、演習弾等の危険物の有無の調査並びに発見された土壌汚染等の処理を行った

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上で、提供施設等として使用されていた当該民公有地等を所有者等に引き渡すこ ととされている。そして、返還から引渡しまでの間、当該民公有地等の使用がで きなかったことによる損失については、所有者等にその期間における賃借料相当 額(以下「補償金」という。)が支払われることとなっている。 また、提供施設等の多くが所在する沖縄県内の土地の返還に当たっては、「沖 縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法」 (平成7年法律第102号)によれば、日米合同委員会における当該土地に係る返還 の合意が行われた場合、事前に沖縄県知事及び関係市町村の長の意見を聴取した 上で、返還実施計画を定めることとされている。そして、当該土地の所有者等に 対して、補償金が支払われるほか、引渡日以降、所有者等が当該土地を使用せず、 かつ、収益していない場合に、所有者に対して3年間を限度として給付金が支給さ れることなどとされている。なお、沖縄県及び関係市町村は、返還後の跡地の有 効かつ適切な利用を推進するため必要な跡地の利用に関する整備計画(以下「跡 地利用計画」という。)の策定その他の措置を講ずるように努めなければならな いこととされている。 (3) SACO最終報告等及び在日米軍再編の概要 沖縄に駐留する在日米軍(以下「在沖縄駐留米軍」という。)に関する沖縄県民の 負担の軽減及び在日米軍の再編の取組に関する日米両政府における主な合意の内容は、 次のとおりである。 ア SACO最終報告による合意内容 在沖縄駐留米軍に関する沖縄県民の負担を軽減し、これにより日米同盟関係を強 化することを目的として7年11月に設置された「沖縄に関する特別行動委員会」(S pecial Action Committee on Okinawa。以下「SACO」という。)は、8年12月に、 日米両政府の合意に基づく報告書(以下、同時に公表された普天間飛行場に関する 附属文書を含めて「SACO最終報告」という。)を公表した。 SACO最終報告には、①普天間飛行場に代わる提供施設等(以下「普天間飛行 場代替施設」という。)の検討を行い、十分な代替施設が完成し運用可能になった 後に同飛行場を返還すること、②北部訓練場等10提供施設等について条件が満たさ れた後に全部又は一部を返還すること、③在沖縄駐留米軍が実施する沖縄県道104号 線越え実弾射撃訓練を沖縄県外へ移転すること、④パラシュート降下訓練を伊江島

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補助飛行場へ移転すること、⑤普天間飛行場に配備されている空中給油機KC-130 を岩国飛行場へ移駐すること、⑥嘉手納飛行場の海軍駐機場を同飛行場内の別の箇 所に移転することなどの事項が盛り込まれた。 この結果、SACO最終報告に基づき返還されることとなる提供施設等の土地面 積は、国有財産及び民公有地を合わせて計約50k㎡となり、昭和47年の沖縄の復帰か ら平成8年のSACO最終報告の公表までの24年間に返還された提供施設等の土地面 積の累計約43k㎡を上回ることとなるとされている。 そして、これらの措置に必要となる経費については、同年12月の閣議決定「沖縄 に関する特別行動委員会の最終報告に盛り込まれた措置の実施の促進について」に おいて「経費面を含め、政府全体として十分かつ適切な措置を講ずること」とされ、 「SACO関係経費」として平成8年度補正予算以降の予算に計上されている。 イ ロードマップによる合意内容 大量破壊兵器を用いたテロ攻撃等、従来にない脅威の増大等の世界情勢の変遷に 伴い、合衆国軍隊の再編等の検討が進められて、在日米軍も再編されることとなっ た。そして、18年5月に、日米両政府は、在日米軍の再編に関して在日米軍との連携 が期待される自衛隊を含めた具体的な計画について合意した上、「再編実施のため の日米ロードマップ」(以下「ロードマップ」という。)を公表した。 ロードマップには、①普天間飛行場代替施設をキャンプ・シュワブ区域に設置す ること(SACO最終報告の事項①)、②普天間飛行場代替施設を設置するために、 キャンプ・シュワブの施設及び隣接する水域の再編成等の必要な調整が行われるこ と(以下「キャンプ・シュワブ再編成」という。)、③在沖縄米海兵隊の第3海兵機 動展開部隊の要員約8,000名及び家族約9,000名を沖縄からグアムに移転すること (以下、この移転に係る一連の計画を「グアム移転計画」という。)、④キャンプ 桑江等6提供施設等について、条件が満たされた後に全部又は一部を返還すること (SACO最終報告の事項①及び②の一部)、⑤航空自衛隊航空総隊司令部等を同 自衛隊府中基地から横田飛行場に移転すること、⑥普天間飛行場に配備されている 空中給油機KC-130を岩国飛行場へ移駐すること(SACO最終報告の事項⑤)、 ⑦空母艦載機部隊であるアメリカ合衆国海軍(以下「合衆国海軍」という。)の第 5空母航空団を厚木飛行場から岩国飛行場に移駐することなどが盛り込まれた。 また、ロードマップによれば、これらの在日米軍の再編案の実施における施設整

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備に要する建設費等は、特に明示されない限り日本国政府が負担することとされた。 一方、グアム移転計画に関しては、必要となる施設及び基盤の整備に係る費用の見 積額102.7億米ドルのうち、日本国政府が60.9億米ドルを提供することとされ、そ(注5) (注6) のうち日本国政府が分担する直接的な財政支援(以下「グアム移転資金」とい う。)は、28億米ドルを上限とすることとされた。その結果、残額の32.9億米ドル(注7) (注8) は出融資で対応することとなった。 そして、これらの措置に必要となる経費については、同年5月の閣議決定「在日米 軍の兵力構成見直し等に関する政府の取組について」において「経費面を含め、再 編関連措置を的確かつ迅速に実施するための措置を講ずること」とされ、「米軍再 編関係経費」として平成18年度補正予算以降の予算に計上されている。 (注5) 102.7億米ドル 当該見積額について日米間で合意した額は米貨額のみ であり、邦貨額では合意していない。便宜上、当該米貨額をロード マップ公表時の平成18年度の支出官レート(支出官事務規程(昭和 22年大蔵省令第94号)に規定された外国貨幣換算率。1米ドル111 円)で邦貨換算すると、1兆1399億余円となる。 (注6) 60.9億米ドル 平成18年度の支出官レートで邦貨換算すると6759億余 円 (注7) 28億米ドル 平成18年度の支出官レートで邦貨換算すると3108億円 (注8) 32.9億米ドル 平成18年度の支出官レートで邦貨換算すると3651億余 円 なお、SACO最終報告に記載された事項のうち、ロードマップにおいて上書き されたSACO最終報告の①、②及び⑤の3事項については、在日米軍の再編に係る 事業(以下「在日米軍再編事業」という。)の一部に引き継がれて取り組まれるこ ととされた(以下、これらを合わせて「SACO再編引継3事項」という。)。 SACO最終報告に記載された主な事項についてその経緯を示すと、図表4のとお りである。

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図表4 SACO最終報告に記載された主な事項の経緯 年 月 経 緯 平成 7年11月 SACOの設置 8年12月 SACO最終報告の取りまとめ及び公表 ①普天間飛行場代替施設の完成、運用開始後の普天間飛行場の返還 ②①を除く北部訓練場、キャンプ桑江等10提供施設等の返還 ③沖縄県道104号線越え実弾射撃訓練の沖縄県外への移転 ④パラシュート降下訓練の伊江島補助飛行場への移転 ⑤普天間飛行場の空中給油機KC-130の岩国飛行場への移駐 ⑥嘉手納飛行場における海軍駐機場の移転 等 9年 7月 SACO最終報告に基づく③の沖縄県道104号線越え実弾射撃訓練 の沖縄県外への移転の開始 12年 7月 SACO最終報告に基づく④の伊江島補助飛行場におけるパラシュ ート降下訓練の開始 18年 5月 ロードマップの取りまとめ及び公表 SACO最終報告のうち、次のSACO再編引継3事項が在日米軍 再編事業としてロードマップに引き継がれた。 ・普天間飛行場代替施設の設置(8年12月の①の関連) ・キャンプ桑江等6施設の返還関係事項(8年12月の①及び②の関 連) ・空中給油機KC-130の岩国飛行場への移駐(8年12月の⑤の関 連) 12月 SACO最終報告に基づく②の一部(楚辺通信所及び読谷補助飛行 場の全面返還)の実施 23年 7月 SACO最終報告に基づく②の一部(ギンバル訓練場の全面返還) の実施 26年 8月 SACO最終報告及びSACO最終報告を引き継いだロードマップ に基づく⑤普天間飛行場の空中給油機KC-130の岩国飛行場への移 駐の完了 28年12月 SACO最終報告に基づく②の一部(北部訓練場の過半の返還)の 実施 29年 3月 SACO最終報告に基づく⑥嘉手納飛行場における海軍駐機場の移 転の完了 ウ グアム協定等による合意内容 ロードマップを受け、21年2月に、日米両政府は、グアム移転計画に係る日米両政 府が分担する財源等に関して、「第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄 からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協 定」(以下「グアム協定」という。)に署名した。グアム協定第1条第2項の規定に 基づき、日本国政府によるグアム移転計画に係る各年度のグアム移転資金の提供額 については、日本国の各会計年度において日米両政府が締結する別途の取極(交換 公文)に記載されること、グアム協定第4条の規定に基づき、合衆国政府は、日本国 政府が提供したグアム移転資金及び当該資金から生じた利子を、グアムにおける施

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設等を整備する移転のための事業にのみ使用することとされた。また、グアム協定 第7条の規定に基づき、①グアム移転資金から日本国の同一の会計年度中に拠出され た全ての個別の事業に係る全ての契約終了後に未使用残額がある場合、合衆国政府 は、日本国政府に対して未使用残額を返還すること、②合衆国政府は、日本国政府 に対して、毎月、グアム移転資金の提供を受けた合衆国政府財務省勘定の取引に関 する報告書(以下「グアム移転資金取引報告」という。)を提出することなどとさ れた。 その後、24年4月の日米安全保障協議委員会の共同発表において、約9,000人の在 (注9) 沖縄米海兵隊の要員がその家族とともに沖縄から日本国外に移転すること、日本国 政府が負担することとされた経費のうち出融資を利用しないことなどが確認され、 グアム移転計画が見直された。これらを踏まえ、日米両政府は、25年10月に、①グ アム移転の施設及び基盤の整備に係る費用の暫定的な見積額を合衆国の2012会計年 度米ドルで86億米ドルとし、このうち日本国政府が分担するグアム移転資金の上限(注10) (注11) 額を合衆国の2008会計年度米ドルで28億米ドルとすること、②グアム移転資金の使 用目的に、北マリアナ諸島連邦における施設及び基盤の整備を追加すること(以下、 米海兵隊の第3海兵機動展開部隊等のグアム移転計画に係る一連の事業を「グアム移 転事業」という。)などのグアム協定を改正する議定書に署名した。 (注9) 日米安全保障協議委員会 日米安全保障条約に基づき、日米両政府間 の理解の促進に役立ち、及び安全保障の分野における協力関係の強 化に貢献するような問題で安全保障の基盤をなし、かつ、これに関 連するものについて検討することを目的として、昭和35年1月に設置 された会議。現在の構成員は、日本国政府が外務大臣及び防衛大臣 であり、合衆国政府が国務長官及び国防長官となっている。「日米 2+2会合」と呼ばれることもある。 (注10) 会計年度米ドル 合衆国の当該会計年度における米貨額 (注11) 86億米ドル 当該見積額について日米両政府間で合意した額は米貨額 のみであり、邦貨額では合意していない。便宜上、当該米貨額を日 米安全保障協議委員会の共同発表時の平成24年度支出官レート(1 米ドル81円)で邦貨換算すると6966億円となる。 エ 統合計画による合意内容 ロードマップにおける在沖縄駐留米軍の提供施設等の統合を具体的に実施するた めに、日米両政府は、25年4月に、その詳細な計画について合意した上で、「沖縄に おける在日米軍施設・区域に関する統合計画」(以下「統合計画」という。)を公 表した。 統合計画には、在沖縄駐留米軍のうち、移設の対象とする在日米軍の提供施設等

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名、移設先、移設手順、移設後に不要となる土地等の返還条件、返還目標年度等が 記載されている。これらのうち移設手順には、日米合同委員会による合意、当該土 地に対する文化財の発掘調査、当該施設等の移設工事等の返還に至るまでの工程が 記載されている。 2 検査の観点、着眼点、対象及び方法 (1) 検査の観点及び着眼点 日本国政府は、日米安全保障条約、日米地位協定、特別協定等に基づき、日本国の 安全に寄与するなどのために、日本国政府の負担の下、日本国内の施設等を合衆国政 府に提供するなどしており、在日米軍が日本国内各地に配置されている。 また、日本国政府の負担の下に、在沖縄駐留米軍に関する沖縄県民の負担を軽減す ることを目的としたSACO最終報告に基づく事業(以下「SACO事業」とい う。)が平成8年度補正予算から、また、ロードマップ等に基づく普天間飛行場代替施 設の建設やグアム移転事業等の在日米軍再編事業が平成18年度補正予算から、それぞ れ実施されている。 これらの在日米軍の駐留及び再編等に関して日本国政府が負担している在日米軍関 係経費の予算額は、26年度以降増加しており、平成29年度当初予算は、5874億余円に 上るなど、毎年度多額となっている。 そして、会計検査院は、従来、在日米軍関係経費について検査を実施し、これまで にも累次、その結果を検査報告に掲記している(別表11参照)。 そこで、在日米軍関係経費の執行状況等について、正確性、合規性、経済性、有効 性等の観点から、次の点に着眼するなどして検査した。 ア 在日米軍関係経費の決算の状況はどのように推移しているか。 イ 在日米軍に対する提供施設等の受渡しや返還に対応して、国有財産の提供や関係 経費の支出が法令に基づき適切に行われているか。 ウ 「在日米軍駐留経費負担」の大半を占める労務費等の支払等は適切に行われてい るか。 エ 「SACO関係経費」及び「米軍再編関係経費」の予算は適切に執行され、SA CO事業及び在日米軍再編事業の実施に伴い取得した土地等の国有財産は関係法令 に従って適切に管理されているか。 オ 「SACO関係経費」及び「米軍再編関係経費」に関して、関連する市町村に交

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付される交付金により整備された施設や実施された事業等はそれぞれの目的を達成 するものとなっているか。 (2) 検査の対象及び方法 検査に当たっては、23年度から28年度までの間の在日米軍関係経費の決算、28年度 末の全国の78提供施設等に係る国有財産等を対象として、計算証明規則(昭和27年会 計検査院規則第3号)等に基づき防衛省から提出を受けた証拠書類等のほか、提供施設 等の返還状況等に係る調書等の提出を求め、これらを分析するとともに、防衛省内部 部局、8防衛局及び機構において、関係資料の提出を受けた上で説明を聴取するなど (注12) して会計実地検査を行った。 さらに、8年12月に公表されたSACO最終報告を契機に、従前と比較して、提供施 設等が国有財産及び民公有地を合わせて大規模に返還されることになったことに鑑み、 8年度以降の事業の実施状況等についても聴取するなどして検査した。 (注12) 8防衛局 北海道、東北、北関東、南関東、近畿中部、中国四国、九州、 沖縄各防衛局 3 検査の状況 (1) 在日米軍関係経費の決算の状況 在日米軍関係経費に係る8年度から28年度までの各年度の支出済歳出額について、財 務省が毎年度公表している「決算の説明」から、在日米軍関係経費に関係する計数を 集計することにより示すと、図表5のとおり、4718億余円(19年度)から6205億余円 (28年度)までの間を推移し、25年度以降は毎年度増加していて、28年度は過去最高 となっている。 このうち「在日米軍の駐留に関連する経費」は、11年度の5424億余円をピークに減 少してきており、近年では4286億余円(24年度)から4590億余円(28年度)までの間 で増減を繰り返している。また、「SACO関係経費」は、15年度の389億余円をピー クに減少傾向にあるのに対して、「米軍再編関係経費」は、18年度の在日米軍再編事 業の開始以降、その進捗に伴って増加傾向となっており、28年度は19年度(140億余 円)の約11倍である1557億余円と過去最高となっている。ただし、「在日米軍の駐留 に関連する経費」のうち「周辺対策」「施設の借料」及び「その他(漁業補償等)」 の3経費について、自衛隊施設に関連する経費が図表5においては一部含まれており、 在日米軍関係経費のみを集計したものとはなっていない。

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図表5 「決算の説明」における計数を集計した在日米軍関係経費の決算(支出済歳 出額)の推移(平成8年度~28年度) (単位:百万円) 注(1) 経費名中の「I」「Ⅱ」「Ⅲ」の符号は図表2中の符号と対応している。なお、 「1」は図表2のⅠ①の部分、「2」はⅠ②の部分に相当する。 注(2) 平成26年度予算以前の枠組みは、平成27年度予算以降の枠組みとは異なっている ため、平成27年度予算以降の枠組みに組み替えて決算の計数を集計している。 注(3) 自衛隊施設に関連する経費が一部含まれており、全てが在日米軍関係経費とはな っていない。一方、別表3のⅠ2.(1)、(2)及び(4)は、在日米軍に直接関連する経費 のみを示すため、自衛隊施設に関連する経費を除いており、別表3と本図表の平成23 年度から28年度までの計数は異なっている。 注(4) 図表2のⅠ②「その他(漁業補償等)」には含まれている(組織)地方防衛局に係 る計数は、本図表においては含まれていない。 注(5) 「決算の説明」では、「SACO関係経費」及び「米軍再編関係経費(地元負担 軽減に資する措置)」の内訳は示されていない。 534,777 534,166 540,183 542,407 540,790 524,634 523,228 273,739 268,324 265,528 271,775 271,462 247,529 254,068 151,563 153,645 154,849 149,915 145,788 141,618 135,541 96,654 101,299 106,232 107,536 110,440 113,710 115,941 346 240 1,719 1,746 2,321 4,706 1,748 12,475 10,658 11,855 11,435 10,779 17,071 11,078 - - - - - - 4,852 213 9,279 16,248 22,475 21,467 28,207 26,156 534,990 543,445 556,431 564,882 562,257 552,841 549,384 512,539 506,771 503,363 474,246 440,469 450,152 484,563 243,368 239,085 238,190 222,762 208,577 205,175 207,806 136,803 134,260 127,341 118,009 98,827 113,085 140,078 116,230 116,752 118,836 117,686 118,015 118,857 119,453 355 788 639 2,561 2,402 2,490 4,041 11,074 11,294 13,835 8,921 8,464 6,778 9,529 4,709 4,592 4,522 4,307 4,184 3,767 3,656 38,974 31,702 33,536 28,747 17,330 17,356 9,983 Ⅲ - - - 891 14,041 34,920 57,436 551,513 538,473 536,899 503,884 471,840 502,428 551,982 455,520 434,200 428,647 443,682 445,266 444,142 459,011 192,613 186,313 183,678 184,279 180,385 182,405 191,177 131,891 115,308 109,312 125,006 125,188 123,395 128,126 119,642 121,636 125,089 124,425 127,704 125,946 127,099 713 174 232 554 1,472 610 2,221 7,173 7,373 7,133 6,278 7,228 7,457 7,296 3,488 3,396 3,203 3,140 3,289 4,329 3,092 20,098 12,039 8,113 6,477 10,575 9,222 5,797 Ⅲ 65,789 49,918 50,219 69,867 125,093 138,910 155,723 541,407 496,157 486,979 520,026 580,934 592,274 620,531 計 計 計 Ⅱ SACO関係経費 注(5) 2(4)その他(漁業補償等) 注(3)、注(4) 米軍再編関係経費(地元負担軽減に資する措置)注(5) 2(5)独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構運営費 2(2)施設の借料 注(3) 2(3)リロケーション 2(1)周辺対策 注(3) Ⅰ 在日米軍の駐留に関連する経費 1 在日米軍駐留経費負担 経 費 名  注(2) 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 2(5)独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構運営費 Ⅱ SACO関係経費 注(5) 米軍再編関係経費(地元負担軽減に資する措置)注(5) 2(2)施設の借料 注(3) 2(3)リロケーション 2(4)その他(漁業補償等) 注(3)、注(4) 2(1)周辺対策 注(3) 1 在日米軍駐留経費負担 Ⅰ 在日米軍の駐留に関連する経費 19年度 20年度 21年度 2(5)独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構運営費 Ⅱ SACO関係経費 注(5) 経 費 名  注(2) 15年度 16年度 17年度 18年度 2(2)施設の借料 注(3) 2(3)リロケーション 2(4)その他(漁業補償等) 注(3)、注(4) 2(1)周辺対策 注(3) Ⅰ 在日米軍の駐留に関連する経費 1 在日米軍駐留経費負担 13年度 14年度 経 費 名  注(2) 8年度平成 9年度 10年度 11年度 12年度

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在日米軍関係経費について、図表2等のとおり、防衛省は、国民に分かりやすく示す ことを目的として、当初予算額に基づく経費の構成を公表しているものの、支出済歳 出額に基づく決算は示していない。そこで、会計検査院において、在日米軍関係経費 について、防衛省から提出を受けた資料に基づき、23年度から28年度までの経費別の 決算(支出済歳出額計2兆7462億余円)の内訳及び予算(歳出予算現額)との比較を示 すと次のとおりとなっている(各経費の予算科目等の概要は別表2-1~別表2-4参照、 支出済歳出額等は別表3-1~別表3-6参照)。 ア 在日米軍の駐留に関連する経費 図表2のとおり、「在日米軍の駐留に関連する経費」(Ⅰ)には、「在日米軍駐留 経費負担」(図表2のⅠ①)、在日米軍の行為等により生ずる障害の防止等のために 必要な措置を講ずる「周辺対策」、提供施設等のうち民公有地等の所有者等に支払 う「施設の借料」等(以下、これらを合わせて「周辺対策、施設の借料等」という。 図表2のⅠ②)がある(「在日米軍駐留経費負担」に係る各経費の予算科目等の概要 は別表2-1参照)。 (ア) 在日米軍駐留経費負担(図表2のⅠ①) a 在日米軍駐留経費負担の内訳 「在日米軍駐留経費負担」のうち、日米地位協定第24条の規定に基づき日本 国政府が自主的に負担することとしている経費には、「提供施設整備(FI P)」及び「労務費(福利費等)」があり、昭和53年度以降、それぞれ内容が 追加されてきている。このほか、特別協定に基づき日本国政府が負担すること としている経費「特別協定による負担」がある。これらの概要は、次のとおり である。 (a) 提供施設整備(FIP) 「提供施設整備(FIP)」は、提供施設等の整備に要する費用を負担す るための経費であり、54年度以降、毎年度の予算に計上されている。 (b) 労務費(福利費等) 「労務費(福利費等)」は、労務費のうち、社会保険料等の事業主負担分、 福利厚生関係費、安全衛生費、管理費及び給与費を負担するための経費であ り、53年度以降、毎年度の予算に計上されている。 (c) 特別協定による負担

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「特別協定による負担」には、「労務費(基本給等)」「光熱水料等」及 び「訓練移転費(NLP)」がある。 ⅰ 労務費(基本給等) 「労務費(基本給等)」は、特別協定第1条等の規定に基づき、労務費の うち基本給等、日本国政府が負担することとしている経費である。駐留軍 等労働者の給与体系は、民間に準拠している国家公務員の給与体系を基礎 としており、駐留軍等労働者に支払われる給与に含まれる各種手当のうち、 調整手当(平成18年度からは地域手当)、夏季手当、年末手当、退職手当 等の8項目は昭和62年度以降、また、基本給及びその他の36項目は平成3年 度以降、毎年度の予算にそれぞれ計上されている(うち、年度末手当につ いては、15年度に廃止されたため、28年度においては計43項目となってい る。)。 なお、労務費のうち、特別協定に基づき日本国政府が負担することとし ている上限額を超える分については、日米地位協定第24条第1項の規定に基 づき合衆国政府の負担となる。 ⅱ 光熱水料等 「光熱水料等」は、特別協定第2条等の規定に基づき、在日米軍が日本国 内において公用のため調達する光熱水料等のうち日本国政府が負担するこ ととしている経費であり、3年度以降、毎年度の予算に計上されている。 ⅲ 訓練移転費(NLP) 「訓練移転費(NLP)」は、特別協定第3条等の規定に基づき、日本国 政府が負担することとしている訓練移転費のうち、「厚木飛行場で実施し ていた空母艦載機による離着陸訓練の硫黄島への移転」に係るものであり、 (注13) 8年度以降、毎年度の予算に計上されている。

(注13) 空母艦載機による離着陸訓練 FCLP(Field Carrier Landing P

ractice)といい、空母に所属する航空機(空母艦載機)が空母に 安全に着艦できるよう操縦士の練度を維持するために、飛行場の滑 走路の一部を空母に見立てて実施する離着陸訓練。このうち夜間に 実施するものを夜間離着陸訓練「NLP」(Night Landing Pract ice)という。

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また、28年4月に日米両政府で締結された現行の特別協定(以下「第8次協 定」という。)では、28年度から32年度までの5年間における「労務費(基本 給等)」「光熱水料等」及び「訓練移転費(NLP)」の日本国政府による 負担額について次のとおり定められている。 ① 第8次協定第1条等の規定により、日本国政府は、「労務費(基本給 等)」について、各会計年度において別途定めた労働者数(以下「上限労 働者数」という。)を上限として、当該年度の前年度に先立つ3会計年度に おける各年度平均労働者数をもって算定した額を負担することとし、上限 労働者数については、28年度の22,735人から32年度の23,178人まで段階的 に増やしていくこと。 ② 第8次協定第2条等の規定により、日本国政府は、「光熱水料等」につい て、各会計年度において249億0190万余円を上限として、当該年度の前年度 に先立つ3会計年度における「光熱水料等」の平均に係数0.61を乗じて算定 した額を負担すること。 ③ 第8次協定第3条等の規定により、日本国政府は、「訓練移転費(NL P)」について、各会計年度において合衆国政府から提出される経費見積 りを考慮して算定し、負担すること。 b 在日米軍駐留経費負担の決算 「在日米軍駐留経費負担」に係る23年度から28年度までの支出済歳出額は、 図表6のとおり、計1兆0913億6184万余円となっている。そして、各年度の支出 済歳出額についてみると、28年度が1910億4299万余円で最大となっている。こ れは、「提供施設整備(FIP)」について、28年度に、前年度繰越額128億0 099万余円に係る執行により支出済歳出額が214億5285万余円と増加したこと (別表3-6参照)や、「特別協定による負担」のうち第8次協定第1条等の規定に 基づく日本国政府が負担する駐留軍等労働者数の増加により「労務費(基本給 等)」の支出済歳出額が増加したことなどによるものである。 また、日本国政府が負担する「光熱水料等」は、前記のとおり、特別協定に おいて上限が設定されていて、第8次協定第2条等の規定によると、各会計年度 において249億0190万余円となっている。この経費を負担するための予算科目で ある(目)合衆国軍隊特別協定光熱水料等支出金の28年度の支出済歳出額は24

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8億0932万余円となっており、20年度に負担の上限が設定されて以降初めてこれ を下回った。この下回った額9258万余円は、同(目)で執行される「訓練移転 費(NLP)」に振替が行われた。(注14) さらに、23年度から28年度までの各年度の歳出予算現額に対する支出済歳出 額の割合(以下「執行率」という。)をみると、「提供施設整備(FIP)」 については、各年度の提供施設等の整備に係る工期を翌年度に延長したことに よる予算の繰越し、契約価格が予定を下回ったことによる不用等が生じたこと などにより、50%から77%までの間で推移している。一方、その他の項目の執 行率については、100%近くのものが多いため、「在日米軍駐留経費負担」全体 では90%を超えている。 (注14) 振替 予算科目のうち同一の(目)において、他の経費(目の細分) に予算額の一部を移すこと。異なる(目)の間の流用と異なり、財 政法(昭和22年法律第31号)等に基づく手続は不要である。 図表6 在日米軍駐留経費負担の決算(平成23年度~28年度) (単位:千円) 注(1) 経費の内訳中の「Ⅰ」の符号は図表2及び図表5中の符号と、「1」の符号は 図表5中の符号とそれぞれ対応している。なお、「1」は図表2ではⅠ①の部分 に相当する。 注(2) 上段括弧書きの金額は歳出予算現額、中段は支出済歳出額、下段は執行率 である(以下、図表7から図表9までについて同じ。)。 注(3) 在日米軍の駐留に関連する事業に要した旅費、庁費等の事務費については、 本図表のどの経費として支出されたものかを区分することが困難であるため、 中段の支出済歳出額から除いている。このため、図表5のうち「在日米軍駐留 経費負担」の支出済歳出額とは一致しない(以下、図表7から図表9までにつ いて同じ。)。 平成23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 計 (185,647,149) (187,267,013) (189,697,902) (189,975,828) (197,122,992) (203,118,683) 180,428,085 176,728,511 180,719,908 180,237,569 182,204,778 191,042,993 1,091,361,847 97% 94% 95% 94% 92% 94% (21,937,038) (22,722,483) (26,147,937) (26,569,141) (29,308,160) (33,301,987) 17,023,975 12,507,665 17,890,011 17,009,844 14,658,226 21,452,852 100,542,576 77% 55% 68% 64% 50% 64% (25,310,164) (25,375,019) (25,312,964) (24,493,567) (24,996,939) (25,081,039) 25,161,746 25,219,648 24,650,955 24,411,505 24,730,760 24,854,484 149,029,100 99% 99% 97% 99% 98% 99% (138,399,947) (139,169,511) (138,237,000) (138,913,120) (142,817,893) (144,735,657) 138,242,362 139,001,197 138,178,942 138,816,220 142,815,790 144,735,657 841,790,170 99% 99% 99% 99% 99% 100% (113,123,204) (113,872,706) (112,876,223) (113,534,963) (117,557,293) (119,044,647) 113,123,204 113,872,706 112,818,197 113,534,963 117,557,293 119,044,647 689,951,010 100% 100% 99% 100% 100% 100% (24,901,908) (24,901,908) (24,901,908) (24,901,908) (24,901,908) (24,809,325) 24,901,908 24,901,908 24,901,908 24,901,908 24,901,908 24,809,325 149,318,865 100% 100% 100% 100% 100% 100% (374,835) (394,897) (458,869) (476,249) (358,692) (881,685) 217,250 226,583 458,837 379,349 356,589 881,685 2,520,295 57% 57% 99% 79% 99% 100% (4)光熱水料等 (5)訓練移転費(NLP)  経費の内訳 注(2) Ⅰの1在日米軍駐留経費負担 注(3) (1)提供施設整備(FIP) (2)労務費(福利費等) 特別協定による負担 (3)労務費(基本給等)

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(イ) 周辺対策、施設の借料等の状況(図表2のⅠ②) a 周辺対策、施設の借料等の内訳 「周辺対策、施設の借料等」の内容は、次のとおりとなっている(「周辺対 策、施設の借料等」に係る各経費の予算科目等の概要は別表2-2参照)。 (a) 周辺対策 「周辺対策」は、「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」(昭 和49年法律第101号。以下「周辺環境整備法」という。)等に基づき、在日米 軍の行為等により生ずる障害を防止し又は軽減するために必要な措置(防音 工事や民生安定施設の整備等)の実施に要する経費である。 (b) 施設の借料 「施設の借料」は、民公有地等を借り上げて合衆国政府に提供する際に、 土地等の所有者等に対して賃借料を支払うなどのための経費である。 (c) リロケーション 「リロケーション」は、提供施設等を移転して、当該提供施設等の返還を 受けるために必要となる施設の整備に係る経費である。 (d) その他(漁業補償等) 「その他(漁業補償等)」のうち「漁業補償」は、「日本国とアメリカ合 衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆 国の軍隊の水面の使用に伴う漁船の操業制限等に関する法律」(昭和27年法 律第243号)等に基づき、在日米軍が水面を使用して行う訓練等のため、法律 等により制限水域を設定し、漁業者が漁業経営上被った損失を補償するため の経費である。 「漁業補償」以外には、機構の運営費、在日米軍から返還された土地の原 状回復を行うための「返還補償」、在日米軍の用に供するための土地等の買 収等の経費がある。なお、これらの経費のほか、図表2においては、地方防衛 局に係る一般事務処理経費である(組織)地方防衛局(項)地方防衛局の全 額が「その他(漁業補償等)」に計上されている。 b 周辺対策、施設の借料等の決算 「周辺対策」に係る支出済歳出額については、図表7のとおり、23年度は545 億3959万余円であったが、28年度には688億5775万余円となっており、143億18

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15万余円増加している。このうち、市町村等が提供施設等の周辺に所在する教 育施設や住宅の防音対策事業を実施するための経費を補助するための予算科目 である(目)教育施設等騒音防止対策事業費補助金の支出済歳出額は、23年度 の342億5368万余円から28年度には437億8973万余円となっており、95億3604万 余円増加している。また、同(目)については、24年度から27年度までの間、 100億円以上の翌年度繰越額が発生している一方で、28年度における同(目)の 翌年度繰越額は28億2936万余円に減少している(別表3-1~別表3-6参照)。 「施設の借料」の支出済歳出額については、931億0909万余円(23年度)から 984億2414万余円(26年度)の間で推移しており、ほぼ一定規模の支出状況とな っている。これは、所有者等から借り上げている提供施設等の民公有地の面積 がその返還により若干減少している一方で、継続して借り上げている提供施設 等の民公有地の賃借料の単価が上昇していることによると認められる。 また、23年度から28年度までの各年度の執行率についてみると、「施設の借 料」は、年度中の所要経費を高い精度で見込めるため、96%から99%までと高 い執行率になっており、独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構運営費は、 予算額を全額支出し、翌年度に残額について国庫納付金の納付を受ける仕組み となっているため、国の支出としては毎年度100%となっている。なお、機構か らの23事業年度から28事業年度までの国庫納付金の納付額は、計7億8414万余円 となっており、23年度から28年度までの各年度の運営費交付金収入額に対する 支出額の割合をみると、92%から98%までの間で推移している。一方、「リロ ケーション」は、提供施設等の移設に係る工期が延長されることがあるため、 34%から72%までと年度ごとに異なっている。このほか、「周辺対策」は、防 音工事における補助事業者との工事日程の調整に時間を要することなどにより、 67%から90%までの間で、「その他(漁業補償等)」は、補償事案による年間 の所要経費を見込むのが困難であることなどにより、64%から84%までの間で それぞれ推移している。その結果、「周辺対策、施設の借料等」の全体では83 %から93%までの間で推移している。

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図表7 周辺対策、施設の借料等の決算(平成23年度~28年度) (単位:千円) 注(1) 経費の内訳中の「Ⅰ」の符号は図表2及び図表5中の符号と、「2」及び 「(1)」等の符号は図表5中の符号とそれぞれ対応している。なお、「2」は図表 2ではⅠ②の部分に相当する。 注(2) 図表2のⅠのうち「その他(漁業補償等)」に計上されている(組織)地方防 衛局分の経費については、在日米軍の駐留等に関連して支出されたものを特定 することが困難であることから、本図表では含めていない。 イ SACO関係経費(図表2のⅡ) (ア) SACO関係経費の内訳 「SACO関係経費」(Ⅱ)は、前記のとおり、SACO最終報告に基づく、 在沖縄駐留米軍に関する沖縄県民の負担を軽減するために実施する土地返還、訓 練移転等のためのSACO事業を実施するための経費であり、平成8年度補正予算 以降、毎年度の予算に計上されている。ただし、SACO事業のうち、SACO 再編引継3事項については、予算上も「SACO関係経費」から「米軍再編関係経 費」に引き継がれ、平成18年度補正予算以降、「米軍再編関係経費」の一部とし て毎年度の予算に計上されている(「SACO関係経費」に係る各経費の予算科 目等の概要は別表2-3参照)。これらの概要は、次のとおりである。 a 土地返還のための事業等 「土地返還のための事業」等は、SACO最終報告に記載された「土地返還 のための事業」「訓練改善のための事業」及び「騒音軽減のための事業」に係 る経費である。 このうち、「土地返還のための事業」は、普天間飛行場、北部訓練場の過半 等の土地の返還を受けるために必要な代替施設等の整備(これらのうち普天間 平成23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 計 (173,010,934) (189,272,209) (198,077,064) (196,999,867) (190,930,465) (187,282,743) 155,809,662 158,067,256 167,681,510 171,977,758 172,220,322 176,017,772 1,001,774,281 90% 83% 84% 87% 90% 93% (69,604,929) (80,691,084) (90,494,006) (87,731,042) (83,450,301) (76,150,785) 54,539,593 54,193,292 65,109,266 64,655,679 66,490,729 68,857,752 373,846,313 78% 67% 71% 73% 79% 90% (94,273,395) (99,233,638) (97,396,598) (98,519,406) (96,766,607) (98,703,091) 93,109,099 96,149,737 95,371,512 98,424,140 96,439,547 97,560,993 577,055,032 98% 96% 97% 99% 99% 98% (279,835) (537,484) (1,619,600) (2,080,013) (846,204) (3,907,158) 174,185 232,438 554,377 1,472,819 610,253 2,221,990 5,266,066 62% 43% 34% 70% 72% 56% (5,455,944) (5,606,140) (5,426,000) (5,379,658) (5,537,517) (5,429,255) 4,589,954 4,287,925 3,505,492 4,135,373 4,349,955 4,284,582 25,153,283 84% 76% 64% 76% 78% 78% (3,396,829) (3,203,862) (3,140,860) (3,289,746) (4,329,836) (3,092,452) 3,396,829 3,203,862 3,140,860 3,289,746 4,329,836 3,092,452 20,453,585 100% 100% 100% 100% 100% 100% (5) 独立行政法人駐留軍等労 働者労務管理機構運営費 経費の内訳 Ⅰの2周辺対策、施設の借料等 (1) 周辺対策 (2) 施設の借料 (3) リロケーション (4) その他(漁業補償等)注(2)

参照

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